■相場雑学

■書籍

 相場・金融業界を題材にした小説、映画は昔から数多い。それは、相場が人生の縮図だからなのか、人という生き物はあくまで相場の一部であるバクチ性に魅せられるためなのかわかりません。
 モデルがあるものもないものも色々楽しめるものがあります。

 p.s.相場関連のおすすめ作品があれば、是非教えて下さい。

   →相場に関する映画集へ

『赤いダイヤ』 梶山 季之 ★★★ 集英社(上)ISBN4087481263(下)ISBN4087481271


カンの良さと図太い神経で、次々と新商売を手がける木塚慶太。だが偽物をつかまされたことから借金地獄に。返済するあてがない慶太は海に身を投げた。そこを救ってくれたのが稀代の相場師、森玄一郎であった。慶太は「森玄」の人間的魅力に打たれると同時に「森玄」が命をはる、赤い魔物と恐れられる小豆相場に次第にひかれていった。 経済小説界の不朽の名作。

  この本を出版するときに相場用語を直したのは、実は林輝太郎なのです。ですから、星の数ほど多くある相場を題材にした小説の中で唯一といっていいほど相場用語が正しく使用されている。
 だからといって、その投資方法が正しいわけではないが、相場小説の定番ですね。



『大番』 獅子文六 ★★1/2

 モデルが相場師佐藤和三郎。映画にもなっている。
 小説の中では、「ギューちゃん」と呼ばれているが、本当の愛称は「ブーちゃん」
「相場師と幽霊は姿がみえたらおしまい」という「陰」のイメージの相場師が多いなか、一人開けっ広げで、一本調子に買い進む「陽」の姿に共感を覚えた兜町雀も多い。彼ほど人気があった相場師はいないのではないでしょうか。


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『小説 兜町(しま)』 清水 一行★★1/2  角川文庫

 清水一行がこの業界に名前が売れるきっかけとなった作品。なぜ兜町(かぶとちょう)のことを「しま」というのかといえば、地理的に、日本橋は橋ばかりの場所で、兜町も4本の橋に囲まれ、島みたいだったからという説が有望ですが、ここに生息する死ぬまで相場から離れることが出来ない兜町雀達は、「しま」という呼び方に独特な意味合いをもっています。モデルは日興証券斉藤博司第二営業部長(故人)。S41.03デビュー、我が国初めての「企業小説」と定義されることが多い。
P.S.そういえば、以前、朝はやく新大橋通りを散歩していると、斉藤さんが朝日に向かって歩いていく姿を目にした。いつ見ても元気な人であった。

P.S.2清水一行のエピソード
 「ジョニーウォーカーの赤ラベルをくれる人がいる。突っ返すのです。だってジョニーウォーカーには黒もあるのでしょう。にもかかわらず赤。みすみす二流品とわかっているものを贈るとはなにごとです。カネや予算がなければ、赤と同じ価格でかえるブラック・アンド・ホワイトやホワイト・ホースなど、そのブランドで一級品はいくらでもある」私はこんな清水一行のプライドの高さ・気質が好きである。
P.S.3
 経済・企業小説というジャンルを確立させた作家として清水一行の存在は大きい。
 情報小説として、内幕小説として、そしてエンターテイメント小説として清水一行はこのジャンルを大きく育てあげていった。
デビュー作となる『小説 兜町』は、いまでこそ一般読者の間に知れわたっているが、発売当時はそれほど注目されていなかった。
 版元が三一書房という中小出版社であったこと。それにまだ経済小説自体が読者に十分浸透していなかった。そのため、この作品が正当な評価を得るのは、少し時間がたってからである。
 清水一行プロフィール
1931(昭和6)年、東京生まれ。早稲田大学中退後、週刊誌のルポ・ライター。
66年『小説 兜町』で作家デビュー。75年『動脈列島』(双葉文庫)で第28回日本推理作家協会賞を受賞。

『そろばん』 山崎 種二★★★  日本経済新聞社 0023-9174-5825

相場の神様ヤマタネが自ら書き下ろした半生記。横掘将軍に売り向かった若き日の仕手戦、兜町をわかせた旭硝子事件、、、、。 当事者が語るもう一つの経済史 

 小説ではないのですが、「売りの山種」、「売りの神様」と呼ばれた山種グループの創始者山崎種二の自叙伝。日経新聞の「私の履歴書」に連載したものをまとめたもの。
 山種はサヤ取りで儲けたといわれているが、実はサヤすべり取りで儲けているほうが多い。ちらっとそのことに触れている(にごしている)部分がある。  P.S.茅場町に山種美術館がある。私は美術にうといが、なかなかいい作品があるそうな。昔、まだ芸術にうとくブローカーに騙された山種は、奥さんにどうしたらいいだろう、ともらしたら、一言「本人に目の前で描かせたものは本物でしょう」。 これを実行したから、後に大画家といわれるがその当時はまだ若い画家達の技術的には完成度はまだ低いが妙なパワーがある作品(もちろん本物)を山種美術館は保有することになったわけです。


 →山種関連小説 :『百戦百勝』(「働き一両考え五両」)城山 三郎 ★★★角川文庫

■『擬制資本』 清水 一行★★★ 徳間書店 ISBN4-19-152663-4

 擬制資本とは、東京兜町の地下を流れる黒い金をいう。この巨額の金がひとたび流出すると、日本経済の中枢をも揺るがす。それが資本金15億円、売上高170億円、わが国第二位の鉄骨橋梁メーカー砂町鉄工所を突如襲った。地相場200円台の株価が一気に420円まで急騰、さらに発行済み株式の34%に当たる1,024万株の出来高を示したのである。未曾有の経営危機に動揺する経営陣、そして擬制資本をあやつる影の人物は何者か?兜町裏面史上最大の仕手戦を題材に切り込んだ、清水一行の傑作巨編。

一昨年以来の仕手株狂乱でしばしば話題の中心にあった「新しい風の会」代表?の加藤何とかが、その昔笹川といっしょに誠備と称していろいろ手掛けていた頃の話(宮地鉄工所)が下敷きになっています。 (M.S. managementさん お勧め)

『小説 暴落企業』 清水 一行★★★ 光文社文庫

 7つほど短編が収録されているのですが、それぞれ結構有名な騒動(事件)を連想させるストーリーが展開され、 1970年生まれの私はこれらを端緒に、小糸製作所とピケンズ、コスモリサーチ(でしたっけ?)の見学某、あるいは尾上縫といった、子供の頃聞きかじったことのある単語について、そのあらすじを遡及的に調べたりしました。 (M.S. managementさん お勧め)

■『マネーウォーズ』宮川 総一郎 集英社 ★★

 漫画なんですが(ビジネスジャンプに昔掲載されていた)証券マンが主人公で、これをみて証券マンになろうと思ったことがあります。でも就職したのは地元の市役所(公務員)です。つくづく証券会社に行かなくてよかったと思う小心者の私です。 (北九州 Jiroさんおすすめ)


■『ウォール・ストリート第三金曜日』ジョージ・ベラック 新潮文庫 ★★

 文庫本としては、やや厚めの部類ですが、一気に読ませてしまうサスペンスです。 どうぞ、ご味読ください。 (maxhelloさんおすすめ)

■『ザ・ヘッジ(回避)』 幸田 真音 講談社文庫 ISBN4-06-207836-8

 「お金は、ある地点から別の地点に動くとき、ものすごいエネルギーを発する」  米国系銀行出身の異色女流新人が描く清新で緊迫感あふれる小説第一作
   とかかれた本のオビの文句に魅せられ読んだが、特におもしろいとは...。

■『ニューヨーク・ウーマン・ストーリー』 幸田 真音 活気社 ISBN4-906664-01-6

→今回久しぶりにニューヨークを訪れ、古い仲間たちと再開した。彼らが以前にも増して素晴らしい活躍をしているのを知ったことは、このうえない喜びであり私の誇りである。ニューヨークという街で働き、思う存分輝いているたくさんの仲間たちへ、限りない敬意と、友情をこめて、この物語を書いた。仕事に、あるいは生活に、ひたむきに取り組む主人公たちと一緒に、ニューヨークを実際に旅するようなつもりで楽しんでいただければ幸いに思う。

■『インタンジブル・ゲーム』 幸田 真音 講談社 ISBN4-06-208257-8

→作品のなかでハッカーたちが出会う社会問題を、ある都銀の不祥事という設定にし、最初にこの作品を書き上げた直後の昨年秋、実際の社会で大和銀行の事件が発覚した。インタンジブルなサイバーの世界と、人間が発する生々しい臭気に満ちた現実の社会。二つの社会の核融合のも似た衝突は、いまも世界のどこかで、確実に起こっている。銀行事務ひとすじの二十年間をひたむきに生きてきた女主人公と一緒に、ハッカーというヴァーチャルな体験を通じて、日本におけるコンピュータ社会の現状に少しでも疑問を持つ人が増えれば幸いに思う。

■『メタル・トレーダー』―地球を売買する男たちカピタス,A.クレイグ【著】〈Copetas,A.Craig〉;飯島 宏【訳】★★新潮文庫 ISBN:4102263012 NDC:936   88.5.25  292p 15cm(A6) \427

地球上で産出されるあらゆる金属を売買し、数千万ドル単位の金を一度に動かすメタル・トレーダー。大手商社の見習いトレーダーとして出発したマーク・リッチはたちまち頭角をあらわし、腕と度胸でのしあがって、年商百億ドルに達するリッチ帝国を築き上げた…。謎に包まれたメタルマンの世界に潜入し、今世紀ビジネス史上最大の犯罪者といわれるリッチの半生を描くドキュメント。
第1部 鉱物の儀式
第2部 赤貧から大富豪へ
第3部 戦略的取引と危険なカーブ
第4部 ひねくれた男


『企業舎弟』経済事件取材ノート 本所 次郎 徳間文庫 ISBN4-19-890627-0

北浜で、三丸製紙がねらわれている、という情報で三丸銀行本店取締役総務部長・磯貝高也は、系列会社の動向を探りに、大阪に出張した。特に目立った動きがなかったので、安心した磯貝は、帰路、松山に飛んだ。機中で一緒になった隣席の女性と知り合いになる。女は、知的で物静かな感じで、二年前に妻を失って男やもめの磯貝は、心惹かれるものを感じた。だが、このことが原因で、磯貝は恐喝の餌食になる・・・・。

『長者伝説』長編サスペンス小説 半村 良 祥伝社 ISBN4-396-32560-6

→バッグに詰めこまれた政治資金五億円ー。政財界の大物が集う超高級クラブで働く児島卓は、偶然その金を見つけ着服した。クラブでの情報を元に仕手株戦に乗り出すや、バブル経済絶頂の中、相場は急謄。しかし、政治資金の運び屋だった代議士秘書が死体で発見され、今や大長者となった卓の周辺に不穏な影が・・・。バブル期の日本の虚飾を赤裸に描く長編サスペンス!

『錬金の猟犬たち』 飯干 晃一 角川文庫 ISBN4-04-146437-4

→宝塔園観光のオーナー会長である丸田利弥が病死した。そのため経営権の継承をめぐり、丸田の未亡人良枝と後継者を自負する社長の吉岡が対立し、社内を二分してしまう。吉岡は株の買い占めによって良枝を追放しようと企て、日本最強最大の広域暴力団貴船組傘下の仕手集団に話を持ち掛けた・・・。利権に群がる。猟犬たち。裏社会に潜む仕事師たちが加わった争いは、猟犬同士の妁烈な闘いへと発展していくー。企業を食い物にする暴力団の練金術を過激に暴く、著者軍身の超フィクション!!

『株式上場』 三上 太郎 講談社文庫 ISBN4-06-184809-7

現代の錬金術ともいわれる株式上場をめぐって、会社、証券、官庁の入り乱れる思惑とかけひきの実態を描く。紛糾する事態の責任は誰がとるのか。各々が抱く野望の行く末を初めて公開する。上場を特命された役員が暴く内幕実録。巻末に80年以降の株式公開社会をリストアップし、その後の状況データを付す 疑われる10数日の空白 主幹事証券の思惑 「第三者割当増資」をめぐって 公認会計士のメンツ ああ、単身赴任 もちあがった上場一年延期説 会社と幹事証券とのかけひき 役員会討議 厳しい財務局審査 ついに株式上場へ 株式上場手続きのポイント

■『乗取りの背景』 梶山 季之 徳間書店 ISBN4195992109

ベトナム戦最中の昭和四十年代。不審な自社株急騰の調査を命ぜられた大長ゴム株式課員・木崎英次は、買い本尊の大亜商行をつきとめたものの、その陰の人物・栗木俊也の正体は謎に包まれていた。株価操作の利ザヤ狙いか、あるいは乗取りか?だか栗木の身辺調査に奔走する木崎を公安職員が訪問したことから、事態は一挙に国際的謀報戦の影をかい間見せ始めた…(表題作)。企業乗取り劇ほか九篇を収録。

■『ザ・ハウス・オブ・ノムラ』 アル・アレツハウザー 佐高信=監訳  新潮文庫 ISBN4-10-242701-5

とかく不透明と言われる日本の証券界に君臨し、市場支配する巨大企業・ノムラ。野村はいかにして世界のノムラとなりえたのか。いったいこれから何をめざしているのか。自らも証券マンである著者が、膨大な資料と数百人に及ぶ関係者の証言に基づき、ノムラの内幕を徹底的に暴く。同時に、証券界の驚くべき独特の体質を、ダイナミックに、そしてビビッドに解き明かしていく。 野村証券、世界制覇への道 野村が世界を救った日 第1部 富への道(両替商 放蕩息子 最初の幸運 ガリヴァーの旅 戦争成金 長者と貧民 恐慌 野村家の男たち 蕩児と辣腕家 戦争の嵐) 第2部 戦争と再建(楽園喪失 刑務所と映画館 楽園の復活 岩戸景気 墓泥棒 海外の世間知らずたち ヘンドンとフィンチレー) 第3部 支配への道(新米 野武士 落後者 アパッチ アイヴィー・リーグとオックス・ブリッジ ニューヨーク事業の拡大 ニューヨークの危機) 第4部 証券の時代(一匹狼 読売事件 総会屋 仕手 現代の帝国)

『乗取り』 城山 三郎 新潮文庫 ISBN4334020100

■『乗取り』 清水 一行 光文社 ISBN4334711715

「どうしておれに…」スワン油脂工業社長室主査の緒方孝也は、上司の密命を受け、土曜の夜、トラックを走らせていた。これが巧妙な謀略、ユダヤ資本によるM&A(企業買収)の発端であった。孝也の不倫の相手・佐和子の行動にも謎が?〈表題作〉―現代資本主義社会の非情と、男の熱い人生をダイナミックに描いた傑作集。

■ 『偽装買収』 渡辺 一雄 徳間書店 ISBN4198902089

昭和二十年、瓦礫の街銀座にも末だ焼け残り威容を誇る建物があった。鶴屋デパート。天道次郎の父を自裁に追いこんだ敵の牙城であった。復讐を誓う天道は、父が遺した銀座の土地でバアを開店、その成功を土台に不動産業にも進出した。時流に乗って財をなした天道は、政財界の暗部にくい込むと同時に、金融資本をバックに鶴屋デパートを含む流通業界の株買占めに走る。

『総会屋錦城』 城山 三郎 新潮文庫 ISBN4101133018 

『流星たちの宴』 白川 道 新潮文庫 ISBN4101422214

時はバブル期。三十七歳の梨田雅之は、投資顧問会社社長の見崎に見込まれて『兜研』に彷徨い込むが、仕手戦に出た恩師・見崎を土壇場で裏切る。手にした大金を浪費した後、自ら仕手集団『群青』を率いて再び相場の世界に戻った梨田は、知人からの極秘情報を元に、一か八かの大勝負に乗り出した…。危ない夢を追い求めて流星のように輝く男達を描いたハードボイルド傑作長編。

■『家族会議』絶版 横光 利一 新潮文庫 ISBN4101002061

■『ゼロクーポンを買い戻せ』  ポール・アードマン★★ 新潮文庫 ISBN4102169040
 森英明=訳 寺澤芳男=用語監修

古き良き’80年代の「バブル」時代に不正株価操作で投獄された天才ディーラー、ウィリアム・サクソンが再び娑婆に戻って来た。規制と監視の厳しさが増した’90年代の金融市場で、彼が目をつけたのは“ゼロクーポン”と呼ばれる長期割引債。架空の都市開発プロジェクトを絡めた大胆な金融犯罪は国境と時間を超えて「完璧」の域に近づくのだが…。実在の人物も登場する金融サスペンス。

■ 『人の砂漠』(鼠たちの祭り) 沢木 耕太郎新潮文庫 ISBN: 4101235015

『最後の相場師』 津本 陽 角川文庫

昭和51年秋、79歳の佐久間平蔵は散歩の途中でふとつぶやいた。「いよいよ、儂のこの世で仕残した勝負をはじめるか」―これが、オイルショック後の低迷市況の中で世間を驚かせた大仕手戦のしずかな発端だった。16歳で大陸に渡り、その後波乱の人生を送った平蔵が、老境に入って展開する死闘にも似た株式投資のかけひき…史上最大にして最後の相場師、是川銀蔵氏をモデルに、手に汗にぎる迫力で男の生き方を描き切る傑作長編

■『凍結銘柄』 広瀬 仁紀 角川文庫 ISBN4-04-147115-X

■『狂騰銘柄』 広瀬 仁紀 角川文庫 ISBN4-04-147116-8

■『相場師』 清水 一行 角川文庫 ISBN4-04-146346-7

大相場がある、駒田周平は暗紫色の空に流れる火球を見て予感した。過去40年間の株価の動きを示す罫線も、丙午の年に大相場があることを示していた。今年が60年に一度のその年だった。今は不況のどん底、弱気観が北浜市場に漂っていた。だが15の歳から叩きあげた北浜の相場師、周平にとっては、やっと訪れたチャンスだった。相場さえ始まってくれたら、傾きかけた波川証券も立ち直る。大相場を前に野たれ死にしてたまるか…周平はしゃにむに突っ走りはじめた―相場との対決にすべてを賭けた男の凄じいまでの執念を描く。

■『地場者』株に憑かれた男 清水 一行 角川文庫 ISBN4-04-146359-9

株の歩合いセールスマンの神沢は、奇妙な夢をみた。顔すら覚えていない亡父からの電報を受けとったのである。電文も奇妙なものであった。恋人と同衾中に、ふたたび同じ夢を見た神沢は、この夢の暗示にかけた。なけなしの手持ち資金で足りず、犯罪すれすれの金策に走った…。兜町の片隅で、チャンスの到来を夢み、幾度踏みつけられてもなお兜町から離れられぬ男たちを通し、株の世界のもつ理性を越えた不可思議な魅力をあますところなく描く。 地場者 腐肉記者 羊の城 爪牙の跡 大奥崩壊

■『虹の海藻』 清水 一行 角川文庫 0193-146306-0946(0)

■『仕手株地獄』 清水 一行 角川文庫ISBN: 404872973X

■『報復相場』品切れ重版未定 清水 一行 角川文庫 ISBN:404146353X

新進の証券会社の営業部長代理・安達三千男は、出世の先が見えた銀行員から証券マンに転身したばかりだった。ある日、一獲千金を狙う大手客たちを糾合した“投機グループ”に、情報がもたらされた。株価値上がり必至のはずの「日本ハウス」に、粉飾決算の疑いがあり、このことが明かるみに出ると、グループが持っている株券が紙切れ同然になってしまうかもしれないというのだ。海千山千の“グループ”の者たちは慌てた…。熱狂相場を現出していた株の世界で、欲と欲がぶつかり合うドロドロの人間模様。傑作企業小説。

■『悪名集団』品切れ重版未定 清水 一行 角川文庫 ISBN:4041463823

九島喬司は、郷里広島で家業の電器店を潰し、単身上京した。学生時代の身許保証人であった溝呂木のひきで、総会屋に転身した。日本最大の輸送網を誇る日運の株主総会に殴り込み、大物総会屋支店の構図に楔を打ち込んだことで、お涙金頂戴の三流扱いを脱し、大物への階段を昇りはじめた。荒っぽい総会運営を武器に、急速に勢力をのばす九島グループの眼前に、旧勢力の大物たちの影が…。企業暗部に巣くう総会屋への弔歌、商法改正前夜を描く異色経済長編。

■『内部告発』品切れ重版未定 清水 一行 角川文庫 ISBN:4041463858

総合商社TOHOの機械統括室長が、首脳部のスキャンダルを実名で暴露した。社の所有である上場前の会社の株を分配、高値で売り抜けて暴利を貪った31人の取締役は全員背任横領だ、というものである。現社長の次を狙う常務の田代もその一人だった。儲けた金で高級マンションを購入した田代は、妻以外の二人の女と同居していた。しかし、暴露記事から全員が金を返すことになれば、田代にはマンションを手離すより方法がない。やがて田代のハレムは意外な形で崩壊を迎えた…。表題作他六編を収録したオリジナル作品集。

■『公開株殺人事件』 清水 一行 徳間文庫 ISBN:4198901511


■『謀殺銘柄』長編・企業推理小説 品切れ重版予定なし 清水 一行 双葉社 ISBN:


■『天からの声あり』上<転身の巻> 品切れ重版予定なし 清水 一行 勁文社 上ISBN:4766915542

しがない三流総会屋の赤川外平は小遣い銭程度のケチな稼ぎに嫌気がさし、ブタ箱で知り合ったブーム屋と呼ばれる男に、ゴルフ場経営がいかにぼろい商売かをふきこまれるやその気になってしまった。とにかく紙切れ同然の会員券を印刷すれば何億という金が転がりこんでくるというのだ。早速インチキ会社を設立、乗り出した…。長篇ピカレスク・ロマン上巻。
下<翻身の巻> 品切れ重版予定なし 清水 一行 勁文社 上ISBN:4766915550

ゴルフ場経営に乗り出した元三流総会屋の赤川外平一派、農協を騙して富士の裾野に土地は確保したものの、ゴルフ場を造る気も、ましてや土地の代金も払う気はない。あとは紙屑同然のインチキ会員券を大量に売りまくり、集めた大金をもってどうやって逃げおおすかだが…。色と欲に泡まみれの男たちの一発大勝負を通快に描く長篇ピカレスク・ロマン完結篇。

■『女帝ー小説・尾上縫』品切れ重版予定なし 清水 一行 朝日新聞社 ISBN:4022566701

母ゆずりの美貌と肉体を武器に料亭の女将におさまった尾上縫。無学で人の好い彼女を“女帝”に仕立て上げたのは誰か…。バブルに踊る業界の暗部をあぶりだす。衝撃の官能経済小説。

『兜町物語』 清水 一行 集英社文庫 ISBN4-08-749219-2 角川文庫もある

昭和40年に兜町を襲った証券恐慌。山一とともに経営危機に立たされた興業証券の社長・海老原は、無名だった谷川欣治を株式本部長に抜擢した。谷川は遠慮のない行動力で重役たちの旧気質を一掃させ、銀行支配を打破し、常務、社長と昇りつめていく。徹底した効率経営で遂には野村の息づかいが聞こえるところまで興業証券を引き上げる。一方、作家への道を拓こうとするルポライター安部。人生の相場を張った二人の男の熱い情念とロマンを描く!

■ 『暴(ガラ)落』 清水 一行 集英社文庫 ISBN4-08-749886-7

増配予定のある中堅プラントメーカーの株が一気に暴落した。その背景には一体何があったのか?大手財閥グループの生け贄にされる傍系企業の悲哀をドラマチックに描く表題作ほか、戦後初のベストセラーカーを産み出した設計者が、技術者としてのプライドを踏みにじられ、裏切者の汚名を負ってライバルメーカーに移っていく屈折した心情を描く『新車作戦』など、全5篇の企業小説短篇集。

■『見切り千両』 梶山 季之★★ 集英社文庫 ISBN4-08-750759-9

■『死角形の遺産』 大沢 在昌 集英社文庫

同姓同名であったために、誤配された一通の封筒。若きインテリ総会屋井田有生は、封筒を受け取ってから、奇妙な事件に巻き込まれてしまう。配達人は殺され、本来の受取り人は自殺をしてしまった。真相究明のため、井田は友人とともに封筒を開くと、中から凶弾に倒れた世界的に有名なミュージシャンの歌が録音されたテープが出てきた。そして、綾乃と名乗る謎の女が現われて…。長編サスペンス。

■『バブル・ゲーム』 ショーン・ブレクンリッジ  青山陽子=訳 集英社文庫

投資アドバイザーのミッチが非合法のコンピューター・ソフトを使って2千万ドルを奪った。被害者の中には、彼の大学時代の4人の友人もいた。ミッチは彼らの銀行口座にアクセスして預金を横領したうえ、ジェフの美しい妻を奪って逃げた。80年代こそヤッピーとして成功したが、バブルがはじけた今、それぞれ問題を抱えていたのだ。4人は結束してミッチを追い、ニューヨークへ向かった…。

■『総会屋志願』 三好 徹 日本経済新聞社0093-9710-5825 集英社文庫もある

■『小説 総会屋』 三好 徹 光文社

企業と総会屋たちの攻防、仲間同士のたたき合い一匹狼の総会屋の血みどろの闘いを通して描く現代企業のどす黒い実態!

■『破局 小説・金融崩壊』 水木 楊 日本経済新聞社

都銀中位行の経営危機が表面化。もし倒産となれば、他の銀行も無事ではすまない。大蔵・日銀に打つ手は残されているのか?気鋭の近末来作家が描く戦慄のシミュレーション・ストーリー。

■『シルバー・ウォー』実録「ハント銀投機事件」 ポール・サーノフ
   丹羽 宇一郎訳 日本経済新聞社

『ハント兄弟の価格操作事件』ジェフリー・ウィリアムス時事通信社 3,500円 ISBN:4788796406

 なぜハント兄弟は裁判で負けたのか、アメリカの裁判官や陪審員の前では、どう振る舞うべきか、規制当局とは常々どういう関係を保つべきか等々が詳しく述べられている。日本の企業が国際化している今日、なんらかの意味で先物取引に興味のある人ばかりでなく、アメリカの裁判や陪審制度に関心のある方々にとっても、大いに参考になる必読書である。 1 なぜ、ハントの銀のケースか 2 銀市場の騒ぎ 3 価格操作の確認 4 銀価格の上昇原因の検証 5 銀の適正価格の決定 6 価格操作の意図の推定 7 法廷における経済分析の苦境

■『銀行淘汰』 山田 智彦  講談社文庫 ISBN4-06-263707-3

 拓銀、山一証券の破綻を迎え、金融危機は極まった。これから銀行・証券界に淘汰の嵐が吹き荒れるのか。
 和洋銀行合併を巡る、最大手の帝都銀行荒牧頭取と友井銀行大友会長の暗躍。それは巨大銀行のサバイバルゲームだ。現実の死闘をシミュレーションした、迫力満点、話題の書。
『第三の取締役』改題

■『東京・マーケットマネー』上下  山田 智彦 文春文庫 上ISBN:4167211025 下ISBN:4167211033

 いま日本の銀行は相次ぐ合併によって巨大な経済組織が出来上ったが、同時に銀行間の競争はますます熾烈になった。大手の大友銀行の国際部長塩野昭央は人材スカウト業、いわゆる“ヘッド・ハンター”の三宅登司男から中堅銀行への転職の誘いをたびたび受ける。その時期に、大友銀行シンガポール支店で大事故が発生した。
 大友銀行シンガポール支店が投機ミスから百億円を超える損失を出した。国際部長の塩野は現地に飛び、米英からプロのディーラーを招き、世界の金融市場を相手に国際仕手戦を展開する。ヘッド・ハンターの活躍、銀行経営者の素顔、アメリカ女性の証券アナリストの奔放な性など、色と欲に充ちた迫力ある長篇小説。

■『女弁護士ケイト クライアントの姪』  文春文庫 ISBN4-16-730939-4

ケイトは企業買収専門の弁護士、“男の聖域”とされる分野で健気に頑張っている。折しも元恋人の経営する製薬会社が乗っ取りにあい、職務外ながらついに肩入れしてまう。そこへ元恋人の姪が死体で発見される。彼女も大口株主のひとりだ。これは乗っ取りと関係があるのか。ケイトは、もうひとつの“男の聖域”タフな刑事役にのめりこんでいく。

■『告訴せず』  松本 清張 文春文庫 0193-710625-7384

『仕手相場』  こずかた治 ★★徳間文庫 ISBN4-19-890022-1

 生糸、乾繭の先物取引。一儲けを企む相場師達にとっては、僅かの資本で価格操作が容易な特殊な世界だ。“コブラの星正”と呼ばれる関西の相場師・星田は、大がかりな仕手戦で傷手を負っていた。強引な戦略による敵側の総反撃と思わぬ病のため、一敗地にまみれたのだ。星田は所有する大桑商事を売り渡し、自身は顧問として居座り、再度、仕手戦に挑む。仲間を裏切り敵と結ぶ壮絶な戦いが始った。書下し長篇。

『続・仕手相場』  こずかた治★★ 徳間文庫

■ 『裏金市場』闇のフロント・ビジネス  こずかた治★★ 徳間文庫 ISBN4-19-890231-3

「もう暴力の時代じゃない。頭の時代だ」とうそぶく森川俊。背に不動明王を彫り、作務衣に身を包む。過去は知れない。金融・不動産・法律・広告会社、そして政治結社を五人の男にまかせ、それらを駆使して罠をめぐらす。寺も乗っ取れば、国の援助金も詐取する。芸能プロが脅され五千万円が奪られた。ほんの下準備だ。この五千万が億の金に化ける…。組織から独立してダミーを動かすフロント・ビジネスの実態を描く。

■ 『倒産方程式』  こずかた治★★ 徳間文庫 ISBN:4198904170

バブル崩壊後、銀行は多量の不良債権を抱え、不景気は本格化し、中小企業の倒産も日増しに増えていた。そんなある日、奇妙な宗教団体を率いる森川俊のもとにグループの一人、ビームファイナンスの社長・税所から妙な話が持ち込まれていた。九州のある商事会社の融通手形を、総計で五億程割り引いたという。九州の会社がなぜわざわざ東京の街金業者に…。森川達の巧妙な会社喰いが始まった。書下し経済小説。

■ 『不渡手形』  こずかた治★★ 徳間文庫 ISBN:4198904758


『疑惑財務』  渡辺 一雄 徳間文庫 ISBN4-19-587715-6

三宝証券の宮永芳夫は「三宝証券は宮永で持っている」とまでいわれる辣腕法人部長だ。腹心の曾我昭三を兵庫県の地場企業、瀬戸内化工に送り込み、社長の大久保に取り入る。瀬戸内化工の幹事証券会社をねらい、株式上場の準備をする一方で、財務室を設置させ、曾我を室長代理として迎えさせた。折しも、本業の減益が続いたが、財テクにより赤字転落を免れる。だが、宮永には企業の金融資産を喰う謀計があった。長篇企業小説。

■ 『兜町の狩人』  三好 徹 徳間文庫 ISBN4-19-568184-7

相談役と呼ばれる森川俊を中心に、グループを組み、金融から法律研究所までを傘下にして、債権の取り立て、債務支払いの妨害、時には脅迫まがい―何でも屋といえば、聞こえがいいが、社会のゴミ拾い、整理して金にしてゆく。森川のところに九州での債権回収事件で縁のあった地元スーパー沼田の女婿が、一旦振り出したが、回収した手形を持ち込んだ。この手形を元にして一儲けを企んだ…。書下し。

■『仕手株天井を打つ』絶版  真木 洋三 ★★徳間文庫 ISBN4-19-597746-0

 大日証券小田原支店の営業マン森沢哲郎のもとへ堀江と名乗る謎の老人が、日進製薬株の大量買いを依頼してきた。買いの材料は何か。森沢は堀江が総合病院長で、日進製薬が制癌剤開発に成功したとの丸秘情報をつかんだ。噂は憶測を呼び、香港ダラーまで参入して、ついに株価が火がついた。大日証券も全営業マンが注ぎ込んで仕手戦に突入した。苛酷な競争を強いられる証券界で活躍する男たちを描く長篇企業小説

■『不敵な男』 清水 一行 角川書店
 上 ISBN:4041463904 下 ISBN4041463912

 「ギャア!」豊太は悲鳴を上げて飛び上がった。牝山羊の局所に触れながら自慰に耽っていた彼は、暴れた山羊に急所を蹴られてしまったのだ。人生何が幸いするかわからない。巨根の持主となった豊太は、どこでも女にもてた。地元の小学校の代用教員を皮切りに上京して職歴を重ね、苦学の末弁護士になる。その間に覚えた経済のカラクリと持前の勘の良さで、次々と事業を成功させていった。そしてその都度、彼の巨根は大いに役立ったのである…。痛快青春立志伝。

 弁護士のかたわら、青年実業家として実力をつけた石川豊太は、銀座に次々とバー・ビルを建設し始めた。バーやクラブしか入れないビルである。この構想は当たった。「一度は銀座のクラブのママになってみたい」という女性は引きも切らず、高額な家賃が着実に入ってくる。しかし相手が女性だけに、彼の巨根は休む間もなかった。やがて豊太は、企業規模を拡大するため、鉄道やゴルフ場経営にも乗り出していくのだが…。愛すべき「不敵な男」の痛快青春立志伝。

■『証券恐慌』品切れ重版予定なし 清水 一行 徳間書店 ISBN44195983169

経済誌東京エコノミーの記者北川輝夫は、ある日、日銀クラブの友人から重大な情報を得た。業界1、2位を争う世界証券の倒産が必至だというのだ。しかもマスコミ界でも一部の人間しか知らないという。恐慌を招く事の重大さから固く口止めされたが、婚約者の父親の株を密かに処分したことから機密は漏洩し、同時にそれは北川の転落の始まりでもあった(表題作)。鬼才が活写する衝撃の経済小説集6篇。 

■『銀行不正融資』  笹子 勝哉 徳間文庫 ISBN4-19-890531-2

合同銀行専務の武中平太郎が現在の地位を得たのは、渋谷支店を騒がせた百二十億の焦げ付き融資を解決し、新しい取引先を開拓した五年前の功が大きい。そのうちの六十億を回収し、残り六十億返済の代償に年間取引高一千億円を超える東洋環境開発を新橋支店に引き抜いたのだ。ある日、東洋環境開発からゴルフ場建設資金として一千五百億円の融資が申し込まれた。副頭取を目前にした武中の採った手段は。

■『東京外為市場25時』  大下 英治 徳間文庫 ISBN4-19-577493-4

一瞬の判断で、ドルや円の売買をし、瞬時に億の単位の儲けや損を出す。北原一輝は、年収一億五千万の為替ディーラーだ。米国系ワールド・グロリア銀行に席を置き、金髪の美女を恋人にし、高級住宅地に住む。男なら誰でも羨む地位も名声も金も手にいれた一輝は、日米経済戦争の奔流の中、為替の大波瀾に勝負を挑む。世界経済がリアルタイムで流れる二十五時間の緊張感、息遣いを生々しく伝える経済小説。

■『欲望銘柄』  大下 英治 徳間文庫 ISBN4-19-567251-1

近江商人の血を継ぐ海原一光は、小学6年にして株に天性の閃きを見せ、高3時には、ドル・ショックに乗じて大金を掴むが、4カ月後にすべてを失った。やがて長じた海原は、投資顧問会社で学んだノウハウを持って一本立ち、派手な広告と強引な仕手戦で一躍、大阪・北浜の寵児となった。その余勢をかって東京・兜町へ進出した海原の仕手戦は当たりに当たったが、海原の商法には陥穽があった。迫真の経済長篇。

『最後の総会屋』  大下 英治 徳間文庫 ISBN:4198903239

広島で名の知れた小原三兄弟の次男・薫は、ハンデ師だった父の血をうけ、無類の博打好き。高校を卒業後上京したが帰郷し、ガソリンスタンドの店長になった薫は会社の金を使い込み、ヤクザとの大勝負にも負ける。逃げるように再び上京した薫に、知人の井沢は総会屋への道を勧める。持ち前の行動力と闘争心で株を買い、次々と株主総会に乗り込む薫は、次第に頭角を現す。日本一の総会屋を目指す男の闘い。

■『首相官邸の女』 大下 英治 祥伝社 ISBN4-396-32613-0

 <彼は花岡代議士のインサイダー取引疑惑に絡んで消されたんだわ!>証券会社専務秘書 河原真知子は恋人の事故死に黒い疑惑を抱いた。死の直前の逢瀬にかかってきた「先生の時期総裁の芽が潰された」という専務の怒りの電話が耳から離れなかった。真知子は花岡派代議士海音寺の私設秘書に転身、孤独な追求を始めた。はたして死の真相、そして政界伏魔殿の内幕とは!

■『疑惑株』  江波戸 哲夫 徳間文庫 ISBN:4195987229

海原投資研究会の主幹・海原大介には、かつて業界最大手・大田黒証券に在職中、K電機とY建設株の暴落から顧客に恨みを買い、妻子を焼殺された辛い過去があった。事件後、退職した海原は自棄の生活を送っていたが、ふと飲み屋で手にした証券新聞でその二つの株の値上がりを知り、自分の読みの正しさを確信、再び“現代最高の戦場”兜町へと勇躍、戦いを挑むのだった。株式投機の裏面を活写する長篇経済小説。

■『支店長の自殺』水沢 渓 徳間文庫 ISBN:4198900299

業界最大手である関東証券の河津一郎は、高卒入社以来抜群の業績を挙げ続けていた。妻の美香とは見合結婚だが、会社一筋の河津を美香は愛せず、かつて求婚された名倉冬樹との不倫に溺れた。やがて河津は出世コースの支店長に栄転、しかし、業績が落ちてしまう。焦る河津に、株暴落の中で無謀ともいえるノルマが課せられた。証券業界の実態を赤裸々に描き会社人間の苦悩を活写した力作企業長篇。

■『疑惑の判決』主婦株自殺の真相水沢 渓 健友館 ISBN:4-7737-0263-X

 井口宏は”資本市場の資金調達のパイオニア”を夢見て四大証券の一角、大和田証券に入社した。だが彼を待っていたのはヤクザまがいの手数料稼ぎが大手を振って歩く世界だった。  雑誌「現代」(3月号)に掲載され好評を博した水沢渓のドキュメント「株自殺」を題材に非常な証券界で苦闘する若者の手数料稼ぎに巻き込まれた無知な主婦の哀しい姿を描きながら”会社主義”の本質を鋭くえぐったドキュメントノベル!

■『商社一族』小説穀物戦争  咲村 観 講談社文庫  ISBN4-06-183027-9

■『小説日本興業銀行第一部』  高杉 良 講談社文庫 ISBN4-06-184776-7

産業金融の雄、日本興業銀行が辿った波乱万丈のドラマを描く。戦後の日本経済界を彩る幾多の人材を輩出し、日銀特融をはじめ、さまざまな危機の局面にあって、回避にむけての打開策を全力でとってきたトップ銀行。その実像を、豊かな構想力と綿密な取材の下に、実名で活写する五部構成大河小説の第1弾。第五部まである。

■『大蔵省vs.アメリカ』 仕組まれた円ドル戦争  塩田 潮  講談社文庫 IISBN:4061857452

世界の通貨マフィアたちは、85年のプラザ会議で、政策協調と通貨調整の名のもとに半ば強引にドルを下落させた。戦略を練るアメリカ、防戦する日本。なぜ、円高は起こったか。なぜ、大蔵省はアメリカに対して譲歩につぐ譲歩を繰り返したのか。日米・円ドル戦争の最前線ドラマを豊富な取材で明らかにする。 第1章 ソロモン・ペーパー 第2章 野村・モルガン構想 第3章 金融開国 第4章 ステップ・バイ・ステップ 第5章 日米円ドル交渉 第6章 ベーカー財務長官 第7章 ドル高是正戦略 第8章 プラザ合意 第9章 介入大作戦 第10章 円高革命 第11章 ルーブルへの道

『株価操作』  広瀬 仁紀 講談社文庫 ISBN4-06-131756-3

■『兜町の悪党』  小堺 昭三 講談社文庫 ISBN4-06-181201-7

■『復讐』 上下 ノーマン・ガーボン 石森康久=訳
 講談社文庫 上 ISBN4-06-185210-8 下 ISBN4-06-185211-6

上 父は無実の罪を着せられ、獄中で首吊り自殺を遂げた。身の潔白を訴える血を吐くような遺書と、愛してやまなかった、いたいけな兄妹を残して――。それから20年、悲しみと屈辱の日々は2人を美しく、残酷に変貌させていった。今、綿密に練り上げられた報復の刃が、犯人の上の振り下ろされる。 下 チェース・マンハッタン銀行の副頭取だった父デイヴィッド・ベレンスタインはナチスの収容所を生き延びたユダヤ人だった。彼を自殺に追いこんだマルコム委員会の6名は、今や全米の枢要な地位を独占していた。報復は静かに、仮借なく始まった。そしてそれは世界を恐怖の渦に巻き込んでいく――。

■『小説蜂須賀重喜』阿波藩財政改革  童門 冬二 講談社文庫 ISBN4-06-263169-5

江戸時代は宝暦年間、9代将軍・家重の世。阿波藩の蜂須賀家に入った重喜は、火の車であった藩財政の改革に着手し、画期的な提案を行う。ところが、ことごとく陋習に縛られた重臣たちの反対にあう。さらに江戸幕府・田沼意次の陰謀も進み、平島公方の騒動も無視できない。阿波藩の経営改革を追う長篇歴史小説。

■『近江商人魂』蒲生氏郷と西野仁右衛門 上下 童門 冬二 学陽書房
 上 ISBN4-313-75005-3下 ISBN4-313-75006-1

上 信長の上洛により近江観音寺城は落城。これによって運命の第一歩を踏み出した二人の男がいた。人質に入った信長の元で薫陶を受け、大きく成長する戦国武将蒲生氏郷と、天秤棒一つを手にさまざまな苦難の中から商いの正道を切り開いて行く近江商人西野仁右衛門。現代に似た混迷の戦国末期を背景にそれぞれの戦いの生涯を描く。
下 「信用」「情報」「忍耐」「才覚」「倹約」をモットーに一世を風靡した近江商人の「商いの原点」と天秤棒精神。天下取りの苛烈な時代を背景に、“信用”第一の着実な歩みが生み出す世界を切り開いていった男と、目まぐるしい闘争が繰り返される権力の世界に生きた男の生涯を通して、現代の日本人の生き方、経営のあり方を問うた雄渾の長編小説。

■『国税査察官Q』 太田 俊夫  光文社文庫 ISBN4-334-70616-9

査察官Qこと九門隆二は、同僚の天野と総合商社三苗の脱税摘発のため、国内ダミー会社と海外支店から内偵をすすめていく。ところが天野が殺害された。彼の残した天野メモを手がかりに、九門は三苗の不正取引、脱税行為、それに伴う政界工作をあぶり出す。この鬼の九門も恋をする。恋人を得て彼の査察はいよいよ核心に迫った!

『大物』(第一部)相場師の巻 清水 一行★★  光文社文庫 ISBN4-334-70251-1

村始まって以来の神童と言われた菅原忠だったが、三反百姓の五男ゆえに中学進学を断念。九州の片田舎から上京すると、とりあえず警官となり弁護士を目指した。しかし世話になった米屋の親父に妻がガンであと一年、娘の花嫁姿を見せてやりたいと懇願されて婿入り。それを機に大金持ちになろうと決心、まずは株をやるためのタネ銭つくりにヤミ屋を始めたのだった。金にも女にも強い快男児の成上り物語青雲篇。
 『大物』(第二部)独眼流の巻 清水 一行  光文社文庫 ISBN4-334-70252-X

忠はヤミ屋で十万円のタネ銭をつクると、二十五歳で勇躍兜町へ飛び込んだ。緒戦を鐘紡で勝ち上がると食品、石油と乗り継いで一年たらずで一千万円を稼ぐ大当たり。一方独眼流の筆名で株式新聞に書く予想も大当たり。兜町の寵児となった忠にやがて正念場がやってくる。昭和27年、相場はドン底を低迷、兜町は弱気に沈んでいたが、忠だけは逸早く強気に転じ、大博打に出るのだった。成上り物語完結篇。

■『敵対的買収』 清水 一行  角川文庫 ISBN:4041942128

中堅ながら、高い技術力を国際的に評価されている協和精工の株が、密かに買い集められていた。東京事務所の課長北池隆史は、相手がM&Aという手法で企業乗っ取りを進めてきた高野多賀三と知って、積極的な防衛策を主張するが、社の上層部は深刻に受け取らない。離婚問題を抱え、また亡き親友の妹との危うい交流を続けながら、北池は焦燥する。そしてついに高野が、大株主として会見を申し入れてきた…サスペンスに満ちた経済の世界に生きる人間像を描く秀作。

■『乗取戦争』 清水 一行  東都書房 
 

■『乗取戦争』絶版 渡辺 一雄  グリーンアロー社 

■『小説 円投機』―ドキュメンタリーノベル 究極の通貨戦争  中薗 英助  現代教養文庫 ISBN4-390-11571-1 講談社文庫 ISBN4-06-183074-0

■『鉄砲』 本所 次郎★★  立風書房 ISBN:4651660533

昭和63年、台糖株。平成2年、鹿児島銀行株と肥後銀行株。平成3年、タカキタ株―。摘発され、あるいは噂のままに兜町を走り抜けた、株の売り逃げ事件“鉄砲”の手口と謎。鉄砲が起こるたび必ず死人が出るといわれるその背後で、札束に埋もれて哄笑する奴ら…。証券市場の浄化を願う老相場師が、最後に受けて立った凄絶なシテ戦に勝算はあるのか。書下ろし経済小説。

鉄砲とは、架空の買い注文を出すかたわら、別の証券会社を通じて保有株を高値d売り抜ける不正取引をさす隠語。株の通称「玉」という言葉と買い注文を出しっぱなしで支払わない「行ったきりの弾丸」の意味を重ね”鉄砲”とよびならわしている。もちろんこうした行為は、証券取引法157条で禁止されている。

■『極道相場』―小説 公的資金の内幕 本所 次郎  立風書房 ISBN:4651660681

株に必ず勝つ方法を見つけた男VS.企業舎弟。それは昭和40年不況の株買い上げ機関「共同証券」から始まった。兜町の証券各社に出没する老相場師とは何者か。老相場師からもたらされる情報は、公的資金が投入されるPKO(プライス・キーピング・オペレーション=株価維持政策)銘柄と関係ありとの噂…。老相場師の周辺を調べ始めた新聞記者にまといつくヤクザの謎。そして老相場師が見つけた『株に必ず勝つ方法』とは。

『頭取の影武者』小説「徳陽シティ」破綻の真相 本所 次郎  徳間文庫 ISBN:4-19-890844-3

三洋証券の会社更生法申請、山一証券の崩壊、そして北海道拓殖銀行の倒産、いままた徳陽シティ銀行がつぶれた。一気に出来した感のある金融ビッグバンだが、これは護送船団方式に甘んじていた金融機関とともに、大蔵行政の破綻を意味している。本音は乱脈経営がたたって大量の不良債権をかかえた徳陽シティ銀行を舞台に大蔵省OBをつかった合併工作の実態、典型的な銀行と行政の癒着を緻密な取材で暴く

■『総務の男』 笹子 勝哉  イースト・プレス ISBN:487257057X

乱脈融資の実態に迫るドキュメント・ノベル。

■『小説「店頭株」公開c』  石津 啓 かんき出版 ISBN:476125310X

株式公開の準備が着々と進む「日本アカウントコンピュータ」。急成長のベンチャー企業だ。創業者社長の意気込みにもかかわらず、社内の深刻な問題が次第に顕在化する。念願の展頭登録が実現し自社株が高値をつけるや、持株で大金を手にした社員が次々と社を去っていく―。発展途上の企業が、株式公開という一流企業へのパスポートを手にする過程で出会う様々な困難を、その渦中に生きる人間の哀歓を通して生き生きと描く迫真のドキュメント・ノベル。

■『買占め・乗取り・TOB』―株式取得の経済学 奥村 宏  社会思想社 ISBN:4390113186

ピケンズ―小糸製作所、秀和―忠実屋・いなげやのケースなどを取り上げるとともに、日米構造協議で大きな問題になった「安定株主工作」や「株式相互持合い」などについて分析し、その功罪を指摘する。 序章 その後の買占め、乗取り 第1部 テーク・オーバーの構造(日本を揺るがすTOB旋風 株価を動かすテーク・オーバー 「法人買い」と乗取り株価 テーク・オーバーの方法) 第2部 攻撃する側の作戦(「法人買い」の構造 商社の株式取得 銀行の株式取得 企業集団と株式取得 野良犬とエスタブリッシュメント) 第3部 乗っ取られる側の論理(株式所有構造 蛇ににらまれた会社 会社投げ売り テーク・オーバー対策)

■『買占め商社』 松浦 利尚・平林 剛  学陽書房 0036-54522-1028

■『大坂堂島米会所物語』 島 実蔵 時事通信社 ISBN4-7887-9422-5

八代将軍吉宗の治政下、大坂に開設された堂島米会所をめぐり、自由な市場を目指す加嶋屋泰三ら米商人、これを支配下に置こうとする幕府、さらに吉宗に反抗する尾張藩主徳川宗春たちの、熾烈な闘いが展開する。歴史上初の証券・先物取引所の産みの苦しみを鮮かに描く。 第1章 享保十六年(徳川宗春との再会 江戸幕府の苦悶 お仙との出会い 高間伝兵衛の登場 彦左衛門の裏切り) 第2章 江戸商人との戦い(肥後藩空手形事件 阿波屋お春の色香 危機一髪 神の見えざる手 天隠魔界の投げ文) 第3章 買い占め(阿弥陀池騒動 雲霞の襲来 立用 姫路藩主榊原正岑) 第4章 徳川宗春(帳合米売り崩し 火縄と暴れ馬 徳川宗春の蟄居)

■『天下の糸平』上下 早乙女 貢  文芸春秋 上ISBN:4167230216 下ISBN:4167230224

上 信州伊那郡赤穂村の肝煎りの子に生れた釜吉は名うての暴れん坊、村を飛び出し名古屋で一儲けを企むが見事に失敗、ロシヤ人で賑う下田で女郎屋を開くことを思いつき、ついに百両の金を手にする。故郷の紺屋の婿となって田中平八と改名した釜吉は、京都で仕入れた古道具を売って得た儲けを資金にいよいよ生糸相場に乗り出す。
下 死の商人シュネルと手を組んで薩長軍の武器調達に活躍した平八は生糸相場で乾坤一擲の勝負に出て大成功、「天下の糸平」の異名をとる。吉原の昔なじみの花魁お倉が開いた料亭・富貴楼で豪遊をくり返したあげく、明治17年、51歳で没するまでの波瀾の生涯。東京向島木母寺にある墓の字は伊藤博文の筆である。

■『乗るか反るか』 沙羅 双樹  日本株式新聞社 0033-005002-5781

■『酒田の本間家』 佐藤 三郎 中央書院 0020-2001-4690

■『ブラック・マネー』 マイケル・トーマス 玉木 亨=訳 TBSブリタニカ ISBN:4484951053

倒産したカリフォルニア州の小都市のボルドレロ・ベイ銀行の帳簿を調べていた政府調査官が、不審な預金口座を偶然に発見した。この細い糸をたぐっていくと、アンデスのコカイン畑から、ワシントンの権力中枢へとつながる、大がかりな国際犯罪が浮かび上がってきた。ファイナンシャル・スリラーの最高傑作。

■『世界経済が破綻する時』破局の中での投資法
 J・D・デヴィットソン W・リーズ・モッグ共著 鈴木 主税=訳  草思社

■『スイス銀行』世界経済、影の巨大組織
 T・R・フェーレンバッハ 向後 英一=訳 早川書房 0034-900621-6942

■『先物取引被害救済の手引き』〔五訂版〕
 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会編
■『商品先物取引 客殺しの自白』 永尾 廣久
 商品取引被害をなくす会
■『客殺しのテクニック』 商品取引被害をなくす会
■『海外先物取引受託法』 商品取引被害をなくす会
■『甘い陥』 商品取引被害をなくす会
■『先物取引による被害の回復をめざして』 商品取引被害をなくす会
■『先物取引ー泥沼からの脱出』 商品取引被害をなくす会
■『ドキュメント沈没三光汽船の栄光と挫折』毎日新聞社 0036-500928-7904
■『売買出世車』東 白
『三猿金泉秘録』牛田 権三郎
■『八木虎之巻』猛虎軒
■『商家秘録』大玄子
■『米道大意』著者不明
■『八木豹之巻』猛虎軒
■『宗久翁秘録』本間 宗久
■『八木龍之巻』見幾館主人
■『諸色相庭高下伝』玉江漁隠
■『ト笠貨殖考』井上鶴洲
■『株式鞘取秘伝』 岡本 學
■『株式・綿糸ー鞘取売買の秘術』 西村 欣一
■『俄、浪華遊侠伝』 司馬 遼太郎 講談社文庫
■『さいころの空』 野間 宏
■『アメリカ素描』 司馬 遼太郎
■『梢風名勝負物語−黄金術の覇者』 松村 梢風(読売新聞社)
■『日本買占史』 南波 礼吉(春陽堂)
■『相場街秘聞』 国民新聞社経済部編(正和堂書房)
■『近世成金伝−恋の鈴久』 沙羅双樹(産業経済新聞社)
■『東京の米穀取引所 戦前の理事長』 石田 朗(東京穀物商品取引所)
■『相場実話』 報知新聞経済部編(千倉書房)太陽・明治44年2月15日号
■『相場師』 生形 要(日本経済新聞社)
『野村商法物語』 武田 康(中央公論社)
■『成金王 鈴久物語』 和田 平助(実業の世界)
■『波瀾万丈の相場師鈴木久五郎』 遠山 芳三(実業之日本)
『ライアーズ・ポーカー』ウォール街は巨大な幼稚園
 マイケル・ルイス 東江 一紀=訳★★★ 角川書店
■『立証責任』 スコット・トゥロー文芸春秋
■『赤い楯』ロスチャイルドの謎 上下 広瀬 隆★★★ 
 集英社 上ISBN4-08-772816-1 下ISBN4-08-772817-X

■『兜町の黒い狼』 安田 二郎 廣済堂文庫 ISBN4-331-60026-2
■『銀行乗っ取り』 モーリス・ウェスト 湯沢 章伍 KKベストセラーズ 0097-711110-7617
 
■『悪業』証券腐敗の構図 王 増祥★★ 活気社 ISBN4-906664-03-2

→政治家、官僚、財界人の悪業(罰を受けるような悪い行為)が日本を滅ぼす!

■『極秘指令「X社を買収せよ」』 下田 智;森永 公紀 日本放送出版協会 ISBN4140087307

生き残りをかけて展開される熾烈な企業攻防戦。そして、その背後で蠢く金融資本。企業経営の新たな世紀を告げたミネベア「X社計画」の全容を綴る衝撃のドキュメント。
序章 「時間がない」
第1章 X社計画誕生
第2章 西村・真田法律事務所
第3章 メリルリンチ
第4章 蛇の目ミシン
第5章 大蔵省証券局
第6章 ロイズバンク
第7章 小佐野賢治
第8章 第2次買収リスト
第9章 三協精機
第10章 トップ会談
第11章 西海岸の乗っ取り王
第12章 日米激突
第13章 ウォール街
第14章 手紙作戦
第15章 忍び寄る病
第16章 M&Aのプロ
第17章 三菱銀行
終章 企業拡大の夢

■『悪党人事』 渡辺 一雄 祥伝社 ISBN4396325096

北浜銀行赤羽支店長に命ず―その辞令は、柊にとって血と涙の結晶だった。“お客様第一”という理想を捨て、妻子との会話も忘れ、過酷なノルマを達成した結果、同期で初の支店長になったのである。しかし、時期外れで、しかも破格の人事異動に、柊は一抹の不安を感じていた。実は人事の背後には、仕手筋の大物をも巻き込んだ、銀行上層部の周到な陰謀があった…。

■『会社潰し』絶版 渡辺 一雄 日本文芸社 ISBN:4537070064

羽川亮一は、二部上場の準大手スーパー『三幸ストア』の企画課係長で、いわゆる“総会屋”対策を担当していた。商法改正にともない、総会屋への利益供与の禁止を社長の伍藤和吉に直訴するが、逆に社内の秩序を無視したとして厳しく叱責される。伍藤社長は日ごろ「商人は正人でなければならない」と公言していた。羽川は伍藤の言行不一致と隠された会社の秘密を知って怒りを覚え、会社への復讐を決意する。サラリーマンの叛乱を描く書下し長篇企業小説。

■『報復倒産』絶版 渡辺 一雄 光文社 ISBN:4334710204

大岩昭平は闇屋から薬品メーカーに成長したワンマン社長。社風刷新のため、役員と労組が結託し、社長追放策を練りだした。大岩も負けてはいない。高値で株を売った後、内紛を流布して株価を暴落させる。社長の座は譲った。だが、制がん剤成功のニセ情報で、再び大混乱を…。悪徳経営者が社員を手玉にし、倒産へ導く残酷小説。

■『巨悪は嗤(わら)う』絶版 渡辺 一雄 広済堂出版 ISBN433105361X

過去何十もの企業を血祭りに上げたきた三宝証券の辣腕法人部長宮永は、次の標的を瀬戸内化工に絞り、社長の大久保に取り入って、腹心の部下曽我を新設の財務室に潜りこませた。その結果、瀬戸内化工は企業財テクで本業を上回る高収益を上げ、相手を十分肥らせた後でその生き血を吸う宮永の計画を着々と進んでいった。だが、兜町で救急事態が発生、シナリオは急転回する。果たして何が起こったのか?そして、宮永の背後で見え隠れする超大物政治家の恐るべき策訪とは?政財界が複雑に絡み合った、“金の世界”の裏面を抉る衝撃のサスペンス。

■『仕手社員―』銀座デパート戦争 絶版 渡辺 一雄 徳間書店 ISBN419598582X

老舗を誇る大手デパート・丸菱のワンマン社長が取締役会で突然、社長を解任された。―その夜、京都四条通りで、蓬髪、着流し姿で世捨人を気取る北小路健策は、疾走してきた車に轢かれかけた若い男・尾形浩三を救けた。泥酔している尾形は「丸菱社長のクビをはねたのは俺だ!」と口走る。企業内の非情を知る過去を持つ北小路は、危険が迫る尾形の背景に疑問を持ち真相究明に乗り出す。長篇企業小説。

■『小説 新巨大証券』上下 高杉 良 講談社 ISBN4062634406

株価低迷!バブル崩壊後の重いツケが、深刻な形で兜町を襲ってきた。財テクの実態や損失補填のからくり、裏社会の進出などが明らかになるにつれ、証券業界への風当たりは厳しい。アメリカ市場参入への圧力も増す。そこに“にぎり”を指弾する怪文章が…。株に生きる男たちの熱きドラマを描く経済小説。

■『地獄の黄金−小説・豊田商事』絶版 大下 英治 サンケイ出版 ISBN4383024688

金は人間の全てだ。豊田ペーパー商法悪の構図!

■『転覆 海運・大型乗っ取り事件』絶版 本所 次郎 社会思想社 


■『8割の男』絶版 大下 英治 光文社 ISBN4334027776

年収1億5000万円!北原一輝は生き馬の目を抜く為替ディーラーの世界で、ライバル海馬一義らとの熾烈な勝負を経て、日本一の為替ディーラーとなった。海外修行、転職、そして離婚とその道のりは厳しいものであったが…窮地に陥るたびに北原は不思議な力を発揮し、危機を切り抜けてきた!だが、G5、“暗黒の月曜日”と続く世界経済の荒波がいま北原に押し寄せてきた。闘志を燃やして、北原は世紀の大勝負に出た。世界一の為替ディーラーを目指した男の凄まじいまでの執念、そして栄光と挫折を大迫力で描いた長編経済小説の会心作。

■『若き牙の折れるとき』小説中江滋樹 青春ピカレクス 絶版 大下 英治 徳間書店 ISBN419153095X


■『経済危機の構図』絶版 さいとう たかお劇画 牧野昇解説 講談社 ISBN4062036983

日本経済が大きく揺らぐ根本原因は何なのか?いま誰もが知りたい破局への不安に、最高権威の巨匠が新視点(恐怖の不均衡ー過剰債務と地下経済の構図)でわかりやすく回答!

■『大暴落』絶版 真木 洋三 角川書店 ISBN4047731013

■『女相場師』清水一行 集英社 ISBN4087485382

谷川千百里、27歳。元ファッション・モデルの美貌を武器に会社重役の愛人となり、池袋ではじめたバーは兜町関係者でにぎわった。株に絡む男達の熱気の中で、初めて買った銘柄で千百里は儲けた。株なんて、こんなものか―と思いつつ、次第にのめりこんでゆく。表題作ほか女性を主人公にした五篇を収録。

■『造反』清水一行 徳間書店 ISBN4198903298

三協証券社長岡本邸に、調査部次長石田が訪ねてきた用件は、社員が署名した社長退陣要求の連判状を手に入れたからだった。しかも、その内容が「独善的な経営により、会社に莫大な損害を与えた社長を解任してほしい」という株主宛に書かれたものだと知った岡本は顔をしかめるほかなかった。二か月前にも造反劇があり、再び苦境に立たされることになったからであった(表題作)。他七篇。

■『暗黒の月曜日(ブラック・マンデー)』清水一行 光文社 ISBN4334718000

ニューヨーク株式市場で、史上最高の大暴落。その余波はたちまち日本へ波及し、角六証券の吉村和夫の運命を大きく狂わせた。私生活のごたごたで仕事への集中力を欠いた彼は、百億円の損害を出した。大暴落は、失敗を一気に挽回する策を立てた矢先に起こったのだ。(表題作)現代企業社会に生きる人間たちの公私両面に光をあて、深い味わいを醸す経済企業小説集。

『株の罠』清水一行 徳間文庫 ISBN4195991013

村上晴夫は中央官庁の係長。東大出身者だけが出世する省内では、村上のような私大出身者は下級官吏のまま停年を迎える。20年間下積みを続ける村上の唯一の心の支えは、家族にも内緒の貯金だった。証券会社に勤める後輩が転勤することになり、後任の担当者を紹介されたことから…。表題作他、傑作オリジナル作品集。

■『燃ゆるとき』高杉 良 新潮社 ISBN4101303118

昭和28年、築地魚市場の片隈の六坪のバラックで、森和夫は水産会社を興した。机四つに電話二台、従業員はわずか5人。大らかな人柄とバイタリティを武器に、大手商社の横暴、米国進出、特許係争など、多くの難問と格闘しつつ、約40年の間に、森は如何にして資本金175億、従業員2000名の一部上場企業に育てあげたのか。理想とロマンの灯を高く掲げる経営者の実像を描く実名経済小説。

■『バブルの帝王』〈上〉大下 英治 桃園書房 ISBN4807803107

住宅開発、マンション分譲、ホテルチェーンの経営、さらにはゴルフ場経営と、商才と有力者のコネに恵まれてビジネスチャンスが次々と飛び込んでくる。大峰の人脈とビジネスは破竹の勢いで拡大しつづけ、資金力をつけると上場企業株の買い占めに乗りだした。―空前の財テク熱に沸きかえったバブル全盛期、野望の実現をめざして突き進んだ男の怒涛の半生を描いた長編経済ドキュメンタリー・ノベル。

■『バブルの帝王』〈下〉大下 英治 桃園書房 ISBN4807803115

仕手集団をひきいる大峰は、いまや名実ともに大手企業のオーナーの座を占めるに至ったが、その野望はさらなる目標を求めて大仕手戦へと向かった。だが、巨額の資金繰りに窮して追いつめられた大峰は、一か八かの賭けに打ってでる。―狂乱のバブル・ブームを駆けぬけた男の半生を描いた長編経済ドキュメンタリー・ノベル。

『嗤う総会屋』大下 英治 実業之日本社 ISBN4408503118

週刊誌記者から総会屋へ転身した男が、大企業のスキャンダルに食らいついた。株主総会を無事にのりきろうと画策する経営首脳、利権を求めて暗躍するさまざまな総会屋。陰謀の駆け引き、とびかう札束−日本経済を支える裏社会の実態を赤裸々に描いた、ドキュメントノベル!!


■『日本買収』大下 英治 




■『迂回融資』こずかた 治