著者たちの名声を確固たるものにした超大作“The Story of Civilization”(文明の話)のあと、その既刊10巻のエッセンスを抽出して分析し、歴史から学べるレッスンという形でまとめたものが本書である。
結果として、文化や文明の発展、人間性の洞察、モラルと宗教、国家の行動、人類の進歩の方向性などを概説する書となった。彼らはライフワークを完成させるため、歴史についての思索を重ね、戦争や征服や創造を通して人類が歩んできた長い道のりの意味を探し求めた。
そして、読者にも自分たちの時代を理解することができるよう、壮大なテーマを与えてくれているのである。筆者たちの探求の旅の一端を本書で共有することは、大いに心おどる知的な冒険となるだろう。
13のエッセイを通して、人類の過去の体験を概観し、今を生きるヒントを得られる、秀逸な歴史書である。
未来は決して偶然起こるのではない。それは常につくられてきたのである。
By ウィル・デュラント
人間の性質、国家の行動について考えるうえで有用と思われる出来事や論評を13のエッセイにまとめた。
新事実を知るのではなく、人類の過去の体験を概観して欲しい。
序文
本書について少しだけ述べておこう。“The Story of Civilization(文明の物語)”で一七八九年までの歴史について論じたが、その後、改訂版をだして、遺漏、事実誤認、誤植などの誤りを訂正したいと考えた。そこで既刊の10巻を再読したが、その過程で私たちは、現在の状況や将来の見込み、人間の性質、国家の行動について考えるうえで有用と思われる出来事や論評を書きとめていった(本文中で“The Story of Civilization”のさまざまな巻を参考文献として挙げているが、それは典拠としてではなく、意味を明確にするための例示や説明として挙げている)。その作業を終えるまで結論を出すことは控えようと努めたが、説明のための資料選びに、私たちのかねてからの意見が影響したことは否めそうにない。そうして完成したのが本書の13のエッセイである。私たちが、あるいは先人が、すでにどこかで述べたことを多数ここでも述べている。まったく新しい考え方を示すのではなく、広く論じることをめざした。新事実を知るのではなく、人類の過去の体験を概観していただければと思う。
今回も娘のエセルにはたいへん世話になった。謝意を表したい。
ウィル・デューラント / アリエル・デューラント