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『株価指数先物必勝システム』
2008年4月10日発売予定
ISBN 978-4-7759-7104-8 C2033
定価6,090円(本体5,800円+税5%)
A5判 上製本 262頁
著 者 アート・コリンズ
監修者 長尾慎太郎
訳 者 関本博英
考え方・作り方 徹底的にあらゆることを検証
実行法 退屈なほど淡々に
ストレスの多い裁量トレーダーにさようなら
変化の激しい今日の金融先物市場において、トレーダーは不確実で矛盾に満ち、しかもほとんどランダムともいえるマーケットのノイズに直面している。そして、そうしたノイズのなかから有望なバイアスを選別し、それをトレーディングシステムに取り込もうとしているトレーダーの90%以上がその試みに失敗し、大きな損失を余儀なくされている。一方、こうした複雑なマーケットでその試みに成功した数少ないトレーダーはとてつもない報酬を手にしている。そうした有効なトレーディングシステムを開発し、金融先物市場で飯を食っていけるわずか5〜10%の成功するトレーダーとなるには何をすればよいのだろうか。
本書にはマーケットのそうしたノイズとチャンスを見極めながら、有望なバイアスだけをトレーディングシステムに取り込んで利益につなげるため、ヒストリカルなデータで検証されたいろいろなトレーディングアイデアが提示されている。ベテラントレーダー兼システム開発者、講演者兼著述家として多方面で活躍しているアート・コリンズは、本書のなかで次のようなテーマについて論じている。
原書タイトル:
Beating the Financial Futures Market : Combining Small Biases into Powerful Money Making Strategies
by Art Collins and Robert Pardo
「システムトレーダーだけでなく、あらゆるトレーダーにとっても本書は必読書だ。 メカニカルなトレードのメリットと注意点、その正しい実行法など、メカニカルトレードに関する役立つ情報が満載されている」――ローレンス・マクミラン(『マクミラン・オン・オプションズ』などの著者兼マクミラン・アナリシス社社長)「本書は金融先物トレードで利益を上げるためのテクニカルなツールブックである」 ――ウィリアム・ダン(ダン・キャピタル・マネジメント社創設者兼会長)
「ベテランのプロトレーダーであり、リサーチャーであり、システム開発者であるコリンズはこの本のなかで、自らのトレーディングロジックを開発し完成させた方法とその成果を余すところなく公開している。彼はそうした豊富な経験と大きな成功を手にした今でも、まだマーケットの真実を追究する努力を怠らない」――ウェイン・グリフィス(著名な商品先物トレーディングシステムである「アンティシペーション」の開発者で、『マーケットの魔術師【システムトレーダー編】』にも取り上げられた)
「豊富なリサーチで裏付けられた本書はとても面白い。コリンズはこのなかで、マーケットのいろいろなバイアスを堅牢で信頼できるトレーディングシステムに取り込み、それをロジカルな形で提示している。多くのトレーダーに読んでほしいと思う」――リンダ・ブラッドフォード・ラシュキ(『魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門』[パンローリング]著者兼LBRグループ代表)
「コリンズは本書のなかで、科学的なトレードというものを追究している。従来のマーケットの魔術師のトレード手法を少し離れて、彼のトレーディングアプローチに目を向けるのも悪くはないだろう」――マイケル・コベル(『トレンドフォロー入門』[パンローリング]の著者)
第1章 裁量トレードの問題点
第2章 賭博というゲームを理解する
第3章 なぜ裁量トレードはうまくいかないのか
第4章 小さなバイアスに目を向けよう
第5章 n日間移動平均に基づくトレード
第6章 適正な最適化に向けた4つの原則
第7章 2日移動平均と5日移動平均に基づく逆張りトレード
第8章 過去50日間の最安値(最高値)日のあとの逆張りトレード
第9章 3つのルールの統合
第10章 過去n日間の平均レンジに基づくトレード
第11章 過去15日間の高値・安値の平均値に基づくトレード
第12章 5つのルールの統合
第13章 5つのルールのいろいろな組み合わせ
第14章 前日と過去2日間の陰陽線に基づく逆張りトレード
第15章 カップとキャップ
第16章 3日間のレンジの20%という支持線・抵抗線に基づくトレード
第17章 8つのルールの統合
第18章 ストップ注文による仕掛け
第19章 指値注文による仕掛け
第20章 損切り注文について
第21章 利益目標――2回目の新高値や新安値で手仕舞う
第22章 2回の高値や安値で手仕舞う
第23章 最適化、マーケットの変動、処女データについて
第24章 いろいろな変数の最適化
第25章 特定セクターのトレード
第26章 株価指数のTDWバイアス
第27章 株価指数のTDMバイアス
第28章 株価指数の月バイアス
第29章 株価指数のバイアス――TDWとTDMと8つのルールの統合
第30章 S&P500とダウ平均の関係を利用したトレード
第31章 30分・60分・135分足トレード
第32章 20日間のレンジに基づく大豆のトレード
第33章 株価指数のブレイクアウト手法
第34章 12:30に仕掛ける5分足トレード
第35章 株価指数の5分足トレード
第36章 行きすぎの反動――5日順行後の逆張りトレード
第37章 3日目の逆張りトレード
第38章 過去n日のブレイクアウト手法
第39章 よく知られたトレード指標1――RSI
第40章 よく知られたトレード指標2――リバーサルデイ
第41章 いろいろなトレード手法
第42章 6番目のルールとそれらの統合
第43章 5本の日足によるトレードルールの統合
第44章 6つのルールと5本の日足による統合
第45章 何がメカニカルなトレードなのだろうか
第46章 メカニカルなトレードを100%実行しなさい
第47章 最後に
付録 トレードステーションの参考コード
さて、一般的にシステムとは「もともとはバラバラであった多くの要素が、効果的に統合され互いに関連を持ちながら、全体として共通の目的を達成するための集合」と定義される。一方、メカニカルトレードとは「個々のトレードの意思決定や執行にトレーダーの裁量を入れず、事前に定められたルールやアルゴリズムに従って機械的に行われる一連のトレード」を指す。そして「システムトレード」とは、一般にこれら二者の概念を組み合わせたものを指すとみてよいだろう。
だが、一般投資家の方にとっては、後者である「裁量を入れないメカニカルなトレード」という部分に魅力を感じることが多いのか、本来トレードシステムの一部品である「トレードルール」に関心が集中しているようだ。しかし、トレードシステムにおいて、それを旧来のトレード手法と分けているのは、まさにシステム的な構成要件に存在するのである。つまり、ここにおいても、要素の吟味、階層構造の構築、確率モデルの選定、シミュレーションの実施、最適化手法の選択、クリティカルパスの見極めといった一般的にシステム工学で必要とされる概念・行為が不可欠であり。それによって、複雑でランダム見えるマーケットの変化のなかで、多くの説明変数を効率的に使って収益の獲得を図っているのである。
もちろん、トレードシステムの構築に必要な、システム工学的な知識や技術といったものについては、すでに日本人や外国人が書いたものを問わず良書が多く出ているし、インターネットからも有益な情報を入手することができる。その意味では、システムトレードを試みようとする投資家に必要なのは、こうしたシステム工学的な観点を背景に持った「トレードルールやアルゴリズム」の解説書だということになろう。本書にはほかでは得られない新規なアイデアを含め、実践家の著者ならではの、無駄のないしっかりとした「トレードルールやアルゴリズム」が数多く記載されている。読者におかれては一つ一つの章をよく吟味し各々のトレードに役立てていただきたい。
最後に、本書の出版に当たっては、訳者の関本博英氏、編集者の阿部達郎氏、パンローリング社の社長である後藤康徳氏に感謝の意を表したい。本書は金融先物を中心に据えたトレードシステムの解説がなされているが、それに限らずさまざまなマーケットにおいて、ここに記されているアイデアが役に立つはずである。本書が読者の成功の一助になることができれば、また望外の幸せと言えよう。
2008年3月長尾慎太郎
2.過去25日間の最高値を買い、最安値を売るという25日ブレイクアウト手法を実行 していたが、FRB(連邦準備制度理事会)が金利政策を発表するというこの2日間はポ ジションを手仕舞い、トレードを中止していた。FRBの決定が自分のトレーディングシ ステムにどのような影響を及ぼすのかは分からないが、こうした不確実な状況のとき はトレードしないのが賢明だと判断した――メカニカルなトレードシステムを持って いるが、今はメカニカルトレードをしていない。
3.上記と同じ状況の下で、今度はFRBが金利政策を発表するときはトレードしないこ とをトレーディングルールとして取り入れた。FRBによる金利政策発表日は事前に分か っているからである。このルールによって運用成績は13%低下したが、パフォーマン スの足を引っ張っていた2つの異常値を除去できたし、引き続き満足すべきパフォー マンスを維持している――FRBの金利政策発表日にはトレードしないというフィルター はひとつのトレーディングルールであり、メカニカルなトレードが崩れる条件とはな らない。2と3の違いは、FRBの金利政策発表日にはトレードしないことをルール化す るかどうかである。2ではその判断が完全に裁量的であるのに対し、3ではひとつの トレーディングルールとなっている。
4.メカニカルトレードの支持線・抵抗線のルールに従って、大豆の買いポジション を7.23 1/2ドルで手仕舞って利益を確定した。その直後に仲間のトレーダーが、「利 益目標に届かないその価格で利益を確定したのは賢明じゃなかったね」と言った。確 かに彼の言うとおりで、もう少し頑張っていれば利益目標は達成できたのにと思えて くる――これはまったくメカニカルなトレードではない。そんなことをしていれば、 それはトレーディングルールに新しいフィルターを加えたのと同じである。それはヒ ストリカルなデータで検証済みの信頼できるフィルターなのか。メカニカルなトレー ドではトレードのたびごとにその場かぎりのルールを加えてはならず、長期のデータ に照らしてその有効性を確認したうえで採用の有無を決定すべきである。
5.母がそわそわして電話をかけてきた。彼女は私が多額の株式を買ったことを知っ ており、テレビでテロ事件について報道していたからである――母の心配に耳を傾け るようではメカニカルなトレードとはけっして言えない。マーケットが開いていると きはそうした電話に出てはならない。
メカニカルなトレードと裁量トレードのどちらがよいのかは一概には言えない。し かし、シビアなメカニカルトレードを中途半端な気持ちで実行できないことだけはは っきりしている。あなたがそうした人間のひとりであるならば、メカニカルなトレー ドはしないことである。
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