■目次

訳者まえがき
序文
はじめに
第5章 マーケットの読み方 <その2>

訳者まえがき                   1
謝辞                   13
序文    スティーブ・ナイソン                   15

はじめに                   17
 アメリカが恋のとりこに                   17
 ロマンスはこうして始まった                   18
 インターネットがキューピット役                   18
 デイトレーダーの台頭                   19
 株式市場とのかかわり                   20
 本書を書いた理由                   21
 戦略の概要                   22
 成功するために必要なもの                   23
 短期トレーディング――まずはグッドニュースから                   23
 次にバッドニュース                   24
 旅路……                   26
 さあ腹を決めよう!                   26
 ジェシー・リバモアを紹介します……                   28

第1章 ウォール街――地上最大のゲーム                   29
 すべてここから始まった                   29
 混沌から秩序へ――1929年の大暴落                   32
 1987年の大暴落――さらなる混乱と秩序                   33
 ニューヨーク証券取引所――その仕組み                   34
 ナスダック証券市場――その仕組み                   37
 アメリカン証券取引所――その仕組み                   38
 指数を解剖する                   39
 ウォール街は動物園――雄牛と熊に羊や豚まで                   41
 市場(にかぎらず、この世の中のほとんど)を支配する2つの感情                   42
 需要と供給                   45
 理解度チェック                   50
 「センターポイント」とは?                   52
 センターポイント                   53
 あなたは……黄金の仏陀                   53

第2章 スタートを切る前に――態勢を整えよう                   55
 ビジネスプランを立てる                   55
 充てられる時間は?                   56
 最も重要な決断――資金                   57
 簡単な資産配分プラン                   59
 オフィス機器の選択と買い替え                   59
 ブローカーを選択する                   61
 手数料の迷路                   69
 スリッページ――とは何か                   71
 信用取引口座――その仕組み                   72
 ゴールを持つことが必要                   73
 理解度チェック                   77
 センターポイント                   79
 夢をゴールに変える決意                   79

第3章 成功をもたらす発想を身につける                   81
 マーケットは機械ではない                   82
 マーケットは常に正しい                   83
 自分の感情と向き合う――深く、集中して                   86
 成功をもたらす発想――脳みそを鍛える                   87
 最終成果――どんなものか                   93
 責任感と敬意――出かけるときは忘れずに                   94
 自尊心と正当性                   95
 理解度チェック                   97
 センターポイント                   98
 自分の環をもっと大きくする                   98

第4章 マーケットの読み方 <その1>――エネルギーを生み出す原動力                   101
 最終責任は自分が取る                   101
 ファンダメンタル分析とテクニカル分析――綱引き                   102
 ファンダメンタル分析――手っ取り早くしかも充実した情報源                   104
 IBD独自の企業格付け                   105
 その他の情報源――CNBC、CNN、ブルームバーグ                   106
 ぜひアクセスしたいウエブサイト                   108
 雑誌                   112
 理解度チェック                   114
 センターポイント                   115
 人生に衝動を招き入れる                   115

第5章 マーケットの読み方 <その2>――儲けをもたらす基本的なチャートテクニック             117
 サイクル――世界のオペレーティングシステム                   117
 ステージ分析を始めよう                   119
 ステージごとに異なる対応が必要                   123
 サイクルを構成するその他の要素                   125
 サポートとレジスタンス、あるいは作用と反作用                   129
 クイズ                   138
 解答                   139
 センターポイント                   140
 成功をもたらす発想を育む                   140

第6章 チャート分析入門                   143
 チャートの基本――ラインチャートとバーチャート                   145
 ローソク足チャートの基本                   147
 クイズ                   166
 解答                   167
 センターポイント                   168
 自分の可能性を最大限に引き出す                   168

第7章 チャート分析の詳細――パズルの断片                   171
 あなたのフレンド、上昇トレンドの構造                   171
 買いシグナル――何に着目するか                   175
 上昇トレンドラインの描き方                   180
 レンジ内取引、コンジェスチョン、コンソリデーション                   182
 下降トレンドの構造                   192
 売りシグナルの概要――何に着目するか                   193
 下降トレンドラインの描き方                   198
 クイズ                   200
 解答                   201
 センターポイント                   202
 共時性の力                   202

第8章 パズルの断片をつなぎ合わせる                   205
 出来高――きわめて重要な指標                   206
 移動平均――とは何で、どう使うか                   214
 クイズ                   223
 解答                   224
 センターポイント                   225
 思いが「もの」になる                   225

第9章 ベルとホイッスル――指標とオシレーター                   227
 オシレーター――とは何か                   227
 RSI――とは何で、どう使うか                   228
 ストキャスティックオシレーター――とは何で、どう使うか                   232
 MACD――とは何で、どう機能するか                   234
 OBV――とは何で、どう読むか                   237
 ボリンジャーバンド――とは何で、どう読むか                   240
 フィボナッチリトレイスメント――とは何で、どう読むか                   242
 ギャップ――トレーダーのブラックホール                   244
 クイズ                   253
 解答                   255
 センターポイント                   257
 あなたはすでに完璧だ!                257   

第10章 いよいよショータイムだ!                   259
 継続パターンと反転パターン――とは何か                   260
 反転パターン――その形状                   264
 トレンドのない相場では、反転パターンで仕掛ける                   279
 いよいよ勝負だ!                   281
 大局的なダイナミックス                   281
 先行産業の先行株を選ぶ                   282
 ファンダメンタルズを調べる                   284
 現在、産業セクターが強気                   285
 各種指標――すべての条件がゴーサイン!                   286
 例外はあり?                   287
 トリガーを引く準備をしよう――買い場                   287
 買いトリガーリスト                   288
 クイズ                   290
 解答                   291
 センターポイント                   293
 許すことに目覚める                   293

第11章 真価が問われる場――マネーマネジメント・テクニック                   295
 トレードのプランを立て、そのプランに従ってトレードする                   296
 パイを切り分ける                   298
 リスクリターン・レシオ――その意味と計算方法                   299
 ストップロスを設定する場所                   302
 それからどうするか?                   306
 日中の反転タイム――とは何で、どういう意味があるか                   309
 マーケットオーダー、リミットオーダー、その他                   311
 危機に際しては                   314
 結論                   315
 クイズ                   316
 解答                   317
 センターポイント                   318
 与えることの循環                   318

第12章 勝利をもたらす空売り戦略                   321
 空売りに対する抵抗感を克服する                   323
 空売り――そのルール                   325
 手順はこうなる                   326
 空売りがうまくいく条件                   327
 ファンダメンタルズ――何に着目するか                   327
 チャートのパターンとセットアップ――何に着目するか                   329
 空売りの指標――ブサイクなのがグッド!                   331
 注文のタイミング                   335
 空売り戦略――行き過ぎの株                   336
 空売り戦略――行き過ぎのダブルトップ                   339
 空売りトリガーリスト                   343
 空売りの秘訣――FAQ(よくある質問)                   344
 クイズ                   347
 解答                   348
 センターポイント                   350
 恐怖心を払いのけ、自分の光を輝かせよう                   350

第13章 トレードの構造                   353
 ターゲットにする産業セクターを見つける                   354
 準備                   355
 旅の日誌                   358
 その後のストーリー……                   370
 日中チャートを見てみる                   373
 センターポイント                   376
 執着しないことが新しい可能性をもたらす                   376

第14章 あなたはオッズの魔法使い                   379
 後ろに下がって大局を見る                   379
 「もし、なら/たら」発想法                   380
 ブロードマーケットを分析する                   382
 トレーディング環境を評価する                   383
 騰落ライン――マーケットを要約して伝えてくれるナレーター                   385
 経済や決算に要注意                   386
 オプション行使期限日――はい、それまでよ〜!                   389
 FOMCレポート                   389
 母なるマーケットのコントラリアン指標                   390
 コンディションの変化に注目しておく                   392
 損失について一言                   393
 自分に与える最高の贈り物――トレード日誌                   394
 レベル競肇譟璽妊ング――あなた向き?                   395
 クイズ                   399
 解答                   400
 センターポイント                   401
 センターに戻る                   401

トレード金融用語の解説                   403
オススメの本                   427

■訳者まえがき

 本書は、トニ・ターナー女史による『A Beginner's Guide to Short-term Tranding』の翻訳です。日本生まれのローソク足を欧米に紹介したスティーブ・ナイソンが序文を寄せていることからも想像できるように、短期トレーディングの手法や考え方を、ローソク足チャートの分析を中心に説明しています。  とはいっても、チャート分析のためのチャート分析ではなく、ごく基本的な幾つかのパターンを例に、株価パターンからマーケット参加者たちの心理を読み解くことによって、参加者たちのコンセンサスである相場の行方を探り、ファンダメンタルズ分析と絡ませて、どのようにすれば儲けることができるかを具体的に解き明かしてくれます。  著者のスタンスを一言で言えば「バランス」かもしれません。テクニカル分析とファンダメンタルズ分析、そしてトレーディングとトレーディング以外とのバランスです。  本書でも紹介されている本間宗久は、ローソク足(テクニカル)を考案して米相場で百戦連勝し、巨万の富を築いたことで知られていますが、本間家は豪農であり、米の収穫・出荷などの実体的な情報(ファンダメンタルズ)にも通じていたと言われています。 「月指す指は月にあらず」という言葉があります。「あれが月だよ」と指で指し示されたとき、その指自体が月だと勘違いしてしまいがちだということです。テクニカル分析を食わず嫌いしている方も多いと思いますが、本書が新しい視点を提供することができれば幸いです。

 2003年芳春

                         古河みつる

■序文

 トニと初めて会ったのは、僕がオンライン取引セミナーで講師を務めたときだ。彼女のほうから話しかけてくれた。トニは、ローソク足チャートが彼女にとっていかに大切であるかを話してくれた。僕は、瞬時に、彼女が知性が高く、知覚が鋭く、心が広く、おまけに趣味が素晴らしく良い女性であることが理解できた。いや、ひょっとしたら、ひいき目に見てしまったかもしれない。
 冗談はさておき、正直に打ち明けると、僕が彼女に初めて会ったとき(それまでの僕のセミナーは金融機関だけを対象にしていたので)、一般向けのセミナーの世界について何も知らなかったのだ。彼女がどういう人で、どれだけ人気があるということも知らなかった。
 だが、なぜだか、彼女の名前には聞き覚えがあった。その理由はすぐに分かった。僕は彼女の『ビギナーズ・ガイド・トゥ・デイ・トレーディング・オンライン(A Beginner's Guide to Day Trading Online)』というオンライントレーディングに関する本をその数カ月前に購入していたのだ。トニは、僕に本書の序文を依頼してくれた。彼女と知り合う前、あちこちの書店を回ってオンライントレーディングに関する良い本を探していたときに、結局たくさんの本のなかから選んだのが彼女の本のだったことをお伝えするのが、何よりもの推薦の言葉になると思う。
 僕がその本を選んだ理由は、本書を推薦するのと同じ理由だ。毎日のトレーディングにおける戦いを勝ち抜くために必要なツールや心理的な要素が完璧にブレンドされているからだ。
 トニは本書で「私は、このビジネスを学ぶために試練の道を歩んできました。あなたは私の過ちから学ぶことによって、同じ過ちを避けることができます」と書いている。この言葉は、「道を求むれば、先人に聞け」という日本の格言をほうふつさせる。オンライントレーディングで成功するための道先案内人として、トニに勝るガイドを推奨することはできない。

 スティーブ・ナイソン(CANDLECHARTS.COMの社長)
『ジャパニーズ・キャンドルスティック・チャーティング・テクニック(Japanese Candlestick Charting Techniques)』と『ビヨンド・キャンドルスティック(Beyond Candlesticks)』の著者

■はじめに

 アメリカが恋のとりこに

 アメリカは、株式市場との恋のとりこになっています。それも、とてつもなく熱々の恋に! もちろん、この恋にも盛衰があります。こちらの気持ちもバラ色の期待から先行きに対する不安まで、大きく揺れ動きます。でも恋は恋なので、純粋で単純です!
 それにしても、私たちを誘惑するこの恋人は、なんと荒っぽく気まぐれな恋人でしょうか。この相手は、あるときは優しく思慮深く、あるときは意地悪で怒りっぽい。好材料をあたかも毒であるかのように扱ったり、悪材料を材料がまったくなかったかのように一蹴したります。「インフレ」という言葉ひとつだけで、この恋人は絶望の底へ落ち込み、戦争のうわさだけで有頂天になります。乱暴で、横柄で、しとやかで、愛らしい。この恋人のご気分は、利己と寛大、敵意と慈悲、悲観と至福の間で目まぐるしく揺れ動きます。
 この恋人はあなたにプレゼントを贈ったでしょうか? あるいは、あなたが与えようと思っていたより多くのものを奪い取ったでしょうか? あなたの感謝も、ののしりも、同様に無視されます。この恋人は、あなたが泣くときに笑い、あなたが幸せそうにしていると薄ら笑いを浮かべています。
 あなたがついに怒って立ち去ろうとすると、この恋人はそのタイミングを待っていたとばかりに、あなたが拒絶できないような甘い言葉をささやき、恋人の腕のなかに戻るように誘惑するのです。

 ロマンスはこうして始まった

 アメリカが株式市場に夢中になったのは、この10年間にわたる「大強気相場」の始まりと時を同じくしています。この期間中、株式市場におけるリターン(収益率)は、債券や不動産など、ほかのほとんどの金融商品を上回っていました。  ボラティリティの増大、つまり値動きの幅が大きいことが今日の特徴です。90年代の初頭から中ごろに、ダウ工業平均が100ポイント以上動いたら、私たちは仰天したでしょう。今日では、この伝統を誇る指数が100ポイント動くのは普通のことになっています。
 21世紀に入ってからも、幅の大きい値動きを利用することを学んだ人たちは、がっちり儲けています。1日に何ポイントも上昇・急落する株もあるので、機転の利くプレーヤーたちは、押しで買い、戻しで売ることによって、上昇下降の両局面で儲ける方法に習熟しています。

 インターネットがキューピット役

 インターネットの普及が、私たちを株式市場に夢中にさせることに大きく貢献しました。私たちアメリカ人は、あっという間に、テレビよりもパソコンの前で過ごす時間のほうが長くなりました。
 偉大なるウエブがグローバルコミュニケーションを一変させました。そのおかげで、自分自身で投資について検討し、行動できるようになりました。企業に関するアナリストレポートを郵送してもらうなど、ファイナンシャルアドバイザーに依存する必要はもうなくなりました。ノドから手が出るほど欲しかったあらゆる投資データが、指先ひとつの操作で手に入るのです。株式の調査レポート、詳細なニュース、ファンダメンタル情報、機関投資家の保有株、各種のランキングなどが、マウスクリックだけで自分のものになるのです。
 自分のポートフォリオを自分でコントロールしようとする人が増えたことに対応し、証券会社は株式のオンライン取引サービスの提供を開始しました。私たちは自力で調査をするので、トレードするために多額の手数料を支払う気はありません。低額の手数料のディスカウントブローカーが登場し、多くの大手証券会社も追随しました。それでもフルサービスブローカーに気前よく払おうというトレーダーや投資家たちもいることはいますが、3桁の手数料はなくなりました。1996年に48ドルだった取引1回当たりの手数料は、今では平均で12ドルにまで下がっています。
 本書執筆中の現在、オンラインブローカーは1800万件の口座を管理し、インターネットを介して毎日106万件の取引が処理されています。2003年にはオンライン口座の総数が倍増すると予測されています。電話経由ではなく、オンライン経由で注文されたリテール取引の割合は、1997年の17%から1999年には43%に伸びました。2000年末には50%を超えています。

 デイトレーダーの台頭

 90年代の終わりにかけて、小さなスプレッド(株の買値と売値の差額)、「株のフリーマーケット」のようなECN(電子取引ネットワーク)、取引所へダイレクトアクセスできる高度な発注システムに引かれ、マーケットに大量のデイトレーダーが現れました。なかには大儲けしたトレーダーもいましたが、丸裸にされたトレーダーもいました。そういう野望を抱いた人たちは、一夜にして金持ちになれると確信し、知識も、規律も、経験もなしに、地球上で最も困難な闘技場に向こう見ずに飛び込んだのです。
 その人たちは、「高値で買い、安値で売れ」と言い終わるよりも速く資金を失っているのです。  株式市場にとって、その人たちは飛んで火に入る夏の虫ようなものでした。マーケットは待ってましたとばかり、ニンマリと微笑みながら、その人たちを朝食としてのみ込んでしまったのです。おまけに、のみ込んだとたん、お金と自尊心だけを胃袋に残して、それ以外を吐き出してしまったのです。
 幸いなことに、株式取引をもっと本格的にやろうと決意した私は、もう少しの慎重さと、はるかに多くの勉強をしながら取り組みました。私は訓練期間を生き延び、マーケットでコンスタントに儲けることができる、自立したトレーダーになることができたのです。

 株式市場とのかかわり

 私が投資を始めたのは30年以上前のことです。投資で生計を立てていくなら、株式ブローカーと同じぐらいの知識を身につけることが必要だとすぐに心に決めました。ほとんどのブローカーには、私たちがやるほど、あるいはやるべきほど、私たちのポートフォリオの面倒を見ている時間がないのです。
 5年前、私は本格的にトレーディングに入りました。それから1年半、私は過ちを山ほど犯しました。マーケットは私を手荒く扱いました。徹底的に!
 損をし続け、不安でいっぱいでしたが、あきらめませんでした。目がしょぼしょぼになるまでCNBCを見続けました。夜には、うとうとして椅子から転げ落ちるまでチャート類をチェックしました。手に入るかぎりのトレーディングに関する本を読みました。ニューヨークを訪れ、私の師となったトップトレーダーの下で勉強し、周囲の人たちを苛立たせるほどたくさんの質問をしました。いつしか、学習曲線をはい上がり、目標を達成しました。マーケットでコンスタントに儲け続ける方法を見つけたのです。
 友人たちは、私が「火の試練」を乗り越えたことに安堵し、トレーディングを学びたい人たちに教えたらどうかと提案してくれました。私もそう思い、私のライターとしての経歴(14年間プロのライターをやっていました)と私のトレーディングのスキルを合体させて、『ビギナーズ・ガイド・トゥ・デイ・トレーディング・オンライン(A Beginner's Guide to Day Trading Online)』を書き上げました。2000年3月にアダムス・メディア社から出版されたこの本は、デイトレーディングの分野でベストセラーになりました。
 現在、講演で聴衆に対して、私は株を「2分間から2年間」保有していると話しています。実際にそのようにしています。でも、私が気に入っている時間枠は、本書のテーマであるスイングトレーディングとポジショントレーディングをターゲットとしたものです。これら2つのトレーディングスタイルを適切に実践すれば、良いときにだけトレードし、調整局面には手を引いていることができます。

 本書を書いた理由

 本書でスイングトレーディングとポジショントレーディングと定義している短期トレーディングの諸原則を学べば、あなたも最小の時間とリスクで最大の利益をあげることができるようになります。

  • デイトレードをすれば、手早く儲けることができるでしょう。でも、マーケットが開いている間中、パソコン画面に釘付けになっていなければなりません。それにはロケット科学者並みの集中力とラクダ並みの膀胱を持っていることが必要です。
  • 「バイ・アンド・ホールド」という伝統的な投資スタンスは、その尊厳の多くを失っています。数少ない例外を除いて、アメリカ産業のアイドル的な銘柄を購入しておけば子供の大学資金や退職後のフロリダの住宅購入に充てられると安心していられるような時代は過ぎ去ったのです。
  • 適切に実践すれば、スイングトレーディング(2〜5日間の保有を想定)とポジショントレーディング(4〜8週間の保有を想定)と呼ばれるスタイルは、最小限のリスクで最大の利益をもたらすことができます。

     戦略の概要

     戦略はこうです。この惑星上の森羅万象と同様、株価の動きにはサイクル(周期)があります。後ほどさらに詳しく説明しますが、ここでは、ひとつのサイクルが4つのステージから構成されていることを覚えてください。  頭のなかでイメージしてください。谷間があって、そこから斜面を登ると山の頂上に着き、さらにその山を下ると、また別の谷間に降ります。次に、そのイメージに株価のパターンを重ねてください。株価は谷間でベーシングを形成し、それからブレイクして数週間から数カ月続く可能性のある上昇トレンド(山の斜面)を登っていきます。上昇トレンドの勢いが尽きると、短期間、株価は横ばい(山頂)に推移します。買い手がそれ以上の上値で買うことを拒むと、株価は「ロールオーバー」し、下降トレンドに移ります(山の反対側の斜面)。下降トレンドが終わると、前の谷間価格の近辺でそのサイクルが完了し、新しいサイクルが始まります。  比較的短期なトレーダーである私たちの狙いは、株価の上昇トレンド(または下降トレンド)の真ん中、つまり「スイートスポット」をとらえることにあります。いつ買いに入り、いつ手仕舞いし、いつ手控えるかを学びます。これら原則はどんなトレーディングスタイルにも適用できるので、あなたがどんな時間枠でプレイするにしても役立つ大切な知識になります。

     成功するために必要なもの

     トレーディングのために用意する必要があるものといっても、特別なものはありません。皆さんはおそらくすでにほとんど持っているでしょう。最新型のパソコン(信頼性の高い高速インターネット接続を含む)とテレビを、オフィスか静かな部屋の一角に置きましょう。  おそらく、最も必要なことは、あなたの最も貴重な資源である「時間」を割かなければならないことです。世界で最もタフな「闘技場」でコンスタントに利益をあげ続ける方法を学ぶには、熱意と粘りが必要です。でも、それだけの価値はあります!

     短期トレーディング――まずはグッドニュースから

     あなたは何かの分野のプロであったり、企業家、退職者、学生、それとも主婦であるかもしれません。おそらく、株式市場を観察して、現在のようなボラティリティなら相当な利益を稼げられると踏んでいることでしょう。フルタイムとパートタイムのどちらでトレードするつもりであっても、トレーディングは途方もない利益をもたらしてくれます。  トレーディングをフルタイムの仕事にすれば、働く時間、働く場所、働くかどうかを選ぶことができます。パソコンがインターネットに接続されてさえいれば、どこからでもトレードできます。オフィス内の人間関係? そんなものはありません。気難しい上司? あなたが上司です! バニーちゃんスリッパを履いて仕事がしたい? どうぞ! 風邪をひいた? 毛布を頭までかぶって、好きなだけベッドで眠ってください。お金の余裕ができたので1週間休みたい? 思い存分楽しんでください!  パートタイムでトレードしたければ、本業にしわ寄せがないように努めながら、ゴージャスなお小遣いを稼いでください。  慎重かつ賢明にトレードする方法を学べば、稼いだお金で夢を現実に変えることができるかもしれません。例えば、ずっと欲しかったヨット、山の別荘、お子さんの大学教育などです。  一部の人たちには考えつかない利点もあります。適切に実践すれば、短期トレーディングのリスクは長期投資より低いのです。多くの伝統的なバイ・アンド・ホールダーたちは、弱気相場でも投資をそのままにしておき、資金がしぼんでいくのを歯ぎしりしながら見ているだけなのです。  あなたは「フラット」にするとき、つまりポジションをすべて閉じるタイミングについて学ぶことになります。調整局面や弱気相場になったら、落ち着いてポジションを現金にするのです。そうすれば、再び強気の雄牛が支配し始めたとき、豊富な資金を持って買いに入ることができるのです。

     次にバッドニュース

     株式市場は地球上で最も激烈な「闘技場」です。負ければ、捕虜にされずに殺されます。食うか食われるかの世界であり、適者だけが生存できます。適切な知識や規律なしに飛び込む人は、たちまち餌食になってしまうのが常です。  このフィールドで戦うには、粘り強く一生懸命に勉強したいと思うことが必要です。爆弾の起爆装置並みの神経を身につけ、海兵隊の教練指導官並みの規律を養わなければなりません。  短期トレーディングは、国債やマネーマーケットファンドなどの固定利付き商品に投資するよりリスクは高くなります。正直言えば、あなたは損をすることもあるでしょう。特に最初のころは。ただし、損する額はあなたがコントロールできます。あなたは極端なリスク回避型ですか? 損をすると考えだけで、胃薬が必要になりますか? もしそうなら、別の投資法を選んだほうがいいでしょう。  あなたは生まれながら規律のある人間ですか? 自分の感情をコントロールできますか? あるいは、衝動のままに行動してしまうタチですか? 大儲けしているマーケットプレーヤーたちは、感情に流されず、冷たく鋭い目つきで、ロボットのようにトレードします。あなたはそういう態度を貫けますか?  トレーディングの最初の一歩を踏み出すとき、「そのスピードが死を招く」という標語を思い出してください。亀のペースでマーケットに入り、小さな利益を稼ぎながら、ゲームのやり方を学びたいと思いますか? 賢明なトレーダーのように、観察し、自分の知識を適用し、次のステップを計画し、それからそのプランを忠実に守りながらそのステップを実行することができますか? それがプロたちの財布を太らせている方法です。あなたもその足跡をたどれば、同じように儲けることができるのです。  短期トレーディングは、すべての人に適しているわけではありません。ですから、実際にお金を注ぎ込む前に、前述した各質問をよく考えてください。自己分析は必ずしも簡単なことではありませんが、自分自身のニーズに最も適した道を指し示してくれます。

     旅路……

     本書では、地球上で最もエキサイティングな街、ウォール街の概要について説明します。それから、あなたのトレーディングビジネスの立ち上げ方についてお話しし、成功するための市場心理について掘り下げ、ファンダメンタルとテクニカルの両分析方法について説明します。株価パターンの読み方、銘柄の選択法、プレイのやり方について学ぶことになります。また、マネーマネジメント・テクニックについても学ぶことになります。株を買うことは簡単ですが、難しいのは売り時です。ニュースやマーケットで繰り返し起こる出来事、それらの解釈方法についても説明します。何より重要なことですが、楽しみながら学んでいきましょう。  私は友人同士のような話し方で話していきます。コーヒーを飲みながらおしゃべりする仲良しのように。あなたに保証します。本書の文章のひとつひとつが、私の心から発したものです。私は、このビジネスを学ぶために試練の道を歩んできました。あなたは私の過ちから学ぶことによって、同じ過ちを避けることができます。以降の部分で、マーケットの落とし穴を避け、知恵とコモンセンスを駆使して儲ける方法を学ぶことになります。本当です。私にできることなら、あなたにもできます。

     さあ腹を決めよう!

     さて、紳士淑女の皆さん。ここが正念場です。あなたが短期トレーディングに適しているかどうか決断するときです。この決断を下せるのはあなただけです。  繰り返しになりますが、時間とお金に関して、あなた自身による、あなた自身のための固い決意が必要になります。あなたが私と一緒にこの旅に出ることを決意したら、さあ出発しましょう。あなたの人生で最もエキサイティングな旅になりますから、しっかりとついて来てくださいね。
     では、グッドラック。そして、グッドトレーディング!

     ジェシー・リバモアを紹介します……

     この業界で「バイブル」と目されている本があるとすれば、『欲望と幻想の市場』(東洋経済新報社)です。1923年に出版されたこの本は、世紀の節目に活躍した伝説のトレーダー、ジェシー・リバモアの古典的な伝記です。  著者のエドウィン・ルフェーブルは、数週間にわたってリバモアをインタビューしました。それから、リバモアをラリー・リビングストンという名前に変えて(訳者注 邦訳ではジェシー・リバモアのまま)、リバモアの考え方やトレードに関する回想をまとめた傑作を著しました。  リバモアが騒々しいもぐりのブローカーでコモディティーと株式のトレードで財を成しかつ失ってから70年以上経った今日でも、彼のものの見方には真実と正確さがあるように思えます。各章の先頭に彼の言葉を掲げました。それらをかみしめ、よく考え、それらをあなたのトレーディングの参考にしてください。

    ■第5章 マーケットの読み方 <その2>――儲けをもたらす基本的なチャートテクニック

     クイズ

    1. 典型的な株価サイクルを構成する各ステージの名前をあげ、各ステージが動く方向を説明してください。
    2. 各ステージにおける集団心理を説明してください。
    3. 「ナンピン」というトレード方法は、下落している株を保有しているときに損を取り戻す最高の方法である。○か×か?
    4. 株価サイクルの各ステージについて、短期トレーダーにとして可能な選択肢を簡単に説明してください。
    5. 強欲と恐怖心のどちらの感情が供給を促しますか? 需要を促すのはどちらの感情ですか?
    6. 「床と天井の間で跳ね返るボール」の例え話で、床はサポートとレジスタンスのどちらに相当しますか? 天井はどちらに相当しますか?
    7. 同じ例え話で、ボールが天井の穴を通り抜けて、上の階の床で跳ねることは、株価チャートでのどんな動きを表していますか? ボールが床を通り抜けて、跳ね返って天井にぶつかるのはどうでしょうか?
    8. メジャーレジスタンスとメジャーサポートとは何ですか?
    9. 「転換点」(ピボットポイント)とは何ですか?
    10. サポートとレジスタンスは、あらゆる時間枠のチャートで見ることができる。○か×か?

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