専門外の業務でも結果を出し、部下や上司からの信頼も得て、自分自身の付加価値を高め、さらにプライベートも充実させる。そんな“世界標準の課長”になるためにはMBAの発想力が役立ちます。最も有益な結果を導き出す最短のルートを瞬時に見つけ出し、かつ実行していくMBAホルダーの脳みその使い方。
はじめに
21の課長力診断テスト、あなたは一体いくつ正解できますか?
本書は、2008年2月に文庫化した『MBA的発想人』をもとに、各章に簡単な設問と選択肢を用意し、図表等を使いながらできるだけ分かりやすく解説をするスタイルにお化粧直ししてできあがった本です。文庫化するにあたっては、楽しみながら読めるよう、レイアウトなどにも工夫をこらしてみました。
「課長として必要な考え方を、クイズを解きながら身につけてしまおう」それが、この本のメイン・メッセージ(主題)。そうです、結論は先に伝えないと。これもまた本編で紹介している、MBA的手法のひとつになっています。
これからご紹介する21の手法を、ビジネス・エッセイ的に書き綴っている『MBA的発想人』は、さかのぼること2002年の夏に出版されたのですが、もともとのタイトル案は『突き抜ける課長』でした。なぜ? と不思議に思う読者の方もいらっしゃると思うので、早速この本のスタイルにあわせて、設問形式で理由を説明しましょう。
■問題 MBAと課長がなぜ結びつくのか、次から正解を選んでください
(1) 企業派遣制度がある会社では、MBA取得が課長昇格試験の代わりになっていることが多く、必須資格になっているから
(2) MBAのMは、マネジャー(管理職)のMだから
(3) MBAは、マネジャー(管理職)に必要な、知識や考え方を教えるプログラムになっているから
なお、正解は「あとがき」で披露します。もちろんそこまで待たなくても、この本を読んでいる途中で、きっとみなさんには答えが分かってくるでしょう。そして、気軽にクイズに取り組みながら、明日からの仕事で使える技をひとつでも発見できたら、著者として嬉しく思います。
そういえば、この設問だけでは「突き抜ける」という点について説明不足でした。ここではその部分を先に解説しておきましょう。
英語で「Break through(ブレークスルー)」という表現があります。現状を打開、あるいは破壊し、新たな世界へ“突き抜ける”という意味です。もう少し下品な言い方をすると“障害物をぶち壊して突き進む”といったところでしょうか。外資系企業やコンサルティング会社では、よく耳にするカタカナ言葉のひとつ。わたしも好んで使います(笑)。
課長に昇格すると、これまでの仕事の進め方を破壊し、新たなスタイルを身につけることが必要になります。まさに、「ブレークする(少々おやじギャグ入ってますが……)」ことが求められるのです。
課長になったみなさん、あるいはこれから課長になる予備軍の方々に、ブレークスルーしてほしい。そう思って、当初は『突き抜ける課長』という、ちょっと泥臭い音感の仮タイトルをつけていたのです。
もちろん何の根拠もなく「突き抜けるぞ!」と言うのは簡単です。頑張るぞと気合を入れるのも、それほど難しいことではありません。しかし、具体的に「突き抜ける」ためには、一体何をしたらよいのか? そのヒントを少しでもこの本で紹介できればと思っています。
すなわち、自分の思考習慣をぶち壊し、“脳みそを最大限活用できる”考えるテクニックを身につける。そして、仕事で結果を出すための体の動かし方を習得する。大げさに言えば、今までの平社員だった自分を卒業し、より付加価値が出せるビジネスパーソンへと進化するということなのです。
さあ、前フリはこれぐらいにしておきましょう。ここから先は、みなさんの出番です。21問の課長力診断テストは、簡単そうに見えて実はかなり手ごわいですよ。早速、最初の問題に取り組みながら、突き抜けるための第一歩を踏み出してみませんか?
2008年4月 斎藤 広達
――著者紹介――
斎藤 広達 (さいとう・こうたつ)
1968年東京生まれ。慶應義塾大学を卒業後、エッソ石油(現エクソンモービルマーケティング)に入社し、主にマーケティング関連の業務に従事。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランド・ヘルガーを経て、現在はゴマ・ホールディングス、取締役社長。
著書に『図解 コンサルティング力養成講座』『MBA的発想人』『MBA的仕事人』(パンローリング)、『ビジネス力養成講座』(飛鳥新社)、『パクる技術』『失敗はなかったことにできる』(ゴマブックス)、『MBA的「無駄な仕事」をしない技術』(青春出版社)などがある。
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