リラックスライフの祖に学ぶ
「朝三暮四」「上善水のごとし」「いまだ木鶏たりえず」などという言葉をご存知の方は多いと思います。これらは中国古代の哲学者、老子と荘子の言葉です。老荘思想というと、中国の思想家の難しい教え……。そのようなイメージがあるように思います。たしかにとても深淵な教えなので、その真意を学術的に理解するのは大変かもしれません。しかし、専門家でないなら、難しく考える必要はありません。
彼らの基本的な教えとは、集団や社会、そして自我からも解放されて、ありのままを受け入れることを説いた究極のリラックスライフの送り方なのです。この本は中国哲学の専門家でもない私が、自分なりに老荘思想を解釈し、それによって人生において、投資において支えられてきた経験に基づくものです。
では、なぜ老荘思想が今日、大切なのか。それは、老荘の生きた時代もまた、現代と同じく激動の時代であり、ストレス社会だったからです。そして彼らはその中で、何事にもとらわれない自由の大切さを説いていたのです。現在われわれは、日々のストレスに加え、先の見えない将来に対する大きな不安にさらされています。その中でもおカネの問題は多くの方の頭痛の種です。したがって、人々が不安な時代を迎えているときにこそ広く愛され救いとなってきた老荘思想は、多くの癒しと気づきを我々に与えてくれるでしょう。そして、彼等の思想は投資を考える上でも驚くほど有益なのです。
本書は、老荘思想を投資に応用することで、マーケットに戦いを挑んで疲れた多くの投資家に投資の本質についての気付きを与え、また「将来の自分は、いまの自分が支えるんだ」と前向きな決意をした投資入門者には、投資における心構えとシンプルな投資法をお伝えすることを目的としています。
老荘思想も投資も、難しいというイメージがありますが、なるべく平易な表現で気軽にお読みいただけるようにしました。ぜひ本書をとおして、老荘思想そして投資に対する理解を深めていただければと思います。
目次
はじめに
第1部 老荘思想とリラックス投資
1 日本をとりまく現状
2 老荘とは
3 投資とは
4 リラックス投資とは
5 本書の構成
第2部 老荘の教えと投資の成功法
1 気宇壮大な視座を持つ
2 世の中、変化してやまない
3 世の中、常に均衡している
〜まとめ+α〜 はるか長期の大きな視点で投資を行う
4 本質を見よ
5 区別したり、決めつけたりせず柔軟であれ
6 タオは隅々にまで行きわたっている
7 無駄のない、控え目な慎重な行動を、慈しみの心を持って行う
8 大部分の人が注目していないところにチャンスあり
〜まとめ+α〜 スタンスのまとめ
9 小ざかしい知識を働かさない
10 競争しない、争わない、他人を気にしない
11 「足る」ことを知らないと失敗を招く
12 無理のない自然体で生きる
13 いつも心に静寂さを保つ
〜まとめ+α〜 心構えのまとめ
14 お金持ちより、しあわせ持ちを目指す
15 実践しなければ意味がない
〜まとめ+α〜 第2部のまとめ
第3部 リラックス投資実践法
複利の効果
人生の3ステージ
投資信託とは何か
投資信託のコストに注意
お弁当箱をイメージしよう
あなたのいまのお弁当箱の中身は?
理想のお弁当は?
資産形成の設計図
投信を選ぶ
買い付ける
買い方の例
モニターする
「タオのプーさん」の教え
おわりに
著者紹介
岡本和久(おかもと・かずひさ)
米国コロンビア大学留学後、1971年慶應義塾大学経済学部卒。大手証券会社にてアナリスト・ストラテジスト業務を担当したのち1992年退社。その後、現バークレイズ・グローバル・インベスターズ株式会社を設立、代表取締役社長として年金運用に従事。2005年5月にI-Oウェルス・アドバイザーズ(株)を設立。現在、セミナーや資産運用教室などを開催する傍ら、クラブ・インベストライフを主催。おカネ、投資、運用に伴うストレスを癒す『ファイナンシャル・ヒーラー』をみずから任じている。日本証券投資顧問業協会理事、同協会副会長兼自主規制委員会委員長、投資信託協会理事、日本CFA(CharteredFinancial Analyst)協会会長(2006年より名誉会長、現在に至る)などを歴任。

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