効果的なコーチングを実行できないのは、効果的なコーチングを受けた経験がないからです。ある調査によると、管理職の73%がコーチングの訓練を受けていますが、その管理職からコーチングを受けた人の中で、仕事の成果や満足度が大きく改善したと感じた人は23%しかいませんでした。さらに、悪い影響があったと答えた人が10%もいたのです。
コーチングが失敗する理由は、少なくとも3つあります。第1に理論的すぎること。複雑で退屈で、多忙な現実にまったくそぐわないのです。第2に、新たな知見を行動につなげる方法を考える時間がないことです。第3の理由は、助言を減らして質問を増やすという、簡単そうな行動の変更が実は難しいのです。
著者の会社、ボックス・オブ・クレヨン社では、多忙な管理者1万人以上に対して、実践的なコーチング・スキルのトレーニングを実施してきました。その長年の経験から、彼は以下のことが明らかになったと言います。
私たちは自分の習慣の中に生きています。ですから、自分の進みたい道を決め、正しいコーチングの習慣を作りましょう。
本書で紹介する「7つの基本的質問」を、人を管理するツールや日常会話に取り入れれば、必ず仕事の負担が軽減され、同時に大きな影響力を持つことができます。部下や上司、仕事でもプライベートな生活でもすべてその恩恵を受けるでしょう。あなたのリーダーシップをレベルアップするため、自分流のコーチングの習慣を作りましょう!
コーチングの習慣を身につけよう
習慣の作り方
クエスチョン・マスタークラス パート1
一度にする質問は1つに限る
1. 会話に弾みをつける質問
クエスチョン・マスタークラス パート2
前置きを省いて質問しよう
2. AWE質問
クエスチョン・マスタークラス パート3
修辞疑問を使うべきか?
3. 焦点を絞る質問
クエスチョン・マスタークラス パート4
「何」を尋ねる質問にこだわろう
1-2-3の完璧なコンビネーション
4. 根本的質問
クエスチョン・マスタークラス パート5
沈黙に安堵する
5. 横着な質問
クエスチョン・マスタークラス パート6
ひたすら答えに耳を傾けよう
6. 戦略的質問
クエスチョン・マスタークラス パート7
答えを受け止めたことを伝えよう
7. 学習のための質問
クエスチョン・マスタークラス パート8
質問するために、あらゆる手段を使おう
結び もっと発見したい読者のための宝庫
謝辞
原書『The Coaching Habit: Say Less, Ask More & Change the Way You Lead Forever』