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FXスキャルピング
ティックチャートを駆使したプライスアクショントレード入門

同著者書籍
『FX 5分足スキャルピング』

著 者 ボブ・ボルマン
監修者 長尾慎太郎
訳 者 井田京子

2012年11月発売/A5判 470頁
ISBN 978-4-7759-7167-3 C2033
定価 本体3,800円+税

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著者紹介 | 目次 | 関連書籍  ◆立ち読みコーナー 監修者まえがき ・ 序章 ・ 第2章

無限の可能性に満ちたティックチャートの初の本格的入門書
FXの神髄であるスキャルパー入門!
10ティックをかすめ取れ!
FXトレーディングの神髄――魅力あふれるスキャルピングの世界

本書は、プロのスキャルピングの世界をFXトレーディングの初心者でも分かりやすく掘り下げて紹介した手引書である。日中のトレード戦略を詳細につづった本書は、多くの70ティックチャートとともに読者を魅力あふれるスキャルピングの世界に導いてくれる。そして、あらゆる手法を駆使して、世界最大の戦場であるFX市場で戦っていくために必要な洞察をスキャルパーたちに与えてくれる。

FX市場は、大金を儲けようとする用意周到な人たちは歓迎するが、事前の準備や勉強ができていない人に対しては過酷な世界である。簡単ですぐに儲かると思ってこの世界に挑んできた人たちは、早ければ数日以内に退場するはめになるかもしれない。そのとき初めて負け組の思い知るのが、勝ち組の利益をもたらしているのはマーケットそのものの動きではなく、自分たち負け組の損失だということだ。

FXスキャルパーに適切な教育が必要だということに疑問の余地はない。しかし、どこからどのように始めればよいのだろうか。トレーディングの基礎を教える書籍・教科書はたくさんあり、初心者にFXトレーディングの世界をざっと見せることはできる。しかし、スキャルピングについてこれほど高いレベルまで踏み込んで、初心者の心をとらえるように書かれた本はあまりないだろう。本書の目的はただひとつ――スキャルピングというビジネスの本当の姿を紹介することなのである。本書は、さまざなまことに注意を払いながらも分かりやすく段階を踏んで次のようなことを教えてくれる。

●プライスアクションの原則とセットアップの見つけ方
●「仕掛けと手仕舞い」と「目標値とストップの置き方」
●優位性(エッジ)と確率
●有利なチャートと不利なチャート、切りの良い数字のレンジ、大口プレーヤーによるワナ
●感情がもたらす愚行や恐怖
●わずかな利益率でも資金を少しずつ増やしていく方法


■著者紹介

ボブ・ボルマン(Bob Volman)
1961年生まれで、自己資金のみを運用している独立系のトレーダー。本書は、短期チャートの読みと分析に高度な技術を有するボルマンがスキャルピング戦略についてすべての知識と技を紹介したものである。プロのトレーダーになることを目指し、これからの試練に向けてできるかぎりの準備をしておきたいトレーダーに向けて書かれている。本書は情報の宝庫であり、ここにはトレーディングの世界で実際に戦っている人、つまりプロのスキャルパーにしか分からないテクニックと知見が披露されている。著書に『FX 5分足スキャルピング』がある。

原題: Forex Price Action Scalping


■目次

監修者まえがき
The Trader's Advantageシリーズより本書出版に寄せて
はじめに

 序章

第1部 スキャルピングの基本
 第1章 通貨トレード
 第2章 ティックチャート
 第3章 仕事としてのスキャルピング
 第4章 目標値とストップと注文
 第5章 確率の原則

第2部 仕掛け
 第6章 セットアップ
 第7章 DD――ダブル同時線ブレイク
 第8章 FB――ファーストブレイク
 第9章 SB――セカンドブレイク
 第10章 BB――ブロックブレイク
 第11章 RB――レンジブレイク
 第12章 IRB――インサイドレンジブレイク
 第13章 ARB――アドバンストレンジブレイク

第3部 トレード管理
 第14章 転換点のテクニック

第4部 トレードの選択
 第15章 不利な状況

第5部 資金管理
 第16章 トレードサイズ
 第17章 注意事項

用語集

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■監修者まえがき

  本書はボブ・ボルマンが、外国為替(FX)取引のスキャルピング手法について書いた“Forex Price Action Csalping”の邦訳である。こうした極めて短期の時間枠によるFX取引が個人投資家にも可能になったのは、私のような年配の人間から見ると大変感慨深いものがある。いまや機会という意味では、機関投資家と個人投資家との間に差はないようだ。

 ここで解説されているのは、主としてトレンド方向に沿って裁量でトレードする手法である。ボルマンはテクニカルなパターンにさまざまな名前を与えてそのコンセプトを分かりやすく工夫した。これらはすべて価格変動(プライスアクション)のみに基づいたものであり、それゆえこの手法の利用者にとって、市場のファンダメンタルズに関する知識は最小限でよいことになる。マクロ的な知識や情報では、個人投資家は機関投資家にかなわないことを考えると、それは極めて賢明な選択といえるだろう。

 さて、一般にFXの取引は「投資」とはみなされていない。なぜなら、それは債券のようにクーポンが出るわけではないし、株式とは異なり価値が成長することも配当金が出ることもないからである。したがって、そこでのゲームは畢竟上げ下げを当てるものになり、それを短い時間枠で行おうとすれば、当然にして価格変動に依拠した手法になる。

 ところで、一般にマーケットとは変化する場(field)である。つまり、それは固定的なものではなく状態が常に変化していくものなのだ。よくあるように、静的(static)なモデルやシステムを用いて、マーケットを説明し、トレードしようとする多くのアプローチがなかなかうまくいかないのは、それを変化する場としてとらえていないからである。既存のファンダメンタルズ分析やテクニカル分析はこの意味で決定的な欠陥を内包していることになる。

 逆に、より優れたシステムや分析といったものは、マーケットを高次元で構成される世界として認識し、マーケットの場のベクトルと自分のストラテジーのベクトルの内積を適宜最大化するように組まれている。そして、もしモデルや数式を介さずにそれを裁量で実現しようとすれば、著者が本書で説くように、トレンドに沿い、かつ状況に応じてリスク・イクスポージャーを変化させるものとなるだろう。その意味では、多くの人々が間違った道を辿って途方にくれているなかにあって、ボルマンは科学者でも技術者でもないが、実践者として正しい解にまさに正しい経路で接近していることになる。驚嘆すべきことではないか。

 最後に、翻訳にあたっては以下の方々に心から感謝の意を表したい。井田京子氏には、正確で分かりやすい翻訳をしていただいた。そして阿部達郎氏には丁寧な編集・校正を行っていただいた。また、本書が発行される機会を得たのは社長である後藤康徳氏のおかげである。

   2012年10月

長尾慎太郎



序章

 いつの時代も、マーケットでは増え続ける需要と供給のせめぎ合いに身を投じる人たちには事欠かない。一獲千金を目指す人、ただ飛び込んでくる人、ギャンブラー、マーケットには向かない人、楽天家や冒険家などがマーケットを放浪しながら手早く簡単に儲ける方法を探し続けている。しかし、無鉄砲な投機ほど資金を減らし、夢と希望を打ち砕くものはない。

   不思議なことに、目の前で不吉な事実やつらい運命につぶれていく人たちがどれほどいても、多くのトレーダーがまったく準備を整えずにマーケットに飛び込んでいく。また、自分で手法を編み出したとしても、そのほとんどはいずれ避けられない失敗を少しだけ遅らたにすぎない。学習曲線は滑りやすい坂道で、結局は不本意な結果に終わり、支払った授業料も取り返せない可能性が大いにある。このことが、懐疑派とロマン派の間にトレーディングで利益を上げることが可能なのかという果てしない議論をもたらしていることは驚くに値しない。

   懐疑派は、一貫して利益を上げているトレーダーの華やかなイメージを大いに疑っている。結局、トレーディングの世界で無知な連中を食い物にして常に繁栄しているのはブローカーや業者や利口な市場関係者なのである。この時点で、自分がさまざまな可能性を乗り越えて長期投資家として達人になることをイメージできなければ、安定的に利益を上げるスキャルパーになるという発想はバカげている。懐疑派の主張が正しければ、これまでたくさんのトレーダーが長期チャートを使ってうまくトレードしようと試みて失敗したように、みんな同じ道を辿ることになる。しかも、短い時間枠に挑んだ連中はさらにつらい運命に翻弄され、もっと早く消えていくのだという。  実際、短い時間枠のチャートには、ダマシが多いだけでなく、平均トレードに対するスプレッドや手数料も大きな割合を占める。つまり最初から不利な条件がそろっているのである。成功談は少ないうえにたまにしかなく、統計的に確認しようとしても難しい。少なくとも反論するよりもはるかに難しい。

   そうは言っても、懐疑論や統計がひたむきな連中の士気をくじくことはけっしてない。スキャルピングで安定的に利益を上げることは幻想ではないし、そのために必要なスキルを身につけるのに何年もかかるわけではない。これはマーケットの至るところで、たくさんのトレーダーが毎日行っていることで、この分野のすべてについて適切かつ熱心に学ぶ決意があれば、だれにでもできることなのだ。ここで問題とすべきなのは、スキャルピングが儲かるかどうかではなく、学びの質なのである。

   ただ、そうはいってもスキャルピングがだれにでも向いているわけではない。少なくとも本書を読めばこれに向いているかどうかは分かるだろう。本書の唯一の目的は、この仕事を効果的に行うためのすべての知識を提供することにある。そのため、本書には必要なテクニックを十分浸透させるためのたくさんのチャートやセットアップやトレード例が掲載してある。

   本書では、ユーロ/米ドルの通貨ペアを中心に話を進めていく。機敏なスキャルパーにとって、これは最高の組み合わせだ。このペアは1日に何度も同じパターンを繰り返すだけでなく、スプレッドが安く、小口のトレーダーでも参加しやすい。ただ、価格変動の原則はどのマーケットでも共通しているため、ボラティリティが似ていてトレーディングコストが安ければ、ほかのマーケットでも応用できる部分は多い。その意味では、本書の指針はFX以外のトレーディングにも役立つと思う。

   スキャルピングのメリットはたくさんあるが、それは明らかだろう。必要なのはたった1枚のチャートだけで、特別な指標もいらず、事前にすべて設定しておくことができるため、1クリックで仕掛けて1クリックで手仕舞うことができる。そして、チャンスは繰り返しやってくる。

   まずは例を見てみよう。図P.1は、スキャルパーのユーロ/ドルチャートのイメージだと思ってほしい。縦軸は価格、横軸は時間の経過、そしてチャート上の曲線は本書で唯一使っている指標である指数移動平均線を示している。四角い枠で囲った部分はいくつかのパターンで、これについてはあとで詳しく説明する。  スキャルピングという手法の基となる基礎をしっかりと固めておくためには、トレードを選ぶ技術だけを学んでも十分ではない。本書では、破壊的な要素となり得ることを完全に排除しておくために、この仕事のすべての側面を可能なかぎりあらゆる角度から検証している。

   この検証は、章ごとに行っていく。そして、チャートの選択、価格変動、パターンの認識、有利なマーケットと不利なマーケット、セットアップ、仕掛けと手仕舞い、目標値とストップ、落とし穴、心理的な問題、会計上のことなど、スキャルピングのプロが経験する課題について具体的に説明していく。

   トレーディングを始めたばかりの人でも、今苦しんでいる人でも、ほかの投機ではベテランの人でも、本書を楽しむとともに、これから何年もスキャルピングで利益を上げていくために必要な情報を得ることができると思う。本書は、読者の知性を侮ってトレーディングに関する非現実的なことを並べたものではけっしてない。無駄話や業界の難解な用語を延々と並べても意味はない。本書は根っからのトレーダーが、意欲のあるトレーダーのためにスキャルピングについて誠実に書きつづったものなのである。  



第2章 ティックチャート

 FX関連の本を読んだことがある人ならば、「ユーロ/ドルの出来高がそのほかの金融市場を全部合わせたよりも大きい」などといった大げさな文章を目にしたことがあると思う。ユーロ/ドル市場が地球上でもっとも活発にトレードされているという事実は、ブローカー業界の巧妙な業者が売り口上としてよく使っている。しかし、この数字だけを見て通貨ゲームという冒険に飛び込むべきではない。

 それよりも考慮すべきもっと重要なことは、スプレッドが狭いことはもちろんだが、チャート上で価格がテクニカル的にどのように動くかということだ。スキャルパーは、自分がトレード可能なマーケットについて日中の動きがどれくらいあるか、繰り返す行動パターンがどれくらいあるか、ブレイクの前の圧力のビルドアップ、プルバック、ブレイクアウト、トレンド、レンジなど、典型的な特徴を見極める必要がある。言い換えれば、テクニカルトレーダーの需要を満たすテクニカルなマーケットかどうかを確認するのである。これができる通貨ペアはあまり多くないが、ユーロ/ドルのペアはできる。このマーケットは、1日の平均レンジが150ピップス近くなり、日中の動きは買いも売りも可能で、トレード時間のほとんどどこにでもたくさんのトレードチャンスがある。

 もちろん、トレーディングの仕方はさまざまで、戦略や作戦はトレーダーの数だけある。ほとんどの手法には、少なくとも群衆の行動や価格変動の原則などといった普遍の概念や、個人的な視点に基づいた計画などが取り入れられていると思う。ただ、重要なこととして、トレーディング全般に言えることだが、特にスキャルピングはチャートを何枚か見たくらいでできるようになる趣味やゲームではないということを理解しておいてほしい。トレーディングという仕事を一獲千金の方法だと意気込んで始めたスキャルパーが、瞬く間に大金を失って落胆してから自分の愚かさに気づく、というのはけっして珍しいことではない。苦しんでいるトレーダーならばだれでもテクニカルチャートを使って戦略を立てるのと、その戦略をマーケットで実行することはまったく別だということを知っている。これから説明していくことだが、マーケットには最初に目に入ったこと以外にもさまざまな要素があり、そのすべてに対応していかなければならないのである。

 スキャルピングの鼓動がテクニカルチャートであることは間違いない。スキャルパーにとって必要な情報はすべてこの1画面のグラフのなかにある。日中のトレードをファンダメンタルズ的な視点に基づいて行う意味はあまりないが、意欲的なスキャルパーは、チャートの価格変動のすべてを知っておかなければならない。

 ただ、そのためにはどのチャートを見るべきなのだろうか。時間枠は無限にあり、それぞれにメリットとデメリットがある。情報源を決めることは、見方によっては1日中何回もチャンスを示してくれる程度に短い時間枠と、テクニカル的有意が確認できる適度に長い時間枠との絶妙なバランスを見つけることでもある。すべてのチャートは需要と供給の果てしないせめぎ合いを容赦なく映し出しているが、チャートの枠組みにも独自の脈拍があり、それは平均的な動きの長さや、ブレイクまでの圧力のビルドアップ、トレード可能なパターンの有無、典型的なダマシが現れるかどうかなどで測定することができる。そして、どのチャートを使うかを決めたら、それを使い続け、徹底的に研究し、その息づかいや動きや流れを学んでその脈拍を理解することが重要だ。

 私は、研究に値する素晴らしいチャートとして、70ティックを勧めている。本書に掲載したチャートはすべてこのチャートになっているが、これは通常の時間枠とは違う。70ティックチャートは、出来高に関係なく70回約定(ティック)するたびに新しい足が作られるチャートで、ユーロ/ドルならば1日で簡単に2000〜3000本の足ができる。このチャートは、30秒足のチャートと非常に似た形で推移することもあるが、出来高が増えると独自の形を形成していく。


注意

 ティックチャートの設定を調整できる機能はすべてのチャートソフトにあるわけではないため、申し込む前に確認することを勧める。さらに、実際のティックのカウントは、チャートに連動しているデータの入力状態によるところが大きい。FX市場には取りまとめをしている取引所がないという性質上、件数や出来高に絶対的な値はなく、プロバイダーによってデータが異なる場合がある。自分の画面のティック数を本書で使用している ProRealTime のチャートと比較して、その妥当性を確認しておくのもよいだろう。ただ、数字がある程度近ければ十分なので、あまり心配しなくてよい。実際、ティックを65〜75程度に設定してあれば、パターンやトレードチャンスに大きな違いは出ない。チャートソフトによってはティックを40や100やそれ以上に設定しなければならない場合もあるが、これはチャート会社が入力データをどのように処理しているかによって変わってくる。自分のチャートの足を本書のそれと比較するときは、チャートの下の時間の目盛りと足の平均的な長さに注目するとよいだろう。マーケットが静かなときは、多くの足が2〜4ピップスの長さで推移し、はっきりとしたトレンドがあればそれを大きく超えるときもあるが、たいてい長くは続かない。ひとつの方法として、ティックの数を30秒足チャートと似た水準にするという方法もある。ちなみに、アジアの市場の時間帯(本書の例では02:00〜10:00ごろ)は1時間当たりの足の数がヨーロッパやアメリカの時間帯よりもかなり少ない。ティックの設定はマーケットが活発な時間帯に行うほうがよいということも覚えておいてほしい。

 ティックチャートには、一定の時間で作られる足(1分足、5分足、30分足など)のチャートよりも間違いなく有利な点がある。まず、パターンがコンパクトにまとまっていて、分かりやすい。トレーディングが活発でないときに、意味のない足を何本も示して無駄なスペースをとることはないし、動きが活発なときは十分なデータを示してくれる。

   70ティックの設定は、魔法の数字ではないし、最高の設定というわけでもない。そんなものは存在しないからだ。情報源の選び方は個人的なことで、使っている戦略の特徴にかかわるところが大きい。そして何よりも、チャートはスナイパーのような正確さでトレードのタイミングを計れるものでなければならない。その意味で、70ティックチャートならばスキャルピングに必要なユーロ/ドルの脈拍を驚くほど正確にとらえることができる。チャートの足をたどっていくのは、カラフルなバトントワラーが行進していくのを眺めるのと似ている。多くの場合、価格の動きは混とんとしていたり、複雑だったり、少なくともかなりバラバラだったりするが、よく観察すると本当の変数はかなり限定されている。突き詰めれば、振り付けの数はさほど多くなく、それが繰り返されているにすぎないからだ。そこで、この価格変動が繰り返すという傾向をつかんで予測すれば、タイミングを賢く計って仕掛けたり手仕舞ったりすることが可能になる。

   70ティックチャートは動きが速いチャートだが、多くのトレーダーが使っている時間枠のチャートからまったくかけ離れてしまうほどは速くない。これは極めて重要なことだ。ほかのプレーヤーがあとに続いてくれないと、マーケットは目標値に達しないからだ。賢いスキャルパーは、原則としてほとんどのトレーダーが同じ状態を見て、同じトレンドに乗り、同じようにプルバックを見つけ、同じようにブレイクで仕掛けることを望んでいる。そうすれば一気にその裏をかけるからだ。

   その点で、70ティックチャートならばその1枚を見るだけで適切な判断を下すために必要な情報をすべて得ることができる。1本の移動平均線以外に画面を煩雑にする指標などもない。スキャルパーには、前日の高値や安値、大きな時間枠でトレンドにあるかどうかや、前日の主要な抵抗線や支持線に近づいているかなどという情報は必要ない。実際、ほとんどの場合において、何時間か前に起きたことすらまったく意味がないのだ。スキャルパーには、約1時間半の価格の推移を一度に見ることができれば十分なのである。むしろ、それ以上の情報をチャートに詰め込もうとするとデータが矛盾し始める。仕事が滞らないようにするためには、判断過程を複雑にするよりも、単純にしておいてほしい。

   仕掛けについてテクニカル的に言えば、学ぶべきセットアップは7つしかない。これらのパターンが、これから紹介するスキャルピングの手法の核となる。7つのセットアップは、実際のマーケットにおける例と共に詳しく説明していく。また、仕掛けや手仕舞いについては、ピップス単位で詳しく紹介する。仕掛けのパターンのなかには、強気用と弱気用があり、それぞれが買いと売りに適している。トレードは、トレンド、カウンタートレンド、レンジなどどんな場面でもできる。目的が素早いスキャルピングだけならば、えり好みする必要はない。いつ、どんな局面でもトレードできることが、スキャルパーの特権なのである。

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