◆目次

日本語版へのまえがき…………………………2
謝辞…………………………8
監修者まえがき…………………………12
目次…………………………16
献辞…………………………21
序文…………………………26

パート1 最も重要な成功要因――それは自分自身!………………31

第1章 聖杯の伝説…………………………32
聖杯の例え/何が本当に大切か/相場の天才をモデルとする/まとめ

第2章 思い込みによる判断――なぜ相場をマスターできないか…………………………47
システム作りにまつわる偏見(代表による思い込み/信頼性の思い込み/ロトに まつわる思い込み/少数の法則をめぐる偏見/保守主義という偏見/ランダムさ についての偏見/理解しなければ気が済まない)/システムの検証を左右する偏 見(自由度が欲しい/追認の過ち/不十分な防御)/売買の仕方に影響する傾向 /ギャンブラーの誤謬/利益は控え目に、損失は大胆に/この売買で勝ちたい) /まとめ(システム作りにかかわる偏見/システムの検証に影響する偏見/売買 の仕方にまつわる偏見)

第3章 目標を設定する…………………………77
システム作りは目標が肝心/目標を語るトム・バッソ/パートI:自己評価/パー ト:目標を明確にする/パート掘売買に対する考え方/自分の目標を持つこ と

パート2 システムの概念化…………………………93

第4章 システム作りのステップ…………………………94
1.目録作り/2.オープンマインドで情報収集/3.目標を決める/4.売買 のための時間枠を決めよう/5.過去の相場の共通点を探る/6.どんな概念が 背後にあるのか。概念の客観的な物差し/7.ストップと売買コストも加える/ 8.利益確定の手仕舞いと期待値を決める/9.利幅の大きい売買を狙え/10. ポジションサイジングを最適に/11.システムをいかに改善するか/12.最悪の 事態に備えて心の準備を

第5章 機能する概念の選択…………………………115
トレンドフォロー(トム・バッソ――トレンドフォローの哲学/トレンドフォロ ーの長所/トレンドフォローの短所/トレンドフォローは、依然として有効か? /トレンドフォローは、だれにも適するか?)/ファンダメンタル分析(チャー ルズ・ルボー――ファンダメンタルトレーディングへの序章/どのようにファン ダメンタル分析を採用するか)/季節的傾向/スプレッド取引(ケビン・トーマ ス――スプレッドへの序論)/裁定取引(レイ・ケリー――裁定取引)/ニュー ラルネットワーク(ルイ・メンデルスゾーン――ニューラルネットワークへの序 論/ニューラルネットワーク入門/入力データの選択および処理/事実の選択/ 学習およびテスト/過学習/誤差統計/実践への応用/移動平均入門/予測型移 動平均/関連する市場間)/宇宙には秩序がある(人間の行動にはサイクルがあ る/宇宙には神秘的数理的秩序がある)/結論

第6章 期待値とその他の成功要因…………………………179
投資の6つのカギ/例えば雪合戦/期待値をつぶさに観察する/期待値とR倍数 /相場の期待値/期待値でシステムを比較する/期待値を復習する

パート3  投資システムの本質を理解する………………………213

第7章 セットアップを用いる…………………………216
仕掛けの4段階(マーケットの方向性/セットアップ条件/マーケットタイミン グ)/マーケットをストーキングするセットアップ/「失敗した試し」のセット アップクライマックス・リバーサル、またはイグゾースチョン・パターン・セッ トアップ/ギャップ・クライマックス・ムーブ/押し目のセットアップ)/フィ ルタ対セットアップ(タイムフィルタ/時系列の価格データ/ファンダメンタル データ/出来高データ/複合データ/ボラティリティ/ビジネスファンダメンタ ルズ/経営情報)/著名なシステムで使われているセットアップ(株式市場のセ ットアップ・先物マーケットにおけるセットアップ)/セットアップの要点

第8章 参入あるいはマーケットタイミング………………………259
ランダムエントリーを打ち負かす/共通仕掛けテクニック(チャネルブレイクア ウト/チャート使った視覚的参入/パターン/純粋な予想/ボラティリティ・ブ レイクアウト/ディレクショナルムーブメントとアベレージ・ディレクショナ ル・ムーブメント)/移動平均および適応型移動平均(加重移動平均/指数移動 平均/転置移動平均/適応型移動平均)/オシレータおよびストキャスティク ス)/自分の仕掛けのシグナルを構築する/一般的なシステムで使われる仕掛け の評価(株式マーケットの検証/先物マーケットの検討)/まとめ

第9章 手仕舞いの仕方を知る――どのように投資資金を守るか……………… 301
ストップが意味するもの(ノイズを超えて/MAE(最悪値洗い損)/幅の小さい ストップ)/意味のあるストップを使う(金額ベースのストップ/比率によるス トップ/ボラティリティストップ/ディブ・ストップ/チャネルブレイクアウト と移動平均ストップ/支持線および抵抗線によるストップ/時間ストップ/自己 裁量および心理的なストップ)/まとめ/一般的なシステムで使われるストップ (株式市場システム/先物マーケットシステム)

第10章 利食い法…………………………325
利食いの背後にある目的(損失を生じるが、初期リスクを軽減する手仕舞い/時 間ストップ/トレイリング・ストップ/利益を最大限にする手仕舞い/トレイリ ング・ストップ/プロフィット・リトレイスメント・ストップ/含み益を返しす ぎないようにする手仕舞い/利益目標/プロフィット・リトレイスメント・エグ ジット/逆行する大きなボラティリティ/パラボリック・ストップ/心理的手仕 舞い)/ストップと利益目標だけを用いる/単純さと複数の手仕舞い/避けるべ きこと/まとめ/一般的システムによって用いられる手仕舞い(株式市場システ ム/先物取引市場システム)

第11章 機会とコストの要因…………………………347
取るべき幾つかの手法(40%の信頼度および2:1のリワード・リスク・レシオ を持つ標準的長期トレンドフォロワー/高信頼度、低R−倍数トレーディング/ 各取引でビッドとアスクの開きによる利益を得ているが、ときどき市場によって 押し流されるマーケットメーカー)/機会の要因/取引機会のコスト(低い手数 料を探す/執行コスト/税金のコスト/心理的コスト)/まとめ

第12章 ポジションサイジングとは何を意味するのか。
    わたしは口座に1万ドルしか持っていないのに。………361 ポジションサイジング戦略(用いるシステム/モデル1――固定金額単位/モデ ル2――株式トレーダーの等金額単位/モデル3――リスク率モデル/モデル4 ――ボラティリティモデル)/モデルの要約/ポジションサイジングの影響の例 /まとめ/その他のシステムによって用いられるポジションサイジング(株式市 場モデル/先物取引市場モデル)

第13章 結論!…………………………405

用語解説…………………………419

参考図書…………………………435


日本語版へのまえがき


 私は1948年から1951年まで、年齢で言えば2歳から5歳まで日本で生活してい たことがある。記憶は定かでないが、住んでいたのは北海道だったと思う。両親 に連れられて、当時は外国人が訪れたことのないような地方を旅行した。また、 幼少期に3人の日本人女性が私の世話をしてくれたことを覚えている。その1人 がミチで、彼女は私にとって第2の母親である。やがて私は日本を去ることにな ったが、そのとき、かなり日本語が分かるようになっていたということだった。 日本は私にとって第2の故郷であったし、ミチと別れるのは大変寂しかった。ミ チは10年ほどして他界したと聞いたが、私にとってこれ以上の悲しみはない。
 1990年から1993年にかけて私は2度日本を訪れた。1度目は『マーケットの魔 術師』の日本語版が出版された機会に短期間の講演旅行をするためだった。私は 幼少期の体験から日本に対し、深い親近感を持つことができた。そして日本文化 や日本人に大きな親しみを感じることができた。こうしたことで滞在中は大変く つろいだ気分になれた。
 数年後に私は再び日本を訪れた。これは日本の建設会社のオーナーが、私にコ ンサルティングを依頼してきたためである。通訳付きで10日間ほどコンサルティ ングを行い、私が主催している「トレーダーと投資家のためのピーク・パフォー マンス・コース」のほぼ全体を個人教授した。コンサルティングが終わったあと にオーナーは「タープ博士の手法は投資に役立つばかりでなく、私のビジネス全 般に役立ちます」と言ってくれた。それは彼にとって絶好のタイミングだった。 翌年、日本は空前のベアマーケットに突入し、市場と彼のビジネスに大きな影響 を与えたからである。
 私と日本とのかかわりを思い返すと、本書が日本語で出版されたことは大変光 栄に感じている。本書が日本語で出版されることに私が光栄を感じるのと同じ程 度に、読者が本書によって強いインパクトを受けることを望むものである。
 多くのクライアントから、本書に収めたある特定の部分について、本書には掲 載しないでほしいと言ってきた。私が「あまりにも秘密を公開しすぎる」と言う のである。しかし私の仕事はトレーダーや投資家が最高のパフォーマンスが上げ られるようにコーチの役割を果たすことである。そしてパフォーマンスを上げる ために使えるツールで重要でないものはない。なぜなら、世間には誤った情報が あふれ、それが一般の人を惑わしているからである。
 誤った情報といっても、大部分は意図的に流されたものではない。人は惑わし てほしいのだ。彼らは見当違いの質問をし、情報の売り手はお望みどおりの答え をすることで、報酬を得ている。例えば、次のような質問である。

■マーケットの状況はどうか。
■どの銘柄を買ったらよいか。
■XYZ株を持っているが、上がると思うか(「上がらない」と答えると、上がる と言ってくれる者が現れるまで聞き続けるのだ)。
■どのようにマーケットに参入したらよいか、そしていつもマーケットで見込み 違いをしないためにはどうしたらよいか。

 私はアジア各国を回って期待値、トレーダーにとってのビジネス・プランニン グの重要性、ポジションサイジングなどについて講演を行った。しかし質疑応答 の時間になると、聞かれることといえば、「今のマーケット状況はどうか?」と か、「持ち株はすぐに売ったほうがよいか?」とか、「この相場ではどうしたら よいか?」などが大半だった。こうした質問はバイアスに基づくもので、あまり 重要性がない理由を再三再四説明したにもかかわらず必ず聞かれるものである。
 「どの銘柄」の株を「どのように」買うかという質問があって、さらに見当は ずれの質問が続いた。それは次のようなものだった。
 「相場の流れを読み違えないためには、どのような基準で相場を仕掛けたらよ いでしょうか」
 これは答えるのに骨の折れる質問だ。投資のベストセラーには、80%の信頼度 があるという仕掛けの戦略とか、大きな利益を約束するとか、もっともらしいこ とがたくさん書かれている。百聞は一見にしかずということで、戦略の説明には 相場が上昇し始めたところを示すグラフが掲載されている。そのような「都合の 良い」グラフは多くの人を引きつけ、本はよく売れるのである。
 1995年にマレーシアで投資相談会が開かれ、先物市場では有名なスピーカーが 高い確率の仕掛けのシグナルについて講演した。満員の聴衆のなかで彼は懇切丁 寧にシグナルの説明をした。講演の終わりごろにひとりの聴衆が手を挙げて尋ね た。「先生はどのように手仕舞いされるのですか」。彼は冗談ぽく「私の秘密の すべてを知りたいということですか」と答えた。
 1年後にまた別の相談会で600人の聴衆を前に、高い確率の仕掛けの手法につ いて1時間の講演があった。ひとことも聞き逃すまいと聴衆は耳を傾けた。そこ で語られたことは、タイトストップを維持し、マネーマネジメントに注意を払う ということだけだった。講演終了後、スピーカーは約30分間で1万ドル分の本を 売った。聴衆は仕掛けの必勝法にわれを忘れていたのである。
 同じ相談会で別のスピーカーがマネーマネジメントについて講演をした。マネ ーマネジメントは利益を確定するカギとなるものだ。このときの聴衆は30人で、 講演に関する本を購入したのは4人足らずだった。
 人は役に立たないものに引きつけられる。それが人間の本性である。本書によ って、その理由と対処の仕方を知ることができるだろう。
 このような話は説明会では珍しいことではない。だれもがよく当たる仕掛けの シグナルの話に群がり、本当に重要なことを学ぶ者は聴衆の1%にも満たない。 そして、利益を上げるための最も重要なカギについての講演になると、少数の聴 衆しか足を運ばないのである。
 投資用のソフトウエアも同じような偏った考え方で作られている。ソフトウエ アには、一般にマーケットの過去の動きを完全に説明してくれるという指標が組 み込まれている。それがなぜ役に立たないのか? これらの指標は過去のデータ を使って作られ、それで値動きを予想しているからである。これで本当に将来の 値動きを予想できるのであれば、文句のつけようがない。しかし実際にはこのよ うな方法で価格を予想することはできない。ところがこのソフトウエアが実によ く売れているのである。
 私は15年以上、トレーダーのコーチ役を引き受けてきた。世界のトップトレー ダーや投資家と仕事をともにし、またさまざまな性格のトレーダーや投資家の心 理分析を数千回も行ってきた。こうした背景と経験のために、本書には、読者が トレーダーや投資家としてパフォーマンスを大幅に改善するのに役立つ多くの情 報を載せることができた。
 投資法の研究をしていた期間に、私のマーケットについての考えは大きく変化 した。そして読者がトレーディングやマーケット(あるいは自分自身)に対して 持つ多くの「神聖」な信念は、本書を読み終えるころにはまったく新たになって いることだろう。その理由は、マーケットの本当の「秘密」を知るにはマーケッ トで実際に働く力について知らなければならないからである。ほかのものに気を 奪われていると、いかなる秘密も知ることはできないだろう。しかし本書には、 相場についての私の信念と意見だけを書いておいた。虚心坦懐に本書を熟読し応 用すれば、相場で常に勝つ能力を飛躍的に伸ばすことができるだろう。
 本書は大きく3つのパートで構成されている。パート1では、自己発見の方法 とマーケットリサーチを自分自身で行えるように、その能力を改善する方法を説 明した。パート1には、成功に導くトレーディングのための最も重要な事項を説 明した章と、経験則に基づく判断のための章、そして自分の目標を定めるための 章を設けた。このパートは意図的に短くしているので、システム開発の「肝心な ところ」がなかなか分からなくても、いらいらすることはないだろう。しかしパ ート1は、投資の成功を左右する最重要部分である!
 パート2では、私のシステム開発のモデルを示した。ここではトレーティング やマーケットシステムにかかわる概念を説明し、それらの概念に関する章の執筆 を各分野のエキスパートに依頼した。パート2は、また期待度について説明し た。これは最も重要な考え方のひとつで、だれもが理解しておくべきものであ る。マーケットに深くかかわっている者でも、この期待度についてよく知ってい る者は少ない。ましてや期待度を中心にシステムを構築することの重要性を理解 している者はさらに少ない。こうした意味からも、パート2を注意深く学習する 重要性が分かるだろう。
 パート3はシステムのさまざまな要素について述べている。例えば、お膳立 て、仕掛けやタイミングの手法、ストップロスによる手仕舞い、利益を確定する 手仕舞い、そして本書で最も重要な章のひとつであるポジションサイジングであ る。最終章では、ここまで取り上げていなかった残りの重要事項について説明し た。
 最後に本文では触れていないが、システムを構成する重要なある要素について 説明しておきたい。それは、そんなシステムが機能する時期を、読者がどのよう に確認するのかということである。例えば、ブルマーケットで利益を上げること ができるようにシステムを構築したとすると、現在、日本が体験してきているよ うな長期のベアマーケットではどうすればよいのか。私はトレーディングの「定 期的見直し」を勧める。自分のシステムを理解し、マーケットでどのように機能 するか熟知すべきだ。マーケットといってもいろいろあり、緩慢なブルマーケッ ト、値動きの激しいブルマーケット、緩慢な横ばいのマーケット、値動きの激し い横ばいのマーケット、緩慢なベアマーケット、値動きの激しいベアマーケット などである。読者はマーケットの現状と、そこで投資をすべきか、とどまるべき かを教えてくれる指標を持つべきだ。さらに3カ月ごとにシステムの見直しをし て、「マーケット状況はどうか」と自分で確認すべきだ。そして「今回のような マーケットで自分のシステムはどの程度の成功を収めることができるのか。今ま でのように好成績を達成できるのか」と確認する。本書に書かれたことに、この 手法を加えることで、どのようなマーケットでも好成績を上げることができるの だ。

  2001年11月
                     バン・K・タ−プ


謝辞


 本書は15年間にわたりマーケットについて考え、数百人の偉大なトレーダーや 投資家を研究し、さらに多くの人が本書で書かれた原則をうまく活用できるよう に手助けをしてきた結果、生まれたものである。たとえ直接会ったことがなかっ たとしても、本書がもっと多くの人たちの役に立つことができるとするならば、 努力した甲斐があったというものである。
 過去15年間にわたり本書に述べた考え方を構築するために多くの人の支援を受 けてきた。本書で名前を挙げるのは、そのなかでほんの一部である。しかし、有 形無形に力を貸してくれたすべての人に、深い感謝の念を表すものである。
 エド・スィコータは早い時期に、単純で創造的なマネーマネジメントの重要性 を教えてくれた。エドはわたしの初期のセミナーで3回講師を務めてくれた。彼 の知識に頼るところが大きい。
 トム・バッソはわたしの思想と生活に大きな影響を与えている。トムはわたし のセミナーで十数回、またトレーダースクールで数回ゲスト講演者を努めてくれ た。トムはまた、本書の幾つかのセクションにも貢献してくれている。ありがと う、トム。
 レイ・ケリーはわたしの初期の顧客のひとりだった。わたしは彼がタフなフロ アトレーダー(彼の好きな言葉は「わが道を行くか、ハイウエーに乗るか」)だ ったころから、市内の高校生が自分の生き方に責任を持つように、自分の時間を 惜しみなく使って指導するまでに成長していくのを見てきた。レイはわたしが知 っている、最高のトレーダーのひとりであるとともに、偉大な教師である。彼は わたしのセミナーの多くに講師として参加し、また本書のスプレッドの項目を執 筆した。
 チャック・レビューは、「損を少なくし、利を伸ばせ」という有名なトレーダ ーの格言を手仕舞いの重要性と結びつける助けをしてくれた。考えてもみよ。損 を少なくするとは、損で撤退すること、すなわち手仕舞いのことである。利を伸 ばせということも、同じく手仕舞いせよということである。この格言はすべて相 場から撤退することに関連しているのだ。チャックがこの点について固執してい ることは、わたしにとって非常に価値のあることであった。チャックは上級シス テムセミナーのゲストスピーカーであり、本書のファンダメンタルズ分析の項目 にも寄稿している。
 ケビン・トーマス、ジェリー・タープケ、ルイス・メンデスゾーンは概念の章 (第5章)のセクションに貢献してくれた。彼らは洞察力に満ち、よく援助して もらった。皆さんには深く感謝している。
 また、わたしたちの最初の卒業生(ウエブスターマネジメント)にも感謝した い。4人の重要な人たちがプロのトレーダーとなるため入学した。彼らは投資と トレーディングの成功のために必要なカギとなる部分、つまり期待値とマネーマ ネジメントを理解し、大変な成功を収めた。特にわたしの思想の形成に貢献して くれたものとして、ポール・エメリー、ロブ・フリードル、パーカー・スロー フ、そしてポール・ラスノックに謝辞を表したい。
 チャック・ブランスコムはこれら原則を実際に実行する良いお手本になってく れた。彼が最初にわたしのセミナーにやってきたとき、彼は「自分は素晴らしい システムを持っている」と考えていた。実際には2、3の仕掛けのシグナルしか 持っていなかったのだが……。彼はわたしのシステムセミナーのすべて(ロンド ンで行われたものを除く)に出席し、ほかのセミナーの大部分にも出席してい る。わたしは、彼が非常に知識のあるシステムトレーダーに成長していくのを見 てきた。彼はしっかりしたシステムトレーディングから、マーケットについての しっかりした「直感」が生まれるという良い見本になってくれた。チャックはわ れわれのニュースレター『マーケットマスター』の編集者であり、彼の仕事の幾 つかの抜粋部分が本書の一部になっている。さらにチャックは本書の図表の幾つ かを作成してくれた。
 ジョン・ハンパーレイは本書で使われているアテナ・マネーマネジメント・ソ フトウエアのシニア開発者である。ジョンがマネーマネジメントについてのわた しの考え方をソフトウエアに反映してくれたおかげで、本書でポジションサイジ ングと呼んでいるこのマネーマネジメントにある無数の可能性を認識できるよう になりつつある。プロジェクトが始まったときには、ポジションサイジングが重 要であることは知っていたが、今やソフトウェアを実際に使ってその結果を見ら れるようになり、ポジションサイジングの重要性が想像を超えたものであること を知ったのである。
 またスーパートレーダー・プログラムの皆さんにも感謝する。特にウィリア ム・カーティスとロルフ・シグリストは、優れた独創的な考えを絶えずわたしに 提供し、また教育課程を通して、わたしが思想を形成する過程をサポートしてく れた。ロイド・マセイとフランク・ギャルシィは原稿を読んでくれ、また大きな 助言も与えてくれた。ブルース・フェインゴールド、サー・マーク、トンプソ ン、デニス・ウルオム、ウイラード“バディ”ハーパー、アンドレイ・フィスタ ー、コーキー・ドブス、ジム・ヘスリントンにも感謝する。彼らの研究成果のお かげで、多くの洞察力を得ることができた。
 わたしの人生で出会った何人かの特別な先生についてひとこと述べておきた い。コニエール・アンドリアス、デーパーク・チョブラ、ロバート・ディルツ、 トッド・エプスタイン、ジョン・グラインダー、タッド・ジェームズ、ロバー ト・キヨサキ、ジョン・オーバードルフ、ジェームズ・ソロモン、エニド・ビエ ン・ワット・ウッドスモールの方々である。皆さんのおかげで今のわたしがあ る。
 マグローヒルの編集者にも大いに助けられた。わたしが出版社を探していると きに奇跡のように現れてくれたのがスティーブ・アイザックだった。ジョン・モ リスは制作過程で大変よく助けてくれた。
 最後になるが、本書の完成に当たり、IITM・インクのわたしのスタッフに 感謝する。彼らは本書のレイアウトおよび図表作りで手助けしてくれた。アネッ ト・フレンチは必要なときにはいつも「そばに」いてくれた。
 本書の出版にこぎつけるまで、同じように貢献してくれたすべての人々に深い 感謝の念を表す。しかしひとりひとり挙げるには多すぎるのだ。


監修者まえがき

 本書は著名なスーパートレーダーを含む約5000人の成功したトレーダーや投資 家たちの特徴を集め、そのモデル化に成功したバン・K・タープ博士が世に放っ た最高傑作である。心理学者である博士は、トレーディングに関する世界最高の コーチと称賛され、『新マーケットの魔術師』(ジャック・D・シュワッガー、 パンローリング)にも登場するほどの実績を残している。最近でも、博士のコン サルティングには常に2ヶ月先まで予約が入っているほどの人気振りだ。
 このような突出した実績を背景に、博士がシステムを用いたトレーディングに 関する成功の秘訣を次から次へと伝授してくれることが本書の最大の特長だ。ト レードの心理的側面に始まり、システムの概念とカギを握る項目、システムの期 待値、資金管理法までをカバーし、他の本ではなかなかお目にかかれない入手困 難なトピックを多く含んでいる。何よりも素晴らしいことは、方法論にとどまる ことなく、システムのルールといった「中身」の部分も具体例として示されてい ることである。このような特徴ゆえに、トレーディングシステムを用いて成功を 目指すあらゆるレベルの読者に対し、本書は向いているのだ。
 仕掛けがトレーディングシステム全体のなかで最も重要度が低い項目であると いう博士の主張に、システム開発に没頭している初級者の方は頭をトンカチで叩 かれた気分になるだろう。もちろん、資金をいかに増やすかという観点からは、 博士の主張が絶対的に正しいことは否定できない。今まで秘法を含むさまざまな 売買手法を探し求めてさまよい続けた読者には本書が福音となるだろう。例え話 や実例を交えて書かれているなど、初級者の方にも理解しやすいような工夫も凝 らされている。
 システムトレーディングの中上級者の方は自身の方向性の正しさを再認識する とともに、おそらく今まで見落としていたポイントをいくつか発見できるだろ う。また、トレードの成績向上に直接結び付くアイデアをいくつか獲得できるも のと思う。本書をもっと早く読むことにより節約できたであろう時間にため息を 覚えることもあるかもしれない。本書によって矯正されるポイントがなかったと したら、それはそれで素晴らしいことである。
本書を通して タープ 博士が主張し続けていることは、相場での成功で一番大切 なのは自分自身であるということだ。一番大切なものが自分のなかにあるという ことは、努力の方向と量によっては私たちにも大成功があり得るということであ り、とても心強いことではないだろうか。このような素晴らしい本書を世に送り 出してくれた タープ博士に感謝するとともに、読者が自身の聖杯システムを手 にすることを願ってやまない。

 2002年1月
パンローリング株式会社 チーフアナリスト   柳谷 雅之

本書を妻カラバシィ・タープに捧げる。
カラは、いつも私の人生にたぐいまれな閃きをもたらしてくれた。
その閃きと彼女の尽きることのない愛情がなければ、本書が世に出ることはなかった。


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