著 者 ベンジャミン・グレアム、ジェイソン・ツバイク
監修者 長岡半太郎
訳 者 井田京子
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『賢明なる投資家』も全面的に見直し、新訳に!
最高の投資本に、現代に合わせた秀逸な解説が付いた!
本書は、投資に関する永久不滅の古典であり、安全性分析(security analysis)の普遍的原則が詰め込まれているベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』を元に(『賢明なる投資家』には一切手を加えていない)、ウォール・ストリート・ジャーナルの著名な投資ライターであるジェイソン・ツバイクが各章ごとに、現代の状況にマッチする形で最新の解説を書き下ろしたものである。また、伝説の投資家で、著者の最も有名で大成功した弟子であるウォーレン・バフェットも序文と付録を寄稿している。
1949年に初版の『賢明なる投資家』が刊行されて以来、世界中の何百万人もの人たちに投資の本質を教え、インスピレーションを与えてきた。そして、これからも永遠に最もリスペクトされ、投資の指針であり続けることだろう。グレアムの時代を超越した「バリュー投資」の理念は、投資家をよくある間違いから守り、生涯にわたって役立つ賢明なる戦略を構築する助けになる。
過去70年間の市場の動きは、グレアムの基本方針を裏付けており、今日のボラティリティの高い市場でも本書の教えはまったく古びていないどころか、新鮮ですらある。これは、投資資産を守り、増やしていくための正しい判断を下すうえで、ほかに類を見ない最も重要な本であることを裏付けている。
各章のあとにはツバイクによる秀逸な解説がグレアムの理論を現代によみがえらせており、そのときどきで話題になる暗号資産やARKファンドやESGファンドなどの対処法や考え方も平易に書かれている。今回、新たに改定された第3版を読めば、これまで以上にグレアムの知恵をより明確に理解し、今日の投資にどう応用すればよいかが初心者でも手に取るように分かるだろう。
「これまで書かれた投資本で最も重要な1冊。ジェイソン・ツバイクによる優れた解説は、グレアムの時代を超えた知恵を現代の視点で読み解くのに大いに助けになる」
――モーガン・ハウセル(『サイコロジー・オブ・マネー』[ダイヤモンド社]の著者)
グレアムの『賢明なる投資家』も全面的に訳し直し、グレアムの時代に使われていたが、現代ではもう馴染みにが薄くなった用語などを今風のものに置き換えました。そうすることによって、非常に分かりやすくなり、グレアムはこの本を初心者向けに書いたことがよく分かるようになったと思います。 また、ツバイクの各章ごとの直近の話題を引用しながらの解説も秀逸を極めており、『賢明なる投資家』がこれほど身近なものだったのかと感じさせてくれます。
一般の投資家の方は本書で十分ですが、研究者、大学関係者、投資関連の仕事(ファンダメンタルズ系のYouTuberを含めて)をしている方は、ツバイクによる前版とこの第3版の解説の違い(進化? 進歩?)は非常に興味深いと思われるので、絶版になる前に前版の購入をお勧めします。
ベンジャミン・グレアム(Benjamin Graham、1894〜1976年)
財務分析とバリュー投資の父と呼ばれ、世界中の成功したビジネスパーソンたちに何世代にもわたってインスピレーションを与えてきた。『証券分析』『賢明なる投資家』『賢明なる投資家【財務諸表編】』(パンローリング)などの著作がある。
ジェイソン・ツバイク(Jason Zweig)
ウォール・ストリート・ジャーナル紙の投資コラムニスト。投資について、さまざまな面から旺盛に執筆活動をしている。風刺を効かせたウォール街の用語集『金融版 悪魔の辞典』(パンローリング)、神経科学の視点から投資について書いた『あなたのお金と投資脳の秘密』(日本経済新聞出版社)などの著作がある。
監修者まえがき
改訂版への序文 ウォーレン・バフェット
ベンジャミン・グレアムについて ジェイソン・ツバイク
まえがき――本書の目的
注
まえがき 解説
第1章 投資と投機――賢明な投資家が期待できる結果
注
第1章 解説
第2章 投資家とインフレ
注
第2章 解説
第3章 株式市場の一〇〇年の歴史――一九七二年初めの株価
注
第3章 解説
第4章 防衛的な投資家のための一般的なポートフォリオ戦略
注
第4章 解説
第5章 防衛的な投資家と株
注
第5章 解説
第6章 積極的な投資家のポートフォリオの方針――消極的なアプローチ
注
第6章 解説
第7章 積極的な投資家のためのポートフォリオの方針――プラスの面
注
第7章 解説
第8章 投資家と市場の変動
注
第8章 解説
第9章 投資ファンドへの投資
注
第9章 解説
第10章 投資家とアドバイザー
注
第10章 解説
本書は、ベンジャミン・グレアムによる『The Intelligent Investor Third Edition : TheDefinitive Book on Value Investing』の日本語訳である。この版には、グレアム自身が時代の推移に応じて加筆修正を行ってきた本文に加え、ウォーレン・バフェットによる序文、コラムニストであるジェイソン・ツバイクによる注釈と詳細な解説が収録されている。
グレアムが説く賢明な投資家たるべき方法論の価値と普遍性については、改めて強調するまでもないが、安全域という概念に基づいた投資理論と並び、本書で繰り返し強調されている「投資家にとって最大の問題で最大の敵は、投資家自身である」という洞察には、今なお深い示唆を感じずにはいられない。投資の成否は実は最初から決まっているのである。
ツバイクは、「本書が伝えているのは、投資はあなたがこれまで信じてきたこととはまったく逆だということである」と述べた。原書の初版刊行から八〇年近い歳月が流れているが、多くの人々はいまだに投資に対して根本的な誤解をしている。投資とは、未来を予測することでも、市場を出し抜くことでも、ましてや「良い銘柄」を探すことでもない。それは、個人の事情に応じて明確なゴール(資金使途)を定め、そこから逆算して妥当な戦略と手段を選択し、不要なリスクを避けながら、冷静かつ合理的に継続する長期的行動である。
当然、そこで選ばれる解は人それぞれに異なり、万人にとって最良の投資方法などというものはそもそも存在しない。ゆえに、「何を買えばよいか」と他人に問うたり、業者に運用を任せたりすることは、自らの人生設計を他者に委ねるに等しく、無責任で危うい行為である。感情を制御するための規律を欠く他人任せの投資など、うまくいくはずがない。 本書においてグレアムが対象としているのは、株式や債券などの伝統的な有価証券に限られている。これは、原著が執筆された当時の時代背景と、グレアムの学究的な慎重さに照らせば、極めて自然なことといえよう。しかしながら、投資の根幹をなす原則は、対象の種類が違ってもなんら変わるものではない。
今日では、金融の仕組みや制度の進化によって、実に多様な投資対象にアクセスが可能である。この点はグレアムの時代とは大きく異なる。自分に適した投資対象やリスクヘッジの手段を見つけることははるかに容易であり、バフェットが述べているように、グレアムの提唱する原則に従えば、有価証券に限らず、あらゆる投資において失敗のリスクは極めて限定的である。これは控えめに言ってもかなりすごいことであると私も思う。
本書の刊行に際し、翻訳を精緻かつ誠実に手がけてくださった井田京子氏、ならびに丁寧な編集・校正を施してくださった阿部達郎氏に、心より深謝申し上げる。また、本書を世に送り出してくださったパンローリングの後藤康徳社長に、謹んで御礼を申し上げる。
二〇二五年六月
長岡半太郎
ウォーレン・バフェット
私がこの本の初版を読んだのは一九五〇年の初め、一九歳のときだった。それまでに読んだすべての投資本のなかで、最高の一冊だと思った。そして、その思いは今も変わっていない。
生涯を通じて投資で成功するために必要なのは、知能指数がずば抜けて高いことでも、事業に関する人並み外れた洞察力でも、インサイダー情報に通じていることでもない。必要なのは、意思決定のための適切かつ知的な枠組みと、感情がその枠組みをむしばまないようにする能力である。本書は、その適切な枠組みを、正確かつ明確に示している。感情を制御する規律は、自分で身につけるしかない。
グレアムが提唱する行動原則とビジネス原則に従い、第8章と第20章で述べられている貴重な教えに細心の注意を払っていれば、投資でひどい目に遭うことはないだろう(これはあなたが思うよりもかなりすごいことだ)。投資で素晴らしい結果が得られるかどうかは、投資家がどれだけ努力と知力をつぎ込むかと、投資期間に株式市場でどれほどの愚行が起こるかにかかっている。そして、市場が愚行に支配されるほど、投資をビジネスとしてとらえる投資家にとっては、チャンスが広がる。つまり、グレアムの教えに従えば、市場の愚行に参加するのではなく、そこから利益を得ることができる。
私にとってベンジャミン・グレアムは、著者や恩師をはるかに超えた存在だった。彼は、父を除いて、私の人生に最大の影響を与えた人物である。一九七六年にグレアムが亡くなった直後に、私はファイナンシャル・アナリスト・ジャーナル誌に次のような短い追悼文を寄せた。本書を読み進めれば、この追悼文に書いた彼の資質を実感してもらえると思う。
ベンジャミン・グレアム(一八九四〜一九七六年)
数年前、もうすぐ八〇歳になろうとしていたベンジャミン・グレアムが友人に、自分は毎日「バカげたことと、創造的なことと、寛大なことをしたい」と語った。
ここに、バカげたことという目標を含めていることに、説教臭さや自信過剰を消して考えを伝える彼の才能が垣間見える。彼の教えは非常に強力だったが、その伝え方はいつも穏やかだった。 この雑誌の読者に、彼の独創性に満ちた業績を詳しく説明する必要はないだろう。ある分野を切り開いた人が、後継者の出現によってすぐに影が薄れることはよくある。しかし、グレアムが無秩序と混乱のなかに体系と理論を確立した著書を上梓してから四〇年以上たった今でも、証券の安全性分析(security analysis)の分野を脅かす候補の書籍を挙げるのさえ難しい。出版されてもほんの数週間や数カ月で使い物にならなくなる本が多いなかで、グレアムの原則はずっと健全さを維持してきただけでなく、金融の嵐が吹き荒れて薄っぺらな知的体系が粉砕されるたびに、彼の原則はさらに高められ、より理解されるようになった。才能あふれる人たちが、華麗なアイデアや流行を追いかけて失敗するなかで、平凡な人でもグレアムの健全な助言に従った人たちは、確実にその恩恵を受けてきた。
グレアムが、その専門分野において際立っていたのは、彼が一つの目標にすべての努力を結集させるような狭い考えにとらわれることなく偉業を達成したことだった。それはむしろ定義を超えた幅広い知性の副産物と言ってもよい。私は、彼ほど視野が広い人に出会ったことがない。実際、彼には卓越した記憶力と、新しい知識に対する尽きることのない興味と、それを一見、無関係に見える問題に応用できるよう再構築する能力があり、どの分野についても彼の思考に触れることは楽しい経験だった。 だが、彼の三つ目の目標である寛大さこそが、彼の最も優れていた点だった。私にとってグレアムは師であり、かつての雇用主であり、友人でもあった。そのすべての関係において、ほかの教え子や従業員や友人に対してもそうだが、彼は常にオープンで分け隔てなく知識や時間や情熱を与える寛大さがあった。考えを整理したいとき、彼を訪ねるのが一番の方法だった。そして、励ましや助言がほしいときも、彼は常に応じてくれた。
ウォルター・リップマンが、みんなが休める木陰を作るために木を植えた人について語っている。ベンジャミン・グレアムは、そんな人だった。
(ファイナンシャル・アナリスト・ジャーナル誌一九七六年一一月・一二月号より)
ジェイソン・ツバイク
「誠実さの試金石は、妥協を断固として拒否するかどうかである」――チヌア・アチェベ(『ザ・トラブル・ウイズ・ナイジェリア(The Trouble with Nigeria)』)ベンジャミン・グレアムとはどういう人物だったのだろうか。なぜ彼の言葉に耳を傾ける必要があるのだろうか。
グレアムは史上有数の投資家だっただけでなく、非常に知的で非常に賢い人物だった(グレアムに関するさらなる資料は、ジェイソン・ツバイク著「ア・ノート・オン・ベンジャミン・グレアム[A Note on Benjamin Graham]」[bit.ly/40XkE7h]、「ザ・ビヨンド・ベン・グレアム・ブログ[the Beyond Ben Graham blog]」[bit.ly/442IEX8]、ベンジャミン・グレアム著『ベンジャミン・グレアム――ザ・メモワー・オブ・ザ・ディーン・オブ・ウォール・ストリート[Benjamin Graham : The Memoirs of the Dean of Wall Street]』を参照)。
彼はどれくらい優れた投資家だったのだろうか。
彼は高いリターンを上げただけでなく、それを投資家にとって最も困難な時期だった世界大恐慌後期にも成し遂げた。彼が経営していたグレアム・ニューマン社は、一九三六〜一九五六年にかけて市場を年率約五%上回るリターンを達成した(ウォーレン・バフェットによると、グレアムが投資家として活動した一九二三〜一九五六年に上げたリターンの総額を正確に知ることはできないが、通常、推定されているよりも「はるかに高い」[二〇二三年四月一四日の私信より]。グレアムのファンドに投資をしていた人たちは、ファンドのリターンだけでなく、一九四八年七月にはグレアム・ニューマン社からGEICO[政府職員保険会社]の高い特別配当も受け取った)。これほど長い期間に、これほど大幅に市場を上回るリターンを上げた投資家はほかにはいない。グレアムから直々に投資を学んだウォーレン・バフェットを含めて、だ。
それでは、グレアムはどれほど賢かったのだろうか。
彼は一七歳でコロンビア大学に入学した。実はその前年に入学できたはずだったが、大学の書類の不手際で一年遅れた。入学すると、二年半で単位を取得し、学年二位の成績で卒業した。コロンビア大学は、卒業前から彼に三つの学部である哲学と数学と英語学の教員職を提示したが、父の死後、苦労して育ててくれた母を支えるため、より給料の高いウォール街の仕事に就いた。
デビッド・ドッドと共著で一九三四年に出版した『証券分析』(パンローリング)は、世界中で金融分析の基礎的なテキストになっている。ただ、彼の才能は投資にとどまらなかった。二三歳のときには、アメリカン・マスマティカル・マンスリー誌に微分積分の指導を改善する方法について寄稿している。また、二つの革新的な電卓に関する特許も取得している。さらには、世界的に通貨を安定させる方法に関する二冊の著作や、法律や税金や失業に関するたくさんの記事も執筆している。ほかにも、時間があるとブロードウエーの脚本を書き、スペイン語を独学で学んでウルグアイの小説を翻訳し、フランス語や古代ギリシャ語やラテン語の文献をむさぼり読んだ。
とにかく彼は賢かった。彼が働いていたころのウォール街には、あらゆる詐欺、不正、インサイダートレード、価値のない株の勧誘、会計操作、株主を食い物にする会社などが蔓延していた。彼は、市場で何百万人もの人たちが正気を失う様子を目にした。一時的に値上がりした株を買っただけで自分が投資の天才だと思い込む人たちもいれば、一獲千金が狙えると語る「専門家」を信じて資産を奪われる人たちもいた。
彼は、ほかの人たちの間違いからだけでなく、彼自身の間違いからも学んだ。
●流行の株を追いかけて、失敗した
●トレードしすぎて、忍耐強くなるべきだと学んだ
●大きすぎるリスクをとり、注意深くあることを学んだ
●借金で投資し、その後は二度とレバレッジをかけなかった
●数え切れないほどの投資手法を試し、過去の不適当なデータから将来を予測しようとすることの危険性を理解した
ブレアムは、投資が孤独な活動で、仲間とのつながりや承認を切望する人は簡単に不正や詐欺の餌食になることを理解していた。近年では、ソーシャルメディアやスマートフォン上の証券アプリが、大衆に加わりたいという人間的な深い欲求の受け皿となっており、FOMO(機会損失の恐怖)に駆り立てられた何百万人もの人たちが、一斉に同じ株をトレードしている。このような金融フラッシュモブに一度加わってしまうと、合理的な計画を立ててそれを順守することはほとんど不可能になる。本書は、何百万人もの他人に勧められた考えではなく、自分自身で考えて行動する助けになる。
また、グレアムは非常に正直な人でも必ずしも自分自身に対して正直ではないことを知っていた。私たちはみんな自分の欠点を認めたくはない。グレアムのアドバイスは投資家がすべきことだけでなく、実際にできることにも焦点を当てていた。彼は、市場や彼ら自身に関する偽りの約束をして読者を誤解させるようなことはけっしてしなかった。本書は、自分の長所と短所を理解することによって、良い投資判断を下し、何よりもその判断を順守するための知識と感情の枠組みを提供している。
大衆の上を行くためには、大衆から離れる必要がある。賢明な投資家になるためには、規律を守り、みんなとは違う考え方をする必要がある。
四つの基礎
グレアムは、四つの優れた原則を提示している。
●売買しなければ投資家にはなれないが、投資することなく売買することはできる
ある株について価格が上昇したこと、つまり、「みんなが買っていること」以外に何も知らなければ、それは投資ではなく投機である。賢明な投資家は綿密に調査し、よく考え、一貫した測定可能な判断を下す。
●株式とは単なるティッカーシンボルでもスマートフォンに表示される電光掲示板でもなく、株価とは関係のない基本的な価値を有する事業の所有権である
賢明な投資家は株価ではなく、事業を調べる(図表0−1参照)。
●市場価格はほとんどの時期はおおよそ正しいが、間違っているときは大きく間違っている可能性がある
グレアムは、株価が上がると強欲が高じて陶酔し、株価が下がれば恐怖に陥り悲しみにくれるミスターマーケットという架空の人物を創造した(第8章参照)。その一方で、賢明な投資家は楽観主義者に売り、悲観主義者から買う現実主義者である。ミスターマーケットの気分の浮き沈みに、感情を乱されてはならない。
●ほとんどの投資家は、もし自分が正しければいくら儲かるかということばかりに注目し、間違った場合にいくら失うかを考えないという間違いを犯す
賢明な投資家は、分析を間違って損失が出た場合も破綻しないために、グレアムが「安全域」と呼ぶ謙虚さのクッションを常に維持している。
『賢明なる投資家』の初版は一九四九年に出版された。七五周年記念版である本書の目的は、グレアムの伝統的な洞察を、今日の市場でも生かすことにある。
この第三版も、二〇〇三年に出版された第二版(『新賢明なる投資家』[パンローリング])と同様に、グレアム自身の考えに基づいている。つまり、グレアムは『賢明なる投資家』を株の銘柄選択や、企業の分析方法や評価方法を細かく指導するハウツー本としてではなく、投資の成功に不可欠な指針と原則を示すものとして執筆した。彼は次のように書いている。
ここには証券の分析テクニックよりも、投資の原則と投資家の姿勢について書く。
この第三版でも、グレアムが執筆した『賢明なる投資家』についてはすべてそのまま掲載している(ただし補遺については、上場廃止になった会社や過去の税制に関する四つはこの第三版では削除した。その部分について、第二版を参照してほしい)。
各章は、グレアムが書いた『賢明なる投資家』と私が書いた注解で構成されている。注解には、彼の原則がいかに強力かを示すため、最近の例も含まれている。
本書は、投資家として成功するために不可欠な習慣と規律を身につける助けになる。ウォーレン・バフェットは、『賢明なる投資家』を「投資に関するこれまでで際立った最高の本」と言っている。投資の原則をグレアムほどよく理解し、伝えた人はほかにはいないからだ。
本書を手にした人は、賢明な投資家になる道をすでに歩み始めている。第1章は、その意味と、そのために必要なことを説明している。