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日本クレジット総論 知られざる巨大市場のすべて

日本クレジット総論
知られざる巨大市場のすべて

著者 安田秩敏
定価 本体3,800円+税
A5判
2007年6月14日発売
ISBN 978-4-7759-9052-0 C2033



目次 | 書評

2008年9月、米国保険大手のAIGの経営悪化により、米連邦準備制度理事会(FRB)が9兆円融資を発表

AIGは保険業界で、信用力を武器に各国で販売力を伸ばしてきたが、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)や住宅ローン担保証券(RMBS)など、リスクの高い金融商品に投資する資産運用業務の行き詰まりが、経営危機を招いた要因だと言われている。

“CDS”とは、金利リスク/信用リスク共に有する社債とは異なり、純粋なクレジットリスクだけを保証する商品。他方、“RMBS”とは「Residential Mortagage Backed Securities」の略で、数多くの住宅ローン債権をひとつにまとめ、債権の形に証券化した金融商品である(詳しくは、本書を参考)。

本書では、同社の経営を窮地に追い込んだとされる、これら“CDS”や“RMBS”についても、仕組みや特徴さらにはリスクなどを、実践者の視点から詳細に解説している。



財務関係者必須
現物とデリバティブの歴史と全容が明らかに!!

20年にわたり第一線で活躍してきたプロが「歴史の生き証人として」記すジャパンクレジット市場の概要・リスク・特性・歴史。

ジャパンクレジットとは・・・
政府保証債、財投機関債、MBS、特殊法人債、地方債、利金債・銀行社債、銀行劣後債、生保基金債、社債、投資法人債、サムライ債・ユーロ円債、ハイイールドボンドなどの国内債券と、その派生商品のことである。

日本のクレジット市場がこれ一冊で分かる

現在出版されているクレジットに関する書物は、大別して社債・CDSである。ここで注意してほしいのは、国内債券発行残高全体のおおよそ3割を占める国債以外の債券部分が抜け落ちているということだ。 本書は、Japan Creditの世界すべてを対象としている。債券種で抜けている部分とクレジットのデリバティブであるCDS(Credit Default Swap)市場に関して解説した。

さらに「すべて」ということで、クレジットの理論・起源・歴史に関しても、知っておいてほしい事柄を私の20年近い経験とともに書き記している。日本で20年クレジットを見続けてきている人間はいない。使命感にも似た感覚を感じつつ書き上げた。本書が、私の考えるJapan Creditのすべてである。

第1章ではクレジットの理論・起源・歴史について、第2章では市場規模・発行制度・決済制度関係について述べた。第3章では債券種を「政府保証債」「財投機関債」「MBS」「特殊法人債」「地方債」「利金債・銀行社債」「銀行劣後債」「生保基金債」「社債」「投資法人債」「サムライ債・ユーロ円債」「ハイイールド」の12種類に分けて、そのリスクプロファイル・特性・歴史の解説をした。第4章では債券計算関係、第5章ではCDSの解説をした。また、第6章ではタイムリーな情報を得るのに有効な情報ベンダーを紹介した。

基本精神は変わらない。

「クレジットプライシングは芸術である!」
「金利・スプレッドバランスは美しくあるべき!!」
「バランスがすべてを制する!!!」

理解の難しいクレジット市場だが、すべてが相互に影響し合い金利やスプレッドのバランスを保っている。基本的には、このバランスを理解することで、考えているよりも簡単に理解できるということだ。理解の第1ポイントはこのバランスである。常にこれを意識することが大切。この本を読み終えるころには、私の精神が理解できるだろう。




目次

第1章 クレジットの理論・起源・歴史

 1 クレジットスプレットの考え方
1.1 クレジットスプレッドとは
1.2 クレジットスプレッドの構成要因
  1.2-1 市場のちがいによる要因
  1.2-2 信用力による要因
  1.2-3 流動性による要因
  1.2-4 投資家動向等の需給要因
  1.2-5 発行団体(銘柄)・業種による要因
  1.2-6 単価による要因(カレントプレミアム)

1.3 序列
1.4 時代ごとの構成要因影響度の変化
1.5 スプレッドサイクル
  1.5-1 景気回復期
  1.5-2 景気後退期

 2 日本クレジット市場の起源
2.1 「スプレッド」ってどこの言葉?
2.2 「流動性市場拡大」
2.3 「複利利回り登場」と「スプレッドという概念の確率」
2.4 「流動性による銘柄間格差細分化」と「神話」
2.5 「神話崩壊」と「クレジットリスク認識」
2.6  NCBショックから始まったクレジットリスク

 3 景気とクレジットスプレッド
3.1 教科書的クレジットスプレッドの常識
3.2 株価とクレジットスプレッドの相関関係
3.3 クレジットイベントとスプレッド

 4 景気・クレジットのトライアングル
4.1 理論的な考え方
4.2 実際のトライアングル
  4.2-1 85年3月から96年6月
  4.2-2 96年6月から06年12月

4.3 理論的トライアングルの修正

 5 スプレッド比率
5.1 スプレッド比率とは
5.2 スプレッド比率の推移
5.3 景況感・金利変動によるスプレッド比率の変化


第2章 市場規模・発行制度・決済制度

 1 発行残高と売買
1.1 発行残高
  1.1-1 Cash Credit全体
  1.1-2 政府系機関の発行する債券
  1.1-3 地方自治体の発行する債券(地方債)
  1.1-4 特別な法律に基づく債券(金融債)
  1.1-5 一般事業法人の発行する債券(社債)
  1.1-6 非居住者の発行する債券(円建外債・サムライ債)

1.2 売買高
  1.2-1 国債売買高(利付債)
  1.2-2 Cash Credit売買高(利付債)
  1.2-3 全体売買高に占めるCash Creditシェア

 2 発行の仕組み・形態と状況

2.1 発行市場の概要
2.2 発行の形態
  2.2-1 公募と非公募
  2.2-2 募集発行と売出発行
  2.2-3 直接応募
  2.2-4 間接応募

2.3 発行市場の構成
  2.3-1 構成
  2.3-2 参加者

2.4 償還の種類
  2.4-1 定時償還・均等償還
  2.4-2 抽選償還
  2.4-3 任意償還(繰上償還)
  2.4-4 買入償却

2.5 各銘柄の発行
  2.5-1 政府保証債
  2.5-2 地方債
  2.5-3 利金債
  2.5-4 社債
  2.5-5 円建外債

 3 振替決済制度

3.1 目的
3.2 対象債券
3.3 構造
  3.3-1 多段階の階層構造
  3.3-2 残高管理に基づく振替制度
  3.3-3 発行から償還まで

3.4 定時・均等・抽選償還
  3.4-1 ファクター管理方式
  3.4-2 実質記号番号管理方式

3.5 利金の取り扱い
  3.5-1 元金利支払の方式
  3.5-2 利金の算出方法
  3.5-3 端数処理と差額の取り扱い
  3.5-4 既発債を振替債へ移行する場合の取り扱い

3.6 社債登録制度との相違点

 4 公社債税制

4.1 国内法人
  4.1-1 国内一般法人
  4.1-2 国内非課税法人

4.2 国外法人
  4.2-1 非居住者または外国法人に対する課税制度
  4.2-2 源泉徴収の対象となる国内源泉所得と源泉徴収税額
  4.2-3 租税条約による課税の特例
  4.2-4 租税条約に基づく軽減または免除を受けるための手続き
  4.3-5 源泉徴収の対象となる国内源泉所得の範囲
  4.3-6 租税条約により定められている税率

 5 会社更生法と民事再生法

5.1 倒産を規定する法律(倒産5法)
5.2 会社更生法
5.3 民事再生法


第3章 各種債券のリスクプロファイル・特性・歴史

 1 政府保証債
1.1 発行体と債券種
1.2 リスクプロファイル
1.3 銘柄間格差
1.4 スプレッドヒストリー
  1.4-1 決算対策による動き
  1.4-2 スプレッドの推移

 2 財投機関債

2.1 発行体と債券種
2.2 リスクプロファイルと銘柄間格差
2.3 スプレッドヒストリー
  2.3-1 スプレッドの推移
  2.3-2 政治リスクプレミアム
  2.3-3 特殊債とのスプレッド格差

 3 財投機関債 住宅金融支援機構RMBS

3.1 RMBSとは
3.2 RMBSの仕組み
  3.2-1 一般的な民間金融機関のRMBS
  3.2-2 住宅金融機構のRMBS

3.3 支援機構債の概要と特徴
  3.3-1 超過担保の設定
  3.3-2 裏付資産である住宅ローン債権の均一化と差し替え
  3.3-3 期限前償還率を示すCPRとSMM
  3.3-4 発行
  3.3-5 償還

3.4 リスクプロファイル
  3.4-1 クレジットリスク
  3.4-2 裏付資産のリスク
  3.4-3 流動性リスク
  3.4-4 CPR変動リスク

3.5 価格変動リスク
3.6 CPR変動特性
  3.6-1 経過日数と期限前償還率の関係
  3.6-2 市場金利と期限前償還率
  3.6-3 全銘柄平均償還率

3.7 標準期限前償還(PSJ)モデル
  3.7-1 目的
  3.7-2 定義
  3.7-3 問題点

3.8 各種計算
  3.8-1 ファクター
  3.8-2 期限前償還率
  3.8-3 キャッシュフロー
  3.8-4 予想CPRに合わせたキャッシュフローの計算

3.9 売買の実務
3.10スプレッドヒストリー
  3.10-1 スプレッドの推移

 4 特殊法人債

4.1 発行体と債券種
4.2 リスクプロファイル
4.3 銘柄間格差
4.4 スプレッドヒストリー
  4.3-1 スプレッドの推移
  4.3-2 石油公団・関西空港公団・本州四国連絡橋公団

 5 地方債
5.1 発行体と債券種
5.2 リスクプロファイル
5.3 銘柄間格差
5.4 償還の種類
  5.4-1 定時定額・均等償還
5.5 定時・均等償還の売買
  5.5-1 平均残存年限のスワップスプレッドでの売買
  5.5-2 スワップアセットでの売買
  5.5-3 記番号分解での売買
  5.5-4 売買上の問題点

5.6 抽選償還
5.7 地方財源とその見方
  5.7-1 財源
  5.7-2 財務状態を示す指標
  5.7-3 用語集

5.8 スプレッドヒストリー
  5.8-1 スプレッドの推移
  5.8-2 スプレッドの格差
  5.8-3 公募・非公募 スプレッド格差

 6 利付金融債・銀行社債

6.1 発行体と債券種
  6.1-1 利金債
  6.1-2 銀行社債

6.2 銘柄間格差
6.3 利金債の生い立ち(日本クレジット市場の成長過程)
  6.3-1 「幼児期」
  6.3-2 「少年への変革期」
  6.3-3 「少年期1」
  6.3-4 「少年期2」
  6.3-5 「青年期」

6.4 スプレッドヒストリー
  6.4-1 スプレッドの推移
  6.4-2 スプレッド格差

 7 銀行劣後債

7.1 リスクプロファイル
7.2 銀行の自己資本比率
  7.2-1 BIS基準
  7.2-2 自己資本比率の算出

7.3 発行体と債券種
  7.3-1 期限付劣後債(Lower Tier2)
  7.3-2 短期劣後債(Tier3)
  7.3-3 永久劣後債(Upper Tier2)
  7.3-4 優先出資証券(Tier1)

 8 生命保険会社の発行する債券

8.1 発行体と債券種
8.2 基金債
  8.2-1 基金の性質
  8.2-2 基金の利払いと償却の財源
  8.2-3 破綻時等の処理

8.3 リスクプロファイル
8.4 スプレッドヒストリー
  8.4-1 スプレッドの推移
  8.4-2 生保基金と銀行劣後

 9 社債

9.1 発行体と債券種
9.2 スプレッドヒストリー
  9.2-1 スプレッドの推移
9.3 財務諸表分析

 10 投資法人債(J-REIT)

10.1 不動産投資信託
10.2 不動産投資信託の種類
  10.2-1 会社型投信
  10.2-2 契約型投信

10.3 投資法人
  10.3-1 性質
  10.3-2 法人の種類と投資方針
  10.3-3 地域別・運用資産別分類

10.4 米国のREIT市場
  10.4-1 REIT
  10.4-2 市場規模
  10.4-3 REITとJ-REITの違い

10.5 不動産鑑定評価
  10.5-1 不動産鑑定評価方法
10.6 地震PML
  10.6-1 定義
  10.6-2 地震PML決定要因
  10.6-3 保有資産全体の地震PML管理

10.7 発行体と債券種
10.8 スプレッドヒストリー
  10.8-1  スプレッドの推移

 11 円建外債(サムライ債)・ユーロ円債

11.1 発行体と債券種
  11.1-1 円建外債(サムライ債)
  11.1-2 ユーロ円債

11.2 売買上の注意点
  11.2-1 利子税制
  11.2-2 決済方法

11.3 リスクプロファイル
11.4 スプレッドヒストリー
  11.4-1 スプレッドの推移

 12 ハイイールドボンド

12.1 ハイイールドボンド市場
12.2 クレジットイベント後のスプレッドの動き
12.3 実例
  12.3-1 ケース1:雪印乳業社債
  12.3-2 ケース2:日本ハム社債
  12.3-3 ケース3:武富士社債
  12.3-4 ケース4:アイワ社債
  12.3-5 ケース5:マイカル社債
  12.3-6 ケース6:いすゞ社債


第4章 公社債マニュアル

 1 公社債計算マニュアル
1.1 公社債計算の前提
  1.1-1 期間の考え方
  1.1-2 経過利息の計算
  1.1-3 初期、終期利金の求め方
  1.1-4 売買上の注意点
  1.1-5 各計算における端数処理一覧

1.2 利付債権の計算
  1.2-1 直利(直接利回り)
  1.2-2 単利(最終利回り)
  1.2-3 所有期間利回り

1.3 割引債券の計算
  1.3-1 源泉税率
  1.3-2 割引金融債

1.4 平均年限利回り
1.5 現先取引   1.5-1 割債方式
  1.5-2 利付債方式
  1.5-3 現先計算方式まとめ


第5章 クレジット・デフォルト・スワップ

 1 クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)
1.1 クレジットデリバティブ
1.2 CDSの特徴
  1.2-1 リスク分解
  1.2-2 流動性・正当性
  1.2-3 カスタマイズ機能

1.3 定義
1.4 クレジットイベント
  1.4-1 バンクラプシー
  1.4-2 支払不履行
  1.4-3 リストラクチャリング
  1.4-4 履行拒否・支払猶予
  1.4-5 オブリケーション・デフォルト、オブリケーション・アクセレレーション

1.5 契約期間
  1.5-1 猶予期間延長
  1.5-2 履行拒否・支払猶予延長

1.6 イベント発生時の決済方法
  1.6-1 決済方法
  1.6-2 クレジットイベント通知

1.7 プロテクションの売買
1.8 契約書   1.8-1 世界標準化
  1.8-2 契約書・雛形・定義集

1.9 債権との違い
  1.9-1 内在するリスク
  1.9-2 損益
  1.9-3 利払い
  1.9-4 スプレッド格差決定要因

1.10 スプレッドヒストリー
1.11 さまざまなCDS商品
  1.11-1 クレジットリンク債
  1.11-2 デジタル・デフォルト・スワップ
  1.11-3 リカバリー・スワップ
  1.11-4 コンスタント・マチュリティ CDS
  1.11-5 クレジット・スプレッド・スワップ
  1.11-6 CDSオプション
  1.11-7 インデックス
  1.11-8 ファースト・トゥ・デフォルト
  1.11-9 シンセティックCDO
  1.11-10 トランチド・インデックス


第6章 情報プロバイダー

 1 ブルームバーグ
1.1 初の金融情報マルチメディアとして
1.2 世界をリードし、金融情報産業を変える
   ブルームバーグ・プロフェッショナル・サービス
1.3 Bloomberg.co.jp

 2 トムソンDealWatch

2.1 国内資本市場ニュースのパイオニア
2.2 特色
2.3 情報内容
2.4 DealWatch Awardsについて
2.5 トムソンについて

 索引



掲載されました

不動産マネジメントの総合情報誌『リアルエステートマネジメントジャーナル』に本書書評が紹介されました。

「本書にあるように、日本人が初めて経験したクレジット・リスク(信用リスク)は96年の日本債券信用銀行債の急落であった。その原因の一つは、クレジットリスクを計量化する金融技術が当時なかったためである。しかし現在でも、前述したように、サブプライムローンにおいてクレジット・リスクが表面化している。リスクをどう評価するかという課題は、依然大きく横たわっている」
――「リアルエステートマネジメントジャーナル」(発行元:(株)ビーエムジェー) より


著者/安田秩敏(やすだ・きよとし)

1988年青山学院大学理工学部物理学科を卒業後、日系証券会社に入社。債券売買トレーダーとして国債をはじめとする円債全体の売買を担当。92年に米モルガンスタンレーに移籍。投資家動向を理解しクレジットビジネスを極めるため、債券営業として大手中央機関投資家を担当。スタッフと共に同社のクレジットビジネスの基礎を作り拡大させる。自身はトップセールスとなる。
95年、メリルリンチ証券に移籍。トレーダーに戻り、同社スタッフと金利およびキャッシュクレジットビジネスを引受部門・売買部門・営業部門・受渡部門・管理部門の5つを総合的に見ながら立ち上げる。98年、スワップビジネスの大手であるJPモルガンに移籍。新手法CDSと出会い、キャッシュクレジットビジネスを立ち上げた。 一貫して金利・クレジット部門に従事しており、円と名のつくすべての債券・デリバティブの売買を経験してきた。現在、戦略投資室を立ち上げ、室長として、金利・CashCredit・CDS・株式・CB・ローン等を総合的に見て投資を行っている。



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