■目次

訳者まえがき
献辞
謝辞

序文
第1章 主要なテーマ
第2章 アナリストのバイアス
第3章 アナリストのリサーチレポートの分析
第4章 公表利益と予想利益の修正の重要性
第5章 予想利益の修正を利用した有望株の見つけ方
第6章 予想外の公表利益の修正
第7章 公表利益の修正を利用した投資法
第8章 「ザックス・ランク」――有望株を厳選する優れた銘柄選択ツール
第9章 ザックス・ランク投資法を効果的に実践する
第10章 アナリストの投資推奨を効果的に利用する
第11章 不人気株とアナリストの長期予想利益成長率
第12章 株式評価レシオ、予想利益の不確実度、「FedFedモデル」
まとめ

付録1 「www.zacksadvisor.com」の無料体験
付録2 ザックス・スナップショット・レポート
付録3 アナリストのデータの入手先
付録4 予想利益の不確実度に基づくダウ投資法

■訳者まえがき

 最近では個人投資家のインターネットによる株式売買が次第に支配的になってきた。それに伴って、さまざまな投資参考データもインターネット上から簡単に入手できるようになった。しかし、それらのデータをどのように読み取って有効に利用するのかについては、実際に役立つ手引書がほとんどないというのが実情である。
 インターネットの投資サイトのなかで、最もおもしろいデータのひとつは株式のリサーチ情報であろう。これは株式アナリストによる各銘柄の予想利益とそのコンセンサス推移、1株利益成長率、レーティング(投資推奨)などをコンパクトにまとめたものである。株式専門家によるこれらのリサーチデータを一見すると、株式投資の貴重な参考データになると思われるだろう。しかし実際には、例えば、「レーティング」の投資推奨に従って株式を売買しても、利益になるどころかむしろ損失になるケースが多いというのが現実である。また、アナリストの予想利益のデータをそのまま参考にして株式投資をしても、やはり利益を上げるのが難しいというのは一体どういうことなのだろうか。
 その大きな原因は、アナリストのデータにはすべて裏があるからだ。その理由を理解するには、証券業界に深く根づいている特有の慣行や制度、そしてアナリストが置かれている微妙な立場というものに目を向ける必要がある。アナリストのデータに大きなバイアスがかかっているのは、そうした複雑な事情が反映されているからである。こうした状況を十分に理解しないかぎり、アナリストのデータを使った株式投資で利益を上げることはできないだろう。
 しかし、読者の皆さんが本書で紹介されるアナリストのデータの効果的な利用法をしっかりとマスターされるならば、インターネット上のリサーチ情報は、単なる数字の羅列から、読むほどにおもしろい生きた数字に変貌するだろう。つまりアナリストの損益データなどに対する視点を、これまでの、どのように「分析する」のか、から、どのように「利用する」のか、に変えるだけで、株式投資の利益のチャンスは大きく広がるということである。
 ザックス・インベストメント・リサーチは、証券会社に所属するアナリストの予想利益とレーティングに関するデータを20年以上にわたって集計・分析してきたユニークな会社である。インターネット上の投資サイトのリサーチ情報をどのようにうまく利用して利益につなげるのか……本書は、その勘どころをおさえた、同社の専門家による実践的な株式投資の手引書である。  原書『Ahead of the Market』の邦訳を決定された後藤康徳氏(パンローリング)、編集・校正の阿部達郎氏(FGI)、装丁の新田和子氏。皆さまのご尽力があってこそ、この邦訳書が日の目を見たのである。皆さまのご協力に深く感謝いたします。

 2003年10月
                         関本博英

■序文

 現在、株式市場は、その信頼性が危機に瀕している。アメリカ企業のトップは労働者と株主の利益を犠牲にして、自分たちだけが懐を肥やしていると広く思われている。極めて多くのもっともな理由から、多くの投資家は、証券会社、そしておそらくアメリカ株式会社のCEO(最高経営責任者)も信用することができないだろう。さらに最近の新聞を読めば、株式アナリストも信用できないと思うのも当然であろう。
 これまでの全生涯を相場のプロとして、証券会社のリサーチレポートを集計・分析し、ポートフォリオを運用するときにはアナリストのデータを利用してきたわたしでさえも、特にアナリストに対する投資家のそうした疑惑の念はまったくそのとおりだと思う。要するに、アナリストが作成したリサーチレポートの内容をそのまま受け入れてはならないということである。  証券会社全体で、株式のリサーチレポートを作成する数千人のアナリストに対して、1年間に10億ドル以上の給与を支払っている。しかし、もし投資家がこれらのアナリストの投資判断に従って最も強気の推奨銘柄を購入していたら、過去2年半における損失率は何と47%にも達していたのである。これに対し、アナリストが弱気だった株式を買った場合の損失率は、わずか11%で済んでいる。
 しかし、だからといって、アナリストが作成するリサーチレポートを利用して株式市場で利益を上げられないかといえば、けっしてそんなことはない。最近の厳しい批判の声にもかかわらず、アナリストが実に多くのタイムリーな情報を提供しているのは事実であり、それらをうまく利用すれば、個人投資家でも株式市場で勝つことができるのである。大切なことはまったく単純に、アナリストが提供する重要で儲かる情報だけを受け入れ、それ以外の間違った、または市場を操作しようとする情報などは無視すればよいのである。本書は読者の皆さんにその方法を教えようというものである。つまり、本書は、ウォール街の証券会社が毎年10億ドル以上もの給与を支払っている株式アナリストのデータを利益につなげる一方で、ウォール街の証券会社のだましには引っかからないようにするための本である。
 本書ではプロのポートフォリオマネジャーが実際に使っているが、これまで個人投資家にはほとんど知られていなかった極めて有効ないくつかの投資法にも焦点を当てている。(アナリストのリサーチレポートを利用した)そうした投資法を正しく実践すれば、どのような相場の局面でも市場平均以上のリターンを上げることができるだろう。
 現在、ウォール街にはアナリストのリサーチレポートがあふれているが、多くの個人投資家は、それらを間違って使ってしまったせいで大きな損失を出している。本書ではアナリストのリサーチレポートに含まれるノイズ(間違った情報)を排除し、投資判断に役立つ情報と無視すべき情報を正しく取捨選択する方法を紹介する。多くのプロのマネーマネジャーは本書で紹介するさまざまな投資法を実際に使っているが、それを個人投資家に教えることはなかった。本書ではそれらの投資法を平易にかつ単刀直入に説明している。読者の皆さんが、本書で紹介する投資法をしっかり読み取って自分のものにされるならば、ある程度の訓練と決意が必要ではあるが、強気と弱気を含めたあらゆる相場の局面で投資パフォーマンスが目を見張るほど向上することは請け合いである。

ザックス・インベストメント・リサーチ社

 ザックス・インベストメント・リサーチは現在、アメリカとカナダの250社以上の証券会社に所属する3000人以上の株式アナリストが作成する数千件のリサーチレポートを毎日集計・分析している。当社は過去20年間にわたり、ウォール街の証券会社が発行するリサーチレポートを詳細に追跡調査してきた。そしてそれらのリサーチレポートをさまざまな投資家がどのように受け止め、利用してきたのかをフォローしている。ザックス・インベストメント・リサーチとは以下のようなことをしてきた会社である。  ザックスは過去20年間にわたるアナリストのデータの詳細な調査・分析の結果に照らして、「株価を左右する最も大きな要因はアナリストによる予想利益の修正である」との結論に達した。こうした結論を踏まえて、当社は今から10日と90日先の株価を予測する2つの独自の数量的モデルを開発した。これらの投資モデルは1000億ドル以上の資金を運用する機関投資家の間で使われている。今から90日先の株価を予測する数量的モデルは「ザックス・ランク」と呼ばれる。
 当社は過去20年間にこのザックス・ランクを毎月公表してきた。バイアスが一切ないこの株式ランキング・システムは、この20年間に目を見張るようなリターンを上げてきた。例えば、「ザックス#1ランキング株式」で構成されるポートフォリオ(月次ベースで銘柄を入れ替え)は1980年1月〜2002年9月に31.8%(売買手数料は含まない)という平均リターン(年率)を上げているが、これはS&P500のリターンである12.6%の2倍以上に相当する。
 もし投資家の皆さんが過去数年間にこのザックス・ランクに忠実に従っていれば、アナリストの投資推奨に従っていたときのリターンをはるかに上回っていただろう。実際、S&P500のリターンは2000年には−9.1%、2001年は−11.9%、2002年1〜9月は−28.2%となったが、ザックス#1ランキング株式のリターンはそれぞれ+16.2%、+18.7%、−5.9%となっている。本書ではこのザックス・ランクの紹介をはじめ、その有効性や具体的な使い方を含めて詳述している。

投資法

 本書は今では簡単に入手できる証券会社のリサーチレポートの真相を明らかにし、そこから個人投資家の皆さんが利益を上げられるように、独立した立場から客観的なアドバイスとロードマップを提供している。ここに盛り込まれたアドバイスは、過去20年間にわたる苦労に満ちた数量的な調査と分析、それに基づく投資法を実践してきたわれわれの実際の経験に基づいている。他の投資本のように、わたしはここで一般的な投資手法論を漠然と述べたり、または買った株式が2倍になったというような戦勝記を語るつもりはない。本書の各章には、アナリストのリサーチレポートに対して株価がどのように反応したかについて、広範かつヒストリカルな統計分析に基づく即座に利用可能なアドバイスが満載されている。
 この本は歴史書でもなく、また株式市場の欠陥を批判したジャーナリスティックな読み物でもない。もちろんわたしの伝記でもない。本書はアナリストのリサーチレポートを効果的に利用して利益を上げるための本である。つまり、アナリストのリサーチレポートをどのように読み抜いて、そこからお金を儲けるかについての手引書である。本書の中心的なテーマはアナリストの投資推奨と予想利益の修正であるが、それ自体はそれほど大きな価値はない。大切なことは、‘団蠅粒式について「すべての」アナリストがどのように評価しているのか、△修Δ靴辛床舛時間の経緯とともにどのように変化しているか――である。この2つを総合的に評価してはじめて、市場平均を上回る有望な株式を見つけることができる。

本書から学ぶべきこと

 ウォール街のアナリストが作成するリサーチレポートをうまく利用して利益を上げる方法については、今のところあまり知られてはいない。その一方で多くの個人投資家は相変わらず最も間違っているリサーチレポートのデータばかりに目を向け、その当然の結果として最も悲惨な結果を余儀なくされている。読者の皆さんは本書を最後まで読んで、次の点をよく理解する必要がある。  そのためには具体的に次のことをする。

本書の構成

 わたしはこれまで多くの投資書籍を読んできたが、おそらく皆さんと同じようにそのつど苛立ちを抑えることができなかった。それはそれらの本の筆者が言わんとする結論をだらだらと引き延ばしたり、最後に述べられた投資法が結局は何の価値もなかったというケースが多かったからである。
 本書の第1章では、読者の皆さんが理解すべき基本的な考え方を要約した。とりわけ利益を上げるにはどのようなアナリストのデータに目を向けるべきかについて詳述したので、その個所を読んでいただければ、アナリストのリサーチレポートをうまく利用して投資パフォーマンスを向上することができるだろう。
 第2章では、少し距離を置いた観点から、アナリストとはどのような人々か、そして彼らまたは彼女らが証券市場で果たしている役割などに焦点を当てた。このほか証券業界の現状についても概説したので、アナリストが売り推奨を出したがらない理由、証券会社(投資銀行部門)との利害関係から単刀直入な分析データが公表できない事情などが分かるだろう。ここではまた、その投資推奨に従ってもよいアナリストがはたして存在するのかという疑問にも答える。
 第3章では、ある証券会社のリサーチレポートをサンプルとして取り上げ、そのなかで有益な情報と捨てるべき情報の取捨選択法を示した。アナリストのリサーチレポートの各項目を読み取り、それらをコンセンサス・データにまとめる方法が分かれば、それ以降に紹介されるさまざまな指標もよく理解できるだろう。
 第4〜5章では、証券会社のリサーチレポートのなかで最も重要で強力な武器となるアナリストの予想利益について検討した。第4章では、株式を評価するうえでなぜ予想利益が重要なのか、株価の方向を予測する予想利益の修正をどのように読み取るのかを説明した。そこではまた、「アナリスト・クリープ(analyst creep)」と呼ばれる現象を取り上げ、それが発生する理由などについて詳しく述べた。
 第5章では、勝ち組銘柄を見つけるために、予想利益の修正をどのように利用すべきかについての6つのプロセス、さらに将来の予想利益の修正を予測するうえで注目すべきデータなどについて詳述した。
 第6章では、予想外の公表利益の修正とは何か、なぜそれが株価を大きく左右するのかについて説明した。また公表利益を操作している5社の具体例と、そうしたケースにどのように対処すべきかについてアドバイスする。
 第7章では、公表利益の修正に対して具体的に行動を起こす前に検討すべき3つのステップを含め、投資決定プロセスにおいてそれをどのように利用すべきかを示した。また「ゴキブリ効果」、「利益発表後の株価推移」のほか、公表利益の修正と併用する「予想外の売上高の修正(Sales Surprise)」と呼ばれる新しいコンセプトも紹介する。また、公表利益の修正を予測するために、一部の大手ヘッジファンドが使っている投資手法にも触れた。
 第8章では、「ザックス・ランク」について概説したあと、その有効性、よくある質問に対する答え、それを構成する基本要因などについて詳しく説明した。さらにザックス・ランクの具体的な使い方が示されているので、これによる勝ち組銘柄の見つけ方、負け組銘柄の除外法が分かるだろう。
 第9章では、さまざまな投資家がザックス・ランクをどのように使っているのかを具体的に説明し、投資決定プロセスにおける6つのステップの利用法を紹介する。
 第10章ではアナリストの強気の推奨銘柄が過去2年間にどれほど不振だったかなど、その理由を含めてアナリストの投資推奨のパフォーマンスについて検討した。アナリストの推奨銘柄の成績が振るわないのは、投資銀行部門とアナリストの利害対立がその主因であると考えられているが、実際にはもっと根本的な問題が存在する。ここではまた、アナリストのリサーチレポートを間違って使うとどれだけの損失を被るか、その投資推奨の正しい利用法などについても説明する。
 第11〜12章では、株式評価レシオ、不人気株への投資、予想利益の不確実度(earnings uncertainty)など一般にはあまり知られていないアナリストのデータの利用法をはじめ、アナリストの長期予想利益成長率が高い株式は避けなければならない理由も示されている。
 巻末の付録には極めて貴重な情報が盛り込まれている。なかでも見逃してはならないのが付録1で、そこでは最も人気の高いインターネット上の投資ニュースレターである「
www.zacksadvisor.com」の1カ月間の無料体験について説明している。これを利用すれば、有望株の優れた銘柄選択ツールである「ザックス・ランク」や「ザックス・フォーカス・リスト」などに毎日アクセスできる。

最後に

 最後に、読者の皆さんに対するアドバイスと注意点として、本書には夢のようにお金が儲かる魔法の公式などは盛り込まれていないことを強調したい。その代わりこの本のなかで紹介されている有効な投資法を正しく理解して実践すれば(本書ではその具体的な実践法が詳しく述べられている)、強気と弱気を含むあらゆる相場の局面で市場平均を上回るリターンを上げられるだろう。
 本書の一部の内容が信じられなかったり、または批判の目を向けられる読者がおられるかもしれない。たしかにわれわれの分析結果に照らせば、証券会社が発行する多くのリサーチレポートは印刷する価値もないと言えば、びっくりする読者も少なくないだろう。しかし、われわれが長年にわたりアナリストのリサーチレポートを詳しく集計・分析した結果、導き出されたひとつの単純な結論は次のようなものである。つまり、「予想利益が上方修正された株式は買い、その反対に予想利益が下方修正された株式は売る」ということである。以下ではこのテーマについて詳しく検討していく。
 わたしは本書のなかで読者の皆さんに、だれを信用していいのか分からず、またマーケットの行く先などまったく予測できないこの相場の世界にあって、皆さんが自分で進むべき方向を判断するひとつの指針を示したいと思う。それでは始めよう。

■第1章 主要なテーマ

本章の内容
 本書の目的は、ウォール街の株式アナリストが作成するリサーチレポートを利用して利益を上げる投資法の実践を読者の皆さんに紹介することにある。それらの投資法には、長期間にわたる有効性が実証された独自のコンセプトが数多く含まれており、実際にプロの投資家が広く用いているものである。本書で紹介する投資法は、投資家がアナリストのリサーチレポートをどのように利用するのかについて、ザックスが20年以上かけて蓄積してきた調査と分析がベースとなっている。この投資法を正しく実践すれば、強気と弱気を含むどのような相場の局面でも市場平均を上回るリターンを上げられるだろう。
 第1章の目的は極めて単純なものである。ここでは皆さんに、1990年半ば以降、インターネットを通じて簡単に入手できるようになったアナリストのリサーチレポートの使い方について基本的な知識を提供する。

アナリストのリサーチレポート

 まず最初に、ウォール街のアナリストが大きな批判を浴びている最近の状況を理解する必要がある。その大きな原因は、アナリストが所属する証券業界に根本的な問題があり、また、株式アナリストが将来の有望株をずばり言い当てることなどできないという事実を知らなければならない。しかし、アナリストとそのリサーチレポートが極めて有益であることは事実であり、それゆえ、それを正しく利用する方法を学ぶべきである。
 ウォール街の証券会社は全体として3000人以上の株式アナリストを雇用している。彼らは、どの株式を売買すべきかに関する情報を証券会社の顧客に提供して給与をもらっている。証券会社の顧客は2つに大別される。ひとつはミューチュアルファンド、年金基金およびヘッジファンドなどの大口の機関投資家であり、もうひとつは子供の教育資金や退職金を株式投資に充てる零細投資家から数百万ドルを運用する大口投資家にいたる個人投資家である。
 アナリストのリサーチレポートには多くのデータが盛り込まれているが、そのなかで最も重要なものは投資推奨と予想利益の2つである。投資推奨とは、その株式に対するアナリストの投資判断であり、予想利益とは、その企業の向こう数四半期および数年度の予想1株利益である。1990年代半ばまで、アナリストが作成するリサーチレポートとそこに盛り込まれている各種データは、プロの投資家やフルサービスの証券会社に大口口座を持つ投資家でなければ入手できなかった。しかし今日では、証券会社のアナリストが作成するすべてのデータ(予想利益、投資推奨そしてリサーチレポートそのものにいたるまで)はだれでも入手できるようになった。ただ残念なことは、ほとんどの個人投資家がそれらの情報を間違って利用し、それによって多くの損失を被っていることである。

重要なデータは予想利益
 多くの個人投資家は、アナリストのリサーチレポートのなかで最もバイアスのかかっているデータ(投資推奨)だけを重視し、その反対にプロの投資家が利用しているバイアスのない情報(予想利益)には目を向けていない。アナリストのリサーチレポートを正しく利用するには、アナリストが提供するどの情報を重視し、どの情報を捨てるのかを正しく学ばなければならない。重視すべき情報とは、アナリストの予想利益とその修正の推移である。以下ではアナリストのリサーチレポートに含まれている(買い/中立/売りという)投資推奨と予想1株利益について検討する。

投資推奨
 アナリストのリサーチレポートの目玉は各株式の投資推奨である。しかし、その投資推奨の表現は多岐にわたっており、証券各社は独自に分類を行っている。一部の証券会社は最高で24種類の推奨用語を使っていたこともあるが、その後は「強い買い」「買い」「中立」「売り」「強い売り」という5つの用語を使うようになった。2001年後半から、大手証券各社の多くが売り推奨を出していないという投資家や関係者の強い批判に応えて、推奨分類をさらに単純化し始めた。その結果、大手証券各社は、最近では、「オーバーウエイト(Over-Weight)」「イコールウエイト(Equal-Weight)」「アンダーウエイト(Under-Weight)」というわずか3つの推奨用語に絞っている。
 証券会社の多くは各株式の投資推奨に加えて、その株式(企業)が所属する産業の投資推奨も出している。例えば、同じリサーチレポートのなかで、マイクロソフトの投資推奨を「オーバーウエイト」としながら、同社が所属する「コンピューターソフト」産業を「イコールウエイト」とするケースもある。株式とその産業にはともにこれら3つの推奨用語が使われているが、多くの証券会社ではアナリストに合計9つの推奨用語の使用を認めている。
 アナリストの投資推奨では、これらの簡単な用語に広範な調査分析の結果が凝縮されていると考えられるが、ここで問題になるのは、「10ページにわたる素晴らしいリサーチレポートの内容は分かった。ところで、わたしはその株式をどうすればよいのか」ということであろう。アナリストのリサーチレポートのなかでは株式の投資推奨がおそらく最も広範に利用されていると思われるが、その単純な理由は、それが一見して理解しやすく、しかも単刀直入に書かれているためであろう。しかし、だまされてはいけない。アナリストの投資推奨とは実は羊の皮を着たオオカミなのである。アナリストの投資推奨は「単純で単刀直入だが、それは常に間違っている」のである。事実、もし皆さんが2000年4月〜2002年7月の2年半に、アナリストが最も強気だった株式を購入していれば、その損失率は何と47%にも達したのである。

キーポイント
 アナリストの投資推奨を鵜呑みにすることは大きな損失につながる。アナリストのリサーチレポートのなかで、投資推奨は最も広範に利用されているが、本当はけっして利用してはならないものである。それは百害あって一利なしである。

アナリストの売り推奨

 アナリストの投資推奨に耳を傾けることの大きな問題点のひとつは、アナリストはこれまで売り推奨をほとんど出してこなかったということである。当社は1980年代半ばからアナリストの投資推奨を追跡調査しているが、ここでもその事実はまったく変わっていない。今でも売り推奨はほとんど出されず、たとえ現在論議されている証券改革策が実施されても、こうした状況が今後も変化することはないだろう。その理由については次章で詳しく述べるが、その大きな原因はこの業界の在り方に深く根ざしたものである。それならば、もはや単純にこの事実を受け入れるしかない。つまり、アナリストの売り推奨は買いまたは中立という投資推奨の1/10以下にすぎないという事実である。
 もし皆さんが最近のニュースを詳しくフォローしているならば、アナリストが売り推奨を出したがらないという事実には何ら驚くことはないだろう。2002年12月に終了した、ニューヨーク州司法長官エリオット・スピッツァーによる調査結果を見ても、投資家に売り推奨が出されるケースは極めて少なかった。2001年の夏以降、アナリストに対する批判はかなり強まっている。ソロモン・スミス・バーニーの著名な元通信アナリスト、ジャック・グラブマンは、通信大手ワールドコムの投資情報を操作して顧客に提供していた疑惑が持たれている。またメリルリンチの著名な元アナリスト、ヘンリー・ブロジェットは、過度に強気なハイテク株のリサーチレポートを出したとして、インターネット株バブルの元凶であったと批判されている。ほかの多くのアナリストも、「投資家の信認を著しく失墜させた」と非難され、2000年第1四半期から始まったハイテク株の暴落を引き起こしたと言われている。個人投資家が巨額の損失を被った一因は、このようにアナリストが売り推奨を出さなかったことにあるとされている。皆さんは、その筋の専門家や政治家が夜のテレビ番組で、聖書の予言にあるような弱気相場をもたらしたのは、アナリストによる一連の仕業であると非難するシーンを何度も目にされたことだろう。

売り推奨の出し渋りは何も今に始まったことではない
 ウォール街の歴史始まって以来、アナリストのリサーチレポートを利用し続けてきた機関投資家にとって、こうしたアナリストによる売り推奨の出し渋りは何ら目新しいことではない。株式の暴落を招いた原因は、何も個人投資家がオンラインで売買したことにあるのではなく、むしろ機関投資家こそが強く批判されるべきであろう。つまり問題は、アナリストの投資推奨にバイアスがかかっていることにあるのではなく、むしろ個人投資家にその事実を知らせなかったということ、またはアナリストの投資推奨に含まれている誇大宣伝をうまく無視する方法を教えなかったということにある。
 この問題をさらに増幅させたのは、個人投資家がインターネットを通じて簡単にアナリストの投資推奨を入手し、そうしたデータの正しい使い方も知らずにその内容を鵜呑みにしたことである。多くの個人投資家は、アナリストは弱気の投資推奨をほとんど出さないという事実を単に知らないがゆえに、アナリストの言う「中立」が、実は「売り」を意味することが分からなかったのである。スピッツァー司法長官の調査でも明らかになったように、証券会社のリサーチレポートとその投資銀行部門には本質的な利害の衝突が存在する。これがアナリストのリサーチレポートの性質に色濃く反映されており、その結果がアナリストによる売り推奨の出し渋りにつながっている。
 証券会社(投資銀行部門)は取引先企業の株式を上場させ、公募増資を支援し、ディール(買収案件)に関するアドバイスを行うなど、それらの企業との取引の継続・拡大を望んでいる。そのために必要なものが、取引先企業は優良企業であると内外に公表するアナリストのリサーチレポートなのである。問題は、ジャック・グラブマンのような有名アナリストが、投資銀行部門の収益に大きく寄与するリサーチレポートの信頼性を著しく失墜させたことである。同氏は、企業買収を繰り返してきたワールドコムの株価を押し上げて同社がさらに買収をしやすい状況をつくり、それによって多額の手数料を確保しようと、過度に強気のリサーチレポートを出したと言われている。
 たしかにそういう面があったことは事実であるが、証券会社のリサーチレポートとその投資銀行部門の利害の衝突が表面化するずっと以前から、実はアナリストの投資推奨には売りがなかったことはあまり知られていない。この問題は実は構造的なものなのである。実際、アナリストのヒストリカルな投資推奨を分類するとかなり一定の比率にまとまっている。ザックスがフォローしている4500以上の株式に対する約3万件のアナリストの投資推奨を分類したところ、何らかの売り推奨(「売り」「強い売り」など)は投資推奨全体の8.3%にすぎないが、この比率はここ10年間で最も高かった。過去10年間の大半を通じて、こうした何らかの売り推奨の比率は驚くほど低かったのである。
 しかし、2001年半ば以降の下げ相場では、アナリストはもっと売り推奨を出すべきだとする政治的な圧力が強まって(弱気局面ではアナリストの売り推奨が多くなるのは当然であろう)、売り推奨の件数はわずかに増えている。もっとも、こうした政治的圧力とアナリストの自主性を尊重するという証券会社の言い分にもかかわらず、アナリストの売り推奨がこれから大きく増大するとは思われない。たとえ売り推奨の比率が上昇したとしても、それは一時的なものに終わるだろう。アナリストとバイアスのかかったその投資推奨に対する規制当局の監視の目が弱まれば、再び元の木阿弥になると思われる。証券会社にとって売り推奨を出すことは、失うことはあっても得るものは何もないからである。

キーポイント
 証券業界に構造的な変化が起きても、アナリストによる売り推奨の出し渋りという現象はなくならないだろう。その原因はこの業界に深く根ざしたものであるからだ。またアナリストの投資推奨が株価を大きく左右するという状況が続くかぎり、それが証券会社(投資銀行部門)によって利用・操作されるという今の現状もあまり変わらないだろう。

アナリストの買い推奨

 そういうことであれば、アナリストが株式の売り推奨を出すのを待つのは、今では『ゴドーを待ちながら』(劇作家サミュエル・ベケットの代表的な戯曲)の証券版を期待するようなものなのだろうか。こう言うと皆さんは、それではアナリストの買い推奨に従えばお金を儲けられるのかと問うだろう。この質問に対する答えについてはあとで検討するが、ここでは簡単にその結論だけを言おう。残念ながらその答えは断じて「ノー」である。それを確かめるには、いわゆる「証券会社の買い推奨リスト」のパフォーマンスを見るだけで十分である。

証券会社の買い推奨リスト
 多くの証券会社は、自社アナリストが選んだ有望株をバランスよく盛り込んだ15〜30銘柄から成る「買い推奨リスト」や「コア銘柄リスト」を公表している。また投資家が実際に投資できるポートフォリオとして、買い推奨リストを出している証券会社もある。この種の買い推奨リストは、そのすべての銘柄を購入すれば適切な分散化が図れるようになっている。
 ザックスは、過去10年間にわたってこうした証券会社のすべての買い推奨リストのパフォーマンスを追跡調査したが、その結果は一般に考えられているほど優れたものではなかった。表1.1は、証券大手15社の推奨銘柄のパフォーマンスを示したものである。さらにそれ以外のほぼ全期間について証券会社の買い推奨リストのパフォーマンスを調べたところ、S&P500のリターンを上回ったのは全体のほぼ半分、残りの半分はS&P500のリターンには及ばなかった。換言すれば、証券大手のトップ・アナリストが選んだ有望株のパフォーマンスは、これも運用期間のほぼ半分でS&P500のリターンを下回っている並みのミューチュアルファンド・マネジャーの成績とほぼ互角にすぎないのである。ここから得られる教訓は、アナリストとそのリサーチデータは多くの点で優れてはいるが、それによって株式の売り時や買い時を決めてはならないということである。株式売買の判断はほかの情報に求めなければならない。

キーポイント
 アナリストはけっして有望株の優れた発掘者ではない。証券会社の買い推奨リストのパフォーマンスを見ればそれは明らかである。

 株式の売買時を決定するときにアナリストの投資推奨を参考にしてはならないが、そのリサーチレポートには有益な情報も含まれている。そのひとつはアナリストの予想利益である。各企業は四半期ごとの業績を発表するが、アナリストの予想利益は、その企業の業績をベースとしているのでかなり客観性がある。つまり、アナリストの予想利益は投資推奨よりもかなり客観的な数字であると言えるだろう。

キーポイント  アナリストの投資推奨にではなく、予想利益に注目すべきである。それは客観性が高く、しかも投資家にとって多くの有益なデータが含まれている。

大切なことはアナリストの行動を予測すること  アナリストのリサーチレポートを利用するベストの方法は、そこに盛り込まれている情報を単に参考にするのではなく、アナリストが今後どのような行動に出るのかを予測することである。この2つははっきりと区別する必要がある。これを踏まえて知らなければならない最も重要なことは、リサーチレポートが発表されてから1〜2カ月以上経てば、データはすでに株価に反映されているということである。
 モルガン・スタンレーのアナリストが現在の株価でゼネラル・エレクトリック(GE)株を買い推奨したとしても、そのベストのチャンスは以前のGE株であり、現在のGEの株価はこの情報を反映してすでに急騰し始めているかもしれない。アナリストのリサーチレポートに反応するには遅すぎるのであり、GE株はすでに離陸している。そうであれば、アナリストがある株式の投資推奨を格上げまたは格下げしたあとではなく、その前にその株式を買いまたは売りたいと思うだろう。アナリストの投資推奨の修正を予測することは難しいが、(あとで検討するように)けっして不可能なことではない。多くのアナリストが投資推奨を格上げした株式はそれから1カ月間は上昇し、逆に格下げした銘柄は下げることが多い。これについては、「コンセンサス投資推奨スコア」を紹介する第10章で詳しく検討する。
 アナリストの投資推奨の修正を予測することはたしかに簡単ではないが、その予想利益の推移を分析すれば、その投資推奨がどのように修正されるのかについてはだいたいの予測がつく。予想利益が上方修正された株式を買い、その反対に下方修正された株式を売ることで、株価を大きく左右するアナリストと大口機関投資家の将来の行動に先回りして株式を売買することが可能となるだろう。

キーポイント  アナリストが作成するリサーチレポートとその予想利益の修正を併せて検討すれば、アナリストの将来の行動を予測できる。

アナリストの予想利益

 アナリストの予想利益が株価を左右する最も大きな要因であるという理由については第4章で詳しく検討する。ここでは、アナリストが予想利益を上方修正する株式の見つけ方を説明する。個人投資家が買わなければならないのはこうした株式なのである。アナリストはどのような株式について予想利益を上方修正するのかを予測するには、まずその株式をフォローしているすべてのアナリストの予想利益を「コンセンサス予想利益」と呼ばれる数値にまとめる必要がある。次にそのコンセンサス予想利益が時間の経緯とともにどのように変化しているのかを追跡し、それが上方修正された株式を買うのである。コンセンサス予想利益などと言えば何か複雑なもののように聞こえるが、実際は極めて単純なものである。つまり、コンセンサス予想利益とは、単にその株式をフォローしているすべてのアナリストの予想利益を単純平均した数字にすぎない。
 アナリストのリサーチレポートには予想利益が掲載されているが、それらの数字はアナリストのフォローしている企業が向こう数四半期および今期と来期にどれくらいの1株利益を上げるのかといった予想値である。ザックスでは、その株式をフォローしているすべてのアナリストの予想利益を平均して、コンセンサス予想利益を出している。表1.2は、ザックスが「クイッケン(www.quicken.com)」に提供しているリサーチデータのサンプルであるが、こうしたデータはインターネットにアクセスできる投資家であればだれでも無料で入手できる(以下のデータやその他の類似情報の入手先については、巻末の付録3を参照のこと)。
 これらはすべてコンセンサス・データであり、最後に列挙したのはこれらのデータを集計した証券・調査会社である。その(A)項にはシアーズ・ローバックの現在のコンセンサス予想利益が掲載されているが、同社の翌四半期の予想利益を出しているのは8社のアナリストである。これら8人のアナリストの予想利益は最低予想で1.97ドル、最高予想で2.12ドル、それらの平均値(コンセンサス値)は2.06ドルとなっている。これらのデータを踏まえて、プロの投資家が使用している投資法を実践しなければならない。それにはまずコンセンサス予想利益の推移に注目することである。
 (B)項には「アナリストの予想利益推移」が掲載されているが、それによれば、今期と来期のシアーズのコンセンサス予想利益は30日前より減少しているのが分かる。これはこの1カ月間に一部のアナリストが同社の予想利益を下方修正したことを示している。これは弱気のシグナルであり、短期的にはシアーズ株に手を出してはならないことを意味する。その理由は、ほかのアナリストも同社の予想利益を下方修正する可能性があるからであり、また市場も、下方修正された株式に好反応を示すようになるには時間がかかると予想される。

キーポイント
 アナリストのリサーチレポートを最も簡単にそして最大限に利用するには、その予想利益の推移に注目することである。それにはコンセンサス予想利益の推移をフォローするのがベストである。

アナリストの予想利益は本当に有効なのか
 ディスカウント・ブローカーを通じて購入できる約9000のアメリカ株式のうち、約3300銘柄(時価総額が1億ドル以上)については、少なくともひとりのアナリストがその予想利益を公表している(注)。
(注 本書の図表で使われているデータは、企業の存続・消滅などの影響を除去するために調整されている。これにより、ある企業が倒産または他社に買収されても、その株式を購入することが可能であるという前提に立っている。このように、本書の数字には存続企業以外のデータも含まれている)
 コンセンサス予想利益の推移を追跡調査するため、毎月この3300銘柄を5つのポートフォリオに分類し、アナリストたちが前月からその予想利益をどのように修正したかの度合いに応じて、各ポートフォリオに同数の株式を組み込んだ。最初のポートフォリオは「予想利益が下方修正された」株式のポートフォリオで、それらはコンセンサス予想利益が前月から最も大きく引き下げられた660銘柄である。コンセンサス予想利益が前月から下方修正されたということは、その企業をフォローしている多くのアナリストがその予想利益を引き下げたことを意味する。このポートフォリオの株式は、コンセンサス予想利益が前月から最大で3%以上下方修正された銘柄である。
 これに対し、5番目のポートフォリオは「予想利益が大幅に上方修正された」株式グループである。このポートフォリオには、前月からコンセンサス予想利益が最も大きく引き上げられた660銘柄が組み込まれている。これらの株式はアナリストたちが予想利益を上方修正した、つまりコンセンサス予想利益が引き上げられた銘柄である。このポートフォリオの株式はコンセンサス予想利益が前月から平均で1%以上上方修正されたものである。このポートフォリオに含める条件の1%以上という上方修正率は、最初のポートフォリオの条件である3%の下方修正率より小さいが、その理由は、最近では予想利益の下方修正が上方修正よりも多くなっているからである。
 これらのポートフォリオにそれぞれ同じ金額を投資し、毎月そのリターンを追跡調査してみた。1987年10月〜2002年9月までの15年間にわたってそのパフォーマンスを調べたところ、最初の「予想利益が下方修正された」株式のポートフォリオのリターンは全期間を通じて−4.2%(年率)となった。これに対し、「予想利益が大幅に上方修正された」株式のポートフォリオのリターンは年率平均で+20.1%に上った。図1.3は、この5つのポートフォリオのリターン(売買手数料は含めない)を示したものである(ポートフォリオの銘柄入れ替えが頻繁に行われると、売買手数料がかなり大きくなるので注意が必要である)。その結果は一目瞭然であり、予想利益が上方修正された株式は前月よりも上昇しているのに対し、下方修正された株式は前月よりも安くなっている。

キーポイント
 コンセンサス予想利益の修正はアナリストの投資推奨よりも、将来の株価を予測する大きなシグナルとなる。  こうした事実を踏まえれば、次のルールに従うべきであろう。

 これを見ると、アナリストのデータを利用するにはいくらかの技能を要すると思われるだろうが、実際にはそのとおりだ。以下の各章では、特にアナリストによる予想利益の修正、予想外の公表利益の修正、投資推奨の変化などを取り上げ、アナリストのリサーチデータを利用して利益を上げる方法を紹介する。

まとめ


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