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長期投資道

長期投資道
――「勝者」のゲームを闘う法

新著作↓

著者 岡本和久
定価 本体1,800円+税
2009年2月上旬発売
ISBN 9784-7759-9079-7 C2033


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目次 | 読後のご感想 | はじめに | 読者のご意見
  ◆立ち読みコーナー 株式の価値の源泉 ・ ザ・テンプルトン・タッチ ・ 澤上篤人さんとの対談 ・ 竹田和平さんとの対談
揺れ動く影は「株価」、影の実体は「株式価値」、影を作る光は「相場心理」である


揺れ動く影(株価)だけを見て、実体を把握することができるか。

影には必ず本体が存在する。さらに、影の揺らめきには実体を照らす光の存在も、忘れてはならない。株価も同じである。株式の価値と相場心理からなる株価は“影”なのだ。つまり、「株価を見て売買をする」だけでは、良い結果にはつながらないのである。

実体を知らないままに目先の利幅を狙えば、日々の変動に怯え、精神的にも資金的にも余裕を失い市場での道を見失いかねない。資産形成は一時的な作業ではない。長い時間をかけ、投資対象とマーケット、そして自分自身と向き合っていかなければならない。それが「長期投資道」だ。

将来のためにいまから資産を形成する。そして、時がきたらそれを活用し、豊かな人生をおくる。つまり「将来の自分は、いまの自分が支える」時代ということだ。

時間的制限のない個人投資家だからこそ、影をうつす実体の本質をじっくり見極めることができる強みがある。そして、いざ光の位置が変わったときにこそ、20年、30年続く超長期メガトレンドの恩恵をこうむるチャンスがあるのだ。

本書ではさらに、澤上篤人氏、竹田和平氏両名との対談も収録。マーケットで、その名を馳せる達人の投資哲学や投資手法をとおして、来たる将来を自分自身で守ることの意味を感じてほしい。


 目次

はじめに


第1章 勝者のゲームを闘う法

1 勝者のゲームとは
名人芸/株価は影/敗者にならないゲーム/インデックスファンドの利点/インデックス/ファンドの限界とアクティブ運用/勝者となるための闘い

2 本書の構成
技法と実践と投資哲学/投資戦略のアプローチについて


第2章 証券アナリストの技法――株式の価値を求めて

1 
株式の価値の源泉
バリューライン/株式の価値とは何か/株式分析の手順

2 デュポン・フォーミュラ
利益成長のメカニズム/ROEの分解/レバレッジ/長期データの検討/インターナル・グロース・レートの試/連結決算と12カ月移動ベース

3 ROE構成要因の分析
財務比率の種類/売上高利益率の変化要因/回転率、資本構成の変化要因/利益の質

4 売上成長の分析
企業の歴史を知る/売上高と損益分岐点/産業のライフサイクル/売上成長の予測/産業の競争環境/売上と利益の部門別構成/売上高増加の要因

5 キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローとは/シェア・グロース・マトリックス/キャッシュ・フローと設備投資/無形固定資産への投資/セルフ・ファイナンシング/株式時価発行の効果

6 パー・シェア・インべスター
パー・シェア・インべスター/増資調整の方法/潜在株式と希薄化/平均払込み資本株数/一株当たり利益の成長モーメンタム

7 トータル・リターンの推定
株数増加の予測/配当性向の変化/経営者の質/インターナル・グロース・レートの予測/トータル・リターンの推定

8 株式のバリュエーション分析
現在価値・将来価値/配当割引モデル/ゼロ・グロース・モデル/コンスタント・グロース・モデル/株価決定の要因/株価収益率/配当利回りと益利回り/その他の価値評価指標/価値評価指標の比較方法


第3章 「勝者のゲーム」を闘う人々――その投資哲学

1 「勝者のゲーム」 を闘う人々
2 リリア・クレメンテ
グローバル投資/投資決定の手法/国際分散投資/売却ルール

3 バーバラ・モロウ
歴史的背景/文化的背景/EBITDとPER/経営者の質/運用ルール

4 ジョージ・ノーブル
株式市場はレストラン/銘柄の選択/投資哲学

5 スタンレー・パーマー
トップダウン・アプローチ/投資決定/市場パフォーマンスの検討/ドル安サイクル期/ドル高サイクル期/結論

6 ハリー・セガマン
最小のリスクで最大のリターン

7 スティーブ・シルバーマン
リターンを再投資/割安株/事業環境の良い産業/妥当な株価水準/テクニカル分析

8 ケン・フォアマン
運用方針/決定プロセス

9 ルネ・グラン
安全性を重視/日本株の運用哲学/選別の時代

10 イアン・ハンター
投資哲学/投資決定のプロセス

11 スティーブン・ミッチェル
2つの原則/遠近法的感覚

12 ミルンズ・ニモ
長期的成功/2つの方法

13 ザ・テンプルトン・タッチ
35年で61倍/テンプルトンの半生/テンプルトンの投資哲学/ザ・テンプルトン・タッチ/テンプルトン相場金言集


第4章 運用形態の変遷と個人のための資産運用

1 運用形態の変遷
年金運用の世界へ/バランス型から特化型へ/インデックス運用/敗者のゲーム/アノマリー/コア・サテライト戦略/年金運用革命/動態的なプロセス/新しい門出/6つの「フ」

2 資産運用の法則
資産運用5つのポイント/プロとアマ/人生100年時代の資産運用/資産運用のための4つの数値/基本ポートフォリオ/投資対象を選ぶ/継続的に監視する/年金運用革命から学ぶこと/いよいよ到来する個人投資の時代


第5章 勝者との特別対談

1 澤上篤人さんとの対談
出会い/ひとつの志とさまざまな投資哲学/視点の違い/インデックスか、アクティブか/銘柄の選び方/長期投資/アセット・アロケーション/何を勉強すべきか/基本の大切さ/身についた知識が必要

2 竹田和平さんとの対談
瞑想と投資/ありがとう百万遍/おカネを持つ意義/人間としての成長/貯徳問答/市場参加者心理/投資という名の応援/投資の本質/恐れを排除する

あとがき



■著者紹介

岡本和久(おかもと・かずひさ)

米国コロンビア大学留学後、1971年慶應義塾大学経済学部卒。日興證券株式会社にてアナリスト兼ストラテジスト業務を担当したのち1992年退社。その後、現バークレイズ・グローバル・インベスターズ株式会社を設立し、代表取締役社長として年金運用に従事。2005年5月にI-Oウェルス・アドバイザーズ(株)を設立。現在、セミナーや資産運用教室などを開催する傍ら、クラブ・インベストライフを主催。おカネ、投資、運用に伴うストレスを癒す『ファイナンシャル・ヒーラー』をみずから任じている。日本証券投資顧問業協会理事、同協会副会長兼自主規制委員会委員長、投資信託協会理事、日本CFA(Chartered Financial Analyst)協会会長(2006年より名誉会長、現在に至る)などを歴任。

はじめに

・金融業界でのスタート
 私は1971年に大手証券会社に入社し、75年から89年までの15年間、米国と日本で証券アナリスト兼ストラテジストとして従事した。
 84年までは、ニューヨークで数多くの素晴らしいポートフォリオ・マネジャーの胸を借りて、さまざまな証券分析技法を学んだ。そしてその期間中に、CFA(チャータード・ファイナンシャル・アナリスト)という証券アナリスト資格も取得した。

 84年に帰国した後は、投資戦略を策定する部署に配属された。そのときは、米国で学んだ証券分析の技法を日本の市場に用いることで、一歩進んだ投資戦略を打ち出すことができたのではないかと思っている。私がニューヨークから帰国した当時、日本の株式分析は海外と比べると石器時代のような状態だった。
 例えば、ある朝の会議で「A社株の動向が面白そうだ」という話で、みんなが盛り上がっていた。理由を聞いてみると、「ライバルのB社に株価が抜かれた」という。「きっと、A社は『黙っていない』だろう」などと話しているのだ。「正直、これは大変なところに来てしまったぞ」と思ったものだった。

 それから私は、CFAの資格取得に際して学んだ知識や、現役で活躍する海外のポートフォリオ・マネジャーたちからの教えを仲間に伝えるところから始めた。レポートの体裁も一新して、外国証券会社のレポートにも負けないものを目指した。レポートはもちろん、日本語と英語の両方で作成し、国内外の機関投資家の評価に耐えうるものとしたのである。
 ROE(株主資本利益率:株主による資金が、企業収益にどれだけつながったのかを見る指標。1株当たりの利益÷1株当たりの株主資本で算出)という概念すらほとんど浸透していなかった時代である。私や、当時の同僚たちの努力は、日本の株式相場の質の向上に幾分かは貢献したのではないかと自負している。
 80年代の終わりになると、バブルの喧騒がかまびすしくなるなか、少しずつ本格的な証券分析も浸透し始めた。しかし証券価値の分析が進むほどに、日本のマーケットがどう理由づけしても「高すぎる」ということを否定できなくなる(個人的に、バブル崩壊の側面は、そういった側面もあるのではないかと思っている)。


・本書刊行のきっかけ
 バブルが天井をつける寸前の1989年、私は為替・金利を扱う部署に異動となった。そこで、それまでの部門を去るに際して、私が学んできた証券分析の技法、そして海外の第一線で活躍するポートフォリオ・マネジャーやアナリストの生きざまや投資哲学を後輩たちに伝えたいと思い、89年12月に小冊子『勝者のゲームを闘う法』を自費出版したのである。それが出版社の方の目に止まり、本書の原著である『勝者のゲームを闘う法――株式分析の実戦技法』(東洋経済新報社)が、90年11月に上梓されたのである。
 この原著は私の処女作でもあり、日本の証券分析の水準を世界に比肩しうるものにしたいとの願いを込め、共にがんばってくれた後進たちのために書いたものだ。その意味では、これまでの著書のなかでもとても思い入れのある本である。

 この度、パンローリング株式会社のご厚意により、この本が再度、形を変えて復刊されることとなった。私としては正直うれしい。もちろん、現在の証券分析のレベルは当時とは比較すべくもなく高度である。パソコンの普及による情報処理量も膨大になった。かつて、ポケット計算機に簡単なプログラムを組み、決算短信の数字を手で入力して財務比率を求めていた時代とは大きく異なる。さらに日本にいるCFA資格取得者も、1100名を超えている。私は現在、日本CFA協会に登録されているなかでは6番目に古い資格保有者になった(ちなみに、全世界には90万人以上のCFA保有者がいる)。


・本書を読まれるにあたって
 本書の第1章から第3章までは、原著に若干の加筆・修正を行ったものである。第4章は本書のために新たに書き下ろした。そして、第5章の澤上篤人氏、竹田和平氏との対談は、当社の出版する「インベストライフ誌」に掲載したものを基としている。
 なお、第3章に挙げたハリー・セガマン氏は2001年に、ジョン・テンプルトン卿は2008年に逝去された。さらに本書で取り上げた方々にも、大きな変化があったことだろう。そして、金融バブルの吹き荒れたあと、いま、世界のマーケットは廃墟のような状態にある。  日本のバブルが、正常な証券分析により説明できなくなって崩壊したように、世界の金融市場も現在、同じような状態にある。痛手は大きいがこれも「正常化」への貴重なプロセスだろう。

 本書で紹介した手法はすでに多くのアナリストにとって常識であり、時代遅れと思う方も多いかもしれない。しかし、CFA資格の創設者であるベンジャミン・グレアム等が著した『証券分析』(パンローリング)が、世界中で愛読され、いまでもアナリストの教科書とされているように、この本に紹介した手法も実に普遍的なものである。世界金融バブルの宴が終焉し、「バック・トゥ・ベーシックス」が叫ばれるいま、証券分析の原点に焦点を当てるのも意味があるのではないだろうか。
 本書は、個人投資家が読むうえでは少し難しいところもあるかもしれない。しかし、これから投資家が投資をしていくうえで、大切なこともたくさん述べられていると思う。
 特に企業がいかに株主価値を高めていくかというメカニズムについては十分に理解していただきたい。一企業のみでは何が起こるか分からない。しかし、世界中に存在する総体としての株式会社は年々歳々、株主の価値を生み出している。短期的には苦しいときもあるが、長期で見ればやはり世界の経済は拡大し、企業は日々、営々として株主のために付加価値を創造しているのである。
 そして、その見通しに基づいて株価は上下に大きく変動する。本書の最初にも述べられているように、株価は影である。影を捕まえようとしても徒労に終わる。長期投資家はただ、総体としての株式会社が長期にわたって作りだす株主の価値に注目していればよい。「株価に惑わされない」。この点こそ、本書で紹介している運用の達人たちに共通する点ではないかと改めて思う。
 バブルの嵐が吹き荒れた80年代後半に実務に携わったポートフォリオ・マネジャーやアナリストがどのような考え方をしていたのか、彼らの生きざま、プロとしての倫理感や技量、そして何より、アナリストであることの誇りと仕事への愛着も感じていただければうれしく思う。

 煎じつめれば、世界金融バブルの発生と崩壊は、それらの業務にかかわる人々が表面的、短期的な技巧に走りすぎ、プロとしての真の誇り、倫理感、そして行動規範などを見失ってしまったところにもある。その点で本書に取り上げた「勝者たち」から学ぶことは多いのではないだろうか。彼らのコメントを見るにつけ、投資もひとつの「道」であることを痛感する。彼らは皆、道を極めたのだ。
 なお先にも記したが、本書の原著は1990年に書かれたものであり、当時の経済、産業、企業および証券市場を前提としている。そのため、現在の状況と差異が生じている点は、ご了承いただくとともに、ご理解を賜りたい。また言うまでもなく、本書に寄稿していただいた各氏の見解も当時のものであることをお断りしておく。  本書の原点である小冊子を作成したときと同じ思いをこめて、新たな読者の方々へ本書を贈りたい。そして、本書が少しでも読者の経済的な自立に役立ち、単なる“お金持ち”だけではない“しあわせ持ち”になっていただけることを願ってやまない。

2009年1月                                  岡本 和久


読後のご感想

まさに名著、もう他の本はあまり必要ないくらい。でも確かにこの本を徹底的に読みつくすなら、そして自分の我慢がともについてゆくなら疑うものは何もない。そして実行するだけで良い。(H.B様 58歳)


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