羽根英樹
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1993年からサヤ取りを始める。現在でもサヤ取りを主力にトレードする個人トレーダー。
サヤ取りの秘密を暴露しすぎと一部の投資家から怒られた話題の本『サヤ取り入門』のリニューアル版『
サヤ取り入門 [増補版] 』は、発売以来ベストヒットを続けている。そのほか、著書に『
マンガ サヤ取り入門の入門』、『
マンガ 商品先物取引入門の入門』(全てパンローリング)などがある。
着実に利益を積み重ねるそのトレード手法の解説を、パンレポート「サヤ取りの実践」に連載している。
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『羽根英樹のイベントドリブントレードブログ』
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ルーティンを守るという事-日経マネーさんの取材の捕捉 05月31日
現在発売されている日経マネー7月号で取材を受けました。コロナショックでどのようにメンタルを保ったのか?というお題で、個人投資家、トレーダーから話を聞くという企画です。
私は、日々のルールとルーティンが大事ですというお話をしました。ただ、これだけだと意味が分かりにくいと知人から指摘を受けましたので捕捉したいと思います。
まず、日々やっていることは暴落だからと言って崩したりはしません。私は日々の短期的な需給の歪を利益の源泉としているので、暴落したからといって、いきなりバリュ投資家にはなれません。このような暴落局面では、今こそ割安株を買うチャンスだ。中長期で株を持つなら今が絶好のタイミングだ!という声が大きくなります。確かにそうかもしれませんが、中長期バリュ投資は私の土俵ではないので、ルーティンには入っていません。
それとは別に、ある尺度をもって、暴落時に買うトレードも行います。これは20年近く前から行っている手法で、暴落時にのみ発動します。リーマンショック時にももちろん発動しました。こちらは予定していたことなので、ルーティンに含みます。繰り返しますが、これは数年に一回の暴落時のみ発動する手法で、前もって準備しています。こちらは私の土俵の中なのでトレードします。
という事で、予定にないことはやらない。暴落時といえども予定しているルーティンだけを淡々とこなすというお話でした。
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WTIマイナス価格要因は中国勢のロールオーバーか? 05月31日
原油先物がマイナス価格をつけた話の続きです。
NYMEXに上場されているWTI原油先物を金融商品として小口で売っているものに、ETFやETN。CFDなどがありますが、中国でも同様に「原油宝」という金融商品があります。最終決済期日が決まっている先物取引で運用するこのような金融商品の宿命として、限月を乗り換えていく必要があります。つまり最も最終売買日に近い期近限月の建玉を最終日までに次の限月にポジションを乗せ変えていくわけです。これをロールオーバーといいます。「原油宝」の一部に毎回最終日にロールオーバーするものがあったようです。通常ロールオーバーはある程度の期間に分散させて、マーケットにインパクトを与えないように売買が行われるのですが、最終日に一気にロールオーバーをしようとすると、期近の残り建玉からロールオーバーしなければならない量がバレてしまいます。更に通常なら現物を受ける当業者が一定数いるはずですが、前に述べたように備蓄タンクの空きが無く、現物を受けるのが困難な状態でした。そこを狙われて売り崩されたと考えられます。これで最も被害を受けたのはこの「原油宝」を買っていた人たちです。ロールオーバーの運用の拙さがこのような悲劇を引き起こした一因だったのでしょう。
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