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小畑崇弘
小畑崇弘の「海外ETFブログ」



東京大学文学部卒業。
金融商品企画やアルゴリズム運用手法の構築などを経て、
現在は世界のETF動向調査やその他様々な金融関連の情報配信・セミナー等を行う。
著書に『海外ETF投資入門 ヘッジファンドを自分でつくる』、DVDに『DVD 海外ETF投資入門 様々な相場局面に対応するために』がある。

著者管理サイトグローバルETFインサイト

ETFブログ −世界鏡−

待ち望まれる国内債券ETF

05月24日

前回のコラムで触れた野村ETFのジンクスがまた発揮されたのかどうか、先週は大荒れのマーケット環境でした。私も昨年以来、せっせと豪ドル買いポジションを増やしていたのでちょっと焦りました。といってもレバレッジ100倍のような投機はしてないので散在せずに済みましたが、円高がさらに進むようなら豪ドル買いポジションをポンド売りで穴埋めする準備はしておきました。スワップポイントは得られるようにしておきたいので。

それにしても先週一週間の国内上場ETFの騰落率をみると、全銘柄がマイナスリターンとなっていました。野村原油ETFも17日の上場後のリターンはマイナスに沈んでいます。

国内上場銘柄数が100近くあるのに全滅という悲しい結果になったのはETFの種類がまだ不足しているからでしょう。連動対象として既に国内外の株式やコモディティに加えて外国国債もありますが、昨今のように株式市場と為替市場が同期して荒れる状況では海外国債ETFも値動きの荒さは株式とそれほど変わらないように見えます(少なくとも数日〜1,2年程度では)。
国内ETFのラインナップの充実を図る上では、安定した値動きを期待できる国内債券を投資対象とした銘柄の上場が望まれます。米国では、国内債券を投資対象とした銘柄が多数上場しており、先週の市場環境の中でもプラスのリターンを記録しており、相場が荒れた場合の投資資金の退避先としても国内債券ETFは有用に思います。
通常の投資信託であれば国内債券を投資対象とした銘柄は多数あります。ただ、管理報酬の平均値をみると0.5%程度であり、日本の10年債利回りが1.3%を割り込んでいる状況を考えると投資する利点は薄いように思います。米国ETFに目を向けると、国内債券を投資対象とする銘柄の管理報酬は0.1〜0.2%台が多いようです。もし日本のETFでも同水準の管理報酬に抑えることが出来るのであれば、長期国債ETFなら1%を越えるリターンが期待できるようになり投資環境は大分改善されそうです。

運営上の問題はたくさんあるでしょうが、身を切って国内債券ETFを組成する資産運用会社が登場することに期待したいところです。まだ債券投信を運営していない会社に期待する方が良いんでしょうかね。
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野村の原油ETFとネクストファンドのジンクス

05月17日

野村AMの「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 」(東証:1699)が東京証券取引所に上場しました。
当ETFのベンチマークはNOMURA原油ロングインデックスです。このインデックスは「原油価格の値動きに連動することを目的とし、世界の原油先物取引の中から、取引量が多く流動性が十分あるものを構成銘柄として採用」となっていますが、現在の指数構成銘柄はWTI原油先物のみです。ですので、現時点では当ETFはWTI原油先物価格への連動を目指したものと言えます。

原油価格への連動を目指す国内取引所上場のETFは3銘柄あります。今回の野村AMのETFと「ETFS 原油上場投資信託」(東証、1690)、シンプレクスAMの「WTI原油価格連動型上場投信」(大証、1671)です。
それぞれのベンチマークは違いますが、結果的に3本ともWTI原油先物価格への連動を目指す形になっています。3銘柄の管理報酬(年率)を比較してみると、野村AMが0.525%、シンプレクスAMが0.8925%、ETFSが0.49%です。管理報酬でみると野村AMとETFSの銘柄に分があると言えます。
一方、売買代金をみるとシンプレクスAMの銘柄の先週の一日当たり平均売買代金が1億円を超えているのに対し、ETFSの方は100万円に達していません。野村AMの売買代金はどうなるかまだ分かりませんが、野村証券が指定参加者になっていることを勘案すれば少なくとも一定の流動性は期待できそうです。
その他、ETFSの銘柄は「外国投資法人の発行する投資法人債券に類する証券」に該当するため課税上の取り扱いが他の株式投信と異なることや、シンプレクスAMの銘柄の純資産額が30億円程度なのは気になる点です。
こうしてみると今回上場する野村AMの原油ETFは国内3銘柄で比較すれば悪くないと言えそうです。

ただ野村AMのネクストファンドシリーズで気がかりなのは、新しい銘柄の上場後のパフォーマンスがあまり良くないことです。2008年7月以降に上場した銘柄の上場後一週間および一ヶ月のベンチマークのリターンをまとめると下のようになります。

ETFの種類 上場日 一週間 一ヶ月
ブラジル株 2008年7月18日 -1.68% -8.34%
南ア株 2008年7月29日 -2.12% 0.98%
ロシア株 2008年7月29日 -1.39% -12.83%
ルーブル 2008年9月12日 0.56% -9.76%
ルピー 2008年9月12日 -0.48% -12.80%
レアル 2008年9月12日 -2.60% -28.23%
リート 2008年9月18日 2.25% -33.17%
インド株 2009年11月26日 -0.86% 3.73%
プラチナ 2010年2月15日 4.02% 6.96%

基本的には直近二年の市場全体の不調が大きいようにも思えますが、投資のプロである野村AMもファンド運営開始時期の選定は得意ではないのかもしれません。今回の原油ETFもしばらくは様子見するのもいいかもしれません。


【参考】野村證券「NOMURA 原油インデックス」

http://qr.nomura.co.jp/jp/oil/index.html
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高配当ETF

05月13日

14日にETF2銘柄が新たに上場します。今回はそのうちの日興AMが運営する「上場インデックスファンド日本高配当(東証フォーカス100)」(東証:1698)を採り上げます。

「上場インデックスファンド日本高配当」は、四半期ごとに安定的な配当獲得を目指して日本株式および国内リートに投資するETFです。ベンチマークは「東証配当フォーカス100指数」で、東証一部に上場する株式から成るTOPIX1000指数、および東証リート指数の構成銘柄の中から時価総額および予想配当利回りを基に選定した100銘柄(株式90銘柄、リート10銘柄)で構成されます。
日興AMの資料によると、構成銘柄内で大きな比重を占める銘柄は3月末現在、キャノンが11.2%、キリンホールディングスが9.2%、旭硝子が7.2%、三菱UFJフィナンシャルが4.7%となっています。上位10銘柄が指数に占める割合は約47%に達します。
肝心の配当利回りを見てみると東証一部上場企業の加重平均利回りが2.07%(3月末現在)であるのに対し、指数構成銘柄の予想配当利回りは2.92%(3月8日現在)となっており、その差は0.9%近くあります。ただ管理報酬等に年0.4%ほど掛かる見込みのため、最終的には全体平均を上回る割合は0.5%程度となりそうです。0.5%という数字だけみると何とも冴えない感じがしますが、大口定期預金10年ものの金利と同じくらいだと思えばなかなか悪くもないでしょう。

このETFがどういった投資家向けのものかという点に関して、日興AMのサイト上に掲載されている「分配型ETFは悪いファンド?」というコラムを見てみましょう。なかなか突っ込み甲斐のあるコラムです。冒頭を簡単に要約します「分配金を支払うと再投資が出来ず、課税の問題もあって運用効率が悪化すると言われる。長期投資であれば確かにそうだが、ある程度の期間で投資成果を回収したい投資家もいる。そういった投資家向けに組成したのが高配当ETFだ。」なるほど、そういう方向けですか。
でも次の段落でのコメントがなんとも腑に落ちません。当ETFは「買って中長期的に保有していただくことをイメージしています。ETFの投資期間中も四半期毎に分配金を受け取ることができるので、投資果実の回収をある程度の期間で行なう必要のある投資家にも保有していただくことができ、運用果実を分散して回収することが容易になるのではないかと思っています。また、運用果実を回収するのがETFの売却だけに限られているのではないので、保有される期間が長くなるのではとも期待しています。」
うーん、中長期的に保有するなら分配ではなく再投資して運用効率を上げた方がいいんではないんですかね・・・。投資ニーズと投資成果のいたちごっこのような話しになってしまいそうです。

と難癖つけてみたものの、資産を大きく増やす必要はなく定期的に一定の投資成果を得たいというニーズの方には当ETFは良いファンドだと思います。日興AMの他の高配当日本株投信や他社の運営する好配当日本株投信の信託報酬が軒並み1%を超え、ものによっては1%後半になっていることを考えても、今回の高配当ETFはなかなか身を切った良いファンドと言えるのではないでしょうか。
私はニーズがないので当面は買わないと思いますが。

ちなみに上記で採り上げたコラムには収益分配金の希薄化と濃縮化の説明も載っています。参考になると思いますので是非、読んでみることをお勧めします。
この仕組みをうまく利用すれば、分配金を払わない完全再投資の高配当ファンドも作れそうな気がしますね。


【参考】日興AMサイト上のコラム「分配型ETFは悪いファンド?」

http://www.nikkoam.com/products/etf/column/column02-100416
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ギリシャの債務問題に思う日本の贅沢世代のつけ

05月05日
今回はETFとも投資とも関係ない自分の思いつき話です。

ギリシャ債務が積み上がった原因として放漫な財政運営が指摘されています。率直に言ってしまえば、甘い見通しで借金を繰り返して贅沢をしていた訳です。そういった国を救済することに、いかにも質実そうなドイツなどは消極的な態度を取り、支援が必要であればまずは生活水準を身の丈にあったレベルまで引き下げるようにと要求していました。ギリシャ政府も財政緊縮策を策定してこれに応えようと努力していますが、一方で増税や公務員の給与凍結、社会保障費削減などを盛り込んだ緊縮策に反対してギリシャ内ではストが多発しています。

ギリシャ債務問題をきっかけに、日本の債務問題に市場の目が向けられる日が近いのではないかという議論が一段と盛んになっています。日本国債金利がいずれ上昇すると指摘するコラムをよく見かけますが、どうも他人事のように話している感じを受けてしまいます。仮に日本で債務問題に火が付きギリシャのように緊縮策が導入された場合、自分達は一体どの程度生活水準を切り下げなくてはいけないのか、そういった点に触れていないからでしょうか。

OECDの推計に拠れば2009年から2011年までのギリシャの財政赤字の対GDP比の推移は、緊縮策もあってか、12.7%→9.8%→10.0と減少が見込まれています。日本は7.4%→8.2%→9.4%と増加の見通しです。ギリシャと日本の財政状況が似ているのであれば、日本の債務問題が発生した場合にはギリシャと同程度の緊縮策を行えば済むのかもしれません(と言ってもゼネストが起きる厳しいレベルですが)。しかし、プライマリーバランスをみると日本はギリシャよりも厳しい状況にあると言えます。さらに2009年の債務残高の対GDP比をみるとギリシャが114.9%なのに対し、日本は189.3%です。つまり、日本は借金を除く運転資金でみた赤字額が大きい上に、過去に積み上げた借金もより重くのしかかっている状況と言えます。

それでも、これまでは日本の長期国債金利は1.4%を下回る水準を維持してきました。その要因として日本国債の大半を国内投資家が保有していることが指摘されています。財務省の資料によると2009年末現在、国債保有に占める海外投資家の割合は5.2%にすぎません。一方、ギリシャ国債は7割近くを海外投資家が保有していると言われています。このように国債の大半を国内投資家が保有する状況が続く限り、日本国債に問題は起きないという指摘もあります。デフレが続く中では1.4%の利回りでも十分に魅力があるからです。しかし、高齢化にともなう貯蓄率の低下や人口減の影響で、いずれは国債に向かう国内資金も減少していくと考えられます。そうなった場合、不足額は海外からの資金で賄う必要があり、国債利回りも海外投資家の要求水準に見合ったものに上昇する可能性は否定できません。そして仮に日本の債務問題に火が付いたら、そのとき日本が求められる緊縮策はギリシャが計画しているものよりも遥かに厳しいものになるのではないでしょうか。その緊縮策に、最近は「節約疲れ」しているらしい贅沢慣れした日本人が耐えていけるのか心配です。

そもそもを考えると、これ程までに積み上がった日本の債務残高は大人である筈の選挙世代が身の程を超えた贅沢のために、子どもの世代や孫の世代、さらに先の世代のお金を無断で使い込んで生活水準を嵩上げしてきた証かもしれません。
借金による贅沢を続けることで、新しい世代に対してどういった苦痛を与えることになる可能性があるか、その具体例としてギリシャ問題を考えてみる必要があるように思います。個人的には、年々の債務残高の増加に応じて選挙世代の選挙権を数%カットすることも解決策いなるのではないかと思います。国家財政への意識を高める効果もあるでしょうし。この制度を遡及適用したら我々の選挙権はどこまで減少してしまうのか試算するのはちょっと怖いものがありますが。
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ギリシャ債務問題とETF

05月01日
ギリシャ債務問題が金融市場を揺らしていますが、この問題に大きく影響を受けているだろうETFとして「上場インデックスファンド海外債券(1677)」があります。このETFは主要先進国20数カ国の国債を投資対象としたもので、ベンチマークには「シティグループ世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)」を用いています。

当ETFが昨年9月に上場した際の販売資料をみると、2009年7月末現在のベンチマークのポートフォリオにおけるギリシャ債の割合は2.8%で8番目の大きさでした。ちなみに先週格下げされたスペインは4.8%で5番目に大きな割合を占めていました。
では実際の投資状況はどうかと日興AMのウェブサイトに掲載されていた4月28日現在の投資対象銘柄一覧をみてみました。(なお、ウェブサイト上に”間接的に保有している銘柄 の情報を掲載しています。”とありますので、この投資銘柄情報はファンドオブファンド形式である日興外債ETFが別のファンドを経由して投資している債券の一覧だと思われます。)なかなかに見づらい表ですが、ISINコードや銘柄略称を解読した結果、なんとギリシャ国債には投資していませんでした。ちなみにスペインやポルトガルの国債にも投資していないようです。一方、ベンチマークの最新情報をみると、前掲の数値から比重は落ちているものの、全体に占めるギリシャ国債の比率は2%近くあります。スペインは4.6%、ポルトガルも1%程度でした。

いつからこれらの債券に投資していなかったのかは分かりませんが、3月末のETF投資対象銘柄一覧を見ても上記三各国の国債は既に含まれていませんでした。どうやら日興AMは独自の判断でギリシャやスペイン債への投資を手控えていたようです。なかなかナイスな判断と言うべきなんでしょうか。この判断の結果は投資成果に表れていて、ETFにおける配当額の影響を差し引いた直近約7ヶ月のリターンはベンチマークのリターンを1%近く上回っています。債券ファンドでこの超過リターンはかなりのものだと思います。

銘柄選択は結果オーライでしたし、ファンドの資産額が小さいこともあって指数の構成銘柄と実際の投資対象とを一致させるのはまだ難しいという事情もあるでしょう。そもそも投資銘柄を完全に一致させる義務もありません。とは言え、もし逆の動きになっていたらと思うとインデックスファンドであるETFの運用としてはちょっと心配にもなってきます。(ちなみにフランス国債にも投資しておらず、ドイツ国債で代替しているようです。)

細かいところですが、ETF選びの際はファンドの資産額や実際の投資対象銘柄にも気を向けたいものです。

・・・ほんとはギリシャ債務問題に絡めて日本について思うことを書こうと思ってたんですが、長くなったのでまた次回につれづれと書いてみようと思います。
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