|
![]() |
『成長株投資の公理』 も好評発売! ![]() |
著 者 パット・ドーシー
監修者 鈴木一之
訳 者 井田京子
優れた企業も売られ過ぎになり、あとから見たときに絶好の買い場になっている場合が多い。 バフェット流の経済的な「堀」のある企業の見つけ方を初心者にも 分かるように、平易なやり方で紹介する。 今年、パンローリングが贈る一押しのウィザードブック! バブル後の安値更新で緊急出版! |
「堀」のある売られ過ぎの優良企業でポートフォリオを埋め尽くそう!
今日の変動の激しい市場で利益を上げるためには、ライバル企業の圧力や追い上げがあっても業績を伸ばし続けている企業に投資するのが必須の条件となる。しかし、現在の好調を何年も先まで維持できるような企業を見つけるには一体、何をすればよいのだろうか。
この答えは、その企業が競争における優位性を確立していること、つまり、ウォーレン・バフェットによって広まった経済的な「堀」を持っているかどうかということである。中世では城の周りの堀が敵の侵入を食い止めたように、経済的な堀はその企業に高い利益率を保証し、競合他社からの攻撃を食い止める役割を果たしている。もし堀のある企業を見つけてその企業の株を適正な価格で買うことができれば、堅実な企業ばかりから成るポートフォリオを作ることができ、株式市場で成功する可能性は飛躍的に高まるだろう。
独立系投資リサーチのトップ企業であるモーニングスターで、株式リサーチ部門のディレクターを務める著者のパット・ドーシーは、本書でウォーレン・バフェットが実践しているこの実績のある手法を分かりやすく紹介し、それを投資にどのように応用すれば、成功確率が高まるかを明らかにしている。
ドーシーは、経済的な堀が素晴らしい長期的な投資先を教えてくれる理由を懇切丁寧に説明したあと、堀をもたらす4つの要素である、①無形資産(特許やのれんなど)を持っている、②コスト的な優位性に優れている、③顧客に他社製品に乗り換えることを躊躇させる、④ネットワーク経済――について検証している。そして、堀についてしっかりと理解できたあとに、次は侵食されていく可能性のある堀の見分け方(優良企業でなくなる可能性を秘めた企業)や、堀の優位性を築くために重要な役割を果たす業界の構造、そして堀を築く(または壊す)ことができる経営陣の有能さ(または無能さ)についても詳しく述べている。
また本書では、株価の評価についてもすぐに役に立つ方法を伝授してくれている。というのも、幅の広い堀を持っている企業を見つけて投資しても、その買値が高すぎれば良い投資にはならないからである。このことについては有名企業を例に挙げて具体的に説明している。
バフェットが提唱した「堀」はけっして新しい概念ではないけれども、本書を読めば、今日の投資家でもこの素晴らしい投資法を自信を持って実践することができるようになる。堀こそが投資分析ツールの欠かせない重要な要素であることが理解できれば、この手法を使って、高いリターンを上げる銘柄だけであなたのポートフォリオを埋め尽くすことができるだろう!
「本書を2日かけてじっくり読めば、過去に失敗したテクニックをすべて捨て去ることができるだろう。これはポートフォリオに含めるべき素晴らしいリターンを上げる企業を探しだすだけでなく、時間とともに衰えていく何千もの企業を避ける方法も教えてくれる最も信頼できる教科書と言える。すべての投資家が読むべき本だ」――ティモシー・P・ビック(ザ・サニベル・キャプティバ・トラスト・カンパニーのシニアポートフォリオ・マネジャー兼『ハウ・トゥ・ピック・ストックス・ライク・ウォーレン・バフェット[How to Pick Stocks Like Warren Buffett]』の著者)「30年以上ウォール街で働いてきたが、この間に読んだ本のなかで最高の投資本である」――ボブ・フローリッヒ(ドイチェ・アセット・マネジメント)
「本書は、高いROCを維持できる企業を探すための理にかなった枠組みを提供してくれる。ドーシーは、読者に長続きする優位性を持つ企業の選び方を教えてくれる。また、企業に競争における構造的な優位性をもたらす、①無形資産(特許やのれんなど)を持っている、②コスト的な優位性がある、③乗り換えコストがかかるので乗り換えができにくい、④ネットワーク効果――に関する教えは長期投資の銘柄選択において特に価値がある」――ルイス・A・シンプソン(GEICO社長兼CEO)
「パット・ドーシーは、未来は変化するという現実を今日の投資判断に反映させるための実践的な枠組みを提供してくれた。アートとサイエンスを少しずつ加えることが長期投資で成功するカギとなる」――ラリー・D・コーツ(オーク・バリュー・キャピタル・マネジメントCEO)
著者/パット・ドーシー(Pat Dorsey)
CFA(公認証券アナリスト)、モーニングスター株式リサーチ部門のディレクター。同社の株式評価システム(モーニングスターレーティング)や経済的な堀のレーティングの開発における中心メンバーのひとりで、『The Five Rules for Successful Stock Investing : Morningstar's Guide to Building Wealth and Winning in the Market』(ザ・ファイブ・ルール・フォア・サクセスフル・ストック・インベスティング)の著者でもある。ウエズリアン大学卒業(政治学)、ノースウエスタン大学大学院修士課程終了(政治学)。ホームページは http://www.findingmoats.com/。
序文――行動計画
第1章 経済的な堀――経済的な堀の定義とそれを使って優れた株を選ぶための方法
第2章 誤解されている堀――幻の優位性にだまされるな
第3章 無形資産――棚から取り出せるものではないが、間違いなく価値がある
第4章 乗り換えコスト――しつこい顧客は面倒ではなく黄金だと思え
第5章 ネットーワーク効果――非常に強力で、1章を割く価値がある
第6章 コストの優位性――賢くなるか、近くなるか、ユニークになれ
第7章 規模の優位性――きちんと把握していれば、大きいことは良いことだ
第8章 侵食される堀――優位性を失って立ち上がれない
第9章 堀を探す――外はジャングルだ
第10章 ビッグボス――経営陣の影響は思ったほど大きくない
第11章 肝心なこと――比較分析の五つの例
第12章 堀の価値はどのくらいか――最高の企業でも高く買いすぎればポートフォリオを傷つける
第13章 評価のためのツール――割安の株を探す
第14章 いつ売るか――賢い売りが高リターンにつながる
結論――投資は数字だけではない
2008年11月鈴木一之
ジョー・マンスエト(モーニングスター創業者兼会長兼CEO)
一.長期間にわたり、平均以上の利益を上げることができる企業を探す
二.その企業の株価が本質的価値より安くなるまで待って買う
三.企業価値が低下するか、株価が割高になるか、さらに優れた投資先が見つかるまで、その銘柄を保有する。保有期間は、月単位というより、年単位で考える
四.この手順を、必要に応じて繰り返す
本書は、主にこのなかの最初のステップ、つまり長期的な潜在利益を秘めた素晴らしい企業を探すことについて書かれている。そして、もしそれができれば、すでに大部分の投資家の先を行っていることになる。本書の後半では、株価を評価するためのヒントや、売って次のチャンスに移るための指針も載せてある。
しかし、何年にもわたって大きな利益を生み出していく企業を探すことがなぜそれほど大事なのだろう。その答えは、一歩下がって企業の目的を考えれば分かる。企業とは、投資家の資金を使ってリターンを生み出すためのもので、言い換えれば資本を製品やサービスに投資してさらなる資本を生み出すか(優れた企業)、資本を減らす(だめな企業)大きなマシンのようなものなのだ。長年にわたって資本から大きなリターンを生み出す企業は、素晴らしい速さで富を積み上げていくことができる(ROC[資本利益率]は、企業の利益率を示す最高のベンチマーク。ROCは、企業がどのくらい効率的に資産――工場、人材、投資など――を活用して株主のために利益を生み出しているかを測定するための指標で、投資信託のマネジャーが達成するリターンと似ているが、投資先が株や債券ではなく、プロジェクトや製品であるところが違う。ROCについては、第2章でさらに詳しく述べる)。
ただ、これができる企業は多くない。ROCが高い企業は、蜜が蜂を引きつけるように、ライバルの関心も引きつけるからだ。結局、これが資本主義の仕組みであり、お金は予想リターンが最も高いところに流れていく。つまり、利益の大きい企業には、すぐにライバルが迫ってくることになる。
通常、ROCはいわゆる「平均再帰」になっている。言い換えれば、高リターン企業のROCは、ライバルが参入してくれば低下し、低リターン企業のROCは新しい事業に参入したりライバル企業が撤退したりすると上がる。
しかし、なかにはライバルの容赦ない猛攻に長期間耐えることができる企業があり、これらが富を積み上げるマシンとしてポートフォリオの岩盤を形成してくれる。例えば、アンハイザー・ブッシュ(ビールメーカー)、オラクル、ジョンソン・アンド・ジョンソンなどは非常に利益率が高く、長年にわたって厳しい競争にさらされてきたが、それでも高いROCを生み出している。もしかしたら単に幸運だっただけかもしれないが、もしかしたら大部分の企業に欠けている特別な特性があるのかもしれない(こちらの可能性が高い)。
どうすれば、このような企業、つまり今日優れているだけでなく将来も長いこと素晴らしさが継続する企業を見つけることができるのだろう。そのためにはまず、投資しようとしている企業に関して「何があれば、企業の縄張りに参入しようとしている賢くて資金力もあるライバル社を阻むことができるか」という一見単純に見える質問をしてほしい。
本書ではこの質問に答えるため、「競争上の優位性」とか「経済的な堀」と呼ばれる企業の構造的特性を探していく。中世に、堀が敵を食い止めて城を守ったように、経済的な堀が世界有数の企業の高いROCを守っている。もし、堀のある企業を探し出し、それを適正な価格で買うことができれば、株式市場での成功確率を大幅に高めてくれる素晴らしい企業のポートフォリオを構築することが可能になる。
しかし、堀の何が特別なのだろう。第1章は、その質問に答えていく。そして、第2章では擬陽性企業、つまり通常優位と考えられているにもかかわらず、あまり信頼できない特性に関する注意点を見ていく。そのあとの数章は、経済的な堀の水源を掘り下げていく。企業に本当に継続可能な競争上の優位性を与えられる特性を理解するため、ここは時間をかけて説明していく。
ここまでが本書の前半部分だ。経済的な堀を理解するための土台ができたら、次に腐食していく堀の見分け方や、競争上の優位性をもたらす業界構造の役割、経営陣によって作られる(または壊される)堀についても述べていく。そのあとは、ケーススタディの章で、いくつかの有名企業に対して競争分析を行っていく。ただ、大きな堀がある企業でも割高で買えば良い投資にはならないため、株価評価の概要についても説明していく。
![]() 成長株投資の公理 |
![]() 麗しのバフェット銘柄 |
![]() バフェットからの手紙 |
![]() 証券分析【1934年版】 |
![]() 賢明なる投資家【財務諸表編】 |
![]() 最高経営責任者バフェット |
![]() 富者の集中投資 貧者の分散投資 |
![]() オニールの成長株発掘法 |
![]() 株の天才たち |
![]() ![]() 新賢明なる投資家(上・下) |