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特別公開
「為替相場とはどういうゲームか?」 執筆/中原駿

1.マザーマーケット不在の巨大マーケット=二重性
2.流動性
3.参加者の多さと巨大さ
4.政府の介入
5.ファンダメンタルズと経済指標の重要性

1.のマザーマーケット不在というのは、為替が自国通貨と他国通貨の売買と いう二重人格的性格を帯びているためかもしれない。
通常商品相場とは「現金+金利」と「商品」のゲームである。株価も「現金+金利」と「株」との間にあるゲームである。「現金」だけではないか、と思われるかもしれないが、実は「現金」との間に存在するゲームではない。商品であれば、その商品が実際に消費者の手元に届くまでの価格に対する予測のゲームであり当然にその資金には金利の要素が絡む。さらに株価はマーケット参加者の株価上昇にかかるまでの時間、いわば時間に置き換えた期待実現可能性と実際の現金+実現までの金利利息を等価とするゲームであるから、株価そのものが持つ本質と債券との裁定ということができる。

予断となるが株価は、

  • 短期では 債券価格とカーブ
  • 中期では 政策金利動向とマネーサプライ
  • 長期では 成長力
と裁定が掛かるとみなすべきで、株価はその株価自体のニュースよりも、株価全体を動かすインデックスには金利とマネーの裁定が強く働き、またその影には中央銀行の政策意図が見え隠れする、というわけなのだ。
したがって「現金+金利」=「債券」と通常対比して考えれば良い「株価」に対して、為替相場はどうして複雑なゲームとなるのか。

ドル相場という相場はない。円相場という相場もない。あるのは「ドル円相場」や「ユーロドル相場」であって、為替相場とはあくまでも「交換比率」でしかないのである。日経平均は日本がマザーマーケットであり、シンガポールやニューヨークでの売買がマザーマーケットになることはありえない。
同様に、S&Pが日本に上場されても、永遠にニューヨーク市場の売買出来高を越えることはないだろう。通常商品や株には厳然とマザーマーケットが存在し、そこで形成される価格に最終的な決定力がある。
ところが、為替市場にはそのようなマザーマーケットが少なくとも2つは存在するのである。ドル円であれば、円のマザーマーケットである日本とドルのマザーマーケットであるニューヨーク。ユーロドルであれば、ロンドンとニューヨークというように常にマザーマーケットが二重に存在する。このことは結果として、為替相場の参加者にとって一つのプロダクトを選ぶことが、少なくとも常に2つの市場を見ておく必要があることを意味する。

すなわち、日本のファンダメンタルズと米国のファンダメンタルズ、日本のフローと米国のフロー、日本の金融政策と米国の金融政策、等々。金利もフローも、双方同時または金利「差」、マネーフローの「格差」、政策タイミングのずれなどを意識しながら相場を張らなくてはならない。つまり、為替相場とは2つのマザーマーケット、2つのファンダメンタルズ、政策、金利などを「そのもの」として、または「格差=スプレッド」として意識する二重性のマーケットということができる。
二重性という厄介なものも抱えているが、いいこともある。
2.の流動性の豊富さである。
ドル円であれば、円のマザーマーケットである日本とドルのマザーマーケットであるニューヨーク。ユーロドルであれば、ロンドンとニューヨークというように常にマザーマーケットが二重に存在するが、いずれにも十分な流動性が供給される。またロンドンマーケットは巨大な裁定市場でありまた世界最大のオーバーレイマネージャーや為替相場参加者が存在するマーケットであるから、事実上東京オープンからニューヨーククローズまで十分な流動性が供給され続けるマーケットといえる。
無論、為替市場の朝である東京オープンや市場の深夜となるニューヨークの3時以降は極端に薄いマーケットとなることもしばしばであるが、それでも他の主要商品・株価インデックスと比較しても圧倒的に流動性は高い。この流動性の恩恵を受けて、通貨証拠品取引は非常に低いオファー・ビッドスプレッドを実現し、注文価格が即座に実行されることになった相場参加者にとっては誠に喜ばしいことといえるだろう。
ただし、流動性が豊富なことの欠陥もある。それは、豊富すぎてマーケットの参加者のポジションが読みにくい、ということである。日本の商品市場では建玉や参加者が少なすぎて流動性が厳しい反面、建玉や参加者の手の内がすぐ読める、という部分もある。これはブローカーや商品取引所会員になればなるほど情報量の格差がそのままトレードの優位性につながることを意味する。 為替相場で参加者からの注文に応じるのは基本的には銀行ならびに証券会社などであるが、商品市場や株式市場のようにブローカーが優位ということはほとんどない。実際には銀行といえども市場の一参加者に過ぎない。ある一定の場合に極端に流動性が薄くなることはあっても、非常に厚いときにはむしろ市場参加者が困惑するほどのときもあるのである。5億ドル、10億ドルの注文が瞬時にさばけてしまった、というはなしをよく聞く。特にドルユーロ市場で顕著であるようだが、ドル円でも同じようなケースがないわけではない。
流動性の恩恵は非常に大きいが、値動きの小ささに安心すると、その裏側では巨大なマグマが渦巻いているときもあることは注意したい。

3.参加者の多さとその巨大さも独特であろう。商品市場へのヘッジファンド の参入などで沸いているが、ヘッジファンドがいつも嘆くのが、その流動性の低さである。自己資本の3倍から5倍のポジションを持つことを考えれば、1億 ドル(100mUS$)のサイズはすぐに3億ドル(300mUS$)のポジションを意味す る。(100万ドル=1本なので)ドル300本であれば、極端に言えばユーロドル だけでもマーケットを壊すことなく作れるポジションである。5通貨、あるい は3通貨であれば十分タイトなスプレッドであろう。ところが商品相場となる となかなかそうは行かない。

さて主要な参加者とそのプロフィールについて簡単に紹介しよう。
実需、銀行、機関投資家、ヘッジファンド、政府が主な参加者といえる。それぞれ独自の意図を持って市場に参加している。ゲームに参加している以上、参加者がどういう意図でどういうもち札を持っているのか、何が彼らを動かすのかを知っているのは非常に重要である。


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プログラム

  • 為替の短期売買とはどういうゲームか
  • 為替市場の参加者と行動形態
    ショートタームトレーダーにとってのファンダメンタルズ利用法−経済指標を中心に−
  • 市場相関
    タイムサイクル
  • アノマリー (曜日効果・年末効果など)
  • 最適な時間枠
    私が利用している実践テクニック
  • 資金管理について−リスクを可変とする−
  • まとめ

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