しかし常に英断を下せるほど、目の前の課題は簡単ではない。いろいろな要素を組み入れ、さまざまなシチュエーションを検討したうえで決断を下したときには、ものごとは既に動きだして新たな局面を見せているかもしれない。より成功確率の高い意思決定を…と逡巡している時間は少ないのだ。さらに、一度下した決断ですら、時がたてば状況は変わり、軌道修正を余儀なくされ、新たな意思決定を必要とする。
変化の早いビジネスシーンでは、クリアにそして、スピーディーにかつ確実な意思決定を下すことが求められる。なぜなら、実際のアクションは常に意思決定の次に生じるもの。本書では、自ら考え、自ら意思決定し、自ら最高の結果を手に入れるアクションを起こすための術を、具体的な例を数多く使って紹介している。
また、人間の心理には本人にも気がつかないうちに働く『無意識のワナ(バイアス)』が存在する。バイアスの影響を認識しなければ、いくらロジカルな意思決定を下したとしても成功には到達できない。本書では、それらも併せて解説している。
はじめに
サラリーマンの決定力を鍛える20問、一体どれくらい正解できるでしょうか?
本書は、2003年6月にPHP研究所から出版した『最強の意思決定』に設問と解説を加え、より読みやすく生まれ変わったものです。選択肢から正解を選ぶタイプから事業価値を試算する問題まで、いくつかのパターンを用意しました。20の問題をクイズ感覚で解きながら、意思決定に必要なツールが体得できるようになっています。
決定力を高めたい。自信を持って何をすべきか決定し、成功したい。ビジネスでもプライベートでも。普段からそう思っている読者の方は多いのではないでしょうか? ただ残念なことに、これまで決定力を高める手法を簡単に紹介した本は少なかったように思います。大仰に「意思決定論」を説いた分厚い専門書はあっても、軽く読めて、強力なツールが身につく本はほとんどありませんでした。
今回、クイズ形式の書式にこだわった理由はそこにあります。できるだけ簡単に、遊び心を持って意思決定の手法を身につけてほしいと思います。この本で紹介する各種ツールを手に入れられれば、何かに悩んだときでも、かなり強力に「決定する」ことができるようになるのですから。
本書の前半では、意思決定をするときに必要な視点や考え方について、順を追って体系的に解説していきます。シナリオ分析といった難しいツールも、できるだけ平易に理解できるよう工夫しました。本の後半では、何かを決定する際に、人がついつい陥ってしまう「無意識のワナ」を紹介しています。これらを知っておくと、間違った決定をしないで済みます。思わず「あるある」と頷いてしまう例が多いので、是非とも楽しみながら問題を解いてほしいと思います。
それでは早速、最初の問題を見てみましょう!
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