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『エピソードで綴る 日本黄金史
(古代〜安土・桃山時代)
』

著者 岡本匡房
定価 900円+税
新書判 256頁
2015年3月発売予定
ISBN 978-4-7759-9136-7
江戸時代

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目次 | はじめに | あとがき

卑弥呼、聖徳太子、義満、信長、秀吉……
英雄・偉人は金をどう使いこなしたか!

大仏、金色堂、金閣寺、安土城、大坂城……
金の仏閣、城塞はどう造られたか!

その詳細をエピソードで綴った。

「黄金の国ジパング」……。だが、古代日本は金の乏しい国だった。それが、どうして「黄金の国」に変貌したのだろうか。

金を輸入した古代、金に彩られた奈良・平安時代、金が消えた鎌倉時代、金が復活した室町時代、そして、野山から金が沸き出た安土・桃山時代。

各種の小話を交えつつ、その変化の足取りをたどってみた。


著者紹介

岡本 匡房(おかもと・まさふさ)
1941年東京生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒。同年日本経済新聞社入社。編集局整理部、商品部部長、編集局商品部次長、産業第三部次長、川崎支局長、地方部次長、同編集委員、日経産業消費研究所商品研究長などを経て、現在(株)市場経済研究所主幹。
主な著者:『ゴールドハンドブック』(共著、日本経済新聞社刊)、『金ちょっとおもしろい話』(日経総合販売刊)、『商品先物市場と日本経済』(ゼネックス刊)、『商品ファンドと先物市場』(共著、経済法令研究会刊)、『金市場とともに30年 第一商品の戦略』(市場経済研究所刊)、『東穀・東穀協会風雲録』(市場経済研究所刊)など。
日経産業消費研究所時代に「日経ゴールドレポート」「日経商品情報」の発行人。


目次

はじめに

�� 神話と古代史

  (一) 日本誕生
  (二) 金印
  (三) メッキと象嵌
  (四) 遠い黄金の国ジパング

�� 飛鳥 ・ 奈良時代

  (一) 仏教伝来
  (二) 金の工芸品
  (三) 金貨と銅貨

�� 平安時代

  (一) 奥州の金
  (二) 金色堂
  (三) 藤原氏
  (四) 遣唐使
  (五) 工芸品
  (六) 平家
  (七) 庶民と女性

�� 鎌倉時代

  (一) 武士と金
  (二) 新興宗教
  (三) 商業と貿易
  (四) 庶民の願い
  (五) 黄金伝説

�� 室町・戦国時代

  (一) バサラと金閣寺
  (二) 金を求めて
  (三) ゴールドラッシュ
  (四) 今川氏と北条氏
  (五) 信玄と謙信


�� 安土 ・ 桃山時代

  (一) 織田信長
  (二) 武将、あれこれ
  (三) 豊臣秀吉
  (四) 黄金づくしの生活
  (五) 大判・小判

あとがき


はじめに

 黄金の国ジパング。「その歴史は金とともにある」といっても過言ではありません。金印紫綬、奈良の大仏、金色堂、平家納経、金閣寺、金の茶室、大判小判、金箔、金貨、金本位制……。古来、金に関する話題は枚挙のいとまがないほどです。聖徳太子、藤原道長、平清盛、足利義満、信長・秀吉・家康……。偉人、英雄はこぞって金に目を向けました。金を好み、愛でただけではなく、上手に使い、人心を収攬、天下を制し、歴史に名を残しました。「金を上手に使うのが偉人、英雄の条件」といってもよいのかもしれません。

 国家財政に、交換手段に、貿易に、各種工芸品に、金はあらゆる方向に使われ、歴史の節目々々で重要な役割を演じてきました。金は「歴史の証人」であり、「ロマンの語り部」でもあったのです。

 そんな「黄金の日本史」をエピソードで綴ってみました。したがって、堅苦しい物語でもなければ、編年体の金の歴史書でもありません。「歴史的な金価格の変遷」とか「金売買のポイント」などといった理論的な話にも無縁です。ましてや、これを読んだからと いって「金で儲かる」ことなどできそうにありません。

 だが、古来、日本人は金にどのように関わってきたのか、金にどのような思いを持っていたかを、かいま見ることができます。これを読めば、金について、話題が豊富になり、金について蘊蓄を預けることもできます。金を一層好きになることだけは請合うことができます。それが「金を買おう」「金を持とう」という行為を結びついてくれれば、金を愛する筆者にとって、これに優る喜びはありません。この本は書斎にこもり、姿勢をただし、机に向かって読むものではありません。安楽椅子に座るか、寝っ転がって気楽に読んでこそ、その面白さが分かろうというものです。そうしていただければ幸いです。

 さあ、想像の翼を広げ、古き日本の金に輝く世界に分け入ってみましょう。


あとがき

 日本人は「金(きん)」については偏見をもっているようです。金を儲ける人はお奉行様と結託した悪徳商人であり、貧乏人、百姓はいつも善人と相場が決まっていました。その悪徳商人がお奉行様のふところにそっと入れるのが、いつも小判でした。「○○、そちも悪やのう」というコマーシャルまでつくられています。水戸黄門がいつももてはやされる理由がそこにはあるのではないでしょうか。これではなかなか「金が大好き」とは人前では言いにくい雰囲気です。

 だが、歴史を紐解いてみると、まったく別の顔が見えてきます。奈良の大仏や金閣寺を見るまでもなく、日本人は神話の時代から金をこよなく愛してきました。その集大成が秀吉の安土桃山時代でした。そこでは、何のてらいもなく、金の輝きをみずからのものとして、愛でていたおおらかな姿が浮かび上がってきます。それが、戦乱に荒れた世を明るくし、人々の胸に明るい未来を感じさせたのではないでしょうか。

 ところが、江戸時代に入って芭蕉の「わび」、「さび」の風が広がるとともに、急速にしぼんできたのです。「人は食わねど高楊枝」とか「宵越しの金は持たない」といった、やせ我慢風潮が広がり、金は欲しいがそれを言えない倒錯した心理が蔓延したのです。こうみると、金をなんとなく敬遠したのは、江戸時代のほんの二五〇年ぐらいだったことが分かります。

 しかし、最近、日本人も他の世界と同様、金に目を向けだしてきたようです。まだ、その動きは中国、インドに比べると小さいのですが、これは日本が両国に比べ、政治、物価が安定、必要性を感じている人が少ないからかもしれません。

 だが「金が好き」と、堂々と言える日はもうそこまで来ているのかもしれない。国際的に見ても、世界がデフレよりインフレに向かっている現在、金のもつ存在感は増すばかりでしょう。インド、フランスでは金貨を持ち、いざという時それを売り払って生活を支えるといいます。日本でもGDP(国内総生産)の二倍の国債をかかえ、いつハイパーインフレが来てもおかしくない状況です。 そのような時が来ない方がよいに決まっていますが、「いざ」に備えることは必要です。

 この本を読んでも「いざ」の参考にはならないにしても、金が好きになれば、いずれは心理も変わっていて「財産の一部は金にとなる人も出てくることでしょう。

 そんな人々の参考になればとこの本を書いて見ませした。金に淫することはともかく、その輝きを自己の生活に取り入れた時、人生はもっともっと豊かになるのではないでしょうか。

 その日が来ることを心待ちにしています。

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