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『バフェットからの手紙【第5版】
世界一の投資家が見たこれから伸びる会社、滅びる会社』
著 者 ローレンス・A・カニンガム
監修者 長岡半太郎
訳 者 増沢浩一、藤原康史、井田京子
2021年1月発売/四六判 640頁
定価 本体 2,200円+税
ISBN 978-4-7759-7278-6 C2033
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これからバフェットを知ろうと思う読者も、バフェットをよく知る読者も、バフェットの実績に圧倒されるばかりの読者も、分野別にカニンガム教授が要約・整理したバフェットの含蓄ある「株主への手紙」を文章を読めば、本書以外では絶対に知ることのできないバフェットやマンガーの深遠な知見に接することができるだろう。
![]() ジョージワシントン大学ロースクールのヘンリー・セント・ジョージ・タッカー三世リサーチ教授。著書として、ハンク・グリーンバーグ氏との共著『ジ・AIGストーリー(The AIG Story)』『コントラクト・イン・ザ・リアルワールド(Contracts in the Real World : Stories of Popular Contracts and Why They Matter)』がある。コロンビア、コーネル、ハーバード、ミシガン、UCLA、バンダービルトなど、多くの主要大学の学報に研究論文を掲載。ボルチモア・サン、フィナンシャル・タイムズ、ニューヨーク・デイリー・ニュース、ニューヨーク・タイムズなどに論説を寄稿。アマゾンではビジネス・投資の部門で上位100人の著者として挙げられている。2018年には、コーポレートガバナンスに関する研究が評価され、全米取締役協会(NACD)から「ケネス・D・ウエスト・ライフタイム・アチーブメント賞(Kenneth D. West Lifetime Achievement Award)」を受賞した。 |
「あらゆる時代を通用する投資に関する最高の1冊だ」――モトリーフール
「カニンガムは私たちの哲学を体系化するという素晴らしい仕事を成し遂げてくれた」――ウォーレン・バフェット
「とても実用的な書だ」――チャーリー・マンガー
「このバフェットに関する本書は素晴らしい」――フォーブス
「凄い――知恵とユーモアとコモンセンスに満ちている」――マネー
「真剣な投資の講義にエンターテインメントの要素を加えたものだ」――インベスターズ・クロニクル
「企業経営の書でもあり個人金融の書でもある」――パブリッシャーズ・ウィークリー
■立ち読みコーナー(本テキストは再校時のものです)
目次
監修者まえがき 第五版によせて ローレンス・A・カニンガム 序文 ローレンス・A・カニンガム プロローグ――株主に関する企業原則 第1章 ガバナンス(企業統治)A.完全で公正な開示B.取締役会と経営者 C.工場閉鎖の苦悩 D.社会契約 E.株主主体で行う企業の慈善事業 F.経営者の報酬の正しい決め方 G.リスク、風評、気候変動 H.企業文化 第2章 投資A.農場と不動産と株B.ミスターマーケット C.裁定取引 D.定説の間違いを暴く E.バリュー投資――長性 F.賢明な投資 G.「しけモク」と「組織由来の旧習」 H.人生と借金と安眠 第3章 選択肢A.投資分野の調査B.ジャンクボンドと短剣の命題 C.ゼロクーポン債券と目出し帽 D.優先株 E.金融派生商品 F.外国為替と株式 G.持ち家政策――実践と方針 H.ビジネスパートナーシップ 第4章 普通株A.インデックスファンドでコストを削減するB.質の高い株主を引き付ける C.株式分割と見えざる足 D.バークシャー株の二つのクラス――クローンを阻む E.自社株買いと合理性 F.配当政策と資本配分 |
第5章 買収A.ひどい動機と高値B.「思慮深い自社株買い」対「グリーンメール」 C.LBO D.健全な買収政策 E.自分の企業を売るにあたって F.最適な買い手 第6章 評価A.イソップと非効率な藪の理論B.内在価値、帳簿価格、市場価格 C.ルックスルー利益 D.経済的なのれんと会計上ののれん E.株主利益とキャッシュフローの詭弁 F.オプション評価 第7章 会計A.風刺B.基準の設定 C.監査委員会 D.調整後利益 E.年金の評価と退職者給付金 F.実現イベント G.投資 第8章 税務A.法人税負担の分配についてB.税制と投資哲学 第9章 バークシャーの歴史A.アメリカの奇跡B.生産性の伸び C.追い風 第10章 最後にA.バフェットとバークシャーの企業文化B.マンガーが語る「バークシャーシステム」 C.メトセラの境地
用語集 |
一方で、バークシャーが達成したたぐいまれな成果に関しては、世にこれほど多くの識者による解説が展開され、さまざまな角度から分析がなされているのにもかかわらず、今もってその実態は正しく解釈され、援用されているわけでもない。おそらくこの背景にある原因は、そもそもバフェットは(狭義の)資産運用者ではないことにある。バフェットに関する一般的な評論のほとんどは、バフェットを投資家の枠内でとらえることで事の本質を見逃しているようだ。
実際にはバフェットは経営者であり、バークシャーは極めて合理的に経営されているコングロマリット企業である。したがって、その振る舞いを把握するための適切な道具は伝統的な資産運用の世界のモノサシではなく、経営学における学際的な知見や理論的枠組み、あるいは分析者による直接的な事業経験なのである。
私自身も『バフェットからの手紙』を初版から読んできたが、書かれている内容が文字どおり身に染みて理解できるようになったのは、小さいながらも自身の手で事業を行うようになってからである。その視点で見れば、バフェットの経営行動はまことに原理原則にかなった至極当たり前のことばかりであって、難しいことは何もやっていないことに気づく。その意味では、原書の副題が“Lessons for Corporate America”となっているのも当然であり、本書が想定する読者は投資家だけではなく、むしろ意欲ある経営者・事業家なのかもしれない。
翻訳にあたっては、井田京子氏はじめ歴代の本書の翻訳者の方々と編集者の阿部達郎氏に感謝の意を申し上げたい。また、改訂された本書が和訳される機会を得たのは、パンローリング社の後藤康徳社長のおかげである。
2020年12月
長岡半太郎
バフェットは優れた企業に投資し、それまでの経営者や企業文化を尊重しながら、バークシャー傘下におさめてきました。 その業種は保険業から鉄道、食品、メディアまでを含み、米国でもっとも成功した巨大コングロマリットといえるでしょう。
幅1メートルほどのチャートを眺めていると、S&P500(水色のライン)やバフェット銘柄との株価比較、 過去の買収劇、時代ごとにバフェットがどのセクターに投資したかなどが、 見て取れます。
株価に比べてなだらかな黄緑色のラインは、CPI(消費者物価指数)。米国では過去50年で平均4%台で推移してきました。
インフレ経済では、株や実物資産の価値が、物価と連動して上がっていく様子がわかります。
逆に、現金のまま保有していては価値が目減りしてしまう恐れがあるのです。
![]() アニュアルレポート |
バークシャー・ハサウェイ 1株あたりの簿価 | S&P 500 (配当含む) | |
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1965〜2019年 年平均利回り |
20.3% | 10.0% |
1964〜2019年 累積利回り |
2,744,062% | 19,784% |
アメリカン・エクスプレス (American Express) | 金融 |
アップル (Apple Inc.) | IT |
バンク・オブ・アメリカ (The Bank of America) | 銀行 |
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン (The Bank of New York Mellon Corporation) | 銀行 |
チャーター・コミュニケーションズ (Charter Communications, Inc) | 通信 |
コカ・コーラ (The Coca-Cola) | 食品 |
デルタ航空 (Delta Airlines) | 航空 |
ゴールドマンサックス (Goldman Sachs Group) | 金融 |
JPモルガン・チェース (JPMorgan Chase & Co.) | 銀行 |
ムーディーズ (Moody's) | 金融 |
サウスウェスト航空 (Southwest Airlines Co.) | 航空 |
ユナイテッド航空(United Continental Holdings Inc.) | 航空 |
USバンコープ (U.S. Bancorp) | 銀行 |
ビザ(Visa Inc.) | 金融 |
ウェルズ・ファーゴ (Wells Fargo) | 銀行 |
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著名投資家バフェットと昼食できる権利をかけたチャリティオークションが 2000年から毎年おこなわれています。 2004年に他界した元妻スージーさんが発案したもので、落札額はすべて貧困支援のためグライド基金に寄付されています。
バフェットの熱心なファンが集うこのオークションの落札額は年々高騰し、ついには eBay のチャリティ史上最高額 345ドル(約3.6億円)にまで達しました。
落札者は7人まで同行でき、世界でもっとも成功した株式投資家と昼食を楽しむことができます。
2003年、文字どおり桁違いで落札したのが、バリュー系ヘッジファンドを率いるデビッド・アインホーン氏。100万ドルで立ち上げたファンドを年25%で運用し、不正企業の空売りから得た収益を慈善団体に寄付しています。また、ポーカー世界大会で入賞するほどの腕前で、ポーカーと株式投資の共通点を述べています。
インド出身のモニッシュ・パブライ氏は、5回もの競売参加でようやく2007年に落札した一人。バフェット信者を自認し、その投資哲学から多大な影響を受けて自身が運用するファンドは7年半で年率リターン28.6%の好成績をあげています。
また、パブライ家族とともに昼食会を落札したガイ・スピア氏の著書『勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語』では、人生哲学までもバフェットから影響を受けて開眼するさまが描かれています。
ちなみに昼食会場によく使われるスミス&ウォレンスキー NY店は、アメリカの典型的なステーキハウス。映画「プラダを着た悪魔」が撮影されたこともあるそうです。
![]() 巻頭特集1 波乱相場で学ぶ賢人の「虎の巻」 |
『証券アナリストジャーナル Vol.53』(日本証券アナリスト協会刊、2015年1月発行)に農林中金バリューインベストメンツ株式会社 奥野様による書評を掲載いただきました。
本書は、1979年から2011年までのChairman's Letterの重要部分を抜粋し、テーマ別に再構成したものである。その意味でバフェット氏本人による言葉で構成された唯一の書物であると言える。 |
『証券アナリストジャーナル Vol.52』(日本証券アナリスト協会刊、2014年10月発行)の新刊紹介に『バフェットからの手紙 第3弾』を掲載いただきました。
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![]() 日経ヴェリタス(2008年8月27日号)の『賢者に学ぶ株式投資』で、バフェットついて記載されています。 ※同企画の第1回目の記事は、ベンジャミン・グレアムと彼の著書『証券分析』についてです。 ←クリックいただくと、記事がご覧いただけます。 |
『お金と富の哲学 世界の名著50』(日本実業出版社、2009年11月刊)に本書が掲載されました。 |
PanReport No.2563(2009.9.11)「バフェットが日本にやってくる」 (PanReportとは) |
![]() バフェットとマンガーによる株主総会実況中継 |
![]() 賢明なる投資家 |
![]() 証券分析 |
![]() 完全なる投資家の頭の中 |
![]() 株式投資で普通でない利益を得る |
![]() グレアム・バフェット流投資のスクリーニングモデル |