はじめに        1

第1章
Non-JGBの歴史   9
1.1  不透明の時代からの脱却     11
1.2  決算対策に使われたNon-JGB  11
1.3  皆無のクレジットリスク     12
1.4  日本神話の崩壊     13
1.5  Non-JGBはカーブが無数に存在する    14

第2章
スプレッドの考え方      17
2.1  利回りの決定要因   19
2.1.1  決定要因 19
2.1.2  それぞれの要因取引 21
2.2  序列       34
2.3  スプレッドとスプレッドカーブ       36
2.4  オファー、ビッドスプレッド(平均的なマーケットレベル)     40
2.5  基本的なトレードスタイル   41
2.6  日本証券業協会     42
2.6.1  公社債基準気配 42
2.6.2  資料 46

第3章
発行残高と売買高        49
3.1  発行残高   51
3.1.1  Non-JGB全体発行残高 51
3.1.2  政府保証債 52
3.1.3  財投機関債 55
3.1.4  特殊法人債 56
3.1.5  利付金融債 59
3.1.6  社債 60
3.1.7  地方債 62
3.2  売買高     65
3.2.1  国債売買高 65
3.2.2  Non-JGB売買高 65
3.2.3  全体売買高に占めるNon-JGB売買高の比率 67

第4章
発行の仕組み、形態と状況        69
4.1  発行市場の概要     71
4.2  発行の形態 71
4.2.1  公募と非公募 71
4.2.2  募集発行と売出発行 72
4.2.3  直接募集 72
4.2.4  間接募集 74
4.3  発行市場の構成     75
4.3.1  構成 75
4.3.2  発行者 76
4.3.3  引受会社 76
4.3.4  社債管理会社 77
4.3.5  財務代理人(FA) 77
4.3.6  担保の受託会社 78
4.4  償還の種類 78
4.4.1  定時償還、均等償還 78
4.4.2  抽選償還 79
4.4.3  任意償還(繰上償還) 79
4.4.4  買入消却 80
4.5  政府保証債の発行   80
4.6  地方債の発行       81
4.7  利金債の発行       83
4.8  社債の発行 84
4.8.1  均一価格販売方式 85
4.8.2  有価証券届出方式と発行登録制度 85
4.8.3  一般的なドキュメンテーションプロセス 87
4.8.4  プライシングプロセス 90
4.9  円建外債の発行     91

第5章
公社債関係の制度        93
5.1  公社債の登録制度   95
5.1.1  はじめに 95
5.1.2  登録制度の概要 95
5.1.3  登録手続きの停止期間 97
5.1.4  登録の種類と添付書類 99
5.2  JBネット決済と書面決済     99
5.2.1  はじめに 99
5.2.2  書面決済 100
5.2.3  JBネット決済 101
5.2.4  書面とJBネットが重なる決済 102
5.2.5  マーケット 104
5.3  券面、記番号       106
5.4  受入代理事務手数料 106

第6章
公社債税制      109
6.1  国内一般法人       111
6.2  国内非課税法人     111
6.3  国外法人   112
6.3.1  非居住者または外国法人に対する課税制度 112
6.3.2  源泉徴収の対象となる国内源泉所得と源泉徴収税額 115
6.3.3  租税条約による課税の特例 117
6.3.4  租税条約に基づく軽減または免除を受けるための手続き 118
6.3.5  源泉徴収の対象となる国内源泉所得の範囲 119
6.3.6  租税条約により定められている税率 121
6.3.7  まとめ 122

第7章
政府保証債      123
7.1  債券の種類 125
7.2  銘柄間格差 126
7.3  ヒストリー 127
7.3.1  決算対策による動き 127
7.3.2  スプレッドの推移 129

第8章
財投機関債      131
8.1  債券の種類 133
8.2  銘柄間格差 135
8.3  ヒストリー 138
8.3.1  スプレッドの推移 138

第9章
特殊法人債      141
9.1  債券の種類 143
9.2  銘柄間格差 144
9.3  ヒストリー 146
9.3.1  スプレッドの推移 146
9.3.2  石油公団、関西空港、本州四国連絡橋 148

第10章
地方債  151
10.1  債券の種類        153
10.2  銘柄間格差        153
10.3  償還の種類        155
10.4  定時定額償還、均等償還    157
10.4.1  定時、均等の違い 157
10.4.2  定時、均等償還の売買 158
10.5  抽選償還  163
10.6  ヒストリー        165
10.6.1  スプレッドの推移 165
10.6.2  R&I  発行体格付AA-、財務ランクeの地方債 167
10.6.3  公募・非公募(縁故債)スプレッド 169
10.7  地方債のリスク    170

第11章
利付金融債      173
11.1  債券の種類        175
11.2  銘柄間格差        176
11.3  ヒストリー        177
11.3.1  スプレッドの推移 177
11.3.2  日債銀ショック 181

第12章
社債    183
12.1  債券の種類        185
12.2  銘柄間格差        185
12.3  ヒストリー        186
12.3.1  スプレッドの推移 186
12.3.2  売買高の推移 187
12.4  財務諸表分析 189

第13章
円建外債(サムライ債)、ユーロ円債      191
13.1  発行体と発行市場および流通市場    193
13.2  売買上の注意点    194
13.2.1  利子税制 194

第14章
地方公社の発行する債券(地方公社債)    197
14.1  法的根拠  199
14.2  債券の種類と発行  199
14.3  売買方法  201

第15章
地方財政とその見方      203
15.1  財源      205
15.2  指標      206
15.2.1  起債制限比率 206
15.2.2  公債費比率 207
15.2.3  公債費負担比率 208
15.2.4  財政力指数 208
15.2.5  経常収支比率 209
15.2.6  実質収支比率 209
15.2.7  その他の指標 210
15.3  用語集    211
15.4  それぞれの指標の2000〜1998年度データ      212

第16章
公社債計算マニュアル    223
16.1  公社債計算の前提条件      225
16.1.1  期間の考え方 225
16.1.2  経過利息の計算 227
16.1.3  初期、終期利金の求め方 229
16.1.4  受渡代金の計算 233
16.1.5  各計算における端数処理一覧 234
16.2  利付債券の計算    235
16.2.1  直利(直接利回り) 235
16.2.2  単利(最終利回り) 235
16.2.3  所有期間利回り 235
16.3  割引債券の計算    237
16.3.1  源泉税率 237
16.3.2  割引金融債 237
16.4  平均年限利回り    243
16.4.1  平均残存期間 243
16.5  現先取引  245
16.5.1  割債方式 245
16.5.2  利付方式 245
16.5.3  現先計算方式まとめ 251

第17章
実際のNon-JGBマーケット 253
17.1  マーケット動向コメンタリー        255
17.1.1   2000年度のマーケット 255
17.1.2   2001年度のマーケット 266
17.2  ヒストリカルチャート      284
17.2.1  政府保証債 285
17.2.2  特殊法人債 285
17.2.3  地方債 286
17.2.4  利金債 287
17.2.5  銀行社債 290
17.2.6  社債 292

はじめに

 本書は、現在発行されている国債をはじめとする円建債券全体の35%近くを占める『一般債』について、個々の銘柄の特性や考え方について書いたものであ る。一般債は幅が広いので『Non‐JGB(国債以外の円債全般)』とよく表現される。債券運用および売買に携わる者にとっては、避けて通ることができない債券 なのだが、国債と違って債券の種類に幅があり銘柄数も多いため、なかなか理解が難しいとされている。
 Non‐JGBと一言でいってもさまざまである。本書では、Non‐JGBへの理解を深めることを第一に、そしてそれによりマーケットの透明性が増すことを願って作 成した。債券の種類を「政府保証債」「財投機関債」「特殊法人債」「地方債」「利付金融債」「社債」「サムライ債」「ユーロ円債」「地方公社債」の9つの カテゴリーに分けて説明している。
 それぞれの債券はいったいどういうものなのか? から始まり、その売買方法および受渡方法、売買レベル、そしてそのレベルの考え方を、私の15年にも及ぶ 経験とともに書き記した。また、公社債の売買や保有に必要不可欠な登録制度、計算方法、税制についても述べた。ここに書かれている債券の知識を得ること で、ほとんどの債券の知識を得たことになるだろう。少しでもこのマーケットの理解を深め、それによってさらにマーケットの透明性が増せば幸いである。

 私は、1988年よりマーケットに参加、特にNon-JGB(政府保証債、地方債、利金債、社債、サムライ債、ユーロ円債)中心に売買を行ってきたトレーダーであ る。現在も現役で日々売買を行っている。
 本書の執筆の動機は、至って簡単だ。私自身このマーケットを理解するのに、ものすごく労力と時間がかかったからである。
 1980年台後半、私がマーケットに参加した当初は、現在のマーケットよりもさらに不透明感が高く、学ぶべき教科書がなかったばかりか、マーケット自体が試 行錯誤を繰り返しながら成長していく段階であった。まさに実際に売買して肌で覚えていくしか方法がなかったのだ。このマーケットは幅が広く数も多いため、 雰囲気は理解できても、肌身に染みるまでに時間がかかり、それを感じないと見えてこないものが多い。そのため、すべての売買を経験し自分のものにしていく にはとても時間がかかったものだ。
 現在、マーケットはある程度成熟し、落ち着いてきているにもかかわらず、教科書はいまだに存在しない。新たにこのマーケットに参加する人にとって大きな 壁となっている。そこで何か今の自分にできることはないかと考えた。長年売買をしている間には、大きく益を出すこともあったが、大きな失敗もあった。そん な成功や失敗の積み重ねが、この本のもとになっている。
 実は本書の公開は、これが3回目になる。1回目は自分の資料用、2回目は社内教育用であった。今回3回目にして、公に出版する形となった。

 ところでNon‐JGBは、どうしてそんなに取っつきにくいのだろうか? それは、銘柄の多さと考え方の違いである。国債が残存年数に対する金利のリスク(金 利リスク)だけでその利回りが決定されているのに対し、Non‐JGBは金利リスクに発行体の信用リスク(クレジットリスク)というファクターが加わる。それゆ え、債券の種類ごとに違った利回りが無数に存在することになる。これが理解を難しくしているのである。
 しかし、実はそれぞれの種類の債券は、相互に影響し合って金利のバランスを保っていているので、基本的にはこのバランスを理解することにより、思ったよ りも簡単にマーケットを理解することができるのだ。理解の第一のポイントはこのバランス。これさえわかれば、発行されていない債券のフェアーバリューをは じくことさえ、造作もないこととなるだろう。常にこれを意識することが大切だ。私のポリシーは「Non-JGBのプライシングは芸術! 金利バランスは美しくあ るべき」「バランス感がすべてを征する」である。本書を読み終えるころには、あなたにもその意味がきっと理解できているだろう。

 最後に、本書の企画にご賛同をいただき出版の機会を与えていただいた、パンローリングの後藤康徳社長、マイルストーンの細田聖一氏にはたいへん感謝して いる。また、RpTech(Credit Reasearch & Pricing)の河合祐子氏にも、多大なるご尽力をいただいたことを記しておこう。


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