世の中に、子供の将来を考えない親はいません。 勉強のこと。進学のこと。就職のこと。 誰もが真剣に悩み、考え、行動しています。
それなのに、人生を歩むうえで切り離して考えることのできない『お金との付き合い方』についてだけは、「ほぼ何も教えないまま大人にしてしまう」という現実があります。
これは、日本ではごく当たり前の光景です。
しかし、冷静に考えてみてください。大人になってから人生を大きく狂わせる原因の多くは、学歴でも、才能でもありません。「お金に関する判断ミス」です。借金、投資詐欺、ギャンブル、過度なリスク。その多くは、「知らなかった」「考えたことがなかった」――ただ、それだけの理由で起きています。
もし、子供のころから、
投資と聞いた瞬間に、「自分には無理だ」「怖い」「難しそう」と感じる方は少なくありません。しかし、実のところ、それは投資の本質を知らないだけです。本書の中で語るのは、投資に必要なのは特別な才能ではなく、
スポーツ選手や芸術家など、いわゆる「一般的なプロ」を思い浮かべてみてください。その世界で、億単位のお金を稼げる人は、ごく一部です。競技や職業によっては、そもそも億を稼ぐこと自体が不可能なケースも珍しくありません。
しかし、「投資のプロ」はまったく違います。投資の世界では、正しい形で進めていけば、億単位の資産を築いている人は想像以上に多く存在します。しかも、その多くは大人になってから投資を始めた人たちです。
ここで、一度立ち止まって考えてみてください。幼少期に金融や投資を体系的に教えられていない。それでも、大人になってから投資を始め、億単位の資産を築けている人がいることを……。この事実が意味するものは、何でしょうか。
本書で推奨しているのは、中長期目線での「高配当収益バリュー投資(※後述)」です。この投資のやり方には、ひとつだけ、どうやっても覆せない事実があります。それは「早く始めるほどよい」ということです。才能の差でも、努力量の差でもありません。単純に時間の差です。時間を味方につけて、複利の効果で資産を増やす以上、早く始めれば早く始めるほど有利になります。
早く始めることのメリットは、もうひとつ、あります。それは、「答え合わせが早くできること」です。
中長期投資(≒投資)において、多くの人が口をそろえて「つらい」と言う時期があります。それが、成果が見え始めるまでの最初の5年間です。
◎自分のやり方は正しいのか。 ◎そもそも、続ける意味はあるのか。
金融教育を受けてこなかった場合、この期間は特に不安が大きくなります。結果が出ない。でも、理由もはっきりしない。この不安に耐えられず、多くの人が途中で断念してしまいがちになるのです。
以上を踏まえたうえで、もう一度、考えてみてください。
投資のプロとして学ぶべきことを、幼少期にきちんと教えてもらっていない(金融の教育指導を受けていない)がゆえに、大人になってから始める人が多い。にもかかわらず、スポーツなどの特殊な才能が必要なプロよりも、億単位で稼げる可能性が高いことの意味を……。
お伝えしたいことは、もうわかると思います。幼少期から確率や期待値に触れさせ、金融・投資知識を少しずつ教えた場合、大人になって「いざ、資産運用を始めよう」となったときに、ものすごく大きな優位性があると思いませんか?
多くの親御さんが抱くであろうこの疑問に答えるべく、本書では、著者の娘さん(小学5年生)が始めている投資の勉強法を紹介しています。
投資の勉強法といっても、専門的なものではありません。先述したように、主に必要となるのは以下の力です。
学校で習うことが、そのまま投資の勉強につながっていくのです。そのうえで、以下のことを学習していきます
これは偶然ではありません。再現性を意識して設計された方法だからこそ、可能なのです。
「パパ証券」とは、著者が提唱している家庭内で行う投資教育の考え方です。証券会社の名前でも、特別なサービスでもありません。「(親が)子供と一緒に投資について考える」その姿勢や取り組み全体を、わかりやすく表現した言葉が「パパ証券」です。
パパ証券は、貯蓄とは別に「投資」という資産形成の方法を学んでほしい、「優良な高配当株を長く持つ経験」と「配当金による複利の効果」を体験してほしいという狙いから生まれた仕組みです。以下のようなメリットがあります。
なお、パパ証券は、「優良なバリュー株を長く持つだけで期待値がある」ということを経験してもらうものであって、売買を挟んで売却益を稼ぐことが狙いではありません。
はっきりお伝えしておきたいことがあります。本書は、子供向けの本ではありません。読むのは、親です。
なぜ「親向け」なのかというと、金融や投資について、子供が独学で正しい判断を身につけることは、ほぼ不可能といえるからです。
ここで「親に投資の知識も経験もなければどうするのか?」という疑問をお持ちの方もいることでしょう。結論からお伝えすると、親がすべてを教え込む必要はありません。大切なのは、親が“考え方の軸(何を伝えるべきか)”を理解していること、です。その軸があれば、子供は安心して学び、考えることができます。本書は、その「親の軸」を作るために書かれています。
もしも投資経験がなければ、本書を片手に、子供と一緒に勉強すればよいだけの話です。なぜなら、本書の中で語っていることは「子供にもできる」ことばかりだからです(子供にできないことは推奨していません)。
子供にできることなのだから、大人にもできるはずです。むしろ、「子供に説明できるレベルまで落とし込まれた投資の考え方・やり方」は、多くの大人たちにとっても役に立つ話だと思います。
この姿勢こそが、家庭内で行う金融・投資教育の基本だと、本書では考えています。
本書で扱うのは、短期売買や、一発逆転を狙う投資ではありません。「企業の価値を見る」「配当を受け取りながら保有する」「時間を味方につけ、複利の力を活用する」という高収益バリュー投資です。
なぜ、この投資法なのか。その理由は明確です。
大切なことなので、最後にもう一度、お話しします。この本は、「今すぐ儲ける方法」を教える本ではありません。よくあるような「億を狙いましょう」というようなものでもありません。
しかし、将来、お金に関する致命的な失敗をしないための力を確実に残す一冊です。「子供の人生を、運や偶然に任せたくない」「(子供には)お金に対する過度な不安を抱えずに、自分の足で人生を歩いていける(自立できる)ようになってほしい」。そう願う親御さんにこそ、読んでいただきたい本です。
はじめに 本書について 〜第1章に入る前に〜
第1章 親御さんに向けて
第1節 学校ではあまり教えてくれない、期待値を学ぶことの意味 第2節 どういう子供になってほしいのか? 第3節 怠惰は決して悪いことではない 第4節 プラスサムとマイナスサム 第5節 なぜ、5歳からなのか? 第6節 いざ、子供と一緒に金融教育
第2章 5歳からの金融・投資の勉強について
第1節 狙いと目標 〜5歳から小学校入学まで〜 第2節 計算スピードを磨く 第3節 四則計算の教え方 第4節 計算マラソン 第5節 人生ゲームなら遊びながら計算力を磨ける 第6節 株主優待を使う 第7節 普段の生活を楽しそうに見せる 第8節 性格の見極め 〜自分の子供のタイプを知る〜
コラム お金とは 〜子供と一緒にお読みください〜
第3章 小学校低学年(小1から小3まで)の金融・投資の勉強について 〜パパ証券〜
第1節 狙いと目標 〜小1から小3まで〜 第2節 おこづかい制度を取り入れる 第3節 おこづかいと同時に始めた「パパ証券」 第4節 「%」を理解する 第5節 ボードゲームで遊ぶ 第6節 お店屋さんごっこは金融教育のチャンス
コラム 経済の発展 〜お子さんと一緒にお読みください〜
第4章 小学校高学年(小4から小6まで)の金融・投資の勉強について
第1節 狙いと目標 〜小4から小6まで〜 第2節 %の計算練習 第3節 パパ証券の振り返り 第4節 初心者こそ、まずは四季報 第5節 いざ、四季報通読 第6節 娘が四季報を読んでみた結果 第7節 麻雀とポーカーについて
コラム 株式会社のはじまり
第5章 中学生の金融・投資の勉強について
第1節 狙いと目標 〜中1から中3まで〜 第2節 投資の基礎知識 〜指標を学ぼう〜 第3節 四季報読みのレベルアップ 第4節 年10%以上のリターンを狙うための「考え方」と「売買判断」
コラム インフレとデフレ
第6章 高校生以降の金融・投資の勉強について
第1節 狙いと目標 〜高1から大人まで〜 第2節 開示資料を読む 第3節 期待値の値踏み 第4節 混ぜるな、危険 第5節 すぐにお金が欲しいという欲は、捨てたほうがよい 第6節 最速70点の考え方 第7節 資産別の投資の捉え方 第8節 織り込み済みということ 第9節 建値に囚われてはいけない 第10節 約束を守る 第11節 成績をつける 第12節 期待値と破産確率について 第13節 いざ、株式投資スタート!
コラム 円高と円安について コラム 四季報チェック後のルーティーンの投資の勉強
第7章 社会人の金融・投資の勉強について
第1節 狙いと目標 〜社会人に向けて〜 第2節 夢や目標を持って生きる 第3節 反省はしても、後悔はしない 第4節 投資家は嫌われ者? 第5節 貯めるターンから、使うターンへ 第6節 ワシは下手でいい、ただ勝つ………!
コラム 保険やローンは結局どうすればよいのか
謝辞 おわりに
某哲也(ぼう・てつや) 2011年、東日本大震災で東京電力が大暴落したというニュースを聞き、株式投資の世界に興味を持つ。2014年に長男の発達遅れを指摘され、療育施設に通うこととなったが、親子通園が必須であったため、投資をやりつつ専業主夫の道へ。その後は2児の育児全般を担当し、毎日家に居ることから子供の友だちやその親御さんとの関係も深く築いてきた。子育てには独自のユニークな金融教育を少しずつ取り入れ、「こんな経験をしている投資家はあまりいないのではないか」と、自身の育児経験から今回『5歳から始める金融・投資の勉強法』を執筆することとなった。
ブログ 某哲也の高配当レバリュー投資日誌 https://boutetsuya.livedoor.blog/
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