優利加の「生涯現役のトレード日記」
やはりイスラエルはイラン攻撃を開始した!
06月14日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +101.85 @42,968, NASDAQ +46.61 @19,662, S&P500 +23.02 @6,045.26)。ドル円為替レートは143円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が291に対して、下落銘柄数は1,303となった。騰落レシオは97.97%。
TOPIX -27 @2,756
日経平均 -339円 @37,834円
米国では、前日の消費者物価指数(CPI)に続き、5月生産者物価指数(PPI)も予想を下回る伸び(前月比+0.1%<予想+0.2%)となり、物価上昇懸念が後退した。米10年債利回りは前日の4.414%から4.365%へ低下した。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ期待が高まり、株価を支えた。オラクルの決算及びAI需要見通しが予想以上に強かったため、株価は一時15%近く上昇した。主要3株価指数は揃って上げた。
本日6月13日の東京市場では、イスラエルがイランの核施設を含む十数か所の軍事目標への第一段階の攻撃を完了したと報じられた。この軍事作戦はこれで終わりでなく、まだ続くとイスラエル政府は公式発表した。地政学リスクが一挙に高まり、売りが殺到した。リスクオフ相場となり、日経平均の下げ幅は一時600円を超えた。外為市場では「低リスク通貨」とされる円が買われて円高ドル安が進行した。さらに米トランプ大統領は輸入車に対する関税を現行よりもさらに引き上げることを示唆した。イランは世界の原油供給の約2割が通過するホルムズ海峡に大きな影響力を持つため、地政学リスクの高まりを反映して原油価格が急騰した。米原油相場指標のWTI先物は一時14%高の1バレル77ドル台後半まで急上昇したが、これは約5年ぶりの上昇率だった。原油高は米国も含め世界のインフレ率を高める。ただでさえ、トランプ大統領の脅しにもかかわらずトランプ政権の高関税政策の物価に対する悪影響を見極めようと慎重姿勢を崩さず追加利下げに動かないFRBは、原油価格の上昇、或いは高止まりが継続すれば、追加利下げには踏み切れない。それに対する株式相場の反応は強い売りとなるはずだ。このシナリオは、イスラエルのイラン攻撃がどれくらいの規模でどれくらい長く続くか、また、イラン側の反撃がどの程度の規模になるか次第で大きく異なる。
日経平均の日足チャートを見ると、横向きだった10日及び25日移動平均線を一気に下に突き抜けて下方向に放れた。当面の目標として6月2日の安値@37,321円が下値支持線として意識されるが、これが持ちこたえるかどうか。
33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、繊維製品(2位)、サービス(3位)、化学(4位)、輸送用機器(5位)となった。
またまた、TALO(Tramp Always Lashes Out)!
06月13日
昨日の米国株式相場は小幅反落した(DJIA -1.10 @42,865.77, NASDAQ -99.11 @19,615.88, S&P500 -16.57 @6,022.24)。ドル円為替レートは143円台前半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が574に対して、下落銘柄数は986となった。騰落レシオは108.4%。東証プライムの売買代金は3兆7650億円。
TOPIX -6 @2,783
日経平均 -248円 @38,173円
米国では、5月米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回った(前月比+0.1%<予想+0.2%;前年比+2.4%<同予想+2.5%)。これにより米連邦準備制度(FRB)の利下げ期待が高まり株価は上げて始まった。ただ、S&P500は今年2月に付けた史上最高値に迫るほど既に高くなっていることや、ほぼ大筋では合意に至った閣僚級の米中貿易協議が双方の首脳による最終承認を待っていることから、様子見も強まった。市場予想を下回るCPIの伸びを結果を反映して、米10年債利回りは前日の4.474%から4.422%へ低下した。その結果、外為市場では円相場は円高ドル安方向へ動いた。
本日6月12日の東京市場では、米国市場でハイテク株が売られた流れから、主力の半導体関連銘柄が売り優勢となり、さらに円高ドル安の動きから自動車株も売られた。日経平均の下げ幅は一時300円を超えた。
米関税政策を巡る不透明感が再燃した。米トランプ大統領は一方的に関税率を設定して、今後1〜2週間以内に各国へ通知すると述べた。また、関税引き下げ交渉の延長には否定的な考えを示した。他方、中国は米国の自動車メーカーや製造業者向けのレアアース(希土類)輸出許可に6か月の制限を設けると報じられた。今回もいつものように、TALO(Tramp Always Lashes Out. トランプはいつも暴言を吐く)からTACO(Tramp Always Chickens Out. トランプはいつも最後は怖気づいて尻込みする)となるとの見方が主流ではあるものの、東京市場では、米中の関係改善は期待していたほど進んでいないとの見方が多くなり、株式相場の上値を抑えた。
他に留意しておくべき株価材料は次の通り。
《悪いニュース》
(1)6月12日に発表された4〜6月期法人企業調査で、大企業全産業の景気判断指数は5四半期ぶりにマイナスに転じた。
(2)イスラエルがイランに武力攻撃をする準備が整い、米国は中東地域に駐留する政府職員と兵士家族を退避させ始めたと米CBSテレビが報道した。
《良いニュース》
(1)高水準の自社株買いが続いている。
(2)6月12日発表の投資部門別株式売買動向によると、外国人投資家による日本株の1000億円以上の大幅買い越しが10週連続で続いている。過去最長は2013年3月までの18週連続で、これが「アベノミクス相場」の初動だった。
(3)2024年末比でドル建て東証株価指数(TOPIX)は10%上昇しており、米国の指標であるS&P500の2%をはるかにアウトパフォームしている。
日経平均の日足チャートを見ると、寄り付いてからは売りに押され陰線で終えた。これで重要な上値抵抗線を上抜けできず、その目前で3日連続陰線となった。10、25、60日の各移動平均線は皆横向きとなっており、上下どちらかへ放れる前のエネルギーを蓄積している。
33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、サービス(1位)、化学(2位)、輸送用機器(3位)、ガラス・土石(4位)、金属製品(5位)となった。
世界の半導体関連銘柄の上昇が続いている
06月12日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +105.11 @42,866.87, NASDAQ +123.75 @19,714.99, S&P500 +32.93 @6,038.81)。ドル円為替レートは145円台前半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,139に対して、下落銘柄数は426となった。騰落レシオは111.82%。東証プライムの売買代金は4兆483億円。
TOPIX +2 @2,789
日経平均 +210円 @38,421円
米国では、ロンドンで行われている米中貿易協議が順調に進んでいるとの期待を背景に主要3株価指数は揃って上げた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%強上昇し、相互関税発表直後に付けた年初来安値から5割上昇した。それほど半導体株の上昇は著しい。
本日6月11日の東京市場では、米国市場で半導体関連銘柄が上げたことを好感して、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連銘柄を中心に買われ、日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が6月10日に発表した2025年5月売上高は前年同期比で4割増加し、5月としては過去最高の売り上げとなった。生成AI向けの先端半導体の販売好調が続いていることを裏付けたことになり、その波及を期待して日本の半導体関連銘柄にも買いが集まった。外為市場で1ドル=145円台の円安ドル高になったことも株式相場を支えた。日本時間の今夜、米国では5月消費者物価指数(CPI)が発表されるため、上値では利益確定売りに頭を抑えられた。また、半導体関連銘柄の割高感が高まっているとことも上値が重い理由である。例えば、アドバンテストのPERは34倍まで上げており、これは4月前半の急落前の水準である。
日銀が6月11日に発表した5月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は126.3となり、前年同月比3.2%上昇した。しかし、4月(4.1%)と比べると伸び率は鈍化したため、日銀が急いで利上げをする状況ではない。この点を株式相場は評価したようである。そして、外為市場で円安ドル高が進行した理由でもある。
日経平均の日足チャートを見ると、2日続伸して、5月13日高値@38,494円と5月29日高値@38,454円と並ぶ38,530円までザラバで上げた。しかし、十字線となり上値が重いことを改めて示した。それでも米国株の上昇基調が続いているので、今しばらくは上方向に振れやすいだろう。
33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、パルプ・紙(1位)、金属製品(2位)、サービス(3位)、化学(4位)、鉱業(5位)となった。
防衛関連銘柄は利食い売りに押されて一服
06月10日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -1.11 @42,761.72, NASDAQ +61.28 @19,591.24, S&P500 +5.52 @6,005.88)。ドル円為替レートは144円台半ばの前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が673に対して、下落銘柄数は876となった。騰落レシオは110.52%。東証プライムの売買代金は4兆661億円。
TOPIX +1 @2,786
日経平均 +123円 @38,212円
米国では、今週水曜日の5月消費者物価指数(CPI)と木曜日の5月生産者物価指数(PPI)などのインフレ指標の発表を控えているため、株式相場は小動きとなった。足元では株高が続いてきて高値警戒感も漂っている。
本日6月10日の東京市場では、米長期金利の低下を背景に米国市場でハイテク成長株が上昇したことと外為市場で一時は1ドル=145円台前半になるまで円安ドル高となったことで、アドバンテストをはじめとするハイテク成長株や、ソフトバンクグループ、自動車など主力株が買われた。他方、ニトリやイオンなど円高がメリットとなる銘柄は売られた。日経平均の上げ幅は一時400円ほどに拡大した。後場に入ると利益確定売りが優勢となり株価の頭を抑えた。地政学リスクの高まりと防衛費増強の世界的な流れから上昇が際立っている三菱重工、川崎重工、IHIも利益確定売りにより頭を抑えられた。直近の流れでは現在までのところ、米トランプ大統領の高関税の影響は軽視されているが、確実に世界経済をボディーブローのように蝕んでいる。そのため、今年後半から景気と企業業績は下振れすると見ている。
日経平均の日足チャートを見ると、5月13日高値@38,494円、5月29日高値@38,454円に並ぶように、本日は38,476円まで上昇した。しかし、利食い売りに押されて上放れはできず、十字線で終えた。
33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、精密機器(2位)、鉱業(3位)、医薬品(4位)、化学(5位)となった。
TACOとTALOには慣れて来たが、これ以上の上昇には「燃料」が必要
06月09日
先週金曜日の米国株式相場は大幅上昇した(DJIA +443.13 @42,762.87, NASDAQ +231.51 @19,529.95, S&P500 +61.06 @6,000.36)。ドル円為替レートは144円台前半の先週末比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は上昇銘柄数の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が814に対して、下落銘柄数は738となった。騰落レシオは111.95%。東証プライムの売買代金は3兆4616億円。
TOPIX +16 @2,758
日経平均 +347円 @38,089円
先週金曜日の米国では、5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想以上に増加した(13.9万人>予想13.0万人)ことで景気減速懸念が和らいだ。失業率は4.2%(前月比横ばい、予想通り)、平均賃金は前月比で+0.4%(>予想+0.3%)、前年比+3.9%(>予想+3.7%)。この結果、米10年債利回りは前日の4.395%から4.509%へ上昇した。日米金利差拡大を反映して円相場は円安ドル高が進行した。関税を巡る米中貿易協議の進展に対する期待に加えて、景気減速懸念が後退したことを好感して主要3株価指数は揃って大きく上昇した。
本日6月9日の東京市場では、米国株の上昇の流れを受けて、値がさ成長株を中心に買われて、日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。米長期金利の上昇を反映して円相場が円安ドル高となったことや、米中貿易協議に対する期待もあり、日本株全般を支えた。
日本株全体が4月中旬以来顕著な戻りを見せている。売買高の6〜7割を占める外国人の買い越しがなければありえないが、東証が5日に発表した5が鵜第5週(26〜30日)の投資部門別売買動向を見ると、やはり足元でも買い越しが続いている。海外投資家は日本株を6,165億円買い越したが、彼らの買い越しは9週連続となり、約2年ぶりの長さである。
トランプ米大統領が狂気じみた高関税と経済学の理論に反するような経済政策で米国市場をかき乱していることを嫌気して投資資金の一部が米国から他国へ逃避しており、その向かい先の一つが日本市場となっていることが通底にある。ただ、日本株もトランプ関税前の状態まで完全に戻りを達成したため、割安感はほぼ消えた。PERを一株利益EPSの期待成長率で割った株価指標がPEGレシオであるが、この指標で国際比較をすると、日本は2.17倍、欧州は1.68倍、米国は2.09倍、世界平均は1.98倍である。世界の株式市場はトランプ米大統領のTACO(Tranp Alwasy Chikens Out:トランプはいつも最後は怖気づいて引下がる)と、TALO(Tranp Always Lashes Out:トランプはいつも暴言を吐く)に慣れてきたのは間違いないが、これ以上の上昇には日本固有の「燃料」が必要だろう。PEGレシオは、1倍以下なら割安、1〜2倍は適正、2倍超は割高、と一般的には見る。
日経平均の日足チャートを見ると、ギャップアップして始まったが上値を追いかける動きはほとんどなかった。5月29日と5月13日高値に迫るところま戻してきた。
33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、医薬品(1位)、その他製品(2位)、銀行(3位)、電気機器(4位)、情報・通信(5位)となった。
下向きの260日移動平均線が暗示することは・・・
06月06日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -108.00 @42,319.74, NASDAQ -162.04 @19,298.45, S&P500 -31.51 @5,939.30)。ドル円為替レートは143円台後半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が861に対して、下落銘柄数は710となった。騰落レシオは109.27%。東証プライムの売買代金は3兆6054億円。
TOPIX +13 @2,769
日経平均 +187円 @37,742円
米国では、前日に発表された5月ADP民間雇用統計が弱い結果だったことに続き、この日に発表された新規失業保険申請件数も24.7万件(>予想23.5万件、前週発表分23.9万件)と悪化した。翌日に発表を控えている5月雇用統計も弱い結果が予想されている。米国の労働市場は減速している可能性が高い。この流れの中、テスラのCEOイーロン・マスクとトランプ米大統領がSNS上で公然と非難し合うようになり(2人の性格を考えるとこうなるのは時間の問題だったが)、テスラ株は14%超急落した。たった1日で21兆円相当の時価総額が吹き飛んだ。主要3株価指数は揃って下落した。
本日6月6日の東京市場では、5日にトランプ米大統領と中国の習近平国家主席が関税政策を巡る電話協議を行い、米中貿易摩擦が緩和するとの期待と円安ドル高進行を背景に日本株は買われた。米中両首脳はレアアース(希土類)の輸出規制などを話し合い、関税政策についても2度目の閣僚級協議を早期に開くことで合意した。日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。ただ、日本時間の今夜に5月米雇用統計の発表を控えているため上値は抑えられた。足元では相場全体が上がる地合いではないので、個別テーマを見つけて仕掛ける動きになった。現在の誰でも気づく相場テーマと言えば、防衛費増強、コメ価格高騰対策、全国で老朽化した下水インフラの更新などである。これらの相場テーマに合いそうな銘柄が目立って上げた。コメ関連では、全国に数千台の精米所を展開している井関農機は精米による収入が増えるとの期待から一時7.7%急騰した。
日経平均の日足チャートを見ると、6月2日以降はほぼ横向きの10日移動平均線を挟んで狭い範囲で小幅に上げたり下げたりを繰り返して方向性がない。ただ、もっと時間軸の長い260日移動平均線を見ると、今年3月下旬以降は傾きが下向きに転じていて、株価はずっとその下に沈み込んだ状態が続いているが、5月13日と5月29日の2日だけ、ザラバで一瞬この260日移動平均線に下からワンタッチしたがすぐに下に弾き返された。過去25年くらいの経験則(各自、自分自身の目で手間暇をかけて確認することを強く勧めます)では、260日移動平均線が下向きに転じると株価は下方向に振れやすい。反対に、260日移動平均線が上向きに転じると株価は上振れしやすくなる。但し、あくまでもこれは私が観察により気づいた「経験則」であり、何らかの明確な「理論」で裏付けられたものではない。
33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、建設(2位)、機械(3位)、倉庫・運輸(4位)、陸運(5位)となった。
世界の株式相場はTACOを織り込み始めている
06月05日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -91.90 @42,427.72, NASDAQ +61.53 @19,460.49, S&P500 +0.44 @5,970.81)。ドル円為替レートは142円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が567に対して、下落銘柄数は995となった。騰落レシオは109.95%。東証プライムの売買代金は4兆2166億円。
TOPIX -29 @2,756
日経平均 -193円 @37,554円
米国では、5月ADP民間部門雇用者数(3.7万人増<予想11.0万人増、前月6.0万人)となり、5月ISM非製造業PMIが予想を下回る(49.9<予想52.0)弱い結果となった。米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、前回の報告と比べて経済活動は「わずかに減速した」と総括している。トランプ大統領が自身のSNSで中国の習近平国家主席との交渉は「極めて困難」だと投稿し、米中貿易交渉進展に対する期待が後退した。このように景気減速懸念が高まったが、半導体株は上昇した。
本日6月5日の東京市場では、米トランプ大統領がまたパウエルFRB議長に利下げを迫っていることに加えて、米景気減速への警戒感が高まり、米中央銀行FRBが追加利下げを実施するタイミングが早まるとの観測を背景に、円相場は円高ドル安方向に動いた。値がさハイテクの一角は買われたが、自動車株など輸出関連銘柄を中心に売り優勢の展開となった。それでも、日本株は意外と粘り強い。2025年度の株主総還元額(=自社株買いと配当の合計)は前年度比6%増の40.6兆円に拡大すると推計されていることも理由の一つである。世界の株式相場はTACO(Tranp Always Chikens Out)を織り込み始めているようで、トランプ政権の関税政策に以前ほど振り回されることがなくなっている。7月9日には「相互関税」の上乗せ分の停止期間90日の期限が来る。そこでもまたTACOが繰り返されるかどうかに注目している。
日経平均の日足チャートを見ると、ほぼ水平の10年移動平均線の下にまた沈み込んだ。短期的には上方向のモメンタムの記憶が強く、上に行こうとするか。しかし、数か月先までにはトランプ関税の悪影響が世界各国の経済統計の数値に反映されるようになると、下方向への圧力が高まると見ている。
33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、石油・石炭(3位)、その他製品(4位)、建設(5位)となった。
7月初旬公示の参院選挙を控えて・・・
06月04日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +214.16 @42,519.64, NASDAQ +156.34 @19,398.96, S&P500 +32.43 @5,970.37)。ドル円為替レートは143円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,018に対して、下落銘柄数は536となった。騰落レシオは115.98%。東証プライムの売買代金は4兆854億円。
TOPIX +14 @2,785
日経平均 +301円 @37,747円
米国では、4月JOLTS求人件数が予想以上に増加したことや、米中首脳が週内に貿易交渉で直接対話することが相場の下支えとなった。主要3株価指数は揃って上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も2.72%と2日続伸した。
本日6月4日の東京市場では、日経平均は直前3日間で約1,000円下げていて値ごろ感が高まっている中、米半導体株が高くなったことや、1ドル=144円台になる円安ドル高進行を好感して、特にハイテク株買いが優勢となった。米エヌビディアが上げたことでアドバンテストなどの値がさハイテク株も上昇した。日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。
7月初旬に公示される参院選挙を前に、与党から財政拡張政策を求める声が強くなっている。ただ、超長期国債は流動性が低く需要不足気味でもあり、超長期国債の利回りは上ぶれしやすい。これ以上の国債依存を避けたい石破首相は否定的であり、もし内閣不信任案が提出されたら即衆議院解散・総選挙に打って出るとのシナリオも急浮上している。それが実現すると、衆参ダブル選挙になり、政治不安を嫌う外国人投資家は日本株を売る可能性が高くなる。
日経平均の日足チャートを見ると、ほぼ水平となっている10日移動平均線の上に明確に再浮上したが、その方向への動きはまだ力強くはない。
33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、その他製品(1位)、石油・石炭(2位)、パルプ・紙(3位)、保険(4位)、水産・農林(5位)となった。
ボディーブローのようにじわじわと効いてくる高関税と夏枯れ相場に警戒
06月04日
昨日の米国株式相場は小幅高となった(DJIA +35.41 @42,305.48, NASDAQ +128.85 @19,242.61, S&P500 +24.25 @5,935.94)。ドル円為替レートは142円台後半〜143円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が568に対して、下落銘柄数は997となった。騰落レシオは116.41%。東証プライムの売買代金は4兆107億円。
TOPIX -6 @2,771
日経平均 -24円 @37,447円
米国では、米サプライマネジメント協会(ISM)が2日に発表した5月製造業景況感指数は48.5(<前月48.7)と悪化し、好不況の分かれ目の50割れが続いた。トランプ大統領の貿易政策の不透明感が依然として強く、ダウ工業株30種平均は一時400ドル下げる場面もあった。しかし、ホワイトハウス報道官がトランプ米大統領と中国の習金平国家主席が今週中にも協議する可能性が高いと述べたことで、米中貿易交渉の進展が期待された。結局、主要3株価指数は揃って上げて引けた。
本日6月3日の東京市場では、日本時間の今夜、パウエルFRB議長の講演を控えていることや、4月米雇用動態調査(JOLTS)が発表されるため様子見が支配的となった。さらに、月末ということもあり、機関投資家の利益確定売りや持ち高調整・リバランス目的の売りも出て弱い動きとなった。日銀の植田和男総裁が参院金融委員会で「将来の利下げ余地を作るために、経済・物価の改善が見込めない中で無理に政策金利を引き上げる考えはない」とハト派的な意見を述べた。この発言を受けて、外為市場では円相場は1ドル=143円台前半まで下げる円安ドル高となった。トランプ政権が日本に対しても防衛力増強を求めていることを背景に、三菱重工、IHI、川崎重工の重工3社の上昇基調が継続している。特にIHIは信用倍率(=信用買い残÷信用売り残)は0.54倍と信用売り残が多く、売り方が「踏み上げ」られているため、さらに上昇が勢いづきやすい。
日経平均の日足チャートを見ると、10日移動平均線は5月21日以来ほぼ横向きが続いている。まだ25日移動平均線が上向きで、株価はその上で推移しているが、足元のような動きがもう少し続くと25日移動平均線の下に沈み込みそうである。もしそうなると、5月13日と5月29日がダブルトップとなり、当面の高値を付けて調整し始めた可能性が高くなる。大きな好材料(例えば、米中関税問題の劇的改善)がないと、高関税の悪影響はボディーブローのように確実に米国だけでなく各国の経済に早晩現れる。ただでさえもうすぐ日本は「夏枯れ」しやすい夏になるので、要警戒である。
33業種中19業種が下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、医薬品(2位)、卸売り(3位)、建設(4位)、サービス(5位)となった。
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