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鎌田傳


「ラリー・コナーズ氏(「コナーズの短期売買入門」「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」)の経営する、TradingMarkets.comでテクニカル・アナリストを務め、現在証券会社に勤務。訳書に、「スイングトレード入門 短期トレードを成功に導く最高のテクニック」(パンローリング)、そして電子書籍「トレード成功のヒント - 米国株式市場の習性と特徴」(パンローリング)がある。」

鎌田傳の「South Bayトレーダー」 日記

迷うトレーダーたち、注目の来週のマーケット

05月31日
退屈なマーケットが続いている。S&P500指数は何度も高値に挑戦しているが、レジスタンスを相変わらず突破することができない。「退屈なマーケットを空売ってはいけない」、という言葉もあるが、「買い手が力不足であり、マーケットに疲労の色が見える」、と言うこともできる。「現在のマーケットは横ばいすることで調整している」、と解釈することもできるが、もちろん、ここから大幅下落する可能性も十分にある。-- アンドリュー・ナイクイスト(SEE IT market)



多くのトレーダーたちが迷っています。昨日のブログで書きましたが、個人投資家たちの投資姿勢は「中立」です。

15万人の会員を持つAAIIは、個人投資家たちのセンチメント(投資家心理)を毎週発表しています。「6ヶ月後のマーケットは高くなっていると思う」という回答は強気、「現在と変わらないと思う」は中立、「安くなっていると思う」は弱気です。

中立回答の歴史的平均値は31%なのですが、今回の結果はほぼ半数に相当する47.9%、そして歴史的平均を上回る数値が21週間も連続で続いています。AAIIのロットブラット氏によれば、極端に高い中立センチメントが続くのは悪材料ではなく、特に現在のように極めて低い強気センチメントが伴っている場合は、6ヶ月後12ヶ月後のマーケットは平均以上に高くなる傾向があるそうです。

ということは、マーケットはレジスタンスを突破して新高値を記録する可能性がある訳ですが、恐怖指数の異名を持つボラティリティ指数の日足チャートを見てみましょう。



ローソク足がボラティリティ指数、赤い線はマーケットの動きを示すS&P500指数です。矢印を入れましたが、両者の動きは正反対になります。マーケットが下げる場面ではボラティリティ指数は上昇、マーケットが上昇する局面ではボラティリティ指数は下降します。

S&P500指数を外して、ボラティリティ指数だけを見てみましょう。



三角形内での動きが続いています。現在、指数は上辺に挑戦中です。繰り返しになりますが、ボラティリティ指数とS&P500指数の動きは反対になります。もし上辺(A)を突破なら、それはマーケットの下落を意味し、下辺割れ(B)はマーケットの更なる上昇を意味します。

では、ボラティリティ指数は、どちらにブレイクするでしょうか?多くのトレーダーは、「予想などする必要はない。動いた方向に合わせてトレードするだけだ」、と言いますが、ひとつ問題になるのは現在の13.84という極めて低いボラティリティ指数の数値です。



線は10に引かれています。見てのとおり、ボラティリティ指数が10を割ることは極めて稀な出来事であり、最後に10割れが起きたのは2006年です。もちろん、今回は久しぶりに10を割るという展開になることも考えられますが、歴史的に見た場合、10を下回ることは難しいと思われます。

さて、来週は重要な経済指標が次々と発表されます:

(中国) 5月製造業PMI、 (独) 5月消費者物価指数、 (米) 5月ISM製造業景況指数、 (豪) RBAキャッシュターゲット 、(ユーロ圏) 5月消費者物価指数 、(豪) 第1四半期GDP、 (ユーロ圏) 4月小売売上高、 (米) 米地区連銀経済報告、 (日) 4月景気動向指数、 (米) 5月非農業部門雇用者数

これだけ発表されれば、米国マーケットの方向性が決まりそうです。

(参照した記事:S&P 500 Market Update: The Forever Bid?)
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ベテラン・トレーダーからの質問: “皆さんは自分自身を知っていますか?”

05月28日
トレードで成功するためには、「自分の強みと弱みを知る必要がある」、と水曜のブログでジェシー・フェルダー氏は指摘しています。

先ず、今までのトレードを振り返ってください。トレーダーとしての皆さんの長所、強みは何でしょうか?



フェルダー氏は、氏自身の長所として、こんなものをあげています。

1、大衆と逆行動をとることができる。

2、違った意見や論点を偏見なく聞くことができる。

3、自分の分析に自信を持っている。自分の分析能力を信頼している。

4、皆から嫌われているもの、見放されているものに目を向けることができる。

5、学ぼう、という強い意欲と情熱が常にある。

次に短所をあげてください。下はフェルダー氏の弱点です。

1、トレンドに乗り続けることができない。

2、あまりにも懐疑的になってしまうことが時々ある。その結果、最悪のシナリオに焦点を合わせてしまう。

3、自信過剰になり、マーケットからのシグナルを無視してしまう。

4、自分の意見を肯定する情報を集める傾向がある。

5、利益を上げることではなく、自分の見方が正しいということに固執してしまうことがある。

長所は変える必要はありません。では、どうしたら短所を直すことができるでしょうか?下は、フェルダー氏の改善策です。

1、トレンドに乗り続けることができない:

持ち株の売却方法を再検討すること。売りは長期トレンドが変化してから。

2、あまりにも懐疑的になってしまう、、、:

マクロ的な心配材料に縛られてはいけない。心配することは悪くないが、短期的なトレードチャンスにも参加すること。

3、自信過剰になり、マーケットからの、、、:

自信はトレードに必要だが謙虚な態度も重要だ。マーケットに敬意を表すること。

4、自分の意見を肯定する情報を集め、、、:

自分が買っているとき売っている人たちがいる。偉大な投資家は、自分と相反する意見にも耳を傾けるものだ。自分とは逆行動な人たちの視点からもマーケットを見てみよう。

5、利益を上げることではなく、自分の見方が正しい、、、:

間違ったときは素直に認めること。それを癖にしてしまえば、次のトレードに直ぐに移ることができる。


(参照した記事:Why It’s So Important For A Stock Operator To ‘Know Thyself’)
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ジェフリー・ガンドラック: “現在の価格は割安だ、と判断して買う人たちは、もっと安くなったところで手放すものだ。”

05月25日
CNNの見出しです。



「スマートマネーはエネルギー株を買っている。私たちも買うべきだろうか?」

スマートマネーは「賢い金」という意味ですが、ここで言うスマートマネーは大手ヘッジファンド50社のことです。

去年の終盤から今年の1月にかけて原油価格は大幅下落となり、大手ヘッジファンドは、割安となったこれらのエネルギー株を買っている。

Williams Partners (WPZ)

Energy Transfer Partners (ETP)

Kinder Morgan (KMI)

Enterprise Products Partners (EPD)

そして、Columbia Pipeline Partners (CPPL)が買いリストに新たに加わっている。これらの銘柄に共通しているテーマは「エネルギー・インフラストラクチャー」だ。


なるほど、ヘッジファンドが買っているのなら私も買ってみよう、と思う人もいることでしょうが、CNNはこんなことも指摘しています。

「エネルギー関連を避けるべきだ」、という意見も多い。

ゴールドマン・サックスは、今年の秋の原油価格は1バレル45ドルという弱気論を発表している。(現在の価格は59ドル89セント) 安い原油は消費者には嬉しいニュースだが、石油会社の利益にはならない。

新債券王として知られるジェフリー・ガンドラック氏は、こう述べている。「現在の価格は割安だ、と判断して買う人たちは、もっと安くなったところで手放すものだ。」


更に、エド・ヤーデニ氏(投資ストラテジスト)によると、エネルギー株はいぜんとして割高です。現在のエネルギー株の株価収益率は26.5倍、一年前は14.1倍でした。(現在のS&P500指数の株価収益率は16.9倍、1年前は15.2倍。)

エネルギー株のETFの週足チャートを見てみましょう。



12本の移動平均線(GMMA)が引かれています。GMMAについては、この記事を参照ください。「12本の移動平均線でトレンドが一目瞭然!GMMAチャートの効果的な使い方とは?」(
http://zai.diamond.jp/articles/-/144160)

記事からの抜粋です。

下降トレンドでは赤色のリボンがレジスタンスとして機能します。

正に、現在の状況です。ETF価格は安値から戻していましたが、下降する赤色移動平均線を越えることができない状態です。言い換えると、買い出動は、ローソク足が赤い移動平均線の束を完全に上抜けてからでも遅くないと思います。

(参照した記事:Smart money is buying energy stocks. Should you?

6 stocks to buy...according to hedge funds)



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イエレンFRB議長講演、マーケット関係者の反応

05月23日
イエレンFRB議長、利上げ「景気改善続けば年内が適切」

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は22日に講演し、米金融政策の先行きに関して「予想通りに景気の改善が続けば、年内のどこかでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の引き上げと政策の正常化を始めることが適切になる」との認識を示した。(日本経済新聞)




* 早急な金利引き上げはないと思う。おそらく12月だろう。イエレン議長はタカ派ではなくハト派であり、金利引き上げを全く急いでいない。議長は利上げの意志があることを表明しているが、投資家たちに、十分な準備期間を与えることだろう。 -- ウェイン・カウフマン(フィニックス・ファイナンシャル・サービシズ)

* 今日の講演には、ひとつ驚く内容が含まれていた。それはこの部分だ。「経済を展望することは極めて難しいことだが、私は起きる可能性が最も高いと思われることを説明している。しかし、長年の経験から言えることは、私の具体的な予測のいくつかは間違っていることだろう。おそらく、大きく外れることだろう。」 イエレン議長は、経済学者から滅多に聞くことが出来ない言葉、「分かりません」、と言ったのだ。 -- マイルズ・アドランド(ビジネス・インサイダー)

* 米国の雇用状況、そしてインフレ状況は年末までに金利引き上げを実施できる内容だろうか?不安定な現状を考えると、金利引き上げは2016年まで実施されない可能性があると思う。 -- ヒュー・ジョンソン(ヒュー・ジョンソン・アドバイザーズ)

* 賃金の上昇と加速が明確になるまで金利引き上げはないと思う。今年中に引き上げがあるとすれば、おそらく12月だろう。 -- ウォード・マッカーシー(ジェフリーズ)

* 「今年中に利上げがある」、ということをマーケットは上手く消化中だ。現に投資家たちは、「金利引き上げは米国経済が強い証拠だ」、と前向きに考え始めている。25ベーシスポイント、または50ベーシスポイントの利上げが企業利益、そして米国経済に悪影響となることはない。 -- マリス・オグ(タワー・ブリッジ・アドバイザーズ)


下は、CNBCの記事を読んだ読者たちの書き込みです。

* 明確なメッセージをイエレン議長から読み取ることはできなかった。これが意味することは、現在の米国経済は不安な状況に直面している、ということだと思う。-- DCOREGON

* 予想されているように、0.25ポイントの金利引き上げがあったとしよう。もし、このたった0,25ポイントの利上げで米国経済が下向きになるようなら、米国経済がいかにひ弱であるかが証明される。平均的なアメリカ人の銀行口座には、数週間分の生活費をまかなうことができるだけの現金しかないというから、もしここで米国経済が後退したら大問題だ。 -- John Smith

* 新規失業保険申請者数の減少が続き、15年ぶりの低レベルまで下がっている。ここから、よほど大きく雇用状況が悪化しないかぎり、金利は年末までに引き上げられることだろう。-- Kevin777

(参照した記事:イエレンFRB議長、利上げ「景気改善続けば年内が適切」

Economists, market experts mixed on 2015 rate hike

Traders hoped for a more interesting Yellen, got same old

Janet Yellen just made one of the most surprising admissions you'll ever hear from an economist)



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夏休みの旅行シーズン目前、大きく売られた航空会社

05月21日
水曜の取り引きで目立ったのは航空会社の大きな下げです。



航空会社20銘柄で構成される、エアラインズ指数の日足チャートです。4%を超える下げ、そして大陰線が形成され、サポートラインを割っての終了です。


何故こんなに下げたのでしょうか?最近、安値圏を抜け出して上昇が始まった原油が原因なのでしょうか?

ウルフ・リサーチが主催した会議で、サウスウエスト航空の最高財務責任者は、「今年の座席マイルは7%から8%の上昇になり、今年が成長のピークになる可能性がある」、という見方を発表しました。

ウォール街のアナリストは、「座席マイルの上昇率は米国GDPの成長率と同様であることが好ましい」、という意見だ。今年第1四半期のGDPは、たったの0.2%増だった。(インベスターズ・ビジネス・デイリー)

* 座席マイル(available seat mile): 旅客輸送容量の単位。総座席数×輸送距離(マイル)


バッキンガム社のアナリストは、サウスウエスト航空株をニュートラルに早速格下げし、目標株価を60ドルから45ドルに引き下げです。



上がサウスウエスト航空の日足チャートです。大陰線、ブレイクダウン、サポートラインを決定的に割っています。

最高財務責任者が、何故わざわざ「今年が成長のピークになる可能性がある」、などと述べたかは分かりませんが、「サウスウエスト航空がこんな状態なら他社も同様に違いない」、という見方が広がり、航空会社の株が徹底的に売られました。

「今年の座席マイルは7%から8%の上昇になり」、という言葉には、サウスウエスト航空の強気な姿勢が示されています。座席マイル=総座席数×輸送距離ですから、サウスウエスト航空は機内の座席数を増やし、便数を増やすことを計画しています。しかし、もし今年がピークになる可能性があるのなら、なぜそのような計画を実施する必要があるのでしょう。

米国は、来月からいよいよ夏休みシーズンです。夏休みと言えば旅行、旅行と言えば飛行機ということで、今日は航空会社のETFを勧める記事がヤフー・ファイナンスに掲載されています。まったく皮肉なタイミングで掲載となってしまいましたが、下が航空会社のETF、U.S. Global Jets (JETS)の日足チャートです。



ローソク足は全部で15本、4月30日に取り引きが始まったばかりの新ETFです。これも今朝の記事と同様、まったく皮肉なタイミングで上場されてしまいました。

ロイターの報道によると、今年6月から8月末までの航空会社利用者数は、去年を4.5%上回る2億2200万が予想されています。

(参照した記事:Airline Stocks Plunge As Southwest Boosts Capacity

It Could be a hot Summer for the Airline ETF)

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米国株式市場は高値更新: いつになったらヒゲを剃れる?

05月19日


3月26日のビジネス・インサイダーに掲載されていたジェシー・フェルダーさんの写真です。フェルダーさんは元投資銀行家、「株式市場が10%の調整をするまでヒゲは剃らない」、と宣言した結果がこれです。

さて、この写真から約2ヶ月が経過しましたが、マーケットには10%の下落はまだ起きていません。それどころかダウ平均は高値更新という状態ですから、いつになったらヒゲを剃ることができるか全くわかりません。

もちろん、マーケットの10%調整を予想しているのはフェルダーさん一人だけではありません。



1の上昇している線はS&P500指数、そして上下に伸びている影は買いと売りポジションの様子です。Aのように影が0%より上にある場合は、買いポジションが空売りポジションより多いことを示し、現在のように影が0%より下の場合(B)は、空売りポジションが買いポジションより多いことが示されています。

トレーダーたちはS&P500指数の下げを予想している。現に、空売りポジションは最近増え続け、空売り量がこれほど膨れ上がるのは一年ぶりだ。(ビジネス・インサイダー)



見てのとおり、S&P500指数は高値更新、史上最高値で月曜の取り引きを終了です。力強い長い陽線でのブレイクアウトではないので、売り手はまださほど動揺していないと思いますが、明日も明後日も上昇となると空売りポジションを買い戻すしかありません。「空売り量がこれほど膨れ上がるのは一年ぶりだ」、ということですから踏み上げに勢いがついて、思っている以上に大きな上げが展開される可能性もあります。

今週注目されているのは、大手小売店ウォルマート(火曜)とターゲット(水曜)の決算発表です。小売店の売上高には米国消費者の傾向や心理状態が表れますから、今後の米国経済の動きを読むのに役立ちます。「両社の決算があまりにも悪ければ、米国経済の先行きは暗いと判断されマーケットは急落する」、という見方も出ています。もしそんな展開となれば、フェルダーさんはヒゲをいよいよ剃ることができそうです。

(情報源:One of the savviest stock market bloggers we know will grow his 'correction beard' until stocks fall 10%

It's been almost a year since this many traders were betting against stocks)

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米国株式市場: またまた減った強気論者数

05月16日
「株は買いだ!」、という強気な個人投資家数が2年ぶりの低レベルに下がっていることを先日書きましたが、この数値は更に下落です。



上昇している赤い線はS&P500指数、黒い線がAAIIから毎週発表される個人投資家たちの強気センチメントになります。「株に強気」という回答は、先週の27.1%から26.7%に下落です。

次に、投資心理サイクルのチャートを見てみましょう。



1、楽観; 2、興奮; 3、スリル; 4、陶酔; 5、心配; 6、現状の否定 7、恐怖; 8、自暴自棄; 9、パニック; 10、降参; 11、落胆; 12、鬱的な状態; 13、希望; 14、安心; 15、楽観

マーケットの天井は4の陶酔です。個人投資家たちは超強気になり、正にお祭り騒ぎになるのですが、今日のマーケットにはそんな様子を全く見ることができません。現在の米国株式市場は、史上最高レベルにあるにもかかわらず、強気センチメントは2年ぶりの低水準というありさまです。

米国の上昇相場が始まってから既に6年、これは過去100年間で2番めに長いブルマーケットだ。上昇相場が終焉するのは、期間が長すぎるためではない。マーケットを頂点に押し上げるのは熱狂的に株を買う個人投資家たちだが、今日のマーケットには、そのようなことは起きていない。株を手放すのはまだ早すぎる。 -- スティーブ・シュガルード(Daily Wealth)

下が、AAIIから発表された今週の個人投資家たちのセンチメントです。

強気: 26.7%(前回から0.3ポイント下落。 歴史的平均値 38.89%)

中立: 46.9%(前回から0.8ポイント上昇 歴史的平均値 30.82%)

弱気: 26.4%(前回から0.5ポイント下落 歴史的平均値 30.29%)

強気センチメントは異常に低く、中立センチメントの極めて高い数値が相変わらず続いている。過去を振り返って言えることは、現在のような極端な状況が起きると、向こう6ヶ月から12ヶ月のマーケットの伸びは平均以上になる傾向がある。-- チャールズ・ロットブラット(AAII)


ということで、異常に多い中立論者が強気に変身しない限り、ここからのマーケット大幅上昇は望めない、といった状態です。

(情報源:Bullish Sentiment Drops to Lowest Level in More Than Two Years

Second-Longest Stock Boom in History. Should It End Soon?

AAII Sentiment Survey Results For Frame Ended 13 May 2015)

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マクドナルドの店員になることは一流大学に合格するより難しい??

05月14日
難しいのはどちらでしょうか?

* 米国の一流大学(アイビーリーグ)に入ること。

* マクドナルドの店員になること。


ゼロヘッジによると、答えは後者です。もちろん、社会風刺、痛烈な批判記事の多いゼロヘッジですから、この答えに驚きはありません。



2011年4月19日、マクドナルドは雇用の日にちなんで、5万人の新店員採用計画を発表した。最終的に採用された人員数は6万2000人だが、この求人広告には100万人を超える応募があった。100万人の応募者から選ばれたのは6万2000人だから、合格率は6.20%ということになる。

下は、2011年の米国一流大学(アイビーリーグ)の合格率です。



コーネル大学の合格率は18.00%、ハーバード大学は6.20%、そして平均値は9.69%です。マクドナルドは6.20%ですから、マクドナルドへの就職の方が一流大学へ入ることより難しい、と結論できます。

もちろん、全く関係の無い二者を比較するのは間違っている、と非難されることは分かっているが、マクドナルドが実施した雇用の日から既に数年の月日が経過した。2011年にアイビーリーグへ入学した人たちは今年卒業だが、ここでもう一度両者を比べてみよう。

* 4年間の大学生活で、全米の学生たちは平均で2万5000ドルを超える学生ローンの借金ができた。

* 4年間、マクドナルドでパートタイマーとして働いた人は、平均で4万ドルの収入を得た。もちろん、ほとんどの人たちはフードスタンプ(政府からの食料補助)を得ているが、ここではそれを考えないことにする。

たとえ学生ローンの借金があったとしても、アイビーリーグを卒業すれば投資銀行やコンサルティング会社に就職して高給を得ることができる、と言う人たちもいるが、全ての卒業生がそのような職に興味がある訳ではない。


もちろんゼロヘッジは、大学などへは行かないでマクドナルドで働け、と言っているのではありません。結論の一つはこれです。

マクドナルドの実例が教えてくれることは、政府から発表される失業率は茶番劇だ、ということだ。政府に都合よく作られた数値によれば、米国の失業率は5.4%だが、マクドナルドへ応募した93.8%が職を得ることができない、というのが現実だ。マクドナルドに就職するのがこんなに難しいのなら、人々はいったいどこで職を得ることができるのだろうか?

さて、第1四半期の米GDPは予想された+1.0%に満たない+0.2%という冴えない結果でした。そして今日、アトランタ連銀は第2四半期のGDP予想を+0.7%に下方修正です。



ピーター・シフ(Euro Pacific Capital): もし、第2四半期のGDPがマイナスになるような事態となれば、米国は正式にリセッション入りだ。

これで、マクドナルド就職は、ますます難しくなりそうです。

(参照した記事:Getting A Job At McDonald's Harder Than Getting Accepted To The Ivy League

ピーター・シフ氏のツイート)

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いよいよ動き始めた商品市場

05月11日
週末、ニューヨークに著名投資家たちが集まり会議が開かれた(Ira Sohn Investment Conference)。デビッド・テッパー氏(ヘッジファンド・マネージャー)も出席者の一人であり、「株に対して今日も強気」、という見方を明らかにした。 -- The Growth Stock Wire

テッパー氏は、中国についてこんなことも語っています。

中国の量的緩和は、商品市場を大幅に上昇させる可能性がある。

下は、原油、ガソリン、金、銀、穀物などの商品に広く投資しているETFの月足チャートです。



現在の位置は、歴史的な低レベルです。ETF価格は2009年の安値を割った状態でしたが、その上に最近復帰しています(A)。繰り返しになりますが、歴史的な低価格に落ち込んでいるだけに、現在のETF価格に興味を持つ買い手が多いようです。

5月3日のブログで、クリス・キンブル氏は、こんなことを指摘しています。



商品指数の長期チャートです。ヘッド・アンド・ショルダーズの売りパターンが形成され大幅下落、そして現在の位置(1)は、サポートになる可能性がある上昇するチャネルの下限のテスト中です。正に、現在の位置は空売りの買い戻しが起きやすいだけでなく、新規の買いも起きやすい場所です。

商品市場と密接な関係があるドルにも注目です。



青い線がドル指数、赤が商品のETFを示します。見てのとおり、ドルが上昇する局面では商品が下げています。最近は、ドルが頭打ちからやや下降気味、商品は安値圏から抜け出し上昇の兆しが見えています。いよいよ商品市場のアップトレンドが始まった、という様相です。

(情報源:The Next Financial Collapse Is Already on Our Radar

Charlie Bilello氏のツイート

Commodity collapse leads to rare opportunity says Joe Friday)
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金曜に控えた米雇用統計、迷うアナリストたち

05月08日
明日金曜は米雇用統計(4月分)の発表があります。(日本時間午後9時半)

予想されている数値:

非農業部門雇用者数: +23万人(前回 +12万6000人)

失業率: 5.4%(前回 5.5%)

平均時給: +0.2% (前回 +0.3%)

平均労働時間(週): 34.5時間(前回 34.5時間)


昨日のADP雇用統計を考えると、明日は予想以下の結果が発表される可能性があります。

米ADP民間雇用者数16.9万人増、昨年1月以来の低い伸び

ロイターがまとめた市場予想は20万人増。雇用の鈍化はほぼすべての部門にわたり、ドル高の影響を受けていると見られる製造業は1万人減少。3月の3000人減に続く減少となった。3月分は当初の18万9000人増から17万5000人増に下方修正された。(ロイター)




最近1年間のADP民間雇用者数の様子です。矢印を入れましたが、ここ数ヶ月間は下降が顕著になり、米国の経済回復の勢いに衰えが見えます。

ゴールドマン・サックスのアナリストは、明日の雇用統計が予想を上回る理由を3つ、そして予想以下の結果になる理由を3つ挙げています。

予想以上の好結果になる:

* 4月のサービス業のデータは全体的に強い内容だった

* 新規失業保険申請者数が減少している

* 4月の気候は通常より温暖だった


予想より悪い結果になる:

* 製造業の調査レポートに弱さが見られる

* 仕事を見つけるのが難しくなったと言う人が増えている

* 人員削減を発表する企業が増えている


一方の理由が圧倒的に多ければ読む方は判断し易いのですが、3つずつ挙げられてしまったのでは迷ってしまいます。

次の疑問は、雇用統計発表後のマーケット反応です。予想を超える結果は買い材料となるでしょうか?マーケット・ストラテジストのコリン・クレジンスキー氏は、こう述べています。(多くの人たちが氏と同意見です。)

予想を超える結果、予想以下の結果の両方が買い材料になる可能性がある。強い雇用統計は経済成長を示すから買いだ、という見方ができるように、悪い結果は金利引き上げ時期を遅らせるから株に好影響、と判断することもできる。マーケットは高値圏で4ヶ月も横ばい状態だから、明日の雇用統計にマーケットがどう反応するかを予測するのは難しい。

ということで、株式市場に方向性が戻るためには、人々の迷いを吹き飛ばす極端な内容の雇用統計が必要のようです。

(情報源: ADP National Employment Report

GOLDMAN: 3 reasons the jobs report could be great and 3 reasons it could stink

U.S. stocks advance as bond turmoil subsides)



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米国の景気は回復している?次々と増える閉業店数

05月05日
もしアメリカの経済が本当に回復しているのなら、何故こんなに多くの店が閉鎖されるのだろうか? -- マイケル・スナイダー(The Economic Collapse)

米国の小売業者が予定している閉店数は、なんと6000を超えています。下がトップ10です。(左側の数字が予定されている閉鎖店舗数、そして右側が業者名。)

340 Dollar Tree/Family Dollar(ディスカウント店)

338 Wet Seal(婦人服/ブティック)

300 Deb Shops(婦人服/ブティック)

265 Body Central / Body Shop(婦人服/ブティック)

250 Office Depot (オフィス用品/事務用品)

225 Staples (オフィス用品/事務用品)

223 Barnes & Noble (書籍販売)

200 Children’s Place (子供服)

200 Walgreens (薬局チェーン)

180 Abercrombie & Fitch (衣料品)


店が閉鎖される理由の一つとして、スナイダー氏はインターネットをあげています。アマゾン・ドット・コムの成功で分かるように、人々はオンラインで積極的に買い物をするようになり、店へ実際に出かける回数が減りました。オンラインでのショッピングならガソリン代は不要、それに駐車場を探す必要もありませんから、とにかく便利です。

次に、米国労働省から4月2日に発表された、平均的な家庭の支出状況を見てみましょう。



Aは2012年7月から2013年6月まで、Bは2013年7月から2014年6月まで、Cが変化率です。先ず1で分かるように、平均的家庭の年収は$65,029から$64,432に減っています(-0.9%)。1%未満の減少だから大したことはない、と思われるかもしれませんが、肉や野菜の値段は上がっていますから年収の減少は家計に響きます。

2は総支出額、そして最も大きな支出は総支出の約33%を占める住宅費(3)です。医療関連の出費が目立って増えています。健康管理のために使われたヘルスケア支出(4)は+11.3%、健康保険(5)は20.1%の大幅上昇です。

支出の減ったものを見てみましょう。

* 家具などの家庭用品(6) マイナス7%

* 衣料品(7) マイナス1.9%

* 娯楽(8) マイナス1%

人々の収入は減り、皆保険制度(オバマケア)が実施されたら医療関連の支出が大きく跳ね上がってしまいました。お陰で消費者たちは、家庭用品と衣料品の買い控えです。もう一度、閉鎖店のトップ10リストを見てください。婦人服、子供服などの衣料店が半数を占め、買い控えが明確に表れています。

アパートや一戸建て住宅の高い家賃も小売業者には痛いニュースです。APの報道によると、家を借りている25%の人たちは、収入の少なくとも50%が家賃に取られてしまいます。現在、このような状況にある世帯数は1125万世帯、2007年の数値から26%の上昇です。更に、この1125万世帯中180万世帯は、収入の70%以上が家賃に割り当てられている状態です。



上のチャートで分かるように、米国人の持ち家率は下降が続いています。家を借りる人たちが増えている訳ですが、借家数は中々増えませんから家賃は毎年上がり、その上昇率は人々の給料の上昇率の2倍という有り様です。

繰り返しになりますが、なかなか上がらない給料、現に減っている世帯収入、高い医療費に家賃という実状ですから、人々の暮らしは良くなっているなどと言うことはできません。

(情報源:CONSUMER EXPENDITURES MIDYEAR UPDATE

2015 Store Closing Roundup

Major U.S. Retailers Are Closing More Than 6,000 Stores

A lot of Americans are being squeezed by their housing costs)
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暴動、暴動、好調なテイザー株

05月02日
ミズリー州ファーガソンで暴動が起きたのは去年、先月はメリーランド州ボルティモアで暴動がありました。放火、略奪が相次ぎ、人々は完全に暴徒化です。このような状況では、警官は市民を適切に守ることはできませんから、「自分の身は自分で守るしかない」、とあらためて感じた人も多かったことでしょう。

護身用の武器と言えば拳銃ですが、テイザーガン(電気ショック銃)も有名です。下の動画は、テイザーガンの威力を初体験するタイ兵士の様子です。

(
https://youtu.be/LiDs2OwscR4)

テイザーガンはテイザー社によって開発されたものですが、株価は好調に伸びています。当然のことながら、暴動も買い材料の一つになったと思いますが、下がテイザーの日足チャートです。



長い陽線が出来上がり高値が更新されています。昨日発表された予想を超える決算が買い要因となったようですが、最近好調なテイザー株には、この製品も大きく影響しています。



テイザーと聞くと電気ショック銃ばかりが頭に浮かんできますが、これはAXON BODYと呼ばれる警察などの法執行機関のために作られたカメラです。ウェアラブルですから、このカメラは警官が身に付けて使用します。

ミズリー州ファーガソンで起きた暴動は、黒人青年が白人警官に射殺されたことが発端となっています。白人警官は後日不起訴となりましたが、青年は少なくとも6回撃たれていたなどといった報道がありましたから、警官のイメージを大きく悪くしたことも事実です。

警官による発砲は正当だったのでしょうか、それとも不当だったのでしょうか?防犯カメラが窃盗事件の解決に役立つように、警官がカメラを常に身に付け状況を録画することで、事件状況を更に詳しく説明することができます。犯人が先に発砲、そして警官が発砲といった様子が録画されていれば、多くの人たちは警官の行動に納得することでしょう。

テイザー社によると、ロサンゼルス、クリーブランド、フォートワースの警察はウェアラブル・カメラを既に利用しており、その95%がテイザー製です。

カメラに録画された画像は直ぐに再生可能だから、間違った申し立てを簡単に退けることができる。(テイザー社)

下は、テイザー社のAXON BODYで撮影されたものです。

(
https://youtu.be/v-fT9NSpR-U)

今日、テイザー株が買われた、もうひとつのニュースはこれです。

Justice Department Announces $20 Million In Funding To Support Body-Worn Camera Pilot Program

米司法省が、実験プログラムとしてウェアラブル・カメラの利用を決定し2000万ドルの資金投入を発表しました。ウェアラブル・カメラ=テイザー、と判断した投資家たちは、早速テイザー株買いです。言うまでもなく、実験プログラムが大成功なら全州の警官にウェアラブル・カメラ着用が義務付けられる可能性もありますから、テイザー株人気はまだまだ続きそうな様相です。

テイザー以外にも、Digital Ally, Inc、そしてGoPro Incもウェアラブル・カメラ同業社として注目されています。

(情報源:Justice Department Announces $20 Million In Funding To Support Body-Worn Camera Pilot Program

Taser's Earnings Beat Zaps Short-Sellers

Taser, Digital Ally Soar On New DOJ Body Cam Program)

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