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![]() 公式化したシンプルな相場アプローチ林 則行 氏
相場に勝つポイントは新高値だ1月23日の講演会ではチャートの見方、ファンダメンタルの捉え方に関しての公式を示す。その中で強調したいことは、「株は相場の小さな綾(あや)を取るのではなく、大きく長期的に値上がりする株を捉えるべきだ。」ということだ。そのために最も大事な公式は「株を新高値で買う」ことだ。 最近活躍した銘柄(日本車輛 7102)の月足を見ていただこう。
日本車輛(7102)と日経平均 2003~2009年 月足 ![]() 日本車輛には新高値更新前から強気のシグナルを発している。オレンジ色の箇所がそれだ。日経平均が下げる中、この株は早くも上昇に転じている。下げ相場で大勢に逆らうのはよほど強い証拠だ。こうしたチャートの見方を講演で解説する。 セミは地面の下で幼虫として数年間じっとしているが、数週間だけ成虫になって地上で活発に動き回る。脱皮して成虫になったセミはまるで別の生き物のようだ。 株もこれに近い。株は新高値に至る前には何年もかかる。何度も高値を抜くことを試み、失敗する。しかし、いったんブレイクすれば短期間で天井まで登っていくのだ。新高値更新の前後では別の生き物のように動きが全く変わる。これが大化け株だ。 日本車輛は2009年3月にそれまでの高値を更新した。新高値を抜いてからわずか半年で90%も上昇した。 人間を2つに分ける時、男女とか日本人と外人、成年と未成年といった区分があり、その中でどの分け方が常に重要かということはない。用途に応じて変わるだけだ。しかし、株で儲ける場合の切り口はひとつしかない。 その切り口とは新高値だ。天井までまっしぐらで走る新高値株といつまでもうだつが上がらない非新高値株という区分だ。日本車輛というスター株でも非新高値株の時代(2003~2007年)には日経平均の上昇についていけない負け組だったのだ。 対照的な負け組チャートを見てみよう。例として時価総額最大のトヨタ(7203)を挙げる。最近株価が戻したのは日経平均が上がったからに過ぎない。この株が近いうちに大化けすることはない。
![]() 「どうしてそんなことがわかるのだろうか?」と思う方もいるだろう。その理由は簡単だ。新高値の法則だ。トヨタが近いうちに新高値を更新することはないから、トヨタはまだセミの幼虫期なのだ。新高値更新までには、日本車輛の長い底這い期間のような時間が必要だ。日本の最大手企業はすべてそうだ。
1月23日の講演の概要を話そう。 講演では新高値の3種類の定義を明確にする。大局観も身につくようにしよう。また、ファンダメンタルも重視する。チャートにすでに現われているが、日本車輌のファンダメンタルは良好なのに対して、トヨタは悪い。大化け株を捉えるためにはファンダメンタルに3つの公式がある。日本車輛はその3つに該当していたが、トヨタはそのいずれにも不合格だった。 公式を理解することで、実力が格段にアップすることを目指していただきたい。
株式投資の素晴らしさを再発見してほしい2010年1月23日の講演では公式を用いたシンプルな株式投資法を披露する。講演内容の概要は次回お話しするとして、今日は投資対象として株の魅力を再認識してもらいたいと思う。株は儲けやすい市場だ「株は儲からないから、FXを始めたよ。」という方があなたの周りにもいるのではないだろうか。多くの人は投資の入り口としてまず株式投資から始める。敷居が低い分、人に薦められる通りに、あるいは準備不足なままに安易な取引をする。そして、ここで損をすると、商品や為替といった別の市場に向かう方が多い。株式は儲けることが容易な市場だ。それは多くの初心者が投資は株から始めるという事実が物語っている。初心者だけでなく機関投資家が負けるのは基本的なルールを知らないからだ。柔道では練習の初日から初歩的な受け身や投げ技を習うが、株式投資では誰もルールを教えてくれない。
株価上昇の「公理」がある株式投資には先物市場にはない有利な点がある。「業績のいい株は上がる。」という公理があることだ。これはいつの時代にも崩れることがないルールであり、先物の売買ルールのように過去データによる検証も要らない。逆を考えてみればすぐにわかる。「業績が半減したら株価が倍になる。」ということは絶対にありえない。株式投資のすべてはこの公理からスタートする。業績がいいからといってすぐに株が上がるわけではないが、好業績の会社はいつかは必ず投資家から評価される。 したがって我々が知るべきなのは
① 「業績がいい。」とはどういう定義なのか の2点に限られる。 この点を公式で覚えこめば勝てるのだ。 先物投資に勝る長所私の提唱する投資法は株式投資の長所を保ったまま、先物投資の最新の考え方を取り入れている。そのため、売買におけるプレッシャーや下げ相場での心理的な負担を減らすことができると確信している。まず、株式投資が先物投資に勝る点を確認しておきたい。 第1に、株の中長期投資では日中市場を見張っておく必要はない。日中トレードに専念できる人は少ないだろう。 第2に、中長期投資では売買回数が少ないため手数料の占める割合はごく少ない。先物はトレード回数が多く、取引手数料が相対的に高くなりがちなのと対照的だ。 ただし、先物投資が株式投資に勝っている点もある。その代表は、先物投資では同じルールを継続的に用いることで儲ける機械的売買が主流になりつつあることだ。機械的な売買では心理的な負担を限りなく軽減できる点が素晴らしい。 これを個別株式の売買に応用したのが私の方法だ。これまでは「投資は芸術だ。」と言われてきたファンダメンタル分析をできうる限り公式化した。 もうひとつ先物投資が勝っている点は下げ相場でも勝てることだ。先物では持ち合いには弱いが、上でも下で相場が大きく動けば儲かる。一方、株では下げ相場で儲けるのは難しい。しかし、私の公式に従えば下げ相場でも大きな損はしない。 シミュレーション結果を分析する 公式通りにトレードした際のシミュレーションを紹介しよう。以下の表は日経平均が最近の最高値だった2007年7月にポートフォリオをスタートした場合、どのような結果になるかを示したものだ。 日経平均連動ポートフォリオでは現在(2009年11月)ではちょうど元本の半分になっている。一方、公式通りの方法を用いれば、毎回の投資額を資産の10%として機械的に売買した場合、最悪時期には83となる(17%の元本割れが生じる)ものの、現在ではスタート時点を上回っている。
この期間は買いだけの投資には最もつらく勝率が低い時期だった。つまり、株にとっては「最大ドローダウン」の時期だった。それでも17%の損で済んでいるのは、平均して6割が株式、残りの4割が現金だったからだ。下げ相場では買いシグナルはあまり出ない。 最低の資産(83)から現状(103)まではあまり資産が増えていないという思う方もあるだろう。確かに日経平均の伸びより低い。これは2009年3月からの反転相場でもあまり買い銘柄が出て来ないからだ。相場の反転の力が現時点では弱いことを物語っている。 大きな上げ相場が来れば資産を数倍にすることは容易だ。実際に2003年から2007年までの上昇相場では驚異的なパフォーマンスを示したのだが、ここでは過去の実績それをあまり強調しないでおきたい。同じような上昇相場が近いうちにくるかどうかがわからないためだ。 これまで多くの人たちが株式投資を中心に資産を形成してきた。世界の著名な投資家も株式投資を中心に行っている。株では儲からないと思い始めた人、他のマーケットに目移りし始めた人はその良さを再認識してほしい。
講義の内容1. 買いのポイント-新高値の意味 -新高値と時代の変化 -チャートのパターン -ピークを打った株と市場 -買いタイミングを示すチャートの見方 2. ファンダメンタルの3つの公式 -第1のルール:長期の経常利益 -第2のルール:直近の売上・利益 -第3のルール:時流に乗る 3.市場の読み方 -買い時代、売り時代を見分ける方法
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