優利加の「生涯現役のトレード日記」

中東における「地政学リスク」は賞味期限が過ぎたようだ

04月24日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +253.58 @38,239.98, NASDAQ +169.29 @15,451.31, S&P500 +43.37 @5,010.60)。ドル円為替レートは154円台後半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が936に対して、下落銘柄数は651となった。騰落レシオは101.64%。東証プライムの売買代金は3兆7014億円。

TOPIX +4 @2,666
日経平均 +114円 @37,552円

米国では、イランもイスラエルも紛争をエスカレートさせる意思がないことが次第に分かってきたので、中東の地政学リスクの高まりが和らいだ。それに伴い、リスクオフからリスクオンへと意識が戻り始めて原油価格が下がり、金も下がり、インフレが高進するのでないかという懸念が後退した。その結果、自律反発狙いの買いが優勢となり、主要3株価指数は上昇した。エヌビディアをはじめとするハイテク株とゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなどの金融株が上げた。

本日の東京市場では、中東情勢の悪化懸念が和らいだことで米国株が上昇した流れを受けて、買いが優勢となった。中東の地政学リスクは一時的なインパクトは大きいが賞味期限が短いことが普通であり、今回もそのパターンのようだ。ただ、日銀の金融政策決定会合を控えているので売買は慎重となり、且つ、薄商いで上値は重かった。米長期金利が高止まりしているため、日本国内の金利にも上昇プレッシャーがかかっており、金利上昇が利ザヤ拡大をもたらす保険や銀行は買われた。他方、金利上昇が逆風として働く成長株、特にハイテク成長株の代表である半導体関連銘柄は弱含みの展開となった。それが無くても、先週、オランダの半導体製造装置大手のASMLホールディングの決算が市場予想を下回ったことで、半導体関連銘柄の楽観的な業績見通しは後退している。また、国内外での不動産不況の影響を受けて住宅設備・建材の需要が低迷したため、LIXILが赤字転落(2024年3月期決算:110億円の黒字見通しから140億円の赤字へ)して株価が急落した。住宅ローン金利が上昇しつつあるし、建築資材価格は高止まりし、さらに人手不足で人繰りもより難しくなっているだけでなく労賃も上がっている。春闘で大幅賃上げが実現したが、それによる好循環が始まる前に、コスト・プッシュ・インフレの方が先に効いてくるかもしれない。

円相場は1ドル=155円台の円安・ドル高水準が射程距離に入り、日本政府・日銀による市場介入が警戒される。さらに、今週は日銀の金融政策決定会合を控えているので、急激な円高・円安方向への揺り戻しが警戒され、自動車などの輸出関連銘柄の買いは限定的となった。例え、為替介入により一時的に円高・ドル安報告へ揺り戻しがあったとしても、米国のインフレが終息しない限り、米金利は高止まりを続けるので、円安・ドル高基調は根本的に変わらないだろう。

日経平均の日足チャートを見ると、反発して一時は「はらみの上抜け」となったが、売りに押し戻されて陰線で終えた。下げ止まりはしたが、まだ力強い反発とは言えない。

33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、証券(2位)、建設(3位)、その他金融(4位)、食料品(5位)となった。

安値圏での「はらみ線」、反発の兆しか?

04月22日
先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +211.02 @37,986.40,NASDAQ -319.49 @15,282.01, S&P500 -43.89 @4,967.23)。ドル円為替レートは154円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,470に対して、下落銘柄数は161となった。騰落レシオは104.94%。東証プライムの売買代金は4兆3070億円。

TOPIX +36 @2,662
日経平均 +370円 @37,439円

米国では、利下げが従来の予想よりも先送りされそうであり、中東の地政学リスクは上昇しており、台湾積滞電路製造(TSMC)が半導体業界全体の見通しを下方修正するなど悪材料が多い中、エヌビディアは10%下げたが、好決算を発表したアメリカン・エクスプレスが6%超上昇した。その結果、ダウ工業株30種平均は上げた一方、ナスダックは下げた。

本日の東京市場では、先週末に大きく下げたため自律反発狙いの買いが優勢となった。日経平均の上げ幅は一時400円を超えたが、米国ではハイテク株が売られた流れで、東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連株が売られた結果、買いが一巡すると伸び悩んだ。米エヌビディアの急落が引き金となり、スクリン、ディスコ、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンク・グループ、ソシオネクストなどが目立って下げた。半導体関連銘柄は上げすぎた反動がまだ続いている。ただ、中東情勢への警戒感は和らぎ、原油先物価格(WTI)は上昇の勢いが一服した。電気・ガス、銀行などが目立って上げた。

外為市場では米ドル独歩高の様相を呈している。景気が低迷している中国との貿易が多いアジア通貨は対ドルで通貨安が進んでいる。通貨安は輸入インフレを促進し、さらに悪いことにドル建て債務の実質的増加となり返済がより困難となる。或る限度を超えると国により通貨防衛のために為替介入や利上げに追い込まれるが、外貨準備がもともと少ないためにドル売り・自国通貨買いの原資が直ぐに尽きてしまう。また利上げは自国の経済を悪化させるので、ますますドル買い・自国通貨売りの攻撃を受けることになる。例外は堅調な米国経済の恩恵を受けているメキシコであるが、その他の新興国通貨(韓国ウォン、タイ・バーツ、インドネシア・ルビア、フィリピン・ペソ、インド・ルピーなど)は対ドルで安くなっている。

日経平均の日足チャートを見ると、前日の長大陰線に対して本日は短陽線で終え、2日合わせて「はらみ線」となった。安値圏での「はらみ線」は上抜ければ反発のサインと解釈される。まずは、先週金曜日の長大陰線の上に抜けることである。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、空運(2位)、陸運(3位)、証券(4位)、食料品(5位)となった。

株価サイクルΔ龍斌 x 中東での地政学リスクの急騰=急落

04月20日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +22.07 @37,775.38, NASDAQ -81.87 @15,601.50, S&P500 -11.09 @5,011.12)。ドル円為替レートは154円台前半での動きだった。本日の日本株全般は大きく下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が86に対して、下落銘柄数は1,554となった。騰落レシオは100.02%。東証プライムの売買代金は5兆4658億円。

TOPIX -51 @2,626
日経平均 -1,011円 @37,068円

米国では、米4月フィラデルフィア連銀業況指数が予想を上回り、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁などの米連邦準備制度理事会(FRB)高官が相次いでタカ派発言をした。これにより利下げ開始のタイミングはさらに遠のき、米10年債利回りは前日の4.58%台から4.63%台へ上昇した。その結果、S&P500とナスダックは5日連続で下落した。S&P500は昨年10月以来の長期続落記録となった。

本日の東京市場では、米ハイテク株安の流れを受けて半導体関連銘柄で売り優勢で始まったが、間の悪いことに、イラン国内の複数の場所で爆発があったと報じられると、即座にイスラエルがイランに攻撃したと解釈された。中東情勢の高まる緊迫化を警戒して売りがさらに加速した。全面安となり、日経平均の下げ幅は一時1,300円を超えた。好決算を発表した台湾積滞電路製造(TSMC)の米預託証券(ADR)が下落し、半導体関連銘柄の売りを促した。東証プライムでは、今年最多となる330銘柄が年初来最安値を付けた。

イランがホルムズ海峡を閉鎖する可能性が強く意識され始めると、原油価格が大きく上昇する。世界全体の2割に当たる日量2000万バレル(サウジアラビア産日量900万バレル、UAE産日量320万バレルを含む)の石油・石油製品がホルムズ海峡を通過している。GS(ゴールドマンサックス)の試算では、ホルムズ海峡が閉鎖された場合、原油価格は1カ月で20%上昇すると予測される。もし、そうなると世界的にインフレが再燃し、世界景気が停滞すると同時に世界の中央銀行が再び金融引き締めに転じざるを得なくなる。中東での地政学リスクが急速に高まって来たため、マーケットはリスクオフの度合いが強くなり、危険資産である株が大きく売られ、反対に安全資産とされるスイス・フランや金(gold)が買われた。

足元で俄かに急上昇している地政学リスクと米金利上昇だけでも株式相場には大きな下押し圧力となっているが、これまで株式相場上昇の主なけん引役だった半導体関連株の雲行きが険しくなってきた。少し前まで上げ過ぎなくらい急速に、且つ、高く上げたので少し前から利食い売りが優勢となっている。ちょっとしたことでも悪材料として過剰反応をする。その典型例が台湾積滞電路製造(TSMC)である。2024年1〜3月期決算は市場予想を上回る良いものだったが、米国市場で5%安となり、台湾市場では7%安となった。その理由として指摘されていることは、2024年のメモリーを除く半導体業界全体の生産予想を従来の「10%以上の伸び」から「10%の伸び」へ同社が修正したことである。AIブームで上がり過ぎた期待の反動が起こっている。

中東での地政学リスクが高まり、中国経済も低迷しているので内需株の方が良さそうに思えるかもしれないが、現実はそうでもない。業種別日経平均株価の2023年末比の騰落率を見ると、「陸運」は下落率トップのマイナス11%、「サービス」が2位、「鉄道・バス」が3位と続くが、これらすべてが内需関連である。国内景気の先行きに自信が持てない証しである。また、食品などの値上げも一巡し、これ以上の値上げは圧倒的な地位を占めていない限り、客離れが怖くてできない。日本株は政策保有の株式の売却を進めるなど企業統治の改善具合が評価される一方、外需株も内需株もともに先行き不透明となって来ており、再び日本株全体が力強く上昇するにはある程度の長さの日柄が必要であろう。

円安・ドル高は一般的に日本株全体にはプラスの力として働く。しかし、度を過ぎるとマイナスの力の方が強くなり、全体として株価を引き下げる力へ転換する。

日経平均の日足チャートを見ると、中東の地政学リスクが急速に高まったことを背景に、今日も大きく続落して「長大陰線」で下落した。株価サイクルΑ蔽綣造焚射邏斌漫砲覆里如株価は売り材料により敏感に反応するため今日のような急落は起こり易い。

33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、電気機器(1位)、機械(2位)、金属製品(3位)、精密機器(4位)、証券(5位)となった。

「ASMLショック」は消化したか

04月19日
昨日の米国株式相場は下落した(DJIA -45.66 @37,753.31, NASDAQ -181.88 @15,683.37, S&P500 -29.20 @5,022.21)。ドル円為替レートは154円台前半での動きだった。本日の日本株全般は反発しする銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,396に対して、下落銘柄数は224となった。騰落レシオは112.30%。東証プライムの売買代金は4兆590億円。

TOPIX +14 @2,677
日経平均 +118円 @38,080円

米国では、オランダの半導体製造装置大手ASML社が発表した決算内容が市場予想を下回ったショックが日本株市場から米国株市場へ引き継がれ、エヌビディアやAMDをはじめとする半導体関連銘柄に売りが拡大した。その結果、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%を超える大きな下落となった。主要3株価指数は揃って下げた。

本日の東京市場では、前日までの3日間で日経平均が1,500円強下げていたことで、自律反発狙いの買いが優勢となった。寄り付き直後は米国株安の流れを受け下げて始まり、下げ幅は一時300円を超えたが、切り返して日経平均の上げ幅は一時250円を超えた。台湾積滞電路製造(TSMC)が発表した決算内容が市場予想を上回ったことで半導体関連銘柄の一角に買いが集まった。TSMCの売り上げの6割超がエヌビディアやアップルなど米国向けであり、ASMLにも売っている。アドバンテストは大引けにかけて一段高となった。3月の訪日外国人が単月としてははじめて300万人を超えたことが分ったため、百貨店や空運などのインバウンド需要関連銘柄が買われた。東京市場では「ASMLショック」はほぼ消化されたようだ。ASMLはスマホなどの高性能機器に搭載される最先端半導体の微細加工に不可欠なEUV露光装置を独占的に手掛けているため、ASMLの受注減少は装置需要の世界的減少につながると株式市場は身構えたが、過剰反応だったかもしれない。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の大陰線の翌日、さらにギャップダウンして始まった後に切り返して反発して陽線で終えた。しかし、前日の大陰線の実体部分に僅かに首を入れただけの「入り首線」だったので、今日のところはそれほど強力な買いサインとは言えない。それでも明確な下げ渋りのサインではある。上昇トレンドに戻るためには、まずは、60日移動平均線上に再浮上することである。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、繊維製品(1位)、空運(2位)、保険(3位)、銀行(4位)、非鉄金属(5位)となった。

生涯現役の株式トレード技術の核心

04月18日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +63.86 @97,798.37, NASDAQ -19.77 @15,865.25, S&P500 -10.41 @5,051.41)。ドル円為替レートは154円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が226に対して、下落銘柄数は1,388となった。騰落レシオは102.43%。東証プライムの売買代金は4兆5024億円。

TOPIX -34 @2,663
日経平均 -509円 @37,962円

米国では、引き続き中東の地政学リスクが尾を引いているが、パウエルFRB議長が高金利政策を維持することが必要であると述べた(タカ派的発言)ことで、ダウ工業株30種平均は前日までの6営業日で1,168ドルも下落していたので本来なら押し目買いが優勢となってもおかしくないタイミングではあるが、株価は重い動きとなった。米長期金利(10年債利回り)は前日の4.62%台から4.66%台へ上昇した。

本日の東京市場では、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが発表した2024年1〜3月期決算で売上高が市場予想を下回ったことが報道された。売上だけでなく、将来の売り上げに直結する受注額も市場予想を下回った。さらに、4〜6月期売り上げ見通しも市場予想を下回った。これにより半導体製造装置に対する需要拡大期待が縮小し、アドバンテスト、レーザーテク、スクリンなどの半導体関連銘柄を中心に売りが急増した。

米国では、4月に入ってからインフレに対する警戒感が高まって来た。3月の雇用統計と消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、改めて米国経済の力強さとインフレ圧力の根強さが示された。原油価格や銅などの資源価格も上昇基調となってきた。米国では、今年年初には3月にも利下げ開始で、今年中に7回の利下げがあるとの期待が主流で、その期待を織り込みながら株価は上昇を続けていた。しかし、足元では急速に逆回転している。今や、利下げ開始は最速でも9月へ先送りとなり、年内の利下げ回数は最大でも2回となり、主流の見方は1回になっている。それどころか、年内には利下げはないとの「利下げ見送り説」さえ増えているくらいである。結果的に、事前の期待と時間経過後の現実にはこれほど大きな乖離があったことになるが、これが株価の真理である。この逆も十分起こりうる。進行する円安・ドル高に対処するために、政府・日銀は円買い・ドル売りの市場介入をするか、利上げを迫られる。実際に利上げするかしないかに関わらず、マーケットが利上げを想定するだけで、株価には強い下押し圧力がかかる。市場介入の場合は即効性はあるが、原因が日米金利差というファンダメンタルズにあるので、その効果は短期的となり持続性がないと見る。つまり、日銀に対する利上げ圧力は続くということであり、株価にとっては下押し圧力となる。

現在の時点で分かっている世界中のあらゆる情報を、世界中の超秀才たちが寄ってたかってどんなに精緻に分析しても、3〜4カ月先と言う比較的近い未来でさえ大きく読み間違えることは頻繁に起こる。それでも相場の波に乗り続けるためには何をどう考えてどう実行すれば良いのかを研究し続け、仮説を立て、それを検証し、微調整を続けることが「生涯現役の株式トレード技術」の核心である。これこそが株式相場の本質であり、だからこそ面白いし、ライフワークとして取り組むにあたり「相手にとって不足なし」と言える。

日経平均の日足チャートを見ると、大陰線で続落した。これで3日連続の大幅安となった。60日移動平均線も明確に下抜けしたので、株価サイクルΑ蔽綣造焚射邏斌漫砲貌った可能性が高い。下げが急速だったので、早晩、自律反発狙いの買いが優勢となり株価はある程度は戻るはずであるが、どこかで戻りが止まり、また反落し始めることを想定しておきたい。

33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、石油・石炭(2位)、鉱業(3位)、パルプ・紙(4位)、証券(5位)となった。

4月3日から株価サイクルァ蔽綣造焚射遒鮖遒攻斌漫

04月17日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -248.13 @37,735.11, NASDAQ -290.07 @15,885.02, S&P500 -61.59 @5,061.82)。ドル円為替レートは154円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が169に対して、下落銘柄数は1,465となった。騰落レシオは111.56%。東証プライムの売買代金は4兆7835億円。

TOPIX -56 @2,697
日経平均 -762円 @38,471円

米国では、3月米小売売上高の結果が予想以上に強いものだったため、米10年債利回りが一時は4.66%台まで上昇した。これだけでも株価には大きな悪材料だが、イランによるイスラエル本土に対する大規模軍事攻撃が両者の報復攻撃をさらにエスカレートするのではないかとの懸念が高まり、株価を大きく続落させた。ただ、中東の地政学リスクの高まりはこれまで何度も経験した。一旦起こるとインパクトは強いがその悪影響にマーケットは徐々に慣れて来てやがて相場に織り込みとなる。いつまでも同じ悪材料で下げ続けることはない。

本日の東京市場では、米長期金利上昇と米国株安の流れを受けて、金利上昇に弱いハイテク成長株を中心に売られて、日経平均は大きく続落した。日経平均の下げ幅は一時900円を超えた。米長期金利の上昇は円安・ドル高へ繋がり、円安・ドル高は日本の輸入物価上昇をもたらす。また、原油価格やそれと連動しやすい資源価格の上昇が日本の物価を押し上げることになる。すると、日銀は利上げを迫られるとの見方から長期金利は5カ月ぶりに0.875%まで上昇しており、さらに上がることをマーケットは警戒している。このような連想ゲームは株価にとっては明らかな悪材料である。円相場は1ドル=154円台まで円安・ドル高となったが、本来は好材料となるはずのトヨタ自動車などの輸出関連銘柄まで売られた。また、金利上昇は収益にプラスとなるはずの銀行株も売られた。株式市場が悲観的になっている兆候である。中国の1〜3月実質GDP成長率が事前予想を上回り5.3%増と発表されたが、今日のところは株価の支援材料とはならなかった。

日経平均の日足チャートを見ると、2日連続で大きくギャップダウンして続落し、上向きの60日移動平均線を僅かに割り込んだ。下値支持線として意識される3月12日安値@38,271円とほぼ並ぶ位置まで急落して来た。4月3日から株価サイクルァ蔽綣造焚射遒鮖遒攻斌漫砲箸覆辰討い襦これから反発する局面があるはずだが、その時は戻り売りに押し戻される可能性が高いと見ておく。

33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、石油・石炭(2位)、保険(3位)、非鉄金属(4位)、証券(5位)となった。

粘着質で下げない米インフレと言う「炎」に「油」が注がれたため・・・

04月16日
先週金曜日の米国株式相場は大きく下落した(DJIA -475.84 @37,983.24, NASDAQ -267.10 @16,175.09, S&P500 -75.65 @5,123.41)。ドル円為替レートは153円台後半での前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が690に対して、下落銘柄数は910となった。騰落レシオは112.29%。東証プライムの売買代金は3兆9857億円。

TOPIX -6 @2,753
日経平均 -291円 @39,233円

米国では、悪材料が重なり株価は大幅下落した。3月輸入物価とミシガン大学期待インフレ率(1年後の予想インフレ率は4月3.1%>3月2.9%)が予想以上に強く、インフレの長期化が懸念され、利下げ期待がさらに後退した。これらに加えて、先日のイスラエルによる在シリア・イラン大使館爆撃に対する報復として、イランがドローンでイスラエル本土を初めて攻撃した。報復の悪循環が懸念されて中東の地政学リスクが高まった。具体的には、世界の原油の約2割が通過するホルムズ海峡を巡る緊張が高まり、安定した原油供給に対する不安から原油高となり、ただでさえ粘着質でなかなか下げないインフレという「炎」にさらに「油」を注ぐことになりかねず、米株価は大きく下落した。

米国株の大幅下落の流れを受けて、本日の日経平均も大きく下げて始まり、下げ幅は一時700円を超えた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大きく下げたため、東京エレクトロンやアドバンテストなどの主力半導体銘柄が売られて株価指数を押し下げた。しかし、売りが一巡すると買戻しが入り、下げ幅を縮小して終えた。イスラエルもイランもある程度自制的に動いており(イランは攻撃の72時間前に事前通告しており、99%のドローンは着弾前に迎撃されたためイスラエル側の被害が限定的だった)、少なくともしばらくは双方とも攻撃のエスカレーションはなさそうである。1ドル=153円台後半まで進んが円安・ドル高基調が日本株相場を下支えしている。

日経平均の日足チャートを見ると、大きくギャップダウンして始まったが下ひげを引いた陽線で終え、下げ渋りを見せた。そうは言ってもやや下向きとなった25日移動平均線の下で推移しており、少なくとも暫くの間はある程度反発しても戻り売りに押し戻されやすいので要注意である。

33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、海運(2位)、非鉄金属(3位)、石油・石炭(4位)、ゴム製品(5位)となった。

25日移動平均線が水平となり、株価がその下に沈み込んだら・・・

04月13日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -2.43 @38,459.08, NASDAQ +271.84 @16,442.20, S&P500 +38.42 @5,199.06)。ドル円為替レートは153円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上昇する銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が931に対して、下落銘柄数は664となった。騰落レシオは117.17%。東証プライムの売買代金は4兆5786億円。

TOPIX +13 @2,760
日経平均円 +81 @39,524円

米国では、米3月生産者物価指数(PPI)の伸び率が予想を下回った(前年比+2.1%<予想2.2%、前月比+0.2%<予想+0.3%)ことで、インフレへの過度な警戒が後退し、ハイテク株を中心に買い戻された。ただ、米10年債利回りは前日の4.560%から4.587%へ上昇した。長期金利の上昇はボディーブローのように鈍いダメージが長く続くので要警戒である。

本日の東京市場では、米国ハイテク株の上昇を好感して買いが優勢となり、主力半導体関連銘柄が買われて日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。外為市場で1ドル=153円台の円安・ドル高基調が続いたことで輸出関連銘柄の一角が買われた。しかし、週末を意識して買いが一巡すると戻り待ちの売りや利益確定売りに押し戻された。

日経平均の日足チャートを見ると、水平となった25日移動平均線に接するまでは反発して来たがその上に浮上できず陰線で終えた。25日移動平均線が水平となり、株価がその下に沈み込んだらその後は確率的には上よりも下へ振れやすい。

33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、不動産(1位)、その他金融(2位)、ガラス・土石(3位)、水産・農林(4位)、食料品(5位)となった。

米CPIショックは消化したようだ

04月11日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -422.16 @38,461.51, NASDAQ -136.28 @16,170.36, S&P500 -49.27 @5,160.64)。ドル円為替レートは153円台前半までドル高・円安が進行した。本日の日本株は下げる銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が697に対して、下落銘柄数は893となった。騰落レシオは114.14%。東証プライムの売買代金は4兆1293億円。

TOPIX +4 @2,747
日経平均 -139円 @39,443円

米国では、注目されていた米3月消費者物価指数(CPI)が予想以上に強い結果となった(前月比+0.4>予想0.3%、前年比+3.5%>予想3.4%)ため、ずっと期待されてきた米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げがさらに遠のいた。最初の利下げ予想は9月へ先送りとなり、年内利下げ回数も従来の3回から2回へと期待が縮小した。米長期金利(10年債利回り)は5.54%台(>前日4.36%台)に上昇した。その結果、主要3株価指数は揃って大きく下落し、外為市場ではドルは上昇して1ドル=152円台の円安・ドル高となった。

本日の東京市場では、米国株安の流れを受けて株価は大きく下げて始まり、日経平均は一時500円超下げたがすぐに押し目買いが入り、切り返して陽線で終えた。進行する円安・ドル高(1ドル=153円台)を好感して自動車株など輸出関連銘柄の一角が上げた。他方、株価の原理原則通り米長期金利上昇を反映して、メガバンク株も上げた。

現在の米国消費者物価指数(CPI)の強さは供給制約が原因ではなく、サービス業を中心とした需要が強すぎるためなので、供給さえすればすぐに売れることを意味する。ということは日本から輸出すれば売れることを意味し、さらに日米金利差が原因の円安・ドル高が進行しているため、日本の輸出企業の採算はさらに良くなる。採算がどれくらい良くなるかもある程度見当が付く。3月の日銀短観によれば、大企業・製造業の2024年度の想定為替レートは140円40銭である。もし、現在の152円台以上が定着するなら大幅な増収となり、どこかで上方修正を発表する可能性が高い。円安・ドル高基調が続けばば、株価は増収増益を先取りして織り込み始めるだろう。

政府日銀による為替介入がいつ起こっても不思議ではない局面だが、日米金利差という経済のファンダメンタルズが原因なので、為替介入による効果は短期的にはあるだろうが長続きしないと見ている。前回の為替介入は2022年9月22日から10月下旬まで3回に分けて円買い・ドル売り介入して何とか円安・ドル高の流れを食い止め、一時は151円台後半から7円ほど円高に戻した。あの時の米長期金利は4.2%台だったが、今は4.5%台である。為替介入するにしても介入原資は1.3兆ドルの短期米国債(外貨準備高)しかないので、無駄打ちをしないためにはドル買いが出尽くして伸び切ったところで実施しないと効果が弱くなる。したがって、もう少し「泳がしておく」可能性が高い。例えば1ドル=155円までとか。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップダウンして始まったがすぐに切り返し始めて長陽線で終えた。下値では押し目買い意欲が旺盛なことを示している。

33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、電気・ガス(3位)、銀行(4位)、非鉄金属(5位)となった。

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