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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

賢者は歴史に学ぶ

10月26日
この局面で稼ぐことができる技量があれば、おそらく今後数十年間、どんな相場状況でも稼ぐことができるでしょう。今回の「下り坂」を通り越した「まさか」局面は自分の技術を測る絶好の試金石となります。我々は、中期トレンドラインを割り込んだ相場がその後どうなるか、だから、どうすべきかということは過去に何度も経験しています。ビスマルクは「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と言ったそうです。優利加流に修正すると、「賢者は歴史に学び、凡夫は経験に学び、愚者は経験しても学ばない」となります。

一旦、下向きに走り始めたマクロ経済は、政府と中央銀行があらゆる手を尽くしても1年間は下げ続けます。鉱工業生産指数や有効求人倍率の変化から判断すると、昨年8月辺りから下向きに変わっていますので、既に1年は経過しています。したがって、残り2年というところでしょうか。日本の場合、政治家と役人は常に判断が遅く、行動はさらに遅いので、それほど期待できません。普通、売れ残って膨張した在庫がはけるのに3年はかかります。

早晩、極端に下げると一旦はリバウンドしますが、よほど大規模で即効性のある対策でも打ち出してこない限り、反発はそれほど長くは続かず、ほぼ確実にまた下げてきます。なぜなら、下向きのマクロ経済の下では、殆どの企業の売上及び営業キャッシュフローはこの先、下方修正されることはあっても、上方修正されることはまずないからです。換言すると、企業の一株当たりフリーキャッシュフローは下がることはあっても上がる見込みは当分の間は見込めないということです。将来の一株当たり期待フリーキャッシュフローの現在価値が株価の理論値となるので、急落して行く理論値(正確には一株当たり事業価値)を追いかけ、銘柄によっては追い越して株価が日々下げているのです。
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全天候型の生涯現役トレーダー

10月25日
いや〜良く下げますね。全天候型の生涯現役トレーダーにとっては上げても良し、下げても良しです。一番困るのは狭い値幅で横ばい相場が続くことだけです。上げ相場でしか稼げないトレーダーよりも、下げ相場でも稼げるトレーダーの方が技量が遥かに上といえます。なぜなら、人生にも相場にも、「上り坂」と「下り坂」があり、時には今月のような「まさか」もあるからです。ただし、昨年8月以降は相場の中期上昇トレンドが終わったことは中期上昇トレンドラインを割り込んだことで誰の目にも明らかだったので、その後の「下り坂」は想定していたと思いますが、ここまで急落するとは「まさか」でしたね。



本日(日付が変わったので10月24日)の日経平均は終値で7,649円となり、遂に2003年4月30日の安値@7,603円目前まで急落してきました。現在のアメリカ株相場も大幅続落しているので、このまま行くと、週明けの日経平均もバブル崩壊後の最安値を更新しそうです。



買い玉を抱えたまま、無為無策を続け、ただ上がることだけを神頼みしている人はいませんか?自分がコントロールできることだけをただ淡々と実行すること以外に他にすべきことは何もありません。相場の何たるかを殆ど知らないか知ろうともしない大多数の個人投資家は負けるべくして負けています。「生涯現役の株式トレード技術」及び「生涯現役の株式トレード技術 海図編」を読んで相場の体系的な知識を学んできた人にはそれほど困難ではないはずです。少なくとも全つなぎ、或いは、全て損切りして100%キャッシュポジション、理想的には空売りポジションか売り長ポジションになっていますよね。



約5%の人はこの下げ相場で積極的に稼いでいると思います。私も欲張らずに殆どがオーバーナイトのスウィングの連続となっています。といっても、1日で10%以上動くこともよくあるのでそれで十分です。騰落レシオで見ると明らかに底値圏ではありますが、過去の急落局面(98年8月から9月と96年12月から翌年1月)では騰落レシオ70%未満が連続20〜25日営業日となったことがあります。したがって、日柄的には騰落レシオ70%未満の底値圏の動きは後2~3週間ほど続く余地があります。

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優利加氏の著書

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