太田 創 の「英語で読み解くクールな世界金融経済」
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マネジメントとリーダーシップの違い 2007年08月31日
混同しやすい組織論のアプローチですが、「マネジメントとリーダーシップは明確に違う」ということを学びました。
マネジメントは、自分の仲間にいかに気持ちよく働いてもらえるかがポイント。
一方、リーダーシップは、時に仲間が気分を害しても、理想のあるべき姿に引っ張っていくことができるかどうか、がポイントです。
似たようなカタカナ用語ですが、意味するところは正反対です。
極端な例ですが、戦場に行けというのがリーダーシップ、戦場で生き残る術をシェアするのがマネジメントといったところでしょう。
双方、非情なものです。
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今度は東証の金ETF 2007年08月29日
今度は東証が金ETFを上場させるといっています。
東証の金ETFは、ステート・ストリートが既にニューヨーク上場している米国直輸入品で、金の現物と交換できるというものです。
なぜ、わざわざ大証でも上場している金ETFをぶつけたのか?
おそらく、金ETFの重複上場が意味するところは、東証が株式だけではなく、商品も取り込んだ取引所を設立(統合)をもくろんでいることではないでしょうか。
世界の流れは、取引所の合併および電子化です。
東証だ、大証だ、東京工業品取引所だ...、とチマチマしたことではなく、日本で唯一の一大取引所を!てなことじゃあないかな~?と、想像しちゃいます。
個人的には、出身地大阪の大証ニッチ路線が好きなのですが、世界の潮流はナニワ・ローカルを飲み込みそうな勢いです。
ところで、金ETFは円建てですから、時差を利用した裁定取引は可能なのでしょうか。つまり、前日のロンドン価格を反映した大証金ETFを買って、NY価格を反映した東証金ETFを売る、なんていうワザ。
投資信託とは違って、ブラインド方式ではないですから、その機会があるような、ないような。それともコストにあわないのかな?
誰か教えて!
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インフレであってもデフレであっても 2007年08月28日
小学校6年生の次男が、「インフレって何?」、「デフレって何?」と聞いてきました。参考書か何かに載っていたようです。
当たり障りなく、「インフレとは物の値段が上がって行くこと」、「デフレは、物の値段が下がっていくこと」と回答。
本人は、なんとなく分かったようですが、「てことは、デフレだと給料も下がって、みんな貧乏になるってこと?」とツッコンできました。(たまたまだとは思うが、いい質問。)
ふと、ここで私の回答は滞ります。
デフレであっても、必しも給料は下がらない。当然上がる人もいる。貧乏になるかどうかも分からない。
インフレだって、ハイパーでなければさほど問題ではない。
教科書の理解どおりにしばられる先生は、おそらく、「その通り。デフレはインフレよりも悪い。」と回答するかもしれません。
心配のしすぎかもしれませんが、インフレやデフレのような流動的な経済的社会事象を、仮に「いい」「わるい」とデジタルに教えてしまうと、固定観念が醸成されて、社会の中でのサバイバル力を奪ってしまうかもしれません。
古来より、できる人間は、社会がどうあれ、できる人間ですよね。
インフレであろうがデフレであろうが、子供達には食ってく方法を探す能力を身につけさせたいと考えています。
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金融商品取引法対応広告? 2007年08月27日
本日の日経新聞の32面(首都圏版)に、三井住友銀行が”グローバルネクスト”という投資信託の全面広告を打っています。
少し、違和感を感じませんでしたか?
そう、広告の下半分が「費用」と「リスク」の説明に費やされ、フォント数も16ぐらいの大きな字で書かれています。
一方、上半分の肝心な投資信託の運用対象は、「新成長国市場」というだけで、ほとんどオワリです。
この広告を見て気づいたのですが、「費用」と「リスク」の説明をいくら大きなフォントで書いたところで、文字の大きさだけが目立って、その内容が入ってきませんし、頭に残りません。
いわゆる、「金融商品取引法対応広告」なのでしょうが、一般投資家にとってはますますその投資信託の内容がよく分からないものになってしまいました。
実際、これでは、その広告が商品の認知や購入の逆トリガーになってしまいます。
逆に、業界人にとって助かるのは、一応この形式の新聞広告が投資信託の広告の”ベンチマーク”になったってことですね。
そういう意味で、三井住友銀行とゴールドマン・サックスAMは先進的と言えるかもしれません。
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個人投資家の効率的な債券ファンド投資法 2007年08月25日
グロスクリエイト・コミュニティのメンバーから質問をいただきました。
個人投資家の場合、以下の金融商品を効率的に運用していくにはどうしたらいいか?という質問です。
一般的に、債券投資は値上がり益は限られていますから、いかに高いクーポンを、安定的に得ることができるかがポイントです。 そういう観点で、これらの商品を検討してみましょう。
①外国債券利付債、ゼロクーポン債
利付債もゼロクーポン債も、その期間金利を得ることは同じです。 但し、利付債は半年に一回は利払いがありますから、再投資するのが煩雑です。 少額の利子ですと、再投資もできません。
一方、ゼロクーポン債の場合は利払いはないですが、利付債とは税制が異なります。ゼロクーポン債は税制上、やや不利ですね。
円建ての場合と外債の場合とは、税制上の扱いが異なりますので、ご注意ください。
②債券ETF(iShares LEHMAN AGGREGATE BOND/AGG等)
要するに、債券ファンドのETF版です。ポイントは、金利が高止まりしているときに買え!です。 アメリカの長期金利がこれ以上上がらないと踏むのであれば、投資してもいいのではないでしょうか。
ただし、ETFの場合、債券に投資するETFの場合、税制は株式と同じ扱いになるのではないかと思います。
大証の金ETFは、金価格に連動する債券に投資していますが、税制は株と同じです。
③外国債券インデックスファンド
リターンを求める効果としては②と変わりはありません。 もちろん外債ファンドはたくさんの種類がありますので、ファンドによって、パフォーマンスは異なります。
またまた税制がポイントですが、国内投信の外国債券インデックスファンドは、残念ながら株式と同じ扱いです。
(このあたりが、日本の証券税制のオカシナところ。)
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結局、債券ファンドをどう使いこなしていくかというのは、利回りと税制で決まるといっても過言ではありません。
もちろん、債券といっても、ソブリン債から、社債、ハイイールド債まで信用力が異なるものが多数あるので、その辺りも十分検討する必要があります。
それにしても、証券税制の歪(いびつ)さ、何とかなりませんかね~。
税制だけで考えると、今一番有利な外債ファンドはおそらく無分配型外国公社債投信(現在の税制では売却益非課税)ですね。
野村證券や今村証券で取り扱っていますよ。
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名古屋出張だ! 2007年08月22日
先週の仙台に引き続き、今日は名古屋で講演です。
今後のグローバル・マーケットの動向がどうなるか?といった演題でお話させていただきました。
ポイントは、
① 世界経済はエマージング諸国の成長に引っ張られている。
② 先進国の成長はマイルドなるも、金融市場はハイテク化、複雑化するため、ボラティリ ティ(株価の変動率)は高くなる。
③ これを耐えるには、(個人)投資家もそれを理解しなければならない。
といったメッセージをお届けしました。
ですので、株であろうが、投資信託であろうが、商品であろうが、リスクを再認識しながら、リスクを取る姿勢が大事であるということを、お伝えしたかったというわけです。
正直、燃えてしまいました(^з^)
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地方の投資熱 2007年08月21日
先週の土曜日、仙台に行ってきました。一時間ほど、世界経済と市場の見通しを話してくれというセッションがあり、そこで講演です。
参加者は金融機関関係者でしたが、やはりポイントはサブプライムとグローバル・キャリー・トレードの関係がよく分からないとのこと。何とか急造の資料で、世界的な資金の逆回転を説明しました。
やっぱり、新聞にいくら書いてあっても、講師の話を聞かないことには理解には結びつかないようです。
耳慣れている言葉ほど、「百読は一聞にしかず」ですね。
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コラム 『ETFは世界を変える』 2007年08月19日
パンローリングさんのメルマガの中でコラムを書かせていただきました。
全文はこちらをご覧くださいね!
アメリカでは既に、「核エネルギーETF」も上場間近だそうです。
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「プロ」が狼狽 2007年08月17日
笑っちゃいますが、世の中でプロと言われている金融関係者も、この暴落にビビッています。
「どうなってるんだ?」 → 「何とかしろ!」 → 「お願いだから助けて!」...。
アホちゃうか?と思ってしまいます。加えて、日経新聞もネットでも号外を出す始末。(これは宣伝以外のナニモノでもない。)
下がって騒ぐのなら、上がって騒げと言いたいです。
今回の騒ぎは、仕組みがよく分からない債務担保証券の取引がロスったので、投資家が疑心暗鬼になっただけです。
人間は何遍同じ経験をすればパニクラないのでしょうか?
結局、相場は心理が100%なのですね。
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オヒョウが出現 2007年08月16日
いやいや。
今年はヒラメどころか、オヒョウが登場してしまいました。
オヒョウを釣り上げるときは、死人も出るそうです。何せ、3メートルにもなる強大なカレイの親戚です。
ま、デカイ獲物を釣り上げる際には、それなりのリスクを取らないとイケナイということですね。
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西友の苦しみ 2007年08月15日
外資系企業の代表的な失敗例として何回か取り上げているウォルマートに買収された西友ですが、やっぱり、まだずっ~と水面下での戦いが続いています 。
何回かブログやメルマガで取り上げましたが、数年たっても上手くいっていないようです。
私が思うに、上手くいかない理由は、EDLPやシステムが上手くワークしないからではなく、ウォルマート側が日本の商文化や人事を理解できないからだと思います。
結局は、コミュニケーションが上手くいっていないのでしょうね。
資本の論理で、株主が社員をコントロールすれば上手くいくという幻想は、昨今の日本におけるM&Aがすっきりしないのと同じです。
巨大な外資をもってしても、文化の壁をぶち破って儲けるには、多大な努力と忍耐が必要なのです。
ガンバレ! 西友
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明日は終戦記念日 2007年08月14日
すこし堅いテーマですが、明日は終戦記念日です。
かつて、日本のために出征し戦火に倒れ、また戦火を生き延びられた先達に敬意を払いたいと思います。
私の父方の祖父は、終戦後ロシアの虜囚となりました。幸いなことに数年後、舞鶴港に帰還することができたのです。
「岸壁の母」そのものの世界です。 剣道をやれ!という困ったお祖父ちゃんだったですが、ビシっと筋は通っていました。
私はもちろん、戦争のことを伝聞でしか知りませんが、昔の日本人には本当にガッツがあったと思います。
赤紙一枚で召集されることの不条理。
こんなことを思えば、マーケットが動いて、たかだか数パーセント損を被ったってなんてことはありません。
生きているのですから。
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二度あることは三度ある:ABSはブレーキではない 2007年08月13日
サブプライムだかリブロースだか知りませんが、ABS(資産担保証券)系運用のしくじりで、場が荒れるのを経験するのはこれが3回目です。
一回目は2001年の9・11直後。ワールドトレードセンターが投資対象ののCMBS(商業不動産担保ローン証券)が、一挙に80%ぐらい値下がりし、それを組み入れていた投資信託の基準価額が5%以上下がりました。
二回目は、2003年のなかばごろの、航空会社不況。航空機リース債権を担保にしたABS(資産担保証券)が全滅で、Unitedが倒産しました。(飛行機は飛んでいるのですが。)
そのときも、それを組み入れていた円Libor+1%くらいを狙う投資信託が臨終しました。
ということで、今回はサブプライム問題。
なぜサブプライムABSが上手くいかなかったか分かります?
それは、「リスクのある資産をパッケージにして切り売りすれば、リスクが減ると」というセールストークを鵜呑みしたり、深く考えずリスクを見過ごす投資家がいるからです。
パッケージにしようがしまいが、結局リスクのあるものはリスクがあるのです。
仕組みは投資家を助けてくれません。助けてくれるのは、正常なリスク感覚なのです。
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熱射病寸前 2007年08月11日
気温が摂氏36度のなか、今日も元気にテニスです。
いやあ~、暑かった。
相場はかなり寒い状況ですが、体力あっての人生ですから、この暑さを楽しんでしまいました。
最後の方は、少し寒気がしましたが、とりあえず気にせずフィニシュ。一時間半プレーして2リットルの水を入れましたが、体重は2kg落ちました。
都合、4リットルくらいの水分を消費しています。
相場がどんなに落ちても、2リットルも水は飲めません。それを考えると、市場の下落なんて大したことではないですね。
明日も朝7時からテニスです。
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米欧中銀による流動性の供給 2007年08月10日
アメリカのFRBと欧州中央銀行が、市場に流動性を供給しました。サブプライムローン問題に端を発した、ミニ・クレジットクランチ解消がその目的ではないかと考えています。
株価の下落はこの状況では致し方ないので、静観せざるをえません。
むしろ”絶好の買い場”です。
中央銀行にとっては、この程度のshakeでは利下げ要因にあたらないが、さりとて自分たちがコントロールする短期金利(政策金利と連動)が”勝手に”上がるのは見過ごせない、といったことが、今回の流動性供給につながったと思います。
もちろん、メンツうんぬんの問題ではなく、これがきっかけに体力のない金融機関、特に中小の銀行に信用不安が出たらヤバイ、というのが背景です。
私の経験では、しばらくしたら市場の正常化が始まります。まずは、ご安心を。
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株式がボラタイルな時は... 2007年08月08日
株式と相関性が低い資産クラスを保有するという考え方があります。
ここ数週間、世界の株式市場は下落しましたが、金価格や石油価格といった商品価格(コモディティ)はむしろ、上昇してきています。
理論的には、株式とコモディティ双方を持っていればよい!ということになりますが、株は少額買えても、コモディティはそう簡単ではありません。
対応方法は、やはりファンド(投資信託)やETFで組み合わせていくしかなさそうです。
もちろん、パフォーマンスは株式集中投資よりも、マイルドにはなりますが。
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5.2倍、8.0倍、3.7倍、2.8倍 2007年08月07日
これらの数字はなんだか分かりますか?
競馬のオッズではありません。(笑)
これはBRICs各国の代表的な株価指数の過去5年間の上昇倍数です。
つまり、2002年7月から2007年の7月まで、ブラジル(ボベスパ指数)は5.2倍、ロシア(RTS指数)は8.0倍、インド(NIFTY指数)は3.7倍、中国(上海総合指数)は2.8倍になったということです。
本当にすごい上昇ですね。
日本の高度経済時代の1970-1975年でさえ、日経平均株価は2000円前後から4000円前後と2倍になったに過ぎません。
当時と単純に比較することはできませんが、グローバル化の影響で株式市場に流入するマネーの量がケタ違いなのでしょう。したがって、ボラティリティも高まるのは自然なことです。
結果として、アメリカのローカルな国内問題(=サブプライム・ローン)が世界の金融市場を震撼させ、投資家の度量を試しているというわけですね。
橋もインフラの一部 2007年08月05日
アメリカのミネソタ州で高速道路にかかる橋が崩落し、多数の死者がでました。
以前ニューヨークによく出張していた時から、アメリカの道路や橋はボロボロだなあ、と思っていましたが、やはり想像以上に老朽化が進んでいるようです。
日本も同様で、橋や道路のインフラは、放っておけばどんどん悪くなるばかりです。
このような背景があったかどうかはわかりませんが、先週は橋梁業界の一角に買いが入っていました。
みなさん、反応がいいですね。
今日も元気にテニスです 2007年08月04日
今日は朝から気温が上がり、始めた11時過ぎはたぶん30度は超えていたでしょう。
ハードコートでしたから、コート上は35、6度になっていたかもしれません。
その前に、家の庭の雑草抜きをしたのが効いて、股関節がよく動いていたのか、今日はフォア、バックともまあまあでした。
サーブも後半よくなり、何とか気分よく終われましたね。
いつも気づくのですが、結果を捨てるといいショットが打てるのです。
脱力 → 結果を捨てる → 楽しむ → よい結果。 いつもこの循環で行きたいものです。
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NY市場が落っこちたって、そのうち戻ります。 リラックスして待ちましょう。
吉野真由美さん 2007年08月03日
一昨日、本を出すきっかけになった岩元貴久さん
との懇親会に出席しました。
そこで、セールス・コミュニケーションを教えることをビジネスにされている吉野真由美さんと知り合いになったのです。
以前から、セミナーではお見かけしているのですが、実際にお話しするのは初めて。実は彼女、バリバりの関西人で、途中からネイティブ同士の会話となってしまったのです。
同世代ですので、大いに応援したいと思います。
特に女性の部下を持つあなた! 吉野さんのコミュニケーション術を一度読んでみてください。
欧州が熱い 2007年08月01日
日米アジパシの株価が軟調な中、欧州株が底堅い動きを示しています。
背景は、好調な企業業績と雇用の増加、失業率の低下などにあります。特に失業率は6.9%に大幅低下。(前年同期比1%ポイント下落)
加えて、ユーロ圏が東欧・ロシアまで拡大しており、だんだんと通貨変動が原因の輸入インフレや輸出不振から開放されつつある地域が増えているのでしょうね。
さて、これから、欧州中銀(ECB)がどのようなタイミングで利上げをしていくかが見ものです。
現在、ECBの製作金利は4.0%。かつての最高値は4.75%ですから、まだのり代があります。
政策金利が上がると、再びユーロ高、欧州株高となるかもしれません。
今一番面白いのは欧州市場です。
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