羽根英樹のサヤ取りブログ

書評:市場の神話にだまされるな

10月07日
本書は、PSR株分析などの名著があるケン・フィッシャーの著書で、市場で一般常識とされている事象に疑問を投げかけるという本である。
イベント投資を実践する私からすると、このような本は、イベント投資のアイディアの宝庫だ。一般的に知られている常識が逆であるなら、それはイベント投資のチャンスであるからだ。

全ての章が面白いが、特に9章の「小型バリュ株の優位性は持続する」と16章「ニュースは利用できる」の2つは特に興味深かった。ちなみにこの本の章のタイトルの名は、誤解されている事象がそのままタイトル名になっているので、各章のタイトルは全て誤解である。9章、16章ともに、結局、最後は需給が相場を決定づけるというものだが、ここはデータ重視のケン・フィッシャーの真骨頂だと思う。










名証IRエキスポ2025

09月11日
9月4日-5日、名古屋で名証IRエキスポが開催された。
名証という地方取引所主催ではあるが、名古屋での投資関連の一大イベントという位置づけで、各社のIRブースの他にも、証券会社ブースがあり、各種投資セミナーも開催される。特にKabuberryが毎年主催している著名個人投資家セミナーは毎年大盛況で今年は御発注氏による講演があった。

メインとなるIRブースでは、IR担当者による説明会はもちろん投資家とIR担当者が一対一での質問にも答えてもらう良い機会で、熱心な投資家の姿が多かった。今年の入場者数は初の1万人超えだったと後日発表があった。

今回の参加では、アクティビストが株主に入っている会社を中心にブースを廻った。アクティビストとのエンゲージメントは非公開であり、なかなかその内容を聞き出すことは難しいが、間接的にニューアンスが得られる場合も多く、興味深い会社もある。

例えば、名港海運(9357)は、名古屋港の港湾運送の会社で、決して派手な会社ではないが、2023年に、ニッポンアクティブバリュ―ファンドが大株主に登場している。担当者によれば、その後、アクティビスト側からの接触はなかったが、株主還元を重視することになり、株主優待、配当性向のアップ、DOE採用、中期経営計画の策定などを次々実施することにより、株価が上がり、結果的には、アクティビスト参入によって良い影響があった事になる事例だ。こんな事が判るのもIRエキスポならではではないだろうか。







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