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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

アイランド・リバーサルを形成して大幅反落

05月31日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -50.56 @33,042.78, NASDAQ +41.74 @13,017.43, S&P500 +0.07 @4,205.52)。ドル円為替レートは139円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が230に対して、下落銘柄数は1,571となった。騰落レシオは98.88%となった。東証プライムの売買代金は6兆9552億円と大きく膨らんだ。

TOPIX -29 @2,131
日経平均 -440円 @30,888円

米国株式相場は高安まちまちとなった。米債務上限問題は先週末にバイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長が債務上限を引き上げることで合意しており、早ければ水曜日にも議会を通過する見通しとなっていた。

日経平均は昨日まで4日続伸して1990年7月以来の高値を連日更新していたため、本日は利益確定売りがもともと出やすかったところへ、中国の経済指標の悪化が売り材料となった。5月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は前月比0.4ポイント下がり48.8と市場予想を下回った。景気判断の分水嶺となる50を2カ月連続で下回った。中国経済の悪化は、世界経済の悪化を意味し、機械、鉄鋼、総合商社などの中国関連銘柄がを中心に大きく売られた。

また、財務省、日銀、金融庁が集まり、国際金融資本市場に関する情報交換会合(3者会合)を開いたが、これが円高けん制を目的とするものと解釈されて、円安基調が一服した。さらに、日本の4月の鉱工業生産者指数は予想に反して前月から0.4%低下した。事前予想は前月比+1.5%の上昇だった。日中両国の経済指標の悪化を受けて、両国の生産活動の低下を警戒する売りが幅広い銘柄の売りへとつながった。本日の東証プライムの売買代金は7兆円近い金額となり大商いとなった。これは大引けで主要な株価指数構成銘柄の入れ替えのための売買が行われたからである。

日経平均の日足チャートを見ると、前日2日間の塊を島と見なすと、それから下放れしてアイランド・リバーサルを形成して大幅反落した。4月27日以来初めて10日移動平均線を割り込んだ。経験則では非常に強い売りサインである。

33業種中、保険と空運を除く31業種が下げた。下落率トップ5は、卸売り(1位)、鉄鋼(2位)、鉱業(3位)、石油・石炭(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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薄氷を踏むような終値ベースでの戻り高値更新

05月31日
昨日の米国株式市場は休場だった。ドル円為替レートは140円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かったが、株価指数は上昇した。東証プライムでは、上昇銘柄数が574に対して、下落銘柄数は1,197となった。騰落レシオは104.41%。東証プライムの売買代金は3兆194億円。

TOPIX -1 @2,159
日経平均 +95円 @31,328円

米国株式相場は休みだったため材料不足だったが、本日の日本株全般は下げる銘柄(1,197)が上昇する銘柄(574)の2倍も多かったにも拘わらず、日経平均は上昇した。日経平均算出に占めるウェイトが高い一部の銘柄群だけで日経平均を押し上げており、実態は東証プライムで年初来安値の更新銘柄が117もある。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の高値圏でザラバ高値更新をしたものの上ひげを引いた陰線で終えた翌日の本日は下げて始まった。しかし、後場から切り返して陽線となり終値ベースではバブル崩壊後の戻り高値を更新した。日経平均という指数だけを見ると日本株全般が強いという印象を抱くかもしれないが、実態は薄氷を踏むような終値ベースでの戻り高値更新である。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、保険(1位)、金属製品(2位)、水産・農林(3位)、サービス(4位)、陸運(5位)となった。
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バブル崩壊後の高値更新となったが・・・

05月30日
先週金曜日の米国株式相場は大幅上昇した(DJIA +328.69 @33,093.34, NASDAQ +277.60 @12,975.69, S&P500 +54.17 @4,205.42)。ドル円為替レートは140円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,135に対して、下落銘柄数は603となった。騰落レシオは109.01%。東証プライムの売買代金は3兆5095億円。

TOPIX +15 @2,161
日経平均 +317円 @31,234円

米債務上限引き上げを巡る与野党協議の進展を期待して、米株式相場は大幅高となった。エヌビディアの好決算を好感する動きも続いた。

米株式市場が終わってから、バイデン米大統領と米連坊議会もマッカーシー下院議長が米政府債務の法定上限を引き上げることで基本合意したと報道されたことから、本日の日本株は寄り付きから大幅高となった。海外勢による株価指数先物がまず買われて現物が追いかけ、日経平均は一時640円以上上げて、バブル崩壊後の戻り高値@31,086円を更新した。ただ、高値更新の主力は相変わらず一部の値がさ主力株(東京エレクトロンやアドバンテスト、信越化学、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループなど)に偏っており、バブルの時のように日本株全体が買われているわけではないことに注意が必要である。内需株の一角は逆に売られており、さらに中国での新型コロナウィルス感染再拡大を受けてインバウンド需要期待が強いJR東海や資生堂も売られた。また、円安・ドル高進行なのにトヨタ自動車も売られた。

米債務上限の引き上げは米国債増発を意味するため、財政悪化懸念から米国債の格付け引き下げの可能性が高まる。米国債増発は米長期金利上昇を意味し、米長期金利上昇はドル高・円安を意味する。そしてその通り、本日の外為市場では1ドル=140円台のドル高・円安となった。もし、実際に格下げとなると2011年に「AAA」から「AA-」へS&Pが格下げした時のように市場が動揺して株安となることも念頭に置いておく必要がある。

後場に入って日経平均は伸び悩み、利食い売り圧力に押されて反落して陰線で終えた。先高を期待しすぎる余り短期的な過熱感を冷ます調整がほとんどないため危うい上昇が続いている。債務上限問題を巡る与野党協議は当面の峠は越えたものの、まだ上下両院で承認される必要があり、否決されることもありうるということを市場は忘れているかのような動きである。さらに、仮に債務上限問題が当面は解決したとすると、米連邦準備制度理事会(FRB)は心理的に次の追加利上げ(0.25%)を決めやすくなるが、これは株価を押し下げる圧力となる。

日経平均の日足チャートを見ると、2日連続で窓を空けて続伸してバブル崩壊後の戻り高値を更新したたが、本日のローソク足は上ひげを引いた陰線で終えた。このチャートの形では、十中八九、明日は下げて始まると見ている。特に悪い材料が飛び出して来ないことを前提に、その後は調整を繰り返しながら高値圏で保ち合いながら、今年秋から冬にかけてのどこかで米FRBが利上げ終了宣言をすると再び高値を力強く更新するといのが今現在描いている中心シナリオである。但し、これはあくまで日経平均をけん引する主力値がさ株の動きであって、指数構成銘柄であっても底値圏でもがいている銘柄も少なくない。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、卸売り(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、鉱業(5位)となった。
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値下がり銘柄数は4日連続で1,000を超えている!

05月27日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -35.27 @32,764.65, NASDAQ +213.93 @12,698.09, S&P500 +36.04 @4,151.28)。ドル円為替レートは139円台後半の前日比円安水準での動きで一時140円台に乗せた。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かったが、日経平均は上昇した。東証プライムでは、上昇銘柄数が419に対して、下落銘柄数は1,371となった。騰落レシオは104.29%。東証プライムの売買代金は3兆4058億円。

TOPIX ±0 @2,146
日経平均 +115円 @30,916円

好決算を受けてエヌビディアが24%高と急伸してハイテク株全般の上昇へ繋がり、ナスダックは大幅反発した。米債務上限問題を巡る与野党協議は与野党の歩み寄りは見られたが依然として隔たりは大きく、合意には至らなかった。格付け会社フィチ・レーティングスは米国の外貨建て長期国債の格付けアウトルックを「ネガティブ」に引き下げた。

本日の東京市場では、米ハイテク株高と140円台まで進行したドル高・円安を背景に、東京エレクトロンやアドバンテストなど値がさ半導体関連銘柄や電気機器・精密機器株が買われて株価指数を押し上げた。インバウンド需要の回復期待を材料にJALやJR東海も買われた。その結果、日経平均は上昇したが、買われた銘柄は偏っており、東証プライムでは上昇銘柄数の3倍以上の銘柄が下落したいびつな日経平均の上昇である。日経平均は7週連続の上昇(2018年5月以来5年ぶり)となっているが、指数に対するウェイトが高い一部の銘柄の上昇によって日経平均は上げているのであり、日本株全体が上げているような錯覚に陥らないよう注意する必要がある。寧ろ、値下がり銘柄数は4日連続で1,000を超えている。

日経平均の日足チャートを見ると、2日連騰したが本日のローソク足は長い上ひげを引いた寄引同事線となり、上値では売り圧力が強く押し戻されたことを示している。この数週間の日経平均の上昇は指数に対する比重が高い一部の銘柄に偏った買いにより引き上げられており、大多数の銘柄は横ばいか寧ろ下落している。新規で買う場合はこの点に注意する必要がある。経験則では、日経平均が高値を更新しているにもかかわらず、売り圧力に負けて下げている銘柄に注目する方が儲けやすい。

33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、証券(3位)、鉄鋼(4位)、電気・ガス(5位)となった。
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アドバンテストの1銘柄だけで日経平均の下放れを食い止めた

05月25日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA -255.59 @32,799.92, NASDAQ -76.09 @12,484.16, S&P500 -30.34 @4,115.24)。ドル円為替レートは139円台半ばの前日比ドル高・円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が726に対して、下落銘柄数は1,010となった。騰落レシオは113.90%。東証プライムの売買代金は3兆4686億円。

TOPIX -6 @2,146
日経平均 +118円 @30,308円

未だに米債務上限問題を巡る与野党間の主張の隔たりが大きく、共和党は大胆な歳出削減を求めていて協議の進展が見られない。デフォルト懸念がさらに高まり、リスク回避のための売りが優勢となった。さらに、4月の英国消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、高インフレを警戒した株売りが欧州株を押し下げたことも米国株式相場の重荷となった。

米国画像処理半導体大手のエヌビディアが好決算を発表したことで、本日の東京市場では値がさ半導体関連銘柄に買いが波及した。東京エレクトロン、スクリーン、信越化学などが買われた。中でも、半導体製造装置のアドバンテストが急伸して、この1銘柄だけで日経平均を154円押し上げた。もし、アドバンテストが前日比で分からずだったなら、日経平均は下げていたことになる。一部の株価指数に対する寄与度が高い銘柄を除けば、株価は高値・戻り高値を更新できなくなっており、横ばいか下げ始めている。

日経平均の日足チャートを見ると、下放れて始まり「被せの下抜け」で下放れすると思いきや、切り返して陽線で終えて踏みとどまった。しかし、アドバンテストの1銘柄だけで日経平均の下放れを辛うじて回避したと言えるため、買い玉に対しては細心の注意が必要である。逆に売り玉は粘った方が良いと見ている。但し、相場の足を引っ張っている米債務上限問題を巡る与野党の協議の難航は最終的には必ず解決すると見ている。その途端に、米株式相場は急反発するはずであり、日本株も同様に反発すると見ているが、日本株は既に高値圏にあるのでその反発期間はそれほど長くないかもしれない。

33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、銀行(2位)、保険(3位)、陸運(4位)、繊維製品(5位)となった。
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天井圏で「被せの下抜け」が出現

05月24日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -231.07 @33,055.51, NASDAQ -160.53 @12,560.25, S&P500 -47.05 @4,145.58)。ドル円為替レートは138円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が603に対して、下落銘柄数は1,134となった。騰落レシオは115.92%。東証プライムの売買代金は3兆1184億円。

TOPIX -09 @2,152
日経平均 -275円 @30,683円

米債務上限問題を巡る与野党協議に進展がなかったため、米国のデフォルト懸念が再び高まり、株式市場ではリスク回避の売りが優勢となった。その結果、主要3株価指数が揃って反落した。

米国株の反落に加えて、この数週間、日経平均は過熱気味に上昇を続けて来たこと、さらに中国で新型コロナウィルスの感染が再拡大していると報道されたことで、利益確定売りにより本日の日本株全般は売り優勢となり、日経平均は続落した。ただ、ある程度下げると押し目買いが入り下げ渋った。東証によるPBR=1倍割れ企業に対する改善要請や金融緩和政策の継続などが通奏低音としてあり、日本株の先高観は今のところは根強そうである。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の「被せ線」を形成した陽線の安値を割り込んだ。これで「被せの下抜け」となり、明日の前場でより安く始まると買い玉のロスカットが急増して下げが加速すると見るのが定石である。但し、いつも定石通り動くわけではないが。

33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、陸運(2位)、サービス(3位)、小売り(4位)、繊維製品(5位)となった。
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天井圏で「被せ線」の出現

05月23日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -140.05 @33,286.58, NASDAQ +62.88 @12,720.78, S&P500 +0.65 @4,192.63)。ドル円為替レートは138円台半ばでの前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が356に対して、下落銘柄数は1,420となった。騰落レシオは122.71%。東証プライムの売買代金は3兆7601億円。

TOPIX -14.41 @2,169
日経平均 -129円 @30,958円

米債務上限問題を巡る与野党協議はまたもや合意には至らなかったため、米株式相場は高安まちまちとなった。しかし、米国のハイテク株の上昇と円安・ドル高の進行を好感して日本株は寄り付き後から続伸した。しかし、後場になると、経済産業省が先端半導体の製造装置など23品目を輸出管理の対象に加える政令を公布したことを嫌気して、東京エレクトロンやアドバンテストなど値がさハイテク株が大幅安となり、日経平均を押し下げた。

日経平均の日足チャートを見ると、続伸して高く寄り付いたものの、押し返されて陰線で終わった。ローソク足は売り線である「被せ線」となった。昨日時点で25日移動平均線乖離率が+6.6%、RSI(14日)が90.0%まで上昇していた。そして本日は被せ線が出現した。通常なら、ここから少しは調整するが、さてどういう展開となるか。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、鉄鋼(2位)、空運(3位)、陸運(4位)、その他製品(5位)となった。
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今は「ジャブ」狙いくらいで「カウンターパンチ」は狙わない

05月22日
先週金曜日の米国株式相場は反落した(DJIA -109.28 @33,426.63, NASDAQ -30.94 @12,657.90, S&P500 -6.07 @4,191.98)。ドル円為替レートは137円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,242に対して、下落銘柄数は539となった。騰落レシオは129.85%。東証プライムの売買代金は3兆45億円。

TOPIX +14 @2,176
日経平均 +278 @31,087円

米債務上限問題を巡る与野党協議は早期合意が期待されていたが、中断したため再び米国のデフォルト懸念が高まった。しかし、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレ抑制のためにもう追加利上げは必要ないかも知れないと発言したことが相場を下支えた。主要3株価指数が揃って反落したが、週間では3指数とも上昇した。

本日の日経平均は続伸して8日連続の上昇となった。日本株を買い上がるような新しい材料はないが、短期筋による買いが買いを呼ぶような展開となっている。海外の株式相場と比べると、2023年度に入ってから伸び率では日本株が独歩高となっている。足元の際立った上昇の背景には、反ビジネスの色彩が高まる中国リスクを意識して中国の代替投資先としてアジア勢と欧州勢が中国株から日本株に資金を移し替えているという指摘がある。

日経平均の日足チャートを見ると、利食い売りに押されて安く始まったが大陽線で切り返してバブル崩壊後の戻り高値を更新した。足元は非常に強い相場ではあるが、25日移動平均線乖離率が+6.6%まで拡大しており、短期的な過熱感は無視できないほどに高まっているため、何か反落するきっかけがあるとそれに続く反動が予想外に大きくなるかもしれないと想定しておきたい。買いから入る場合は、今は「ジャブ」狙いくらいで「カウンターパンチ」は狙わない。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、空運(2位)、陸運(3位)、水産・農林(4位)、食料品(5位)となった。
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株価指数に占めるウェイトが高い銘柄に偏った買いによる上昇

05月20日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +115.14 @33,535.91, NASDAQ +188.27 @12,688.84, S&P500 +39.28 @4,198.05)。ドル円為替レートは138円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなったが、ウェイトが大きい主力株が続伸したため株価指数も続伸した。東証プライムでは、上昇銘柄数が812に対して、下落銘柄数は945となった。つまり、下落銘柄数の方が多いにもかかわらず日経平均は続伸したところに脆弱さを感じる。騰落レシオは131.00%。東証プライムの売買代金は3兆4097億円。

TOPIX +4 @2,162
日経平均 +234円 @30,808円

複数のFRB高官(ローガン・ダラス連銀総裁とブラード・セントルイス連銀総裁)が利上げ継続を示唆する発言があり株価押し下げ圧力となったが、米債務上限問題を巡る与野党協議の合意が期待されて(共和党マッカーシー下院議員が与野党協議の合意について楽観的な見方を示した)株価押し上げ圧力となった。差し引きネットでプラス圧力が勝り、株式相場は続伸した。

米国株式相場の続伸を好感して、本日の日経平均も7日続伸した。円安・ドル高が進行して1ドル=138円となり、主力値がさ株成長株だけでなく輸出関連銘柄も買われて2021年9月14日のバブル崩壊後の戻り高@30,670円を更新し、1990年8月以来33年ぶりの高値となった。ただ、東証プライムの半数以上は値下がりした事実に注目すべきだろう。足元の日経平均の急上昇は日本株全体が買われた結果ではなく、33業種中15業種だけが上げ(つまり、過半数の業種は下げた)、株価指数に占めるウェイトが高い銘柄に偏った買いによる上昇である。

日経平均の日足チャートを見ると、5月11日を起点として窓をいくつも空けながら急上昇を続けてきて、本日は初めて陰線(上下にひげを引いた短陰線)で引けた。買い方は快進撃を続けてきた軍隊のように敵地奥深くまで進行したが、気が付けば補給線が長くなりすぎたという感じがする。本日の陰線により買い方の快進撃が止まり、売り方の反攻がいつ始まっても不思議ではない気配である。もし、今日新規に買い玉を建てたなら、反落に対して最大の警戒が必用である。逆に言えば、昨日、今日あたりで新規で売り玉を建てていたら、かなり心理的にリラックスしていられるだろう。

日経平均が記録的な急上昇をしてきたが、逆に下げているか横這いの銘柄も少なくない。そのような銘柄の共通項は業績見通しが芳しくないことである。もし、日経平均が調整始めると、そういう銘柄がどういう動きをするか想像してみると、どの銘柄に注目して何をすべきかということが見えてくる。

33業種中15業種が上げた。上昇率トップ5は、精密機器(1位)、サービス(2位)、機械(3位)、医薬品(4位)、化学(5位)となった。
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2021年2月〜9月にかけての3万円を少し回復した水準の攻防戦

05月18日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +408.63 @33,420.77, NASDAQ +157.51 @12,500.57, S&P500 +48.87 @4,158.77)。ドル円為替レートは137円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株は高安まちまちだったが、主力銘柄が買われたため株価指数は大きく続伸した。騰落レシオは138.22%となった。東証プライムの売買代金は3兆8007億円。

TOPIX +24 @2,158
日経平均 +480円 @30,574円

バイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長の双方から米債務上限問題を巡る協議の合意について前向きな発言があったことでデフォルト懸念が後退した。地銀のウエスタン・アライアンスの預金が増加したことが分かり、地銀を巡る経営不安も後退した。これらを好感して米株式相場は主要3株価指数が大幅続伸した。米国ニューヨークでの取引時間中に日経平均CFDは大きく上昇していた。

米国株の大幅続伸を受けて、本日の日本株も主力株値嵩株を中心に買われて、日経平均が大幅続伸した。円安・ドル高が進み、輸出関連銘柄も買われた。上げ幅は一時570円を超え、2021年9月14日の戻り高値@30,795円にあと少し(30,667円)まで迫った。

海外投資家が消去法的に日本株を買っていると言われているが、買う理由は既に何度か述べて来た3つの理由の他にもう一つある。それは日本の実質金利の低下である。物価上昇率が上げてきたため、実質金利(=名目金利‐インフレ率)は下げており、10年物物価連動債の利回りから計算するとマイナス0.56%とマイナス圏にある。それに対して、米国は度重なる政策金利の引き上げにより実質金利が上昇して来た。消去法的に日本株が魅力的に見える。ただ、上げたのは東証プライムの約半分くらいの銘柄だけで、全面高とは程遠かった。ここ数週間の日経平均の上げ方も少し変な上げ方である。前日比上げ幅の半分強は個別銘柄ではなく、先物主導で米国時間中に既に上げてから東京市場にバトンタッチされている。相場と言うものはある程度一方向へ大きく動いても時間をかけて移動平均線へ回帰しようとする。回帰して戻ろうとしている時にそれを後押しするような材料が重なると戻る力が急に大きくなるので、素早い対応が求められる時がある。

日経平均の日足チャートを見ると、また大きく続伸して2021年9月14日の戻り高値@30,795円にあと少し(30,667円)まで迫った。週足に切り替えてチャートを見ると、2021年2月〜9月にかけての3万円を少し回復した水準の攻防戦になっていることに気付くはずである。今回で3度目である。この水準を一気に上抜けることができれば、やれやれの戻り売り圧力が消えるので上に動きやすくなる。問題は、やれやれの売りをすべて買い切った上で、利益確定売りも全て買切る必要がある。もし、3度目も失敗したら、また1年から2年ほどの長い調整期間が来ると見ておきたい。

33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、電気機器(1位)、精密機器(2位)、機械(3位)、海運(4位)、卸売り(5位)となった。
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一部の強い銘柄の上昇が株価指数の上昇をけん引

05月17日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -36.46 @33,012.14, NASDAQ -22.16 @12,343.05, S&P500 -26.38 @4,109.90)。ドル円為替レートは136円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かったが、主力銘柄が上昇したため株価指数は上昇した。東証プライムでは、上昇銘柄数が758に対して、下落銘柄数は1,007となった。騰落レシオは143.31%。東証プライムの売買代金は3兆3542億円。

TOPIX +6 @2,134
日経平均 +251円 @30,094円

米債務上限問題が重しとなっている中、ホーム・デポが予想以上の減収決算と通期見通しの引き下げを行ったことで多くの消費関連銘柄が売られた。その結果、米国株は主要3株価指数が揃って下げた。

しかし、今の日本株、特に、日経平均は強く、5日連続で上昇し、遂に大台の3万円を回復した。3万円台回復は2019年9月28日以来1年8カ月ぶりである。円安・ドル高の進行により輸出関連銘柄が買われ、特に日経平均に占めるウェイトが高い値がさハイテク株が買われた。さら、売り方の買戻しも入り、米国株の下落にも拘わらず、大きく続伸した。また、2023年1~3月期の日本の実質GDP成長率は年率換算で+1.6%となり、市場予想の+0.7%を上回ったことも相場センチメントを支えた。ただ、日経平均はTOPIXなどの株価指数は上昇したが、東証プライムでは、上昇銘柄数は下落銘柄数よりも少なかった。つまり日本株全体が上げたのではなく、一部の強い銘柄の上昇が株価指数の上昇をけん引した。

このような日本株に対する強気の背景では、(1)欧米各国とは異なり金融緩和政策がまだしばらくは継続する見通しであること、(2) 東証によるPBR1倍割れ銘柄に対する是正勧告、(3)買いを躊躇っていた投資家が「持たざるリスク」に突き動かされて買っていること、の3つの要因が働いている。本日、半導体関連銘柄が買われたのは、岸田首相が5月18日に米台湾の半導体大手と面会して、日本への投資や拠点開設などについて意見交換すると報道されたことが材料と見られる。

ただ、諸手を上げて喜んでばかりもいられない。米国経済を見ると、米国債10年物利回り(3.5%程度)と3カ月物短期国債(5.2%程度)の金利差は1.7%もの逆イールドとなっている。5月4日には1.9%の逆イールドを記録しており、この差は1981年以来の大きさである。10年物利回りと3カ月物利回りの逆イールド幅が1.7%以上に拡大したのは過去100年間でたった125日しかない。逆イールドは景気後退のシグナルとよく言われるが、それには理由がある。銀行融資が消極的になることが一つの理由である。なぜか。銀行のビジネスモデルは短期で資金を調達して長期で運用することである。したがって、逆イールドが進むと、調達コストは上昇しているのに、運用利回りは低いため逆ザヤとなり銀行経営を圧迫し、銀行は守りの姿勢に入るから市場にお金が出回りにくくなる。その結果、景気後退を引き起こすと考えられる。

33業種中17業種が上げた。上昇率トップ5は、空運(1位)、パルプ・紙(2位)、保険(3位)、陸運(4位)、銀行(5位)となった。
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デモ銘柄の4902コニカミノルタは[5-5]としました

05月17日
昨日の米国株式相場は小幅上昇した(DJIA +47.98 @33,348.60, NASDAQ +80.47 @12,365.21, S&P500 +12.20 @4,136.28)。ドル円為替レートは135円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が995に対して、下落銘柄数は767となった。騰落レシオは148.86%まで上昇したが、この水準を長く維持することは不可能である。東証プライムの売買代金は3兆5529億円。

TOPIX +12 @2,127
日経平均 +217円 @29,843円

5月のニューヨーク連銀製造業業況指数が前月分の10.80から-31.80へ下落し、市場予想の-3.75を大幅に下回る大幅悪化となったため、株式相場は下げて始まった。しかし、債務上限問題については過度な警戒感が後退してきて主要株価指数は上昇した。債務上限問題は過去に何度も現れたが、皆乗り越えて来たため、アメリカ国民にとっては耐性がある。

フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したことを受けて、東京エレクトロンなどの半導体関連銘柄が買われて、日経平均の上げ幅は一時300円近くままで拡大した。外国人投資家にとっても日本株の魅力は(1)金融緩和政策の継続に対する期待、(2)PBR<1倍割れ銘柄の是正する動き、が最大のものだろう。

日経平均の日足チャートを見ると、三空を空けて急上昇して本日は十字線となった。しかも、騰落レシオは148.86%まで上昇した。テクニカル的に考えると一休みしてもまったく違和感がないほど当面の上昇エネルギーを使い果たしたと見る。但し、さらに株価を押し上げる強力なファンダメンタルズの変化(例えば、米国の利上げ終了宣言)があればさらに続伸もありうるが。

デモ銘柄の4902コニカミノルタは本日、買い玉2枚を切って、残り5枚を売りつなぎして[5-5]としました。決算を跨ぐときは、原則としてポジションをゼロにするか全つなぎで跨ぐようにしているのですが、この銘柄はデモ銘柄なのでちょっとアクロバティックに細かい波も取ってやろうとしたために結果として無駄玉を打ち、無駄な売買をやってしまいました。5月10日に全つなぎにしていたので、そのまま今日まで放っておくことがベストの戦術でしたが「見世物」を意識したために本来はしなくても良い無駄な売買をやりました。他山の石として学んでもらえば、悪いケーススタディ材料としての利用価値はあるでしょう。昨日、決算発表と同時に決算見通しも下方修正されたことが分かり、本日は大きく下放れて寄り付いた後さらに下げ幅を拡大しましたが、結局、長い下ひげを引いた短陽線で終り、且つ、大出来高となりました。売るべき人は皆売り切った感があります。通常ならしばらくは反発モードに入るはずです。その場合でも、当面の間は窓を埋めるくらいまでしか反発できないと見ています。減益見通しではあるものの、赤字ではないためだらだらといつまでも下げ続けることもなく、数週間から1カ月ほどの下値圏でのもみ合いが続いた後、再び徐々に反発し始めるでしょう。それでも、昨年11月初旬から始まったような急上昇は当面は期待薄です。

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、医薬品(2位)、電気機器(3位)、小売り(4位)、食料品(5位)となった。
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デモ銘柄の4902コニカミノルタつなぎ売り玉を全玉手仕舞いして[0-7]

05月15日
先週金曜日の米国株式相場は小幅安となった(DJIA -8.89 @33,300.62, NASDAQ -43.76 @12,284.72, S&P500 -6.54 @4,124.08)。ドル円為替レートは136円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数は1,166に対して、下落銘柄数は620となった。騰落レシオは139.94%。東証プライムの売買代金は3兆1715億円。

TOPIX +18.46 @2,114.85
日経平均 +238.04 @29,626.34

米債務上限問題や地銀の経営不安がくすぶる中、5月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想以上に悪化したため景気減速懸念が根強く、先週金曜日の米国株式相場は軟調となった。さらにミシガン大学が同時に発表した5年先期待インフレ率速報値は前月の3.0%から3.2%へ上昇した。これによりインフレの長期化懸念が強まり、米国債10年物利回りは上昇した。その結果、外為市場ではドル高・円安となった。

海外投資家が株価指数先物を買い続けており、さらに国内企業は積極的な自社株買い方針を示している。それに加えて、外為市場ではドル高・円安となっていることで日経平均は続伸して年初来高値を更新した。

日経平均の日足チャートを見ると、年初来高値を更新した。ただ、短期的な一波の上昇幅としてはそろそろN字予想値の限界に達して来たため、上げ止まりを暗示する線が出現したら一旦は利食いしておきたい局面ではある。昨年10月3日安値@25,621円を起点として11月24日戻り高値@28,502円への上昇幅(=2,881円)、今年1月4日安値@25,661円と3月9日戻り高値@28,734円への上昇幅(=3,073円)と比べると、今回の上昇波動は既に3月16日安値@26,632円から本日の高値@29,629円まで上げており、その上昇幅は2,997円となっている。

デモ銘柄の4902コニカミノルタは、本日つなぎ売り玉を全玉手仕舞いして[0-7]としました。後場終了と同時に発表された24年3月期の予想営業利益は400億円から180億円へ減額となり、予想EPSが50円から10円へと引き下げられた影響は既に株価に織り込まれたかどうかは明日以降の動きで分かります。

33業種中28業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、その他金融(2位)、証券(3位)、食料品(4位)、医薬品(5位)となった。
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乗り遅れまいと買うから上がる相場(FOMO)には危うさも

05月13日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -221.82 @33,309.51, NASDAQ +22.07 @12,328.51, S&P500 -7.02 @4,130.62)。ドル円為替レートは134円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数数が1,031に対して、下落銘柄数は737となった。騰落レシオは125.48%。東証プライムの売買代金は3兆9587億円。

TOPIX +13 @2,096
日経平均 +262円 @29,388円

4月の米生産者物価指数(PPI)は前年比+2.3%(前月比+0.2%)となり、市場予想の+2.5%(前月比+0.3%)を下回った。さらに、新規失業保険申請者数は26.4万件と市場予想の24.5万件(先週発表分は24.2万件)を上回り失業者数が増えて来た、つまり、労働市場の過熱感がやや低下してきたことを示す。これらの統計数値を受けて、米10年債利回りは前日の3.44%から3.38%へ低下した。米ドル金利の低下を反映して前日比ドル安・円高となった。米長期金利の低下を好感して、金利に敏感なハイテク成長株は堅調な動きを示した。しかし、パックウェスト・バンコープの預金が5月第1週に9.5%減少したことが分かり、地銀の経営不安が再燃した。これに加えて米債務上限問題の懸念も根強く、ダウ工業株30種平均は下げた。

本日の日経平均は上げて2021年11月下旬以来、約1年半ぶりの高値を付けた。利上げが続く米国株式相場と比較して金融緩和政策が今しばらくは継続するであろう日本株相場は買い安心感があるようだ。決算発表の内容が良かった銘柄は素直に買われている。また、FOMO (Fear of Missing Out)、つまり、相場が上がる過程で、特に買う理由が見つからなくても自分だけが買わないと「自分だけが乗り遅れるという恐怖」に駆り立てられて、買いがさらに買いを呼ぶ現象が起こっているという指摘もある。では誰がFOMOに駆り立てられて買っているかというと、外国人投資家である。投資部門別売買動向を見ると、5月第1週(1~2日)に現物と先物の合計で約4600億円買い越しており、今年に入ってから5月第1週までに3兆6000億円買い越して来た。ただ、上がるから買うというやり方は売り方が買い戻すのでしばらくは上がるが、早晩限界が来る。株式相場が持続的に上げるためには、それなりのファンダメンタルズの変化による裏付けが必要である。例えば、米国が利上げを停止し、後はいつ利下げが始まるかというような変化である。また、早ければ6月1日にも起こりうる米政府の資金繰りの行き詰まり、つまり債務上限問題は特に景気敏感株を押し下げている。国益を顧みず党利党略のために動いている議員が多いのか、与野党の協議は今のところ進展が見られない。万が一、資金繰りに行き詰まり、米国債がデフォルトを起こすとその影響は米国市場に留まらず、燎原の火のごとく一瞬にして世界中に拡大して大混乱をもたらす。2011年と2013年にも同じような危機があった。そのままだとデフォルトが起こる日の2週間くらい前から米国株式相場は下落に転じ、その巻き添えを喰らって日本株相場も最大で7%下落した。歴史は繰り返さないが韻を踏む。用心に越したことはない。

日経平均の日足チャートを見ると、昨年8月17日の戻り高値@29,222円を終値ベースで上抜けした。これが意味することは何か。仮に日経平均とほぼ同じポートフォリオで買いポジションを組んでいたとすると昨年8月17日以降どのタイミングで買っていたとしても、全員が含み益を持っていることを意味すする。換言すれば、誰一人として損切りする必要性がない、つまり、ロスカットのために売り急ぐ必要性がない状態となったということである。勿論、利益確定目的で売る圧力が全くなくなるわけではないが。

33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、水産・農林(1位)、精密機械(2位)、ゴム製品(3位)、輸送用機器(4位)、電気・ガス(5位)となった。
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アイランドの上下幅の中での動きが続いている

05月11日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -30.48 @33,531.33, NASDAQ +126.89 @12,306.44, S&P500 +18.47 @4,137.64)。ドル円為替レートは135円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が740に対して、下落銘柄数は1,021となった。騰落レシオは124.02%。東証プライムの売買代金は2兆9627億円。

TOPIX -3 @2,083
日経平均 +5円 @29,127円

4月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が前年比+4.9%となり前月分やおよび市場予想(+5.0%)を下回った。前月比では+0.4%(>前月分+0.1%)と伸びが加速したが、市場予想通りでサプライズはなかった。これを受けて、米10年債利回りは前日の3.52%台から3.43%台へ低下した。その結果、外為市場ではドル安・円高となった。長期金利の低下を好感してハイテク株が上昇したためナスダックが上げた。他方、景気減速懸念や債務上限問題は引き続き懸念材料となっており、景気敏感株は売られた。

本日の東京市場では、米ハイテク株の上昇とフィラデルフィア半導体株指数(SOX)の上昇を好感して半導体関連銘柄が買われて株価指数を押し上げた。他方、ドル安・円高進行は輸出関連銘柄を押し下げた。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の「はらみ線」の範囲内で留まっているし、5月1日のギャップアップで生じたアイランドの上下幅の中での動きが続いている。決算発表が相次いでおり、個別銘柄の株価は大きく変動しやすい。昨年8月11日の戻り高値@29,222円を明確に上抜けるか、或いはアイランド・リバーサルとなるか、これから数週間以内にそのどちらかが実現すると見ている。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、海運(2位)、倉庫・運輸(3位)、建設(4位)、ガラス・土石(5位)となった。
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デモ銘柄の4902コニカミノルタは本日7枚売り建てて全つなぎとし[7-7]

05月11日
昨日の米国株式相場は小幅下落した(DJIA -56.88 @33,561.88, NASDAQ -77.36 @12,179.55, S&P500 -18.95 @4,119.17)。ドル円為替レートは135円台前半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が436に対して、下落銘柄数は1,341となった。騰落レシオは132.21%。東証プライムの売買代金は3兆1877億円。

TOPIX -11.64 @2,086
日経平均 -121 @29,122円

4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控え、さらに債務上限問題を抱えて昨日の米国株式相場は軟調な動きだった。主要3株価指数は揃って小幅安となった。

ナスダックの下落を受けて東京エレクトロンなどの日経平均を構成する主力銘柄が下げたたことで日経平均は下げた。決算発表や業績見通し下方修正発表などを受けて売られる銘柄が目立った。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の陽線に対して本日は短陰線が続き「はらみ線」となった。高値圏での「はらみ線」であり、しかも、5月1日にはギャップアップしているので反落して窓を埋める「アイランドリバーサル」を警戒する必要がある。

デモ銘柄の4902コニカミノルタは本日7枚売り建てて全つなぎとし[7-7]としました。突然の巨額の減損損失を発表し予想外の大赤字となることを前場終了時に発表しました、そのため後場開始とともに急落しました。警戒していた「ま坂」が起ったのですが、常に「ま坂」も想定の範囲内なので自動的につなぎ売り玉が建ち、売り玉の含み益がどんどん増加するので「もっと下がれ〜!」と思いつつ外出しました。夜帰宅して株価チャートを見ると下げ幅を拡大させたのち切り返して非常に長い下ひげを引いた長大陰線で終えていました。2023年3月期の決算(既に過去のもの)は最終赤字になるものの、売上も営業利益も従来予想よりも良い数字を出しました。つまり、減損損失(1回限りの性質)を出して最終赤字にはなるものの、足元の本業は悪くないということです。株価の原理原則は将来稼ぐキャシュフロー(≒一株利益)の現在価値なので、重要なことは過去の数字ではなく、未来の数字です。特に1年〜2年先の決算見通しが株価の方向性を決定します。今最も知りたいのは、2024年3月期見通しと、2025年3月期見通しです。5月15日発表予定です。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、鉄鋼(1位)、医薬品(2位)、食料品(3位)、水産・農林(4位)、ゴム製品(5位)となった。
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海外機関投資家は日本株への投資配分比率を増やしているようだ

05月10日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -55.69 @33,618.69, NASDAQ +21.51 @12,256.92, S&P500 +1.87 @4,138.12)。ドル円為替レートは134円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,497に対して、下落銘柄数は288となった。騰落レシオは143.20%。東証プライムの売買代金は3兆2476億円。

TOPIX +26 @2,098
日経平均 +293円 @29,293円

先週に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り0.25%の追加利上げが決定されて、政策金利の誘導目標は5.00〜5.25%に上昇した。4月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想の18.0万件を上回り25.3万件となったが、2月と3月のNFPの数値は下方修正された。パックウェスト・バンコープは大幅減配を発表したが株価は3.65%上げ、地銀株全般は買戻しが続いた。米国株式相場は高安まちまちで終えた。これで地銀売りパニックは峠を越えたかもしれない。ただ、銀行の貸出審査は依然と比べてより厳しくなっているはずなので、米国経済全体としてのお金の流れが悪くなり、それが米国経済全体にボディーブローのように時間の経過と共に効いて来ると見るべきであろう。

本日の日本株全般は上げ、日経平均は上げ幅が300円を超える場面もあった。米国でハイテク株が買われた流れを受けて、東京エレクトロンやアドバンテストなどの値がさ半導体関連銘柄が買われた。銀行の貸し出し審査が厳しくなってきた米国と比べ、依然として金融緩和政策を継続している日本では金融不安が起こる確率は低く、消去法的に海外機関投資家は日本株への投資配分比率(アセット・アロケーション)を増やしていると考えられる。さらに、ウォレン・バフェット氏が日本株への投資をさらに増やすと言明していることも日本株を下支えしている。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の陰線に対して、本日はたすきを掛けるように陽線で切り返して「たすき線」となった。まだまだ力尽きてはいないという証である。8月17日高値@29,222円を終値ベースで明確に上抜けできるかどうかに注目している。

33業種中32業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、卸売り(2位)、輸送用機器(3位)、保険(4位)、電気・ガス(5位)となった。
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米高金利政策の長期化懸念と日本経済の高まるリオープン需要の綱引き

05月08日
先週金曜日の米国株式相場は大幅反発した(DJIA +546.64 @33,674.38, NASDAQ +260.02 @12,235.41, S&P500 +75.03 @4,136.25)。ドル円為替レートは134円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,126に対して、下落銘柄数は637となった。騰落レシオは130.75%。東証プライムの売買代金は2兆9924億円。

TOPIX -4 @2,071
日経平均 -208円 @28,950円

売られ過ぎていた米地銀株は急反発した。身売りを含めた戦略的オプションを検討しているとの報道によりパックウェスト・バンコープは81.70%急反発した。ウエスタン・アライアンスは49.23%高、ザイオンズ・バンコープも19.22%高と地銀株は軒並み大幅反発した。さらに、アップルは市場予想を上回る決算を発表して大幅高となり市場センチメントが大きく改善した。終わってみれば、主要3株価指数は大幅上昇した。

大型連休明けの今日、日本株は外為相場が円高・ドル安方向へ振れたことや高値警戒感が増したことから売り優勢となり反落した。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は日本の大型連休中に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の追加利上げを決定したため、米金融引き締めが長期化することにより米景気が減速する懸念が高まったと受け止められて株式相場の重石となった。他方、株式相場の下支えとなったことがある。本日、5月8日から新型コロナウィルスの感染防止法上の取り扱いが季節性インフレ率と同じ「5類」へ移行した。これにより経済再開(リオープン)を期待した買いが増加した。本日のNHKの「クローズアップ現代」で取り上げていたが、観光地の賑わいは相当なもので労働力が不足してサービスを十分供給できないほどである。

日経平均の日足チャートを見ると、連休前の5月2日にザラバ高値@29,144円と昨年8月17日高値@29,222円(上値抵抗線)に迫るまで上昇したが、高値を更新できず陰線で終えた。そして、今日も陰線で続落した。マクロ的に見ると、米国の高金利政策がいつまで継続されるか不透明であるという悪材料と、日本経済のリオープン需要という好材料が綱引きをやっている。最終的にどちらが勝るかは事前には分からないが、銘柄ごとに見れば好決算発表と業績見通しが上昇修正された銘柄は当面は買い優勢となるはずである。業績見通しが上向きで且つチャートも上向きの銘柄を買い、業績見通しが下向きで且つチャートも下向きの銘柄は売る。株式トレードの要諦はこれに尽きる。

33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、空運(1位)、パルプ・紙(2位)、海運(3位)、鉄鋼(4位)、建設(5位)となった。
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「三空踏み上げ」となるも陰線で終えた

05月02日
昨日の米国株式相場は小幅反落した(DJIA -46.46 @34,051.70, NASDAQ -13.99@12,212.60, S&P500 -1.16 @4,167.87)。ドル円為替レートは137円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が623に対して、下落銘柄数は1,115となった。騰落レシオは138.00%。東証プライムの売買代金は2兆6675億円。

TOPIX -3 @2,076
日経平均 +35円 @29,158円

4月の米ISM製造業PMIが47.1(>前月分46.3、市場予想46.8)と強い結果となり、FRBによる利上げ期間が長期化するとの見通しが強まった。その結果、米10年債の利回りは先週末の3.45%台から3.57%台へ上昇し、日米金利差の拡大からドル高・円安が進行して1ドル=137円台後半となった。

円高・ドル安を好感して電気機器や精密機器など輸出関連銘柄の一角が買われて、日経平均は続伸して3日連続で年初来高値を更新した。特に東京エレクトロンやアドバンテストが上げたことで日経平均を押し上げた。ただ、日本は5連休を控えており、その間に海外では重要経済指標が相次いで発表されるので利益確定売りも多かったため上値は抑えられた。

日経平均の日足チャートを見ると、3日連続で窓を空けながら上昇した(三空踏み上げ)後、売りに押されて陰線で終えた。昨年8月17日の高値@29,222円をザラバでわずかに更新したため目標達成感もあり、チャートで見る限り、当面の上昇エネルギーを使い切った線となった。それでも連休明け後に高値更新をするなら、それは日本株相場の底流でまだほとんどの人が気付いていない大きな変化が起こっていることを暗示する。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、不動産(1位)、証券(2位)、海運(3位)、その他金融(4位)、食料品(5位)となった。
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相場には常に「まさか」という「坂」もある

05月02日
先週金曜日の米国株式相場は続伸した(DJIA +272.00 @34,098.16, NASDAQ +84.35 @12,226.58, S&P500 +34.13 @4,169.48)。ドル円為替レートは136円台後半の先週末比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,355に対して、下落銘柄数は417となった。騰落レシオは138.85%。東証プライムの売買代金は3兆1184億円。

TOPIX +21 @2,078
日経平均 +267円 @29,123円

3月の米個人消費支出(PCE)価格指数のコア指数は前年比+4.6%増(>市場予想+4.50%)となり市場予想を上回り、前月分の数値も+4.60%増から+4.70%増へ上方修正された。これにより5月2〜3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の追加利上げは避けられないという見通しが強まった。日銀総裁が変わっても日本の金融緩和政策はまだ暫くは継続する一方、米長期金利が上昇したためドル高・円安が進んだ。株式市場の立会時間の後に発表された4月のシカゴ地区購買部協会景気指数は48.6%(>予想43.5%)と予想を大きく上回った。心配されていたほど景気悪化が進んでいないと判断され、FRBの追加利上げを肯定する材料となる。それでもインテル株が上昇したこともあり、過度な景気悪化懸念の後退により米株式相場全体は上げた。

米国株高と円安・ドル高の進行を受けて、本日の日本株全般は上げ日経平均は大きく続伸した。円安を好感して自動車関連銘柄は上げた一方、海運株は下げたが海運は前期比で業績悪化は避けられないので当然と言えば当然である。米ファースト・リパブリック・バンクの破綻(米国の戦後史上2番目に大きな銀行破綻)およびJPモルガンチェースによる救済を巡って水面下で難しい交渉が行わてれいたことは確実(通常なら東京市場が開く前に合意に至り発表するはずだが、それが遅れて東京市場が終わってからだった)なので、日本の連休中に何らかの余波があるかもしれない。

日経平均の日足チャートを見ると、窓を空けて続伸して年初来高値を更新した。ただ、これで高値圏での「2空踏み上げ」となったので、上昇エネルギーが短期的に枯渇する可能性も高くなってきた。上値追いをする場合、逆行し始めたら躊躇せず一旦利食い売りするかつなぎ売り玉を建てることが肝要である。

デモ銘柄の4902コニカミノルタは本日、つなぎ売り玉を手仕舞いして[0-7]としました。5月15日に2023年3月期の決算発表があるので、その直後には大きく動くと見ています。現在得られる公開情報を見る限り良好な決算が期待され、それを反映して株価は上に動くと予想します。但し、相場には「上り坂」と「下り坂」の他に常に「まさか」という「坂」もあるので、その「まさか」にも備えておく必要もあります。

33業種中30業種が上昇した。上昇率トップ5は、陸運(1位)、空運(2位)、機械(3位)、化学(4位)、精密機器(5位)となった。
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