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優利加
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2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『
生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。
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「生涯現役のトレード日記」
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AI関連が揺れているが、非AI銘柄や好業績企業への買いが相場を支えた 10月09日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA 51.77 @51,231.64, NASDAQ -345.35 @27,193.34, S&P500 -36.41 @7,765.36, SOX -442.43 @12,623.72)。ドル円為替レートは158円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が327に対して、下落銘柄数は1,182となった。騰落レシオは87.93%。東証プライムの売買代金は7兆6133億円。
TOPIX -63 @4,091
日経平均 -994円 @69,042円
【米国株式相場】
10月8日の米株式市場は、長期金利の低下を背景にダウ工業株30種平均が小幅反発した。終値は前日比51ドル高の5万1231ドルで、午前に一時200ドル超下落したものの、金利低下を受けて買い戻しが入りプラス圏で引けた。金利上昇が消費や投資を冷やすとの懸念がやや後退し、生活必需品や消費関連株が買われた一方、半導体などハイテク株は軟調だった。
米長期金利は早朝に5.3%台半ばまで上昇したが、午後には5.2%台前半へ低下した。トランプ大統領がSNSで「中間選挙前にイランを攻撃しない」と発信し、中東情勢への警戒が和らいだことが金利低下につながった。さらに、米財務省が実施した30年債入札が無難に通過し、債券買いが強まった。
金利低下を受け、資金はハイテク株からディフェンシブ株へ移動した。ダウ構成銘柄ではトラベラーズ、ウォルマート、マクドナルドなど消費関連株が上昇。シェブロンやIBM、コカ・コーラも買われた。一方、キャタピラーやアマゾン、アムジェンは売られた。
半導体関連は総じて弱く、エヌビディアは一時3%安。英FT紙が「オープンAIの年換算売上高が市場予想を約200億ドル下回った」と報じたことが、AIインフラ投資の先行き不安を誘い、関連銘柄の重荷となった。インテル、AMD、ブロードコムなども下落し、ナスダック総合株価指数は345ポイント安の2万7193で続落。下落率は約2カ月ぶりの大きさだった。
個別では、シーゲイトやラムリサーチ、アンフェノール、コーニングなどAIインフラ関連も売られた。原油価格が3.6%上昇し、WTIは91ドル台に乗せたことも景気への懸念を強め、株式相場の重荷となった。
一方、生活必需品株には買いが広がった。ペプシコは7〜9月期決算が市場予想を上回り、一時4%超上昇。値下げ戦略が奏功し、北米以外の飲料事業が好調だった。ただし北米食品部門は減収で、通期の利益見通しは引き下げられたため、株価は伸び悩む場面もあった。酒類のコンステレーション・ブランズや調味料のマコーミックなども好決算を受けて買われた。
消費者の割安志向は強く、コストコの9月既存店売上高は北米で前年同月比12.5%増と堅調だった。金利低下を受け、マクドナルドやコカ・コーラなど消費関連株も上昇。生活必需品株のETF「SPDR必需品セクター」は2%高となり、直近の安値から反発した。
ただし、生活必需品株の本格的な底入れかどうかは判断が難しい。米消費者心理は低水準で、ニューヨーク連銀の調査では1年先の期待インフレ率が3.9%と上昇。コスト高の転嫁が難しくなる可能性もあり、必需品株の回復が持続するかは不透明だ。
【日本株式相場】
本日10月9日の東京株式市場で日経平均株価は小幅ながら3日続落し、終値は前日比11円安の6万9030円となった。前日の米国市場でハイテク株が下落した流れを受け、東京市場でもAI・半導体関連に売りが広がった。特に、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が「オープンAIの年換算売上高が市場予想を大きく下回った」と報じたことが投資家心理を冷やし、ソフトバンクグループ(SBG)やキオクシアなど関連銘柄が売られた。米国では半導体株指数(SOX)が3%超下落しており、その影響が東京市場にも波及した。
ソフトバンクグループについては、次の記事がそのリスクの本質を的確に説明している。“勝負師”孫正義が70歳目前で巻き込まれた“人生最大の一点張り” 10兆円に膨れ上がったAI投資が直面する「資金でも技術でもない巨大リスク」の正体 | 文春オンライン
ただし、東京市場では朝方の売りが一巡すると押し目買いが入り、日経平均は下げ渋った。ブルームバーグが「オープンAIの売上高は年末までに700億ドルに達する可能性がある」と報じたことが、悲観的なムードを和らげた面もある。さらに、日経平均は直近の3日間で1600円以上下落していたため、3連休を控えた海外短期筋による先物の買い戻しが相場を支えた。
東証プライム市場では値上がり銘柄が1194と全体の7割を占め、ゲームや海運など「非AI系」の出遅れ銘柄に買いが広がった。TOPIXとJPXプライム150指数は3日ぶりに反発し、相場全体としては底堅さが見られた。
個別銘柄では、ファーストリテイリングが市場予想を下回る今期純利益見通しを示したことで売られ、日経平均の重荷となった。国内消費の弱さが懸念されており、家計調査では実質消費支出が9カ月連続で減少している。半導体関連ではTDK、イビデン、村田製作所などが下落した一方、アドバンテストや東京エレクトロンなど一部の好業績銘柄は買われた。
また、吉野家ホールディングスが今期純利益を大幅に上方修正したことで5%高となり、若者や単身者の需要を捉えた商品戦略が評価された。投資家は物価高の中で「選別」を強めており、成長が見込める企業には資金が向かう傾向が強まっている。
市場では、ASMLやTSMCなど海外半導体大手の決算発表が控えており、日本株にも影響が及ぶ可能性が高いとの見方がある。金利高の環境下で株価上昇を正当化するには企業の収益成長が不可欠であり、今後の決算内容が相場の方向性を左右するとの警戒感が広がっている。
さらに、事業再編を巡る動きが投資家の注目を集めている。FUJIや住友電工など、事業セグメント間で収益格差が大きい企業に対し、再編期待から株価が上昇している。富士フイルムが複合機事業のスピンオフを検討するなど、企業が自ら変革を進める動きが評価されている。アクティビストも株主還元だけでなく事業売却や再編を提案するケースが増えており、企業価値向上の手段として再編が重要性を増している。
総じて、9日の東京市場はAI関連の揺さぶりを受けつつも、非AI銘柄や好業績企業への買いが相場を支えた。金利高と世界的な景気不透明感が続くなか、投資家は企業の収益力や事業構造の変化をより重視する姿勢を強めている。
【外国為替相場】
円相場は対ドルで底堅く推移している。背景には、高市早苗政権が財政悪化懸念を和らげる方向へ舵を切り、従来の積極財政・金融緩和を組み合わせた「リフレ政策」色を弱めていることがある。国内物価の上振れリスクを踏まえた日銀の利上げ姿勢と合わせ、円安進行にブレーキがかかり始めた。
10月9日午前の東京外国為替市場では円が一時157円台後半まで上昇。米金利の低下が直接の要因だが、国内政策の変化も円買いを支えている。りそな銀行の市場関係者は「海外のドル買い要因と国内の円買い要因が綱引きしている」と指摘する。
高市首相は国会で「リフレ政策が必要な局面ではない」と明言。これまで閣僚が否定してきたリフレ政策を首相自身が否定したことで、円売りを仕掛けていた投機筋の動きが一服したとみられる。また、金融政策について「日銀の自主性を最大限尊重する」と述べ、7月の骨太方針原案で生じた「利上げけん制」と受け取られた混乱を払拭する姿勢を示した。市場との対話を重視する姿勢は、円の強気派から一定の評価を得ている。
日銀側でも利上げ継続を示唆する発言が相次ぐ。佐藤審議委員は「政策金利を段階的に調整する方針に賛成」と述べ、ハト派とみられた人物の発言として市場に驚きを与えた。さらに、日銀が基調的な物価上昇率について「2%に到達した」と判断する方向で検討しているとの報道もあり、追加利上げ観測が強まっている。
10月8日の支店長会議でも価格転嫁の広がりが示され、基調物価は2%超で推移。SMBC日興証券は「米欧が利上げをためらう中で、日銀が12月会合で正常化を続けるなら円買い材料になる」と分析する。
ただし、円高への本格転換はなお不透明だ。政策金利は9月の利上げで1.25%となり、日銀が推計する中立金利の範囲に入った。金融緩和度合いの調整が進むほど追加利上げ余地は限られ、為替市場では日銀の政策運営への注目が一段と高まっている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、3日続落したが、本日は陽線で終えて下げ渋りを見せた。移動平均線に注目すると、上から順番に、上向きの10日移動平均線、上向きの25日移動平均線、わずかに上向きの60日移動平均線が走っており、株価は10日移動平均線の上で推移している。株価サイクル��(着実な上昇)に入った。本日の陽線が押し目となるならば、来週はまた高値を追いながら戻ると見ることができる。ただ、日本が3連休の内に海外発の大きな悪材料が出てくればこのシナリオは変わる。チャート・リーディングで読む少し先の未来は、常に「この先株価を読みと反対方向へ動かす大きな材料が飛び出してこない限り」という留保条件が付く。
33業種25業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、その他製品(2位)、サービス(3位)、食料品(4位)、電気・ガス(5位)となった。
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世界的な金利上昇でも業績期待が強い銘柄には押し目買い 10月09日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -341.41 @51,179.87, NASDAQ -61.20 @27,538.69, S&P500 -17.16 @7,801.77, SOX -151.67 @13,066.15)。ドル円為替レートは158円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇絵銘柄数が327に対して、下落銘柄数は1,182となった。騰落レシオは87.93%。東証プライムの売買代金は7兆6133億円。
TOPIX -63 @4,091
日経平均 -994円 @69,042円
【米国株式相場】
10月7日の米株式市場は、高金利が重荷となり主要指数が反落した。ダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに下落し、終値は約341ドル安の5万1179ドル。米10年債利回りが一時5.36%と2002年以来の高水準に上昇し、株式の割高感や景気の先行き不透明感が意識された。原油価格も高止まりし、世界的な金利上昇圧力が続く中で投資家心理が悪化した。
景気敏感株の下げが目立ち、キャタピラーは農機業界の反競争的慣行に関する調査開始報道を受けて大幅安。資本財、素材、金融、消費関連など幅広い銘柄が売られ、ダウ平均は一時600ドル超下落した。ハイテク株にも持ち高調整の売りが入り、ナスダック総合指数とS&P500種株価指数は前日まで最高値を更新していたが、この日は小幅安で引けた。
一方で、AI関連銘柄への期待は依然強い。スペースXがエヌビディア製半導体購入のために300億ドルの社債発行を検討していると報じられ、AI分野の資金需要の大きさが改めて意識された。スペースXは6月にも250億ドルを調達しており、AI投資の勢いが続いている。
今月から本格化する主要企業の7〜9月期決算では、テック企業が好業績を示すとの見方が強い。S&P500構成銘柄の増益率は第3四半期が30%、第4四半期が28%と予測され、2026年は32%増益、2027年も16%増益が見込まれている。AI需要が収益成長を支えるとの期待が相場の下支えとなった。
半導体メモリー大手マイクロンはアナリストによる目標株価引き上げを受けて4%高。AI性能向上に不可欠なメモリー需要が強いとの評価が背景にある。マイクロンの予想PERは6倍前後と低水準で、業績拡大に比べ株価が割安との見方が広がる。エヌビディアの予想PERも年初の25倍台から17倍台へ低下し、テック株全体のバリュエーションは過熱感が和らいでいる。
市場では「株価が最高値圏でも割安感があるため強気相場は続く」との声がある一方、AI以外の景気敏感株への逆風が強まっていることを懸念する見方も根強い。高金利・原油高・財政不安というマクロ要因と、AI関連の成長期待が綱引きを続ける構図となり、強気派と慎重派の見解が分かれる展開となった。
【日本株式相場】
本日10月8日の東京株式市場では、日経平均株価が続落し、終値は前日比約1000円安の6万9042円となった。下げ幅は取引時間中の安値水準で、前日の米株安を受けて海外投資家を中心に先物売りが強まり、主力株にも売りが波及した。アジア市場も総じて軟調で、中東情勢の不透明感が投資家心理を冷やし、日経平均は終日弱い展開となった。
米市場では10月7日に主要株価指数がそろって下落。米長期金利が一時5.36%と24年ぶりの高水準に上昇し、株式の割高感や景気の先行き不安が意識された。フランスの財政懸念を背景に欧州金利も急上昇しており、世界的な金利上昇圧力が日本株の重荷となった。
東京市場では、AI・半導体関連の利益確定売りが目立った。ソフトバンクグループが4%超下落し、東京エレクトロンやフジクラも売られ、これら3銘柄で日経平均を400円以上押し下げた。前日まで堅調だったアドバンテストも朝方安かったが、業績期待から押し目買いが入り一時上昇に転じた。
中東情勢も相場の重しとなった。日本時間8日午前、米大統領がイランとの戦闘終結に向けた合意に慎重姿勢を示したとの報道があり、地政学リスクが意識された。原油価格は高止まりしており、インフレ懸念が再燃した。
市場では、地方銀行が期初の益出し売りを出したとの観測もあり、銀行株は三菱UFJや地銀を中心に下落した。建機株も弱く、コマツやクボタが売られた。前日の米市場でキャタピラーが大幅安となったことが連想売りにつながった。
一方で、ソフトウエア関連や海運株など一部には買いが入った。リクルートや野村総研が上昇し、郵船など海運株も堅調だった。サイバーセキュリティー関連のトレンドマイクロは、不正アクセス問題の多発を背景に買われ、時価総額が再び1兆円台に乗せた。
東証株価指数(TOPIX)は1.5%安の4091で続落。JPXプライム150指数も同様に下落した。東証プライム市場の値下がり銘柄は1182と全体の8割弱を占め、売りが広範囲に及んだ。
この日はTOPIXの新構成銘柄が公表され、指数見直しが売買の材料となった。新TOPIXは時価総額や流動性を基準に銘柄を絞り込み、2028年まで段階的に銘柄数を減らす。除外が確定した渋沢倉庫は5%近く下落し、ボーダーライン銘柄にはネガティブサプライズとなった。
一方、キオクシアは浮動株比率が50%に引き上げられると発表され、指数連動ファンドからの資金流入期待で一時4%超上昇した。商社株は新TOPIXでウエートが低下したことが嫌気され、三菱商事や三井物産、丸紅が軟調だった。
指数見直しは中期的には日本株の追い風になるとの見方もある。大和総研は「米S&P500は産業構造の変化を反映するために定期的に銘柄入れ替えを行っており、日本でも同様の仕組みが企業価値向上を促す」と指摘した。
個別では、ABCマートが業績予想の上方修正を受けて買われた。コマツはキャタピラー安の影響で売られた。ファーストリテイリングは決算と増配を発表し、年間配当を900円に引き上げる計画を示した。2027年8月期の純利益は過去最高更新を見込む。
総じて、世界的な金利上昇と地政学リスクが相場を押し下げた一方、業績期待の強い銘柄には押し目買いも入り、相場の基調は完全には崩れていない状況となった。
【欧州債券相場】
欧州国債市場でフランスの長期金利が急騰し、約24年ぶりの高水準に達している。財政赤字の拡大と社会保障費の膨張が背景で、投資家の間では「FROGS(肥大化したフランス政府と社会保障)」と呼ばれる取引テーマが広がっている。フランスの財政赤字は2025年にGDP比5%超となり、年金などの支出増が財政を圧迫している。
政府は27年度予算案で赤字をGDP比5%に抑える方針を示したが、成立への懐疑が強く、10年債利回りは4.9%台後半まで上昇。ドイツ国債との利回り差も拡大している。国内では公務員の賃上げ要求や教育予算増額を求めるデモが広がり、社会不安も金利上昇を後押ししている。
こうした状況を受け、機関投資家はフランス国債の保有を減らし始めている。三井住友DSアセットの運用担当者は「財政懸念が強まる中、政府から十分な情報発信がなく不安が払拭されない」と述べ、売却理由を説明した。欧州債務問題への警戒が再び高まりつつある。
【国内債券相場】
償還期間の長い超長期国債の利回りが4%台で高止まりしている。財務省の入札自体は順調に消化されているものの、流通市場では買いが続かず、利回りはむしろ上昇する場面が目立つ。8日の30年債入札は応札倍率が3.88倍と高く、テールも縮小し「無難」と評価されたが、発表後の市場では利回りが上昇し、買いが広がらなかった。ここ数カ月、入札後に利回りが切り上がる展開が繰り返されている。
30年債利回りは6日に4.25%と過去最高を更新し、4%超が定着している。生命保険会社など長期資金を運用する投資家からは「長期的には魅力的な水準」との声がある一方、本格的な買いに踏み切れない理由として国内外の不安材料が挙げられる。
国内では高市政権の財政運営への疑念が根強い。円安是正に向けた姿勢や日銀の利上げ容認の可能性が意識される一方、「責任ある積極財政」の実効性には市場の懐疑が残る。所信表明演説で財政の持続性に言及したものの、減税や防衛費増額など財政拡張への警戒は払拭されていない。
財政懸念の指標とされる30年債と2年債の利回り差は8月末以降縮小したが、足元では2.2%台で膠着し、財政不安が完全に後退したとは言い難い。2年債利回りの上昇が落ち着いたことが主因だが、裏返せば財政への警戒感が残存していることを示す。
海外ではフランス国債を中心に金利が急上昇し、欧州の財政規律悪化やインフレ圧力への懸念が強まっている。欧州債の売り圧力は日本にも波及し、国内投資家の慎重姿勢を強めている。欧州危機が再来した場合、日本国債が安全資産として買われるかどうかについても市場の見方は割れている。日本はデフレからインフレへ転換したばかりで、債務残高のGDP比も依然高く、過去のように「安全資産」とみなされるかは不透明だ。
高市政権が市場との対話姿勢を強めている点は評価されつつあるが、消費税減税の財源確保や国債増発抑制などの「約束」が実行されるかどうかへの不安は残る。生命保険会社など長期投資家からは「財政運営の不透明感が晴れない限り、超長期債を積極的に買い増すことは難しい」との声が多い。
今後は、減税方針、防衛費増額、2027年度予算案、国債発行計画など重要な政策判断が相次ぐ。市場は高市政権が「責任ある積極財政」をどこまで実行できるかを慎重に見極めており、その評価が超長期国債の利回り動向にも大きく影響するとみられる。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日の高値圏での「はらみ線」の下限を下抜けし、「はらみの下抜け」となった。しばらくは調整が続くと見るのが定石だが、さてどう動くか。
33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、ガラス(2位)、銀行(3位)、機械(4位)、機械(5位)となった。
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短期的な過熱感とインフレ懸念が利益確定売りを誘発した 10月07日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +253.38 @51,512.28, NASDAQ +122.58 @27,599.89, S&P500 +44.98 @7,818.93, SOX +49.09 @13,217.82)。ドル円為替レートは158円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が526に対して、下落銘柄数は972となった。騰落レシオは93.25%。東証プライムの売買代金は7兆6713億円。
TOPIX -29 @4,154
日経平均 -648円 @70,036円
【米国株式相場】
10月6日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が4日続伸し、5万1521ドルと前日比253ドル高で取引を終えた。米長期金利が低下したことで株式の割高感が和らぎ、投資家心理が改善した。中東情勢の不透明感は残るものの、原油価格が一服し、WTIは一時86ドル台まで下落。エネルギー価格の落ち着きが国債利回りの低下につながり、株式市場の追い風となった。
AI関連銘柄への期待も相場を押し上げた。半導体大手AMDは、CEOが2027年に生産能力を大幅拡大する計画に言及したと伝わり上昇。AIエージェント向け半導体需要の拡大が評価された。マーベル・テクノロジーも市場予想を上回る中期目標を示し、AI関連株全体に買いが波及した。
ダウ構成銘柄では、アマゾン、キャタピラー、シスコシステムズなどが上昇。金利低下を受けて消費関連株にも買いが入り、ウォルマートやP&G、ホームデポが堅調だった。一方、セールスフォース、ボーイング、ハネウェルは下落した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は5日続伸し、2万7599ポイントと連日で最高値を更新。グーグルと20年の電力供給契約を結んだコンステレーション・エナジーが急伸し、AI向けクラウド関連のコアウィーブやネビウスも買われた。
S&P500種株価指数も4日続伸し、7818.93と最高値を更新。市場では、10月に本格化する主要企業の7〜9月期決算がAI需要や米景気の底堅さを背景に高収益となるとの期待が強い。金利上昇と原油高が一服したタイミングを待っていた投資家が買いを入れたとの声もある。
総じて、金利低下・原油安・AI関連の成長期待という複数の好材料が重なり、米株式市場は主要指数がそろって最高値を更新する強い展開となった。
【日本株式相場】
本日10月7日の東京株式市場では、日経平均株価が3営業日ぶりに反落し、終値は7万0035円と前日比約650円安となった。前日までの急上昇で短期的な過熱感が強まっていたうえ、AI・半導体関連を中心に利益確定売りが広がった。前日の米市場ではナスダック総合指数が最高値を更新し、東京市場も一時は7万1000円台が視野に入ったが、買いは続かず下落に転じた。
下げの中心となったのは、これまで相場を牽引してきたハイテク株だ。キオクシアが4%超下落し、東京エレクトロンやアドバンテストも反落。アドバンテストは前日まで連日で上場来高値を更新していたが、短期的な達成感から売りが優勢となった。TDKも前日の急伸後に失速した。日経半導体株指数は9月末から6営業日で12%上昇しており、過熱感が意識されやすい状況だった。
背景にはインフレ懸念の根強さもある。米原油先物WTIは前日に小幅反発し、1バレル89ドル台と高止まりが続く。サウジアラビアの空港が攻撃を受けたとの報道や、米国がイランに核問題で譲歩を求めたとのニュースなど、中東情勢の不透明感が原油価格を押し上げている。さらに、トランプ大統領がガソリン税の一時凍結を検討していると発言し、消費刺激によるインフレ加速への懸念も浮上した。
こうした環境下で、金利高を追い風に上昇していた銀行株にも売りが出た。市場では「インフレ懸念と世界的な金利高止まりが当面続き、日本株の上値を抑える」との見方がある。
一方で、日本株の先高観は依然として強い。TOPIXは朝方に8月の最高値を一時上回り、企業業績への期待が下値を支えた。米市場でナスダックやS&P500が最高値を更新したことも押し目買いを誘った。ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の設備投資が活発で、AI・半導体関連企業の事業環境は良好との指摘もある。年末にかけて日経平均が6月の最高値(7万2366円)を更新する可能性を挙げる声もあった。
東証プライム市場では値下がり銘柄が972と全体の6割を占めた。TDKやフジクラ、キオクシアが下落した一方、太陽誘電やスズキ、キッコマンは上昇した。
個別ではディスコが決算発表後に6%安となり、ビール大手4社への独禁法違反疑いの強制調査報道を受けてサッポロなどビール株が売られた。日本マクドナルドHDは9月の既存店売上が10%増となり、TOPIX新規採用期待もあって反発した。
総じて、短期的な過熱感とインフレ懸念が利益確定売りを誘発した一方、企業業績への期待は根強く、押し目買いも入るなど相場の基調は崩れていない状況となった。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、前日の陽線に対して陰線で終え、高値圏での「はらみ線」となった。明日以降、「はらみの下抜け」となるかどうかに注目している。
33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、非鉄金属(2位)、証券(3位)、鉄鋼(4位)、鉱業(5位)となった。
コメント投稿
AI・半導体関連が中心だが、内需や金融にも買いが拡大、相場の裾野が広がっている 10月06日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +90.94 @51,267.90, NASDAQ +286.45 @27,477.31, S&P500 51.23 @7,773.95)。ドル円為替レートは158円台前半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,153に対して、下落銘柄数は349となった。騰落レシオは96.72%。東証プライムの売買代金は7兆3048億円。
TOPIX +38 @4,184
日経平均 +737円 @70,684円
【米国株式相場】
10月5日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が小幅ながら3日続伸し、終値は5万1267ドルと前週末比で約91ドル上昇した。取引中には長期金利の上昇を受けて売りが出る場面もあったが、原油価格の下落が投資家心理を下支えし、最終的にはプラス圏で引けた。
原油先物WTIは、主要7カ国(G7)が石油備蓄の協調放出を決めたことや、中東からの輸出量回復を背景に、前週末の91ドル台から89ドル台へ下落した。エネルギー価格の落ち着きはインフレ懸念を和らげ、株式市場に追い風となった。
米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した9月の非製造業景況感指数は54.9と市場予想を下回ったものの、景況判断の分岐点である50を27カ月連続で上回り、米景気の底堅さが意識された。
一方で、欧州ではフランスの財政不安が強まり、スペインではサンチェス首相が総選挙実施を表明するなど政治的な不透明感が広がった。これらを背景に世界的に長期金利が上昇し、米10年債利回りも一時5.34%まで上昇した。金利上昇は株式の割高感を意識させ、ダウ平均が下落する局面もあった。ただし、市場では「金利上昇ペースは9月ほど急ではない」との見方が広がり、次第に買いが戻ったとの指摘もある。
個別銘柄では、大型ハイテク株が相場をけん引した。ダウ構成銘柄ではエヌビディア、マイクロソフト、アルファベットが上昇し、ビザやユナイテッドヘルスも堅調だった。一方、メルク、セールスフォース、IBMは下落した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は1.05%上昇し、2万7477ポイントと9月22日の最高値を更新した。メタ、テスラ、ブロードコムなどが買われ、スペースXは7.6%高と急伸した。
総じて、原油安とハイテク株の強さが米株式市場を支えた一方、金利上昇や欧州の政治不安が重しとなる場面もあった。景気指標は底堅さを示したものの、金融環境の不安定さが続く中で、相場は強弱材料が交錯する展開となった。
【日本株式相場】
本日10月6日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比737円高となり、終値で7万0683円と3カ月ぶりに7万円台を回復した。前日の米国市場でエヌビディアをはじめとする大型ハイテク株が上昇し、ナスダック総合指数が2週間ぶりに最高値を更新した流れが東京市場にも波及した。AI・半導体関連への買いが強まり、アドバンテストは6日続伸して連日で上場来高値を更新、時価総額は30兆円を突破した。TDKや村田製作所、太陽誘電、イビデンなども買われ、AI需要の強さが改めて意識された。
海外市場の追い風は台湾にも及び、鴻海精密工業が過去最高の四半期売上を発表したことで台湾加権指数が4日連続で最高値を更新。アジアの半導体株高が東京市場のセンチメントを押し上げた。
銀行株も堅調で、三菱UFJなどが買われた。ロイターが「日銀が基調的な物価上昇率2%達成を認識する方向で検討」と報じ、短い間隔での利上げ継続方針が伝わったことが利ざや拡大期待につながった。金融環境は依然として緩和的だが、物価の定着を背景に銀行株への物色が強まった。
為替市場では円安が進行し、トヨタなど輸出関連株の追い風となった。GPIFが9月の経営委員会議事次第を公表したが、基本ポートフォリオ見直しに関する議論はなく、夏頃に浮上した「日本国債買い増しによる金利抑制」観測が後退。円資産投資拡大への思惑が薄れたことで円売り・ドル買いが強まった。
市場全体では幅広い銘柄が買われ、東証プライム市場の約75%が上昇。TOPIXは4183と最高値に迫り、JPXプライム150指数は過去最高を更新した。売買代金は7兆円超と活況で、値上がり銘柄は1153に達した。
個別ではファーストリテイリング、東京エレクトロン、フジクラなどが上昇。一方、ソフトバンクグループは反落した。オープンAIの資金調達報道は既出情報で材料出尽くし感が強まり、日経平均が7万円台に乗せる中で過熱感を警戒した売りが出た。キオクシアも下落した。
その他では、壱番屋が原材料費や物流費の高騰で純利益が21%減となり売られた。東エレクは前日の急騰の反動で利益確定売りが出たが、米ハイテク株高が支えとなり小幅続伸した。
総じて、米ハイテク株高とアジアの半導体株上昇、円安、銀行株の物色など複数の好材料が重なり、東京市場は強い上昇基調を示した。AI・半導体関連が中心となりつつも、内需や金融にも買いが広がり、相場の裾野が広がっている点が今回の特徴といえる。
【外国為替相場】
為替市場では、円相場が対ドルで上昇基調に転じるとの見方が強まりつつある。背景には、高市政権が財政拡張路線一辺倒ではなく、市場との対話や財政健全化への姿勢を示し始めたことがある。これまで円安を誘発してきた「リフレ派」イメージが薄れ、財政悪化懸念が和らいできたとの受け止めが広がっている。
10月6日に行われた10年国債入札はテール(落札された平均価格と最低価格の差、または、平均利回りと最高利回りの差)が1年4カ月ぶりの小ささとなり、需給の安定が確認された。20年債や40年債でも底堅い需要が続き、長期国債の入札が順調に進んでいる。長期債の需給は財政への信認を反映するため、最近の安定した結果は財政不安の後退を示す材料となった。
政権側も「脱リフレ」色を強めている。高市首相は所信表明で「財政の持続可能性」を強調し、閣僚からも「リフレ政策の局面は終わった」との発言が相次いだ。市場では、積極財政への警戒感が後退し、円売りを積み上げる動きが弱まったとの見方が出ている。
円相場は200日移動平均線(約158円50銭)を上回り、下落トレンドの終わりを意識する声もある。米国では中間選挙など不確定要因が控え、外貨資産を円に戻す動きが強まれば、年内に150円台まで円高が進む可能性を指摘する市場関係者もいる。
ゴールドマン・サックスは円相場の見通しを引き上げ、12月は1ドル158円、27年には150円まで円高が進むと予測する。理由として、日銀の利上げ加速が財政拡張によるインフレ圧力を抑える効果を持つ点を挙げている。高市首相も新規国債発行額を約40兆円に抑える方針を示し、行財政改革の強化も進める姿勢を見せている。
ただし、政権が市場から全面的な信認を得たわけではなく、財政再建の実行力が問われる局面は続く。年末には27年度予算案と国債発行計画が示される予定で、日銀との政策協調も含め、市場の厳しい評価が続く見通しだ。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、昨日既に8月14日の戻り高値@69,608円を上抜けしていたが、本日は続伸して終値ベースで70,000円台を回復した。これで6月22日の高値@72,831円を目指す動きとなってきた。ただ、上に行くほど戻り売り圧力が強くなるので一気には届かないと見ているが、さて、どう動くか。
33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、精密機器(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、鉄鋼(5位)となった。
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AI・半導体関連は3カ月の調整を経て再び買われている 10月05日
先週金曜日の米国株式相場は続伸した(DJIA +250.40 @51,176.96, NASDAQ +319.27 @27,190.86, S&P500 +56.27 @7,722.72, SOX +307.67 @13,136.67)。ドル円為替レートは157円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が863に対して、下落銘柄数は633となった。騰落レシオは92.39%。東証プライムの売買代金は7兆7509億円。
TOPIX +54.22 @4,145
日経平均 +1,637円 @69,947円
【米国株式相場】
10月2日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が続伸し、5万1176ドル台へ上昇した。市場を押し上げた主因は、同日に発表された9月の米雇用統計が市場予想を下回り、早期利上げ観測を強める内容ではなかった点にある。雇用者数の増加幅は約2.9万人と予想の8万人超を大きく下回り、失業率も4.2%と予想より高かった。賃金の伸びも鈍化し、労働市場の過熱感が後退したことで、FRBが10月会合で利上げを見送るとの見方が広がり、投資家心理を支えた。
さらに、G7が石油備蓄の協調放出を決めたことを受け、原油先物価格が1.9%下落した点も株式市場の追い風となった。燃料価格高騰への対応策が示されたことで需給の緩みが意識され、インフレ懸念が和らいだことが株価の押し上げにつながった。
個別銘柄では、半導体や大型テック株への買いが目立った。エヌビディアは過去の最高値を更新し、アルファベットやアマゾンも上昇した。金利動向が不安定な中でも安定した売上成長が期待できる銘柄として、ハイテク株への資金流入が続いた。シスコシステムズ、キャタピラー、ユナイテッドヘルスなども買われた一方、ナイキは決算で売上が市場予想を下回ったことが嫌気され下落。IBMやJ&Jも軟調だった。
ナスダック総合指数は3日続伸し、1%以上の上昇で2万7190ポイント台に達した。9月下旬の最高値を上回る場面もあり、テスラやスペースXなど成長期待の高い銘柄が買われた。
一方、雇用統計の詳細を見ると、労働市場の勢いが鈍っていることが浮き彫りになった。民間雇用の増加は4.6万人にとどまり、7月・8月分は合計6万人の下方修正となった。過去3カ月の平均増加数は5万人程度で、春先の10万人超と比べると伸び悩みが鮮明だ。賃金の前年比伸び率は3.0%と低水準で、インフレ率(8月のPCEは3.4%)を下回るため、実質賃金は目減りしている。家計は生活水準維持のため貯蓄を取り崩しており、貯蓄率は4.1%と低下した。
失業率は4.2%と安定しているように見えるが、雇用の流動性は低下しており、一度職を失うと再就職が難しい状況が続く。長期失業者の比率は27%超と上昇傾向にある。カンザスシティー連銀は、景気後退局面に入った場合、現在の雇用の安定は脆弱で、失業率が急上昇するリスクが高いと分析する。短期の景気後退でも失業率が8%台まで跳ね上がる可能性があり、リーマン危機級の後退なら11%に達するとの試算も示された。
総じて、雇用統計の弱さが利上げ観測を後退させ、株式市場を押し上げた一方、労働市場の基調にはもろさが残る。原油安やハイテク株への資金流入が相場を支えたが、景気後退時の失業率急上昇リスクなど、先行きには不透明感も残る状況となっている。
【日本株式相場】
本日10月5日の東京株式市場では、日経平均株価が前週末比1600円超上昇し、取引時間中には約3カ月ぶりに7万円台を回復した。終値は6万9946円と大幅反発となり、8月以来の高水準を記録した。背景には、前週末に発表された米雇用統計が市場予想を下回り、FRBによる早期追加利上げ観測が後退したことがある。米金利上昇への警戒感が和らぎ、投資家のリスク選好姿勢が強まったことで、AI・半導体関連を中心に主力株へ買いが集まった。
特にアドバンテストや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなどが強く買われ、3銘柄で日経平均を800円押し上げた。アドバンテストは米半導体株高の流れを受けて上場来高値を更新し、1銘柄で360円分の寄与度を示した。AI処理需要の拡大で検査装置の需要が高まっており、業績期待が株価を押し上げている。東京エレクトロンや村田製作所、太陽誘電などもAI関連として買われ、ハイテク株全体が相場を牽引した。
また、ユニクロを展開するファーストリテイリングの既存店売上が9月に前年同月比10.8%増となり、消費関連株にも買いが入った。台湾市場でもTSMCが上場来高値を更新し、アジアの半導体株高が日本市場を後押しした。
一方で、急ピッチの上昇に対する警戒感もある。日経平均は9月末から短期間で4000円近く上昇しており、高値圏では利益確定売りが出やすい。午後には伸び悩む場面もあったが、半導体株の強さが支えとなり引けにかけて持ち直した。
TOPIXも1.3%上昇したが、日経平均の上昇率には及ばず、NT倍率は約3カ月ぶりの高水準となった。これは、日経平均が値がさ株中心で構成されているため、AI・半導体株の上昇が指数を押し上げやすい構造が影響している。
市場では、機関投資家の動きも株価上昇を後押ししたとの見方がある。新四半期入りで「期初の益出し」が進み、銀行や通信などバリュー株が売られ、その資金がハイテク株に向かったとされる。銀行株は10月に入り軟調で、NTTやKDDIなど通信株も売りが優勢となった。
一方、キオクシア株は前回の7万円到達時の主役だったが、今回は上値が重い。信用取引の買い残が膨らみ、個人投資家の含み損が増加していることが需給悪化要因となっている。信用取引の期限が年末に迫る中、戻り売りが出やすく、株価の重荷となっている。
市場関係者は、今回の7万円回復は6月時点よりも過熱感が少なく、業績期待に裏付けられた上昇だと評価する声がある。AI・半導体関連は3カ月の調整を経て再び買われており、10月下旬からの決算発表で業績上方修正が続けば、年内に6月の高値(7万2831円)を更新する可能性も指摘される。
ただし、金利上昇が続けば株価の重荷となる。日本の長期金利が3.5%に近づけば、財政不安やインフレ懸念から「悪い金利上昇」と受け止められ、株価の調整局面が訪れる可能性もある。市場では、AI関連に加えて内需株やコンテンツ銘柄にも物色が広がっており、裾野の広い株高が続くかが今後の焦点となる。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、先週金曜日の「はらみ寄せ線」を上抜けて、ザラバでは一時70,000円台を回復した。あと数日だけでも今の株価水準が続けば、前日の10日移動平均線に続き、25日移動平均線も60日移動平均線の上に再浮上するだろう。そうなると株価サイクル��(着実な上昇相場)に入る。さて、どう動くか。
33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、電気機器(1位)、ガラス・土石(2位)、化学(3位)、機械(4位)、小売り(5位)となった。
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AI関連は再び動き始めたが・・・ 10月02日
昨日の米国株式相場は小幅上昇した(DJIA +20.51 @50,926.56, NASDAQ +10.53 @26,871.60, S&P500 +14.91 @7,666.45, SOX +200.38 @12,829.00)。ドル円為替レートは157円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が215に対して、下落銘柄数は1,306となった。騰落レシオは93.53%。東証プライムの売買代金は8兆2978億円。
TOPIX -41 @4,091
日経平均 -647円 @68,309円
【米国株式相場】
10月の米株式市場は、米長期金利の急上昇が続くなかで小幅高となり、慎重なスタートを切った。1日の取引では10年債利回りが一時5.34%と2002年以来の高水準を付けたが、その後5.20%台まで低下する場面もあり、株式市場は金利の動きをにらみながら方向感を探る展開となった。
米連邦準備理事会(FRB)高官から追加利上げを急がない姿勢が示されたことで、10月FOMCでの利上げ観測は後退。政策に敏感な2年債利回りが低下し、長期債にも買いが入った。こうした金利の落ち着きが株式相場の下支えとなり、ダウ平均は4営業日ぶりに小反発した。
市場の注目を集めたのは、前日に好決算を発表した半導体メモリー大手マイクロン・テクノロジーである。売上見通しや需給見通しが市場予想を上回り、AI向けメモリー需要の強さを改めて示した。アナリストからは「AIにおけるメモリーの重要性を裏付ける内容」と評価された。しかし株価は3%高で終えたものの、途中で4%近く下げる場面もあり、勢いは限定的だった。
半導体関連では、製造装置株や光学部品株など一部銘柄に買いが入った一方、ブロードコムなどは軟調。巨大ハイテク株「M7」の一角であるアルファベットやアップルも売られ、AI関連の物色が一方向に集中する状況ではなくなっている。
背景には「メモリー税」と呼ばれるメモリー価格高騰の影響がある。メモリー価格が上昇するほど電子機器製造コストが増し、AIインフラ構築の費用も膨らむ。資金調達のためテック企業の社債発行が増えれば、米国債との競合が強まり、長期金利上昇の一因となる可能性もある。
米長期金利は一時低下したものの、上昇が一服したと判断する投資家は少ない。インフレの高止まり、財政悪化、社債発行増など複数の要因が重なり、金融危機後の「低金利の常態化」が終わりつつあるとの見方も出ている。専門家からは「構造的な要因が米国債の売り圧力を強めている」との指摘がある。
一方、AI関連の成長期待は依然強い。AIエージェントの普及などで利用範囲が広がり、ITバブル期とは異なる「実需に基づく成長」との評価もある。市場では「AIストーリーは終わっていない」との声が多く、AI関連銘柄が米株を牽引する構図は続く可能性がある。
次のAI投資の焦点としては、企業向けソフトウェアやコンサルティングなど「AI導入による収益化」が期待される分野が挙げられる。1日の取引では、AI関連の恩恵が確認されたアクセンチュアが15%超の急伸となり、IBMも連れ高した。
ただし、10月は歴史的に相場変動が大きい月であり、今年は11月の米中間選挙を控えて不確実性が高い。原油高や金利上昇などマクロ環境も不安定で、ダウ平均が弱含むなか、ハイテク比率の高いナスダックが堅調さを維持できるかが焦点となる。AI関連の物色が広がるかどうかも、今後の相場を左右する重要なポイントとなりそうだ。
【日本株式相場】
本日10月2日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反落し、前日比647円安の6万8309円となった。前日までの2日間で3500円近く急騰した反動が大きく、自動車や小売りなど割安株を中心に利益確定売りが広がった。米国とイランの対立長期化懸念から原油価格が高値圏で推移し、投資家心理を冷やしたことも下げ要因となり、日経平均は一時800円超下落した。
米紙報道による米軍の中東増派計画が地政学リスクを意識させ、日本時間2日のWTI原油先物は93ドル台まで上昇。原油高はインフレ懸念を強め、世界的な金利高への警戒も相まって株式市場の重荷となった。10月1日に日経平均が6万8000円台を回復したことで年末に向けた最高値更新期待も出ていたが、材料不足や米雇用統計発表前の様子見姿勢から上値は重かった。雇用統計が強ければ、後退していた米利上げ観測が再び強まる可能性があり、投資家は慎重姿勢を強めた。
一方、半導体関連には買いが続いた。米マイクロンの好決算を受け、アドバンテストが上場来高値を更新。光ファイバー需要拡大期待からフジクラなど電線株も堅調だった。台湾加権指数が2日連続で最高値を更新したことも日本の半導体株を支えた。市場では「前日までの急騰の割に下値は堅く、世界的なAIテック株見直しの流れが日本株にも波及している」との声があった。
市場では金利高懸念が根強い。米10年債利回りは1日に一時5.34%と2002年以来の高水準を付け、世界的な金利上昇が株式の割高感を意識させている。SMBC信託銀行は「1日の急騰は行き過ぎで、金利高の中では全面的なリスクオンは難しい」と指摘。7万円回復には金利低下が必要との見方も多く、米中間選挙までは膠着相場が続くとの声がある。
バリュー株の戻りは鈍く、自動車株は軟調。AI・半導体関連でも銘柄間の明暗が分かれ、前日上昇したソフトバンクGや東エレクは下落した一方、アドバンテストは高値更新。投資家の迷いが表れている。
ただし、日本株への投資意欲が弱いわけではない。JPXの投資部門別売買動向では、9月中旬以降、海外投資家の先物買いが増加しており、投機的な動きが戻りつつある。予想PERも低下傾向で、押し目買いの好機とみる声もある。BofA証券は「中銀イベントを通過し、10月は上値を試す可能性がある」と指摘。利上げ局面で売られやすい高ベータ株は、その後買い戻される傾向があり、AI関連の再評価が進む可能性がある。
個別では地銀株が急伸した。青森みちのく銀行、岩手銀行、秋田銀行の3行が経営統合協議入りと報じられ、関連株が軒並み上昇。人口減少で厳しい経営環境の中、統合による収益基盤強化への期待が高まった。地銀再編は九州など他地域にも波及する可能性があり、半導体や造船など成長産業の資金需要取り込みにもつながるとの見方がある。
半導体関連ではアドバンテストの上昇が際立った。マイクロンの好決算でテスター需要拡大が期待され、信用需給の軽さも株価上昇を後押しした。アナリスト評価も強気で、AIアクセラレーターやAIエージェント市場の拡大が中期的な追い風になるとの見方が多い。
AI関連は再び動き始めたが、夏場の急落の記憶から投資家は慎重で、銘柄選別が厳しくなっている。海外投資家の現物買いはまだ本格化しておらず、金利高が積極的な買いを抑えている。10月下旬には「Japan Weeks」が開催され、海外マネー流入の契機となる可能性がある。AI頼みではなく、幅広い銘柄に資金を呼び込めるかが、日本株の高値更新の鍵となりそうだ。
【世界的な長期金利上昇基調の背景】
世界的に長期金利の上昇が続いている。背景には、AI関連投資を中心とした景気の底堅さによる資金需要の増加、インフレ圧力の高まり、そして財政不安が複合的に作用している点がある。米国の10年国債利回りは約24年ぶりに5.34%へ上昇し、フランスや英国でもそれぞれ20年前後ぶりの高水準を記録した。日本でも10年債利回りが3%台で高止まりしており、金利上昇は単一国の問題ではなく世界的な現象となっている。
まず、景気拡大が金利上昇の土台となっている。世界の製造業PMIは53と高水準で、原油高や中東情勢の不透明感が続くなかでも世界の貿易量は増加傾向にある。AI関連投資が企業の設備投資を押し上げ、生産性向上への期待も強まっている。こうした環境では物価や資金需要の先高観が強まり、債券投資家が求める利回りも上昇しやすい。
さらに、ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)による巨額の社債発行が債券市場の需給を逼迫させている。AIインフラ整備のため、米大手テック企業は今年だけで2,200億ドル超の債券を発行し、世界の社債発行額は過去最高を更新。より高利回りの社債が増えることで、国債への需要が相対的に弱まり、利回り上昇圧力が強まっている。
米住宅ローン市場も金利上昇を後押ししている。住宅ローン金利の上昇で繰り上げ返済が減り、MBS(住宅ローン担保証券)の投資家がリスク回避のため米国債先物を売る動きが広がっている。これが国債価格の下押し要因となり、長期金利を押し上げている。
財政不安も金利上昇の重要な要因だ。米国では政府債務が40兆ドル(約6,300兆円!)を突破し、財政赤字の拡大が続く。欧州ではフランスの財政規律への懸念が強まり、予算案の成立不透明感や極右勢力の台頭が国債売りを誘発している。欧州復興基金の終了を控え、南欧諸国への支援縮小も警戒されている。
こうした複合的な要因が重なり、世界の債券市場では「弱点探し」が進んでいるとの指摘もある。投資家が財政規律やインフレ抑制に疑念を抱けば、リスクプレミアムはさらに上昇し、長期金利は一段と上がりやすくなる。AI投資の活発化、中東情勢の不透明感、財政赤字の拡大などを背景に、世界的な金利上昇は当面続く可能性が高い。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、前日の長大陽線が孕むように、本日は十字線が続き「はらみ寄せ線」となった。上昇する勢いが十分強ければ、数日間もみ合った後に「はらみの上抜け」となりさらに上値を追いかけるが、反対に上昇エネルギーを使い果たした場合、「はらみの下抜け」となり、失速する。さて、来週以降はどう動くか?
33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、証券(1位)、水産・農林(2位)、医薬品(3位)、精密機器(4位)、保険(5位)となった。
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一部のAI・半導体関連が相場を牽引したが・・・ 10月01日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -443.87 @50,906.05, NASDAQ +63.52 @26,861.06, S&P500 -19.30 @7,651.54, SOX -0.54 @12,628.62)。ドル円為替レートは158円台前半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなったが、株価指数が大きく上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が750に対して、下落銘柄数は747となった。騰落レシオは100.16%。東証プライムの売買代金は8兆7228億円。
TOPIX +23 @4,132
日経平均 +2,203円 @68,957円
【米国株式相場】
9月30日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が3日続落し、前日比443ドル安の5万0906ドルと6月以来の安値を付けた。原油価格の上昇と長期金利の高止まりが投資家心理を冷やし、景気敏感株や消費関連株を中心に売りが広がったことが主因となった。
原油市場では、WTI先物が1バレル90ドル台に上昇。米国とイランの戦闘終結に向けた協議が不透明で、中東からの供給回復が見通せない状況が続き、原油買いが優勢となった。供給不安がインフレ懸念を強め、株式市場の重荷となった。
米債券市場では長期金利が一時5.30%と2007年以来の高水準を付け、30年債利回りも2002年以来の水準に上昇した。金利上昇が止まらず、株式の割高感が意識されやすい環境となり、景気敏感株やヘルスケア関連株が売られた。ウォルマート、3M、シャーウィン・ウィリアムズ、メルク、ユナイテッドヘルスなどが下落し、ダウ平均を押し下げた。
一方で、同日発表された8月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.4%上昇と市場予想(3.7%)を下回り、コア指数も予想を下回った。推計方法の見直しがインフレ率の下振れにつながったとの見方もあり、FRBが10月利上げに踏み切る可能性は低いとの受け止めが広がった。これを背景にハイテク株の一角には買いが入り、アップル、アマゾン、アルファベット、マイクロソフト、エヌビディアなどが上昇した。
ただし、週後半にはISM製造業景況感指数や雇用統計など重要指標の発表を控えており、金利上昇が続く中で投資家は慎重姿勢を強めた。取引終盤には幅広い銘柄に売りが出て、ダウ平均は下げ幅を広げた。9月のダウ平均は月間で4%超下落し、6カ月ぶりのマイナスとなった。
一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3営業日ぶりに反発し、前日比0.23%高の2万6861で取引を終えた。巨大ハイテク株に加え、インテルやパロアルト・ネットワークスなど半導体・サイバーセキュリティー関連が買われた。ナスダックは月間で約2%上昇し、2カ月連続のプラスとなった。
【日本株式相場】
本日10月1日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅続伸し、前日比2203円高の6万8956円と約1カ月半ぶりに6万8000円台を回復した。前日の米国市場でハイテク株が上昇したことに加え、米メモリー半導体大手マイクロン・テクノロジーが発表した好調な決算と強気の業績見通しが投資家心理を押し上げ、AI・半導体関連銘柄に買いが集中した。
日経平均は寄り付きから買い優勢で、アドバンテストや東京エレクトロンなど主力半導体株が指数を大きく押し上げた。特にアドバンテストは10%高、東エレクやキオクシアも6%前後上昇し、この3銘柄だけで日経平均を1000円以上押し上げた。台湾加権指数が最高値を更新し、韓国KOSPIも堅調だったことがアジア全体の半導体株に追い風となり、東京市場でも買いが継続した。
マイクロンは2026年9〜11月期の売上高が前年同期比4.5倍の615億ドル前後になるとの見通しを示し、市場予想を上回った。AI向け投資が世界的に拡大する中、DRAMを積層した広帯域メモリー(HBM)などの需要が急増している。ただし設備投資額が前期の273億ドルから500億ドル超へ大幅に増える見込みで、利益率はやや低下する見通しだ。この点は韓国のサムスン電子やSKハイニックスの株価を一時押し下げたが、東京市場では「日本の半導体製造装置メーカーにはむしろ追い風」との見方が強まり、関連銘柄の買いにつながった。
キオクシアはNAND型フラッシュメモリーが主力で、設備投資規模がマイクロンほど大きくない点が評価された。アナリストからは「投資負担が業績の重荷になりにくい」との指摘があり、AI向けメモリー需要の強さを好感した買いが入りやすい状況だった。
市場ではテクニカル要因も株価上昇を後押しした。日経平均は75日移動平均線や一目均衡表の雲上限を明確に上抜け、上昇基調が強まったとの見方が広がった。アナリストからは「マイクロンの好決算がトリガーとなり、上昇の勢いが一気に強まった」との声が聞かれた。
一方、指数寄与度の高い半導体株が日経平均を押し上げた一方で、東証株価指数(TOPIX)は一時前日比マイナスとなる場面もあり、相場全体の強さにはばらつきがあった。TOPIXは最終的に0.57%高で終えたが、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数はほぼ同数で、セクター間の明暗が分かれた。
日銀が発表した9月の短観では、大企業製造業の業況判断DIがプラス24と6四半期連続で改善した。ただ市場予想のプラス25には届かず、「やや物足りない」との受け止めもあった。半導体・AI需要が景況感を支えている一方で、AI開発の減速論や米アンソロピックの上場時期不透明など、先行きには不確定要素も残る。
個別銘柄では、村田製作所やHOYA、セコムなどが上昇した一方、東京海上、大塚HD、中外製薬などは下落した。金融株は日銀の連続利上げ観測が後退したことで売りが優勢となり、三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクがいずれも3%前後下落した。高配当株にも利益確定売りが出て、東証配当フォーカス100指数は下落した。
半導体関連は業種別指数で上昇率首位となり、東エレク、イビデン、レーザーテクなどが大幅高。アドバンテストは証券会社による目標株価引き上げも追い風となり、強い買いが続いた。
総じて、AI・半導体関連が相場を牽引し、日経平均は大幅高となったものの、金融や高配当株など他セクターは軟調で、相場全体の強さには偏りが見られた。
【国内債券相場】
10月1日の国内債券市場では、長期金利が上昇し国債価格は下落した。新発10年債利回りは3.095%と前日比0.045%上昇し、一時3.110%まで上昇した。背景には、米国債利回りの高止まりとインフレ警戒感がある。米長期金利は日本時間1日午後に5.2%台後半で推移し、前日には2007年以来の高水準となる5.30%を付けていた。中東情勢の不透明感から原油価格が高止まりし、米景気指標も堅調だったことが米債売りを誘い、その流れが国内債にも波及した。
国内市場では、米金利の高水準が続いたことで幅広い年限の国債に売りが広がり、新発20年債利回りは3.960%と前日比0.060%上昇し、1996年以来の高さとなった。新発30年債利回りも4.170%まで上昇した。一方で、長期金利は一時3.085%まで伸び悩む場面もあった。日銀が公表した金融政策決定会合の「主な意見」が、連続利上げや大幅利上げを示唆する内容ではなかったため、債券相場を一定程度支えたためだ。
短期金利に近い新発2年債利回りは1.935%と前日比0.020%低下し、政策金利の据え置き観測が反映された。債券先物は3日ぶりに反落し、12月物が124円37銭と前日比17銭安で取引を終えた。
短期金融市場では、TONA先物(翌日物金利先物)が上昇し、12月物は98.4875と前日の清算値比0.0075高で終えた。米金利の高止まりと原油高によるインフレ懸念が国内債市場の重荷となる一方、日銀の慎重な政策姿勢が一部年限の金利上昇を抑える構図となった。
国内債券市場では中期債の利回り上昇が続き、新発5年債利回りは9月末に2.43%と過去最高を更新した。背景には、日銀の利上げの「到達点(ターミナルレート)」が市場で見通しにくくなり、投資家が中期債の買いを控えている状況がある。日銀は9月に政策金利を1.25%へ引き上げたが、米財務長官の発言などを受け、利上げペース加速の観測が強まっていた。
市場の政策金利予想を反映する翌日物金利スワップ(OIS)では、将来の政策金利を示す「2年先1年物金利」が年初の1.7%台から2.5%台へ上昇し、ターミナルレートが従来想定より高くなる可能性が意識されている。通常、利上げ時期が早まると短期債の利回りが上昇しやすいが、足元では5年債の利回りが相対的に強く上昇し、2年債との利回り差が再び拡大している。これは「利上げの到達点そのものが上振れする」との警戒が強まっているためだ。
原油高や円安による輸入インフレ圧力も金利上昇観測を後押ししている。日銀は中立金利を1.1〜2.5%と推計してきたが、市場ではこの上限を突破する可能性が意識され始めた。日銀が公表した「主な意見」でも、委員から「海外情勢次第で中立金利が推計値を上回る可能性がある」との指摘があった。
米国でもOISの「2年先1年」が4.7%台へ急上昇しており、FRBの利上げ到達点の上振れが意識されている。横浜銀行は、米金利上昇が円安を加速させ、日銀が市場予想より早く利上げに追い込まれるシナリオを警戒している。インフレ圧力がピークアウトしたと判断されるまでは、利上げ到達点の上振れリスクが残り、中期債の買い手控えは続くとの見方が多い。
銀行勢は中期債投資に慎重で、「到達点の上振れ懸念が残る限り投資できない」との声もある。個人向け国債の5年物が人気を集める状況とは対照的に、機関投資家の中期債需要は弱く、5年債利回りの上昇は当面続く可能性が高い。
【外国為替相場】
10月1日の東京外国為替市場で円相場は大きく下落し、夕方には1ドル=158円台後半まで円安が進んだ。米国の長期金利が高水準で推移したことに加え、原油価格の高止まりがインフレ懸念を強め、円売り・ドル買いが優勢となった。前日に発表された米経済指標では、PCE物価指数の伸びは予想を下回ったものの、4〜6月期のGDP確定値が上方修正され、米景気の底堅さが意識された。これが米金利の先高観につながり、日米金利差が縮まりにくいとの見方が円相場の重荷となった。
日本時間10月1日夕には米長期金利が5.3%台まで上昇し、2007年以来の高水準を再び意識させた。中東情勢の不透明感から原油価格が高止まりしていることも、米金利上昇を後押しした。こうした環境下で、円は対ドルだけでなく対ユーロでも売られ、ユーロ円は179円台まで円安が進んだ。
同日、日銀は9月の金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。内容には「物価上振れリスクを踏まえ、政策金利の引き上げが適切」とする意見がある一方、「物価上昇率はほどなく2%に達するが、急いで利上げする必要はない」と慎重な見方も示された。市場では、連続利上げを強く示唆する内容ではなかったと受け止められ、円買い材料にはならなかった。さらに政府側出席者からは「既存の利上げの影響を十分点検すべき」「中立金利を踏まえて慎重に検討すべき」といった意見が出され、追加利上げを牽制する姿勢がうかがえた。これも円売りを誘う一因となった。
ユーロは対ドルでも下落が続き、1ユーロ=1.13ドル台前半まで売られた。米金利の上昇がドル買いを促し、ユーロは2025年5月以来の安値圏に沈んだ。
総じて、米金利の強い上昇圧力と日銀の慎重姿勢が重なり、円相場は対主要通貨で軟調となった。
【直近3か月間の世界の株式相場の変化】
2026年7〜9月の世界株式市場では、長期金利の上昇と原油高を背景に、資源関連株や銀行株への資金流入が強まった。4〜6月にAI関連一色だった相場は、テーマ内外で資金の向かう先が分散し、循環物色の様相が鮮明になった。
原油価格は6月末の70ドル台から90ドル前後へ上昇し、資源株の追い風となった。中国のインフラ投資拡大で鋼材需要が高まり、銅はAI向けデータセンター需要も加わって買われやすい環境となった。こうした流れを象徴するのがノルウェー市場で、産油国としてエネルギー・金融株が上昇を主導し、主要指数は3カ月で11%高と世界トップの上昇率を記録した。エクイノールは7月以降で約3割上昇し、資源株への資金流入を示した。
銀行株にも資金が向かった。米10年債利回りが5.3%前後で高止まりし、利ざや改善期待が高まったためだ。金融株比率の高いシンガポールや香港の株価指数が堅調となり、日本でも銀行株が2割近く上昇した。
一方、AIテーマは勢いを失ったわけではなく、資金の向かう先が変化した。4〜6月はメモリー株や半導体製造装置株が急騰したが、6月末の急伸後の反動で7〜9月は利益確定売りが広がり、SKハイニックスやアプライド・マテリアルズ、キオクシアなどが時価総額を減らした。
その一方で、ハイパースケーラーには資金が戻った。過剰投資懸念で軟調だったが、4〜6月期決算で収益化の進展が確認され、評価が改善した。グーグルクラウドは前年同期比8割増の売上高を記録し、マイクロソフト、アップル、メタ、アマゾンなど主要企業の時価総額が大きく増加した。クラウド事業の好調が資金回帰の背景にある。
株式市場全体が堅調な理由として、企業利益の強い伸びが挙げられる。S&P500、SOX、日経平均、KOSPIのEPSはいずれも10%前後の高い伸びを維持しており、長期金利上昇にもかかわらず株価を支えている。専門家は「現在の金利水準は企業業績を押し下げるほどではない」とみている。
今後の焦点はAI需要の持続性と地政学リスクだ。メタが発表した新AIエージェント「ミューズ」など、AIの利用範囲拡大がインフラ需要を押し上げる可能性がある。一方で、米中間選挙を控えたAI規制論やデータセンター建設反対運動、中東情勢の不透明感など、相場の不確定要因も残る。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、長大陽線で続伸して8月14日の戻り高値@69,608円に迫るまで上昇してきた。下向きだった60日移動平均線もほぼ水平になり、上から順番に60日、10日、25日の各移動平均線が走っており、株価はそれらすべての上にある。依然として株価サイクル�◆蔽綣造幣緇困鮖遒后砲世�、10日及び25日移動平均線が60日移動平均線の上に再浮上してくれば、そのときはまた株価サイクル��(着実な上昇)に入ることになる。ただ、本日の日経平均の上昇は、アドバンテストが10%高、東エレクやキオクシアがそれぞれ6%前後上昇したことが主因で、この3銘柄だけで日経平均を1000円以上押し上げたので、今回の反発がそこまで継続するかどうか注目したい。
日経平均の2000円以上の大幅上昇にもかかわらず、33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、銀行(2位)、保険(3位)、電気・ガス(4位)、鉱業(5位)となった。
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株価サイクル��に近づいた株価サイクル�△侶兮� 09月30日
昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -131.59 @51,349.92, NASDAQ -22.84 @26,797.54, S&P500 --12.85 @7,670.84, SOX +163.92 @16,629.16)。ドル円為替レートは156円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,127に対して、下落銘柄数が368となった。騰落レシオは101.11%。東証プライムの売買代金は9兆1212億円となった。
TOPIX +68 @4,109
日経平均 +1,272円 @66,754円
【米国株式相場】
9月29日の米国株式市場では、長期金利の上昇が止まらず、主要株価指数は続落した。ダウ平均は前日比131ドル安の5万1349ドルとなり、金融株や消費関連株を中心に売りが広がった。米10年債利回りは一時5.29%と2007年以来の高水準に達し、30年債利回りも2002年以来の水準を付けた。金利の急上昇が企業の資金調達コストを押し上げ、株式の割高感を強めたことが投資家心理を冷やした。
市場では「金利がどこまで上昇するか見通せない」との不安が強まり、金融株には特に売りが出やすかった。加えて、米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想を下回り、消費者信頼感指数も低調だったことが景気減速懸念を誘い、株式相場の重荷となった。
FRB当局者の発言も市場の方向感を定めにくくした。バー理事はエネルギー高やAI投資の拡大でインフレ鈍化が進んでいないと指摘し、追加利上げの必要性を強調。一方、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は「利上げを急ぐ必要はない」と慎重姿勢を示し、政策判断をデータに基づき見極めるべきだと述べた。これにより、10月の利上げ確率は低下し、株価の下げ幅は終盤にかけて縮小した。
銘柄別では、アップル、ウォルマート、ナイキ、JPモルガンなどが下落し、シェブロンやユナイテッドヘルスも軟調だった。一方、ボーイング、アムジェン、キャタピラーなどは上昇し、指数の下支えとなった。半導体関連の一角には買いが入り、「金利上昇の影響を受けにくい銘柄が選好されている」との声もあった。
ナスダック総合指数も続落し、約23ポイント安の2万6797となった。テスラやパロアルト・ネットワークスなどが売られた一方、メタ、ネットフリックス、アプライドマテリアルズなどは上昇した。
この日の市場で特に注目を集めたのはスペースXだった。同社株は2.5%高となり、ダウ構成銘柄の軟調をよそに上昇した。前日に大型ロケット「スターシップ」の打ち上げが成功し、衛星通信事業「スターリンク」向けの第3世代衛星26基を軌道投入したことが評価された。エンジン停止のトラブルはあったものの、着水時の減速技術の実証にも成功し、再利用性向上への前進が確認された。
アナリストからは「大きなマイルストーン」「打ち上げペースに関するリスクが低下した」との前向きな評価が相次ぎ、宇宙データセンター構想の実現に近づいたとの見方も出た。スペースXはAI事業にも注力しており、アンソロピックなどへの計算資源提供で収益基盤を広げている。自律型AI「グロックボット」の提供開始など、AI領域での事業拡大も進む。
ただし、同社株は8月の上場来安値から戻り歩調にあるものの、積極投資が収益成長につながるかどうかには依然として慎重な見方も残る。市場はスターシップの打ち上げ成功を「壮大な構想の入り口」と捉え、今後の進展を見極めようとしている。
【日本株式相場】
本日9月30日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反発し、前日比1272円高の6万6753円で取引を終えた。8月18日以来の高値となり、3営業日ぶりの上昇。前日の米国市場で半導体株が堅調だった流れを受け、東京市場でも朝方から幅広い銘柄に買いが入り、後場には上げ幅が一時1400円を超えた。
米国ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1%強上昇し、東京市場でも東エレクトロンやアドバンテストなど主要半導体株が買われた。日米ともに金利が高止まりする環境でも、半導体企業の収益成長期待は強く、資金が集まりやすかった。銀行株も金利高が追い風となり買い戻しが入った。
前日、日経平均は取引時間中に6万5000円を割り込んだが、海外勢の打診買いで下げ幅を縮めていた。そこから相場が持ち直したことで、海外投機筋が先物買いを強め、指数全体を押し上げた。指数寄与度の高いソフトバンクグループ(SBG)やファーストリテイリングが大幅高となり、上昇を主導した。韓国株(KOSPI)は軟調だったが、日本株の買いの勢いは衰えなかった。
個別では、太陽誘電がTDKとの次世代電子部品の共同開発合意を材料に急伸し、TDKも上昇。一方、競争激化懸念から村田製作所には売りが出た。国内機関投資家は上期末を控え持ち高調整の売りを出したが、買い需要が勝り日経平均は上値を試した。9月の月間騰落は441円高となり、2カ月連続の上昇となった。
■主な個別銘柄の動き
SBGは6%超の大幅高。出資先のオープンAIが300億ドル規模の資金調達を計画しているとの報道があり、企業価値向上期待が買いを誘った。
ニデックは4%超上昇。電子部品子会社を1000億円超で売却する方向と報じられ、再建進展への期待が高まった。
■キオクシア株の停滞と投資家の見方
キオクシアは6月末の最高値から半値圏で推移し、売買代金もピークの7分の1に低下している。ただし一部の長期投資家は「本源的価値との乖離が大きい」として買いを入れている。証券会社のEPS予想は依然高水準で、10社中6社が上場来高値超えの目標株価を提示するなど、業績面の評価は強い。
株価が伸び悩む背景には、AI投資の過熱感や開発減速論がある。メモリー需要の鈍化懸念が投資家心理を冷やした。ただし、キオクシアは「推論用途のNAND需要は拡大する」とし、影響は限定的と説明している。
需給面では、株価1万5000〜3万円の価格帯に厚い売買代金があり、信用倍率も20倍超と買い残が多い。一定の上昇で反対売買が出やすく、短期的にはもみ合いが続く可能性が高い。一方、長期的には業績が好調を維持できれば反転の可能性は十分ある。まずは10月末の決算で市場の期待に応えられるかが焦点となる。
【外国為替相場】
今年7〜9月の外国為替市場で円相場は大きく揺れ、対ドルで11円幅の乱高下となった。7月に約39年半ぶりの円安水準となる1ドル=163円99銭まで下落すると、日米は協調して円買い介入を実施し、円は155円台まで急反発した。8月下旬には再び160円台に沈んだが、米財務長官ベッセント氏が「非対称な情報を持つ」「今や私が胴元だ」など円安けん制の発言を繰り返し、9月上旬には152円台後半まで円高が進んだ。
ただし、ドルは依然として強い。ドル指数は101台で推移し、中東情勢の不透明感や米経済の底堅さを背景に、FRBが追加利上げに踏み切るとの観測が根強い。9月には3年2カ月ぶりの利上げが決まり、ドル高・金利高の圧力が続いている。
円安が再び進むと、日米当局は口先介入を強めた。トランプ大統領が日米首脳会談で円安懸念を示し、日本側も「円の過小評価は問題」「リフレ政策ではない」などと発言。市場では「介入はいつでもあり得る」との意識が広がり、発言のたびに円買いが加速した。
一方で、米金利はベッセント氏の政策発表が遅れていることもあり、上昇が止まらない。米財務省が国債買い入れ(バイバック)増額を示しても効果は限定的で、9月中旬には米長期金利が5%を突破した。国内でも財政不安や日銀の利上げ観測が重なり、長期金利の先高観が強い。
今後の焦点は日米当局の「次の一手」だ。専門家は「心理戦としての口先介入が続く」とみる。原油高が進めば円だけでなくユーロやアジア通貨にも逆風となり、ドル独歩高が強まる可能性がある。
円高要因としては、GPIFの円資産比率引き上げや日銀の追加利上げが挙げられるが、原油高による貿易赤字が続く可能性が高く、円高転換は容易ではないとの見方が多い。10月の臨時国会で高市首相が金融政策への姿勢をどう示すかも注目される。
為替介入の可能性も残る。米国債を担保にドルを借りられる「FIMAレポ」制度を使えば、米国債を売却せずに介入資金を確保できる。円安が160円を超えれば実弾介入の可能性が高まるとの指摘もあり、規模は小さくても効果は期待できるとみられている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、前日の「たくり線」のように長い下ひげを引いた短陰線の翌日である本日、ギャップアップで始まるとさらに上値を追いかけて上昇して陽線で終えた。やや下向きの60日移動平均線の上に再浮上したが、まだ60日移動平均線が下向きなのでまだ株価サイクル��(着実な上昇)ではない。それでも株価サイクル�◆蔽綣造幣緇困鮖遒后砲任呂△襦�
33業種中すべてが上昇した。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、銀行(2位)、金属製品(3位)、化学(4位)、情報・通信(5位)となった。
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AIブームへの懐疑的な見方が強まってきた 09月30日
昨日の米国株式相場は下落した(DJIA -347.11 @51,482, NASDAQ -248.32 @26,820, S&P500 -57.92 @7,684)。ドル円為替レートは157円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が170に対して、下落銘柄数は1,318となった。騰落レシオは98.47%。東証プライムの売買代金は7兆3224億円。
TOPIX -71 @4,041
日経平均 -396円 @65,481円
【米国株式相場】
9月28日の米国株式市場では、地政学リスクの高まりと金利上昇が重なり、ダウ平均が反落した。終値は前週末比約347ドル安の5万1481ドルとなり、イラン情勢の不透明感が投資家心理を冷やした。トランプ大統領がイラン側の停戦提案を受け入れない姿勢を示したことが報じられ、ホルムズ海峡の開放に向けた協議が進まないとの見方が広がった。さらに、米紙は中間選挙後に軍事行動が再開される可能性を指摘し、緊張感が高まった。
こうした状況を受け、原油先物WTIは一時96ドル台半ばまで上昇し、前週末比で大幅高となった。原油高を背景に米長期金利も上昇し、一時5.27%と2007年以来の高水準を付けた。金利上昇は株式の割高感を意識させ、相場の重荷となった。
一方で、ダウ平均は下げ渋る場面もあった。米ニュースサイトが、イランが核開発で具体的措置を取るなら米国が制裁緩和に応じる可能性があると報じ、地政学リスクがやや後退したとの見方が広がった。さらに、カタールが米・イラン協議の仲介に動くとの報道もあり、原油価格が伸び悩むと株式には押し目買いが入った。
FRBのクック理事は講演で、9月の利上げは高止まりするインフレへの対応と説明し、今後は経済指標を踏まえて判断すると述べた。市場への影響は限定的だった。
個別銘柄では、ボーイングが主力機「737MAX」のソフトウエア不具合報道を受けて大幅安となった。セールスフォース、IBM、マイクロソフトなど主要ハイテク株も下落し、金融株も軟調だった。一方、ナイキ、P&G、ウォルマートなど消費関連株は堅調だった。エヌビディアは1500億ドルの自社株買い枠拡大を発表し、株主還元強化が好感され上昇した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3営業日ぶりに反落し、約248ポイント安の2万6820となった。メタ、テスラ、インテル、AMD、アームなど主要ハイテク・半導体株が売られた。
全体として、イラン情勢の不透明感と原油高・金利高が株式市場の重しとなる一方、協議進展の可能性が報じられると買い戻しも入り、地政学リスクに振らされる展開となった。
【日本株式相場】
本日9月29日の東京株式市場では、日経平均株価が続落し、終値は前日比約396円安の6万5481円となった。中東情勢の不透明感を背景に米原油先物が上昇し、28日の米株式市場が下落した流れを引き継いだ。投資家のリスク回避姿勢が強まり、東京市場でも売りが優勢となった。さらに、この日は3月期決算企業の中間配当の権利落ち日であり、配当確定後の換金売りが相場の重荷となった。日経平均は取引時間中に一時1100円超下落する場面もあった。
前日の米半導体株安が日本株にも波及し、イビデンなどAI・半導体関連が売られた。傘下のアーム株急落を受けてソフトバンクグループ(SBG)も軟調となり、指数を押し下げた。中東情勢の混迷が続くなか、原油高が企業業績の悪化につながるとの警戒感も相場全体のセンチメントを冷やした。
配当権利落ちに伴う売りは高配当銘柄に集中し、豊田通商など商社株が下落。銀行株も三菱UFJを中心に売られ、保険・証券など金融セクターが軒並み安となった。一方で、日経平均は大引けにかけて下げ渋り、6万5000円を割り込む水準では短期筋による先物買いが入り、押し目買いが相場を支えた。東エレク、スクリン、ディスコなど一部の半導体関連が買われたことも下支え要因となった。
個別では、キオクシアが株式分割により最低投資額が下がったものの、米半導体株安の影響で上昇は限定的だった。SBGはアーム株安に加え、出資先オープンAIの次世代モデル公開中止報道が嫌気され下落。ニデックは会計不正問題に伴う巨額減損報道や社長辞任の観測が続き、ガバナンス不安から大幅安となった。
日経平均の下落幅が配当落ちの影響額を上回った背景には、インフレ懸念がある。米原油高を受けて米長期金利は一時5.27%まで上昇し、株式の割高感が意識され米株が下落、日本株にも波及した。AI関連への期待も揺らぎ、オープンAIの報道がSBG株の売りを誘った。
需給面でも6万6000円台に売りが厚く、戻り待ちの売りが相場の上値を抑えた。28日には一時6万7000円台に乗せたが続かず、利益確定売りに押された。チャート上でも上値抵抗帯が意識され、75日移動平均線付近に需給の壁があるとの指摘がある。
ただし、日本企業の業績見通しは堅調との声も多い。SMBC日興証券は主要企業の26年度経常利益予想を上方修正し、増益基調が続くとみている。決算発表が本格化する10月後半以降、好業績が確認されれば日本株の再浮上につながる可能性があるとの見方もある。
一方、建設株は金利上昇の影響を受けて大幅安となり、清水建設や大成建設が年初来安値を更新した。長期金利の上昇が建設需要の減退や資金調達コスト増につながるとの懸念が強まった。信用取引にも金利上昇の影響が及び、AI・半導体株を中心に含み損が拡大している。キオクシアの信用買い残は9000億円超で、含み損は約1000億円に達したとの試算もある。買方金利の引き上げが進めば、信用取引のコスト増が投資家の負担となり、需給悪化につながる可能性も指摘される。
キオクシアの売買代金は株式分割後も1兆円を割り込み、期待された個人投資家の売買活性化は限定的だった。AIブームへの懐疑的な見方が強まり、株価上昇への期待が弱まっていることも背景にある。
【日米欧債券相場】
世界の債券市場では金利上昇が止まらず、米欧の長期金利は2008年の金融危機前後以来の高水準に達した。28日には米10年債利回りが5.27%と約19年ぶりの高さとなり、フランス10年債は4.78%、英国10年債は5.44%まで上昇した。背景には、原油高によるインフレ懸念に加え、各国で財政拡張への警戒が強まっていることがある。
米国では、トランプ大統領が中間選挙で勝利した場合に成人1人あたり5000ドルを給付すると表明し、財政規律の緩みが意識された。これを受けて米30年債利回りは一時5.58%と2004年以来の高水準を記録した。フランスでも財政赤字の拡大が懸念され、格付け会社が同国の信用格付けを引き下げた。英国でも公的部門の借入額が予想を大きく上回り、財政不安が金利上昇につながっている。
中東情勢の緊迫化で原油価格が高止まりし、WTIは90ドル台を維持。エネルギー高がインフレ圧力を強め、各国中銀の利上げ観測が高まった。市場ではFRBが10月会合で利上げする確率を7割織り込み、ECBやBOEも年内の追加利上げが見込まれている。
8月末からの金利上昇幅を見ると、フランスが約0.6%、米国が約0.48%と大きい。一方、日本の上昇幅は約0.14%にとどまる。日本では高市政権の財政政策や日銀の利上げを先に織り込んでいたため、金利上昇が比較的抑えられたとされる。さらに、日米首脳会談で円安懸念が示されたことや、政府が「リフレ政策の局面は終わった」と発言したことで、財政不安が和らぎ金利上昇が一服した。
ただし、財政運営の方向性が明確でなければ、日本も世界的な債券売りの影響を受ける可能性がある。SBI証券は「財政政策の転換が示されなければ、日本国債への買いは戻りにくい」と指摘する。
9月29日に実施された40年国債入札は堅調で、応札倍率は3.10倍と6年ぶりの高水準だった。最高落札利回りは4.125%と市場予想を下回り、利回り上昇を背景に投資家の需要が強かった。生命保険会社や海外勢、年金基金など幅広い投資家が参加したとみられる。ただし、世界的な金利上昇が続くなか、今回の入札が日本の金利上昇に歯止めをかけるとの見方は少ない。
【外国為替相場】
2026年の円相場は、政府が繰り返し円安抑制策を講じてきたにもかかわらず、依然として1ドル=160円近辺に張り付く展開が続いている。1月以降、政府は米国の協力を得ながら円買い介入やレートチェックを実施し、ゴールデンウイークには大規模介入、7月末には日米協調介入を行った。9月には米財務長官が円安けん制の発言をするなど、口先介入も相次いだ。しかし、いずれも効果は一時的で、円高は長続きしなかった。
9月22日の日米首脳会談でトランプ大統領が円安への懸念を示したと伝わったが、市場では「持続的な円高要因にはならない」と受け止められている。円安が止まらない最大の理由は、構造的な需給要因にある。財務省が発表した8月の貿易統計では、イラン情勢の長期化による輸入増で貿易赤字が1兆円に達した。原油や関連素材の高騰が続くなか、実需の円売りが定期的に市場へ流入し、介入の効果を打ち消している。
一方、ヘッジファンドなど投機筋は介入に敏感に反応し、一時的に円買いを積み上げるが、為替差益を確定するため短期間で円売りに転じる。実際、米CFTCのデータでは、円買い持ち高が100億ドル近くまで増えたものの、翌週には半分程度に縮小していた。実需の円売りが強まる環境では、投機筋も円売りに追随しやすい。
市場が注目するもう一つの円高要因は日米金利差の縮小だが、日銀の追加利上げは期待しにくい。10月会合での連続利上げ観測もあるが、植田総裁は「大幅・連続利上げは物価が大きく上振れする場合に限られる」と述べ、慎重姿勢を崩していない。現状では、日銀が急速に利上げを進める環境にはないとみられる。
政府は160円の節目を割り込む円安を避けたい意向とされるが、原油高・素材高による輸入増が続く限り、実需の円売り圧力はさらに強まる可能性が高い。投機筋の動きも短期的で、円高が定着しにくい構造は変わっていない。こうした状況から、政府と市場の「160円攻防」は当面続くとの見方が強まっている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、前日の陽線を翌日の陰線が上から抑えるような「被せ線」(典型的な売り線の一つ)が出現した翌日である本日、ギャップダウンで始まりさらに下値を探るように下げた。しかし、ある程度まで下げた後は切り返して長い下ひげを引いたほぼ寄引同事線(始値と終値がほぼ同じ)で終え、下値では強い押し目買いが入ることを示した。
33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、石炭・石油(1位)、証券(2位)、鉄鋼(3位)、鉱業(4位)、その他金融(5位)となった。
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当面の達成感から売りが優勢 09月29日
先週金曜日の米国株式相場は上昇した(DJIA +478.64 @51,828.62, NASDAQ +129.34 @27,068.72, S&P500 +39.28 @7,743.41, SOX +176.39 @12,668.93)。ドル円為替レートは157円台後半の先週末比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が468に対して、下落銘柄数は1,039となった。騰落レシオは111.05%。東証プライムの売買代金は8兆2028億円。
TOPIX -17 @4,112
日経平均 -487円 @65,878円
【米国株式相場】
9月25日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が4日ぶりに反発し、前日比約479ドル高の5万1828ドルとなった。米国とイランの交渉進展への期待が強まり、原油先物価格が下落したことが株式の買いを後押しした。前日に6月中旬以来の安値を付けていたことから、値ごろ感を意識した買いや持ち高調整の動きも相場を支えた。
イラン情勢を巡っては、アラグチ外相が「米国が一定条件を満たせば7日以内にホルムズ海峡を開放し、最終合意に向けた交渉を再開する計画を提示した」と述べたと報じられた。これは6月の停戦協議に関する覚書に基づくものとされる。また、ペゼシュキアン大統領も米中間選挙前の戦闘終結に向けた合意に応じる姿勢を示したと伝えられ、米・イラン協議が技術的な詳細段階に入ったとの報道も相次いだ。こうした地政学リスクの後退観測から、WTI原油先物は2.3%安の92.41ドルとなり、投資家心理を改善させた。
一方で、相場は一時下落に転じる場面もあった。FRBによる追加利上げ観測が根強く、10年債利回りは5.23%まで上昇し、2007年6月以来の高水準を更新した。金利上昇は株式の割高感を意識させ、売りを誘った。さらに、ミシガン大学が発表した9月の消費者態度指数(確報値)は48.1と歴史的低水準となり、1年先のインフレ予想も4.6%へ上昇した。インフレ期待の強まりがFRBの利上げ姿勢を後押しするとの見方から、発表直後には株価の重荷となった。
個別銘柄では、マイクロソフトがAI支援機能「コパイロット」の大幅刷新を発表し、3〜4%高と買いが集まった。シャーウィン・ウィリアムズ、アムジェン、キャタピラー、アップルなども堅調だった。一方、セールスフォース、IBM、ナイキ、シェブロンなどは売られた。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も続伸し、前日比129ポイント高の2万7068となった。アカマイ・テクノロジーズはAI企業アンソロピックとの契約が収益拡大につながるとの期待から3%高となった。一方、メタプラットフォームズやテスラは下落した。
全体として、地政学リスクの緩和と原油安が株式市場を押し上げた一方、金利上昇とインフレ期待の強まりが相場の重しとなるなど、強弱材料が交錯する展開となった。
【日本株式相場】
本日9月28日の東京株式市場では、日経平均株価が6営業日ぶりに下落し、前週末比約487円安の6万5877円で取引を終えた。前週までの5連騰で3000円近く上昇していた反動から利益確定売りが広がったほか、韓国のKOSPI指数が半導体株を中心に軟調だったことも重荷となった。寄り付き直後には一時600円超上昇し、約1カ月半ぶりに6万7000円台を回復する場面もあったが、達成感から売りが優勢となり、上げ幅を保てなかった。
国内債券市場では長期金利が3.1%に迫り、2年物国債利回りは約31年半ぶりの高水準に達した。金利上昇が続くとの見方が強まり、株式の割高感を警戒した売りが増えた。今週は米国で重要イベントが相次ぎ、オープンAIの年次会議やマイクロンの決算発表、米雇用統計などが控える。こうした不透明感から、機関投資家は積極的な売買を避ける姿勢が強まった。
市場ではAI関連株が比較的堅調で、ソフトバンクグループは一時4%高となった。前週末の米国株市場でマイクロソフトがAI機能「コパイロット」の刷新を発表し、ハイテク株が買われた流れが日本にも波及した。さらに、28日は中間配当や株主優待の権利付き最終売買日であり、個人投資家による権利取りの買いも相場を支えた。
AI関連株の評価は分かれるものの、日本株は米国株に比べて出遅れ感が大きいとの指摘がある。米フィラデルフィア半導体指数が9月以降1割上昇したのに対し、日経半導体株指数は1%程度の上昇にとどまる。日本企業は特定のクラウド事業者に依存せず、AI向け半導体需要の広がりを幅広く取り込めるとの見方もある。
ただし、金利上昇はハイテク株にとって逆風で、米国の長期金利は5.2%前後、日本も3%超と高水準にある。データセンター投資が巨額化する中、資金調達コストの増加は企業の成長期待を抑える可能性がある。市場関係者は、30日に予定されるマイクロンの決算が半導体需要の強さを確認できるかどうかが短期的な焦点になるとみている。
地政学リスクも依然として残る。米国とイランの交渉は不透明で、もし戦闘再開となればリスク回避の売りが広がり、原油高が日本株全体の重しとなる。内需株も安心して買える状況ではなく、結果として成長期待のあるAI関連に資金が流れやすい構図が続いている。相場はムード次第で上下に振れやすく、方向感の乏しい展開が続く可能性がある。
また、東証REIT指数は年初来安値を更新した。金利上昇で借入負担が重くなるREITは売られやすく、物流系やオフィス系を中心に下落が目立った。予想分配金利回りは5%台と高いものの、国債利回りとの利回り差が縮小しており、投資妙味が薄れている。海外投資家の間ではJ-REITに対する弱気な見方が続いている。
【海運株の動向とその背景】
海運株には、10月以降の中国向けコンテナ需要の減速懸念があるものの、投資資金がさらに流入する余地が広がっている。市場では様子見姿勢もみられるが、運賃市況、企業の経営姿勢、信用取引の状況という3つの要因が株価を支える材料として浮上している。
まず運賃市況について、コンテナ船の需要ピークを過ぎる10月以降は運賃の下落が警戒される。しかし、中国の港湾混雑が続き、需給逼迫が解消しにくいとの見方がある。専門家は「大幅な運賃下落は起きにくく、年末にかけて海運株の正念場になる」と指摘する。さらに、中東情勢が不安定なままであるため、航路別の運賃は高水準を維持している。原油や化学品の調達先が中東から北米などに広がり、航行距離が伸びていることも運賃収入の押し上げ要因となる。中東情勢が落ち着けば運賃が下がる可能性はあるものの、輸送網の構造変化が進んでおり、海運企業の収益にはプラスに働くとの見方が強い。
次に企業の経営姿勢の変化だ。海運各社は業績拡大を背景に株主還元を強化し、成長投資にも積極的だ。投資家が参加しやすい環境づくりにも取り組んでいる。日本郵船は株価が7000円を超え最低投資額が高くなっていることから、株式分割の可能性を示唆した。商船三井も株価が6000円台に定着すれば分割を検討する方針だ。持ち合い株の解消が進む中、個人投資家の長期保有を促す狙いがある。
三つ目は信用取引の動向である。川崎汽船や日本郵船では信用売り残が大幅に増加しており、買い戻し需要が潜在的な株価押し上げ要因となる。川崎汽船の空売り残は売買高の約15日分に達し、通常より高い水準だ。空売り比率は低下傾向にあるものの、過去に売りを入れた投資家の中には買い戻しが進まないとの見方もあり、信用売り残が高止まりする可能性がある。
海運株は米・イラン戦闘開始前の2月末比で3割以上上昇し、業種別で最も強い値動きを示している。市場関係者からは「さらに上昇する余力が蓄積している」との声も聞かれる。ただし、持続的な株高には企業の収益力向上が不可欠だ。海運大手3社のROEは7%台にとどまり、PBRも1倍前後で推移している。より高い株価水準を目指すには、収益性の改善が求められる。
海運各社は市況変動に左右されやすい体質から脱却するため、物流事業やLNG船事業など安定収益源への投資を進めてきた。市場では「方向性は正しく、今後は投資効果を確実に収益に結びつけられるかが鍵」との評価がある。運賃市況が追い風のうちに、収益基盤を強化しROEを高められれば、中長期の投資資金を呼び込む契機となる。
【外国為替相場】
9月28日の東京外国為替市場で円相場は大きく上昇し、夕方には一時156円台半ばまで円高が進んだ。日米両政府の要人が円安を懸念する発言を相次いで行い、円買い介入への警戒感が強まったことが背景にある。財務省の三村財務官が「円の過小評価は問題」と述べたことが伝わると、欧州市場の参加者が増える時間帯に円買いが加速した。
9月25日には片山財務相がトランプ大統領から円安への懸念が示されたと説明し、米財務長官ベッセント氏も「強い円が望ましい」と発信した。さらに、高市政権が日銀に過度な金融緩和を求めない姿勢を示したとの報道があり、政府の政策スタンスが変化したとの見方が円相場を支えた。
ただし、輸入企業の円売りや中東情勢の不透明感、原油高による貿易収支悪化懸念が円高の勢いを抑える場面もあった。円は対ユーロでも大幅に上昇し、約2週間ぶりの円高水準となった。
市場では、日米高官の発言が円安トレンドの転換点になる可能性があるとの声が出ている。円安の要因とされてきた日銀の利上げ遅れについても、日銀が利上げペースを速めたことで見方が変わりつつある。市場は来春までに複数回の利上げを織り込み始めており、急激な円安再燃の可能性は低いとの指摘がある。
一方で、本格的な円高への転換は米国の金融政策や高市政権の姿勢次第との見方が多い。FRBは利上げを継続しており、ドル高圧力が残るため、政策発言だけで円安を大きく修正するのは難しいとの声もある。10月1日には日銀会合の「主な意見」や短観が公表され、円相場の方向性を左右する材料になるとみられている。
【国内債券相場】
9月28日の国内債券市場では中期国債が売られ、利回りが大きく上昇した。特に新発2年債は一時1.975%まで上昇し、1995年以来の高水準に接近した。新発5年債も2.43%と過去最高を更新した。背景には、米政府関係者が円安に懸念を示し、日銀に対して円安是正を促す発言が相次いだことがある。これにより市場では「日銀が早期に追加利上げを迫られるのではないか」との思惑が強まり、金融政策の先行きが利回りに反映されやすい中期債に売りが集中した。
9月25日には高市首相が日米首脳会談でトランプ大統領から円安が米国の貿易に悪影響を与えているとの指摘を受けたと説明。さらに、米財務長官ベッセント氏が日本側との協議で「日本経済の基礎的条件を踏まえれば、より強い円が望ましい」と述べたことが明らかになった。こうした発言が続いたことで、市場では「米国の圧力を受け、日銀が円安是正のため利上げに踏み切る可能性が高まった」との見方が広がった。
加えて、30日に予定される2年債入札を控え、投資家が積極的な売買を避ける姿勢を強めていたことも値動きを大きくした要因とされる。半期末で流動性が低下しやすい時期でもあり、相場が跳ねやすい状況だった。市場では、2年債利回りが近く2%に到達するとの予想も出ている。東京スター銀行の市場担当者は「節目の2%は目前」としつつ、日銀が政策金利を2%超まで引き上げる展開は想定していないと述べた。利回りが2%前後まで上昇すれば、金利水準の高さを評価した買いが入りやすくなるとの見方もある。
今回の利回り上昇は、日米双方の政策発言が金融市場に与える影響の大きさを改めて示した。円安是正への圧力が強まるなか、日銀の政策判断が中期債の動向を左右する局面が続きそうだ。
【中東危機とエネルギー価格の上昇の影響】
2026年7〜9月期の金融市場は、中東危機の長期化が意識され、エネルギー価格の急騰を中心に大きく揺れた。米国とイランの停戦期待が後退したことで、原油や天然ガスの供給不安が強まり、資源インフレ再燃への警戒が高まった。これに伴い、投資資金はハイテク株から資源・金融株へと移るなど、市場の流れにも変化が生じた。
特にエネルギー価格の上昇が顕著で、アジア向けLNG先物は6月末比61%高、軍事衝突前の2月末比では2.4倍に達した。欧州の天然ガス指標TTFも大幅に上昇し、冬場の需要期を控えた需給逼迫が続くとの見方が強い。原油も供給不安から上昇し、WTIは一時100ドル台を回復した。紅海周辺での武装組織の活動やサウジのパイプライン攻撃が不安を増幅し、石油製品の価格上昇はさらに大きくなった。
エネルギー高は農産物にも波及し、トウモロコシや小麦が2割前後上昇した。肥料や輸送コストの増加、バイオ燃料需要の拡大に加え、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化や欧州の熱波による減産懸念が相場を押し上げた。
こうした資源高を背景に、国際商品全体の動きを示すCRB指数は6月末比18%高、2月末比34%高となり、約18年ぶりの高値圏に達した。一方、銅やアルミなど景気敏感な産業用金属の上昇は小幅で、今回の商品高が景気拡大ではなく供給不安主導であることが示された。
資源高は金融市場にも波及し、インフレ圧力の再燃が主要中銀の引き締め姿勢を強め、金利上昇を通じて為替や株式市場にも影響を与えている。景気減速と物価上昇が同時に進むリスクへの警戒が再び強まっている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、続伸して始まったが、売りに押されて上ひげを引いた陰線で終えた。終値ベースではやや下向きの60日移動平均線を再び割り込んだ。それでも10日・25日移動平均線が上向きで株価はその上で推移しているので、株価サイクル�◆蔽綣造幣緇困鮖遒后砲郎F�のところ継続しているが、盤石ではない。個別銘柄で少しでも反転しそうな兆候を確認したら、即一旦手仕舞いする(二刀流燕返し)が賢明だろう。ただし、反発し始めたらすぐに買い戻す「構え」を忘れないことである。
33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、医薬品(1位)、パルプ・紙(2位)、鉱業(3位)、化学(4位)、電気機器(5位)となった。
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長期金利の上昇を背景に銀行株が大幅高 09月26日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -161.61 @51,349.98, NASDAQ 3.34 @26,939.37, S&P500 -1.90 @7,704.13)。ドル円為替レートは158円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,118に対して、下落銘柄数は382となった。騰落レシオは109.75%。東証プライムの売買代金は7兆8008億円。
TOPIX +53 @4,129
日経平均 +850円 @66,346円
【米国株式相場】
9月24日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が3日続落し、約3カ月半ぶりの安値を付けた。米長期金利の高止まりが主力株の売りを誘い、相場全体の重しとなった。米債券市場では10年債利回りが2007年以来、30年債利回りが2004年以来の水準に達する場面があり、日米欧の主要中銀が同時に利上げ局面にあることや、各国の財政悪化への懸念が金利上昇圧力を強めた。市場では、企業の借入コスト増加や景気への悪影響を警戒する声が多く、金利上昇が株式市場の最大の不安材料となった。
米国のインフレ懸念も根強い。ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁が年末までの追加利上げを妥当と述べたほか、フィラデルフィア連銀ポールソン総裁も緩やかな金融引き締めが正当化されるとの見解を示した。金利が高水準で推移するとの見方から株式の割高感が意識され、売りが広がった。
原油市場ではWTI先物が一時96ドル台後半まで上昇し、前日比で大きく値を上回る場面があった。中東の供給不透明感が背景にあり、原油高が物価や企業収益を圧迫するとの懸念が株式市場にも波及した。
個別銘柄では、ダウ平均の構成銘柄ではないもののオラクルの下げが目立った。ニューメキシコ州で建設中のデータセンターを巡り、予定通り稼働できない場合の支払い延期を求めていると報じられ、収益化の遅れや資金調達への不透明感が嫌気された。データセンター向け電力供給のブルーム・エナジーも下落し、AI関連投資の資金調達コスト増加や事業への影響が懸念されたことで、他のAI関連株にも売りが波及した。
ダウ平均は一時300ドル超下落したが、主力株の売りが一巡すると下げ渋った。米国とイランが戦闘終結に向けた段階的な交渉を進めているとの報道が原油価格の上昇幅縮小につながり、株式の買い戻しを誘った。
ダウ構成銘柄ではウォルマート、IBM、シャーウィン・ウィリアムズ、ホーム・デポ、3Mなどが下落。一方でウォルト・ディズニー、ビザ、アルファベットは上昇した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小幅反発し、メタプラットフォームズが新製品評価や目標株価引き上げを受けて買われた。一方、クアルコム、ブロードコム、サンディスクなど半導体関連株の一角は売られた。
【日米欧で長期金利の上昇が鮮明になっている】
日米欧で長期金利の上昇が鮮明になっている。背景には、中東情勢の膠着による原油高と、それがもたらすインフレ長期化への警戒がある。原油価格はWTI先物が一時96ドル台半ばまで上昇し、イラン情勢の緊迫が供給不安を強めた。イラン大統領や軍高官の強硬発言が続き、米軍との衝突が長期化するとの見方が市場に広がったことで、期近だけでなく2027年受け渡しの原油先物まで上昇し、長期的な供給リスクが意識されている。
こうした原油高は世界的なインフレ圧力を高め、主要中銀の追加利上げ観測を強めている。米国では10年債利回りが一時5.22%、30年債は5.50%と、それぞれ2007年・2004年以来の高水準を付けた。日本でも新発10年債利回りが3.115%と約30年ぶりの高さを更新し、欧州でもフランスやドイツの長期金利が十数年ぶりの高水準に達した。
米連邦準備理事会(FRB)高官からは「さらなる政策調整が必要」とのタカ派発言が相次ぎ、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁も年内追加利上げを「合理的」と述べた。金利先物市場では10月会合での利上げ確率が7割に上昇し、利上げ継続の見方が強まっている。OECDもインフレ長期化を見込み、G20の物価上昇率見通しを上方修正した。
金利上昇の背景には、インフレだけでなく米景気の底堅さもある。米10年物価連動債の実質金利は2.8%台まで上昇し、景気拡大を織り込む動きが強まった。FRBの経済見通しで雇用の強さが確認されたことも、投資家が米国債を売りやすくする要因となった。景況感指数が市場予想を上回ったことで債券売りが加速するなど、良好な経済指標が金利上昇につながる局面が続いている。
通常であれば金利上昇は株式市場の逆風となるが、米ナスダック総合指数は最高値圏を維持している。AI関連の投資期待がハイテク株を支え、高金利環境を市場が受け入れているとの見方がある。バークレイズは「AIテーマの株式市場が堅調である限り、金利上昇局面は続く」と指摘する。
一方で、金利上昇は財政規律への懸念も反映している。米国では財政拡張的な政策が議論され、30年債利回りが22年ぶりに5.5%台へ急伸した。米金利高は世界に波及し、欧州や日本でも長期金利が急上昇している。日本では日銀の利上げが遅れ、将来の金利上昇が急激になる「ビハインド・ザ・カーブ」への警戒が強まった。
世界的に国債への買い控えが続き、市場は米長期金利5%台の常態化を織り込み始めている。原油高・インフレ懸念・財政不安・景気の強さが重なり、金利上昇圧力は短期的に収まりにくい状況となっている。
【日本株式相場】
本日9月25日の東京株式市場では、日経平均株価が5日続伸し、前日比850円高の6万6364円と大幅に上昇した。人工知能(AI)や半導体関連の主力銘柄が買われたほか、日米の長期金利急騰を受けて利ざや改善が期待される銀行株が強く、相場全体を押し上げた。さらに、9月末の中間配当の権利取りを狙う買いが幅広い銘柄に入ったことで、日経平均の上げ幅は一時900円近くに達した。
取引序盤は小幅高で始まったが、東エレク、アドバンテスト、イビデンなど半導体関連が前場中盤から上昇を強め、指数を押し上げた。日米金利の上昇を背景に、三菱UFJなど銀行株にも買いが広がった。プライム市場では値上がり銘柄が値下がり銘柄を大きく上回り、中間配当の権利付き最終売買日(28日)を控えた買いが相場を支えた。
一方で、相場が伸び悩む場面もあった。米オラクルが計画するAIデータセンターの稼働遅延時の支払い延期を開発事業者に通知したと報じられ、同計画に関わるソフトバンクグループ(SBG)に売りが波及。AIインフラ計画「スターゲート」への影響が懸念され、日経平均の重しとなった。
それでも市場心理は比較的良好だった。大和証券は「金利上昇など環境は前日と大きく変わらないが、配当権利取りの買いが相場を押し上げている」と指摘した。東証株価指数(TOPIX)も反発し、JPXプライム150指数も上昇した。プライム市場の売買代金は7兆8000億円超と高水準で、値上がり銘柄は1100超に達した。
個別ではファーストリテイリング、リクルート、京セラなどが上昇した一方、清水建設、中外製薬、大成建設などは下落した。
市場を支えた大きな要因の一つが銀行株の強さだ。長期金利が日本でも一時3.115%と約30年ぶりの高水準に達し、利ざや改善期待が高まった。三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクがそろって反発し、地銀株も軒並み上昇した。四国銀行や秋田銀行など高配当銘柄が買われ、秋田銀行は株式分割を控えて36年ぶりの高値を付けた。東証プライムの値上がり率ランキング上位の多くが銀行株となり、業績上方修正を発表した東邦銀行や阿波銀行も後場にかけて一段高となった。
AI・半導体関連も堅調だった。金利上昇局面では割高感から売られやすいが、今回は底堅く推移した。背景には、24日の米中首脳会談が友好ムードの中で無難に終わり、AI規制が強化される懸念が後退したことがある。米国側はAI規制に慎重な姿勢を示し、中国側も「競争しながら協力は可能」と発言したとされ、AI開発の継続性が意識された。
さらに、米中貿易戦争の休戦措置が2カ月延長され、対中関税引き下げやレアアース輸出継続が確認されたことで、景気後退リスクが和らいだ。市場では中国から米国にパンダが到着するとの報道も話題となり、久々に和やかなムードが広がった。
9月は金融政策決定会合や政治イベントが重なる「鬼門」とされるが、今回の日本株は大きな波乱なく乗り切りつつある。ただし、AI企業の増益基調を脅かす規制強化や、米中間選挙に向けた政治発言、中東情勢などのリスクは残っており、投資家は慎重姿勢を保ちながら上値を探る展開が続きそうだ。
【外国為替相場】
外国為替市場では、日本の通貨当局による円買い介入への警戒が急速に強まっている。背景には、日米両政府が7月末に協調介入を実施した水準である 1ドル=160円 が心理的な防衛ラインとなっていることがある。円相場がこの水準に再接近すれば、当局がいつ介入しても不思議ではないとの緊張感が市場に広がっている。
9月25日早朝には円が158円台後半まで下落した。原油高や米景気の底堅さを受け、米連邦準備理事会(FRB)の連続利上げ観測が強まり、日米金利差がさらに拡大するとの見方が円売りを促した。米長期金利は節目の5%を超え、ドル高が進行。160円を割り込むような円安が進めば、米側から円安是正を求める圧力が強まるとの見方も根強い。
実際、米国側の円安への懸念は表面化している。片山財務相は、日米首脳会談でトランプ大統領が円安を問題視したと明らかにし、米財務長官との緊密な協議を続けると述べた。この発言を受け、円は一時158円前半まで買い戻された。
円安修正の手段としては、日銀の利上げか為替介入が挙げられる。日銀は9月会合で3カ月ぶりの利上げに踏み切り、利上げペースを加速させた。市場では年内追加利上げの織り込みが進んでいる。しかし、FRBの利上げ加速観測が強まる中、日銀の利上げが円高につながるかは不透明だ。さらに、9月会合では2名の審議委員が利上げに反対し、日銀が「ハト派」と受け止められたことも円売り材料となった。
日本の通貨当局は2026年に四半期ごとに円買い介入を実施しており、日銀会合と介入が「セット化」しているとの見方もある。9月会合後にはレートチェックが行われ、市場は介入が近いと受け止めた。専門家からは、首脳会談前に円安が進むのを避ける意図があったとの指摘もある。
原油高と世界的な利上げ観測が続く中、日銀が利上げしても円高転換は容易ではない。市場では、160円に近づけば小規模な介入があり得るとの思惑がくすぶり、当局と市場の心理戦がすでに始まっている。
【長期金利上昇と銀行株の相関関係】
国内金利の上昇が続くなか、これまで「金利上昇=銀行株買い」という定石に変調の兆しが出ている。日銀が9月に追加利上げを実施した後、メガバンク株の上昇率は日経平均を下回り、銀行株の勢いに陰りが見え始めた。背景には、金利上昇が銀行の収益改善につながる一方で、預金調達競争の激化や個人向け国債との競合が強まっていることがある。
9月25日の東京市場では日経平均が続伸し、三菱UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクがそろって反発した。しかし、日銀の追加利上げ後に3行が同時に上昇したのはこの日が初めてで、利上げ効果が株価に十分反映されていない。銀行株はこれまで長期金利と高い相関を示してきたが、今回の利上げ後は日経平均に比べて見劣りしている。
銀行株の上値を抑える要因として注目されるのが、個人向け国債の存在感だ。日銀の資金循環統計によれば、4〜6月期の家計から国債・財投債への資金流入は約1.9兆円と21年ぶりの高水準で、定期預金の伸びを大きく上回った。固定金利型の個人向け国債は、銀行が獲得を狙う中長期の定期預金と競合する。政府が税優遇策を検討しているとの報道もあり、個人マネーが「預金から国債へ」流れる可能性が意識されている。
銀行のIR説明会でも国債との競合が話題となり、ゆうちょ銀行は貯金減少の要因として個人向け国債の販売増を挙げた。海外投資家からも「税優遇が導入されれば預金流出が加速するのではないか」との質問が相次ぎ、銀行株の評価に影響を与えている。
預金は銀行の融資原資であり、調達力の低下は収益に直結する。ニッセイアセットマネジメントは「個人向け国債が大きく売れれば銀行株の保有を減らす判断も必要」と指摘する。高齢者の預金比率が高いりそなHDなどは粘着性の高い預金を持つとされるが、国債の魅力が高まればこの層も預金から離れる可能性がある。
こうした状況の中、銀行株は「預金調達力」で選別される局面に入りつつある。大手銀で構成する日経銀行株トップ10指数は、2026年前半から業種別指数を上回っており、調達力の高い大手銀が優位に立つ構図が鮮明だ。ゴールドマン・サックスはみずほFGを推奨する一方、普通預金金利が高く調達コストが重いあおぞら銀行を売り推奨としている。
さらに、日銀が気候変動対応オペの条件を変更し、固定金利の貸付を縮小したことも非大手銀行に逆風となった。短期金利の上昇幅が長期金利を上回り、イールドカーブがフラット化する中、短期調達・長期融資で利ざやを稼ぐ銀行の収益環境は厳しくなっている。一方、債券市場では長期金利が連日で30年ぶりの高水準を更新し、短期から長期まで幅広い年限で利回りが上昇した。原油高や円安によるインフレ圧力が強まり、日銀の追加利上げ観測が高まっている。翌日物金利スワップ(OIS)市場では「2年先1年」金利が2.5%を超え、日銀が推計する中立金利の上限を上回った。市場がターミナルレートを高めに見積もっていることを示すが、海外金利の影響が大きく、日本の経済基礎条件を反映していないとの指摘もある。
日銀ウォッチャーの調査ではターミナルレートは1.75%が最多で、2%程度が妥当との見方が優勢だ。市場は海外要因による金利上昇を冷静に見極めようとしている。
銀行株は金利上昇の恩恵を受ける一方、預金流出リスクや調達コスト増という新たな課題に直面しており、従来の「金利上昇=銀行株買い」という構図が揺らぎ始めている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、6日続伸してまだやや下向きの60日移動平均線の上に再浮上した。これで10日移動平均線、25日移動平均線、60日移動平均線の3本の移動平均線すべての上に株価は浮上した。ただ、10日移動平均線は上向きに転じているが、25日及び60日移動平均線がまだ下向きのままである。後5日ほど株価が25日移動平均線の上に留まることができれば、25日移動平均線は上向きに転じ、株価サイクル�◆蔽綣造幣緇困鮖遒后砲貌�るはずだが、向こう1週間ほどでどのような株価材料が出てくるか次第である。
33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、証券(2位)、その他金融(3位)、電気機器(4位)、サービス(5位)となった。
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米長期金利上昇⇒国内長期金利上昇⇒株価の重し 09月25日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -352.10 @51,511.59, NASDAQ -308.24 @26,936.04, S&P500 -58.61 @7,706.03)。ドル円為替レートは158円台前半での動きだった。5連休明け、本日9月24日の日本株全般は上げる銘柄が下げる銘柄よりも多かったが、株価指数は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が674に対して、下落銘柄数は838となった。騰落レシオは105.2%となった。東証プライムの売買代金は9兆2038億円。
TOPIX -16 @4,075
日経平均 +495円 @65,514円
【米国株式相場】
9月23日の米国株式市場では、主要指数のダウ平均が続落し、前日比で300ドル超下落した。背景には米長期金利の急上昇があり、投資家心理が悪化したことが大きい。景気指標が強い内容となったことで、インフレ圧力の根強さが意識され、追加利上げ観測が強まったことが金利上昇につながった。高値圏にあった主力株には持ち高調整の売りが出て、相場全体の重しとなった。
この日発表された9月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値では、製造業が市場予想を大きく上回り、サービス業も改善した。特に企業の原材料費などを示す「投入価格」が2022年秋以来の高水準となり、物価上昇圧力が再び強まっていることが示された。こうした指標を受け、米10年債利回りは2007年以来の高水準となる5.13%まで上昇した。
FRBのバー理事は講演で、インフレ抑制のために追加的な政策調整が必要になる可能性を示唆し、利上げに前向きな姿勢を示した。市場では10月のFOMCで0.25%の利上げが決定される確率が前日から上昇し、7割近くに達した。金融引き締め観測の強まりが株式市場の重しとなった。
さらに、原油市場ではWTI先物が90ドル台で高止まりしている。トランプ大統領が軽油の禁輸を検討していると発言したことで、軽油需給の逼迫懸念が広がり、原油価格の上昇観測が強まった。原油高と金利上昇が企業のコスト増につながり、収益を圧迫するとの見方が株売りを誘ったとの指摘もある。
個別銘柄では、マクドナルドが投資家向け説明会で物価高による客足の伸び悩みを示したことから売りが優勢となり、下げが目立った。ほかにもアルファベット、アマゾン、エヌビディアなど主要ハイテク株が軟調だった。一方で、セールスフォースやシェブロン、ボーイングなど一部の銘柄は上昇した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も反落し、前日まで最高値を更新していた反動で利益確定売りが広がった。スペースX、ブロードコム、マイクロンなどが下落した一方、クラウドストライクやパロアルトネットワークスなどセキュリティ関連株は買われた。
総じて、強い景気指標とインフレ懸念が金利上昇を招き、株式市場全体に調整圧力がかかった一日となった。
【日本株式相場】
本日9月24日の東京株式市場では、日経平均株価が4日続伸し、連休前の18日終値から約500円上昇して取引を終えた。大型連休中に米国市場で人工知能(AI)や半導体関連株が買われた流れがそのまま東京市場にも波及し、寄り付きから関連銘柄に買いが集中した。日経平均は一時1200円超上昇し、節目とされる6万6000円を上回る場面もあった。ただし、国内債券市場で長期金利が急上昇したことが株式相場の重荷となり、上げ幅は次第に縮小した。
米国では連休中、ナスダック総合指数が3カ月半ぶりに最高値を更新し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も8%超上昇した。背景には、米メタプラットフォームズが公開したAIエージェント「Muse(ミューズ)」の人気があり、AI関連の成長期待が再び高まったことがある。メタはミューズを搭載した眼鏡型端末も発表し、AI投資の収益化期待が強まった。これを受け、東京市場でもアドバンテスト、イビデン、東京エレクトロンなどが買われ、これら3銘柄だけで日経平均を500円以上押し上げた。
一方で、金利上昇は相場の重しとなった。国内債券市場では国債利回りが幅広い年限で上昇し、長期金利は一時3.075%と約30年ぶりの高水準を更新した。高バリュエーション株のリクルートや太陽誘電が売られ、巨額の社債発行を発表したソフトバンクグループ(SBG)は金利負担増への懸念から一時下落した。鉄鋼や電力・ガスなど、金利上昇で財務負担が重くなりやすい業種も軟調だった。
指数全体では、TOPIXが続落し、JPXプライム150指数も反落した。東証プライムの売買代金は9兆円を超え、売買高は約25億株。値上がり銘柄は全体の半数強にとどまり、銀行株などは金利上昇を嫌気して下落した。
個別銘柄では、TDKやファナック、日東電工が上昇した一方、伊藤忠商事、三菱商事、トヨタなどのバリュー株は軟調だった。住友電気工業は、米メタが計画する海底ケーブル敷設事業への参画が好感され大幅高となった。日本取引所グループは取引活況を背景に業績予想を上方修正し、後場にかけて株価が一段高となった。
東海カーボンは、半導体関連事業の利益拡大計画が報じられたことで急伸し、約8年ぶりの高値をつけた。AI普及による半導体需要増を背景に、ファインカーボン事業のEBITDAを2030年に今期見込みの2〜3倍へ引き上げる方針が示されたことが買い材料となった。
一方、太陽誘電は投資判断引き下げと目標株価の大幅な下方修正を受けて急落した。AIサーバー向けMLCC需要への期待から7月に上場来高値をつけていたが、過熱感の反動で株価は半値以下となっている。アナリストは、クラウド事業者の設備投資がキャッシュフローに近づきつつあり、長期的な投資増を織り込むには時間がかかるとの見方を示した。
市場全体では、米国の金利上昇や国内金利の急伸が銀行株の重荷となり、景気の加速が確認できない状況では上値が重くなりやすいとの指摘がある。さらに、米中首脳会談を控えた政治的な不確実性や、月末に予定される米マイクロンの決算発表を前に様子見姿勢も強まった。SBGは一時大幅高となったものの買いが続かず、日経平均が本格的な上昇基調に入るには時間がかかるとの見方が広がっている。
【国内債券相場】
大型連休明けの金融市場では、日銀が年内に追加利上げを実施するとの見方が再び強まった。日銀の金融政策決定会合は10月と12月に予定されており、連休明けの24日時点で市場が織り込む「10月利上げ」の確率は約3割、「12月までの追加利上げ」は9割超に達した。背景には、連休中に米国の利上げ観測が急速に高まったことがあり、米長期金利の急騰や円安進行が日本のインフレ圧力を強めるとの見方が広がった。
9月23日の米長期金利は5.11%まで上昇し、円相場は一時1ドル=158円40銭近辺まで円安が進んだ。円安は輸入物価を押し上げ、国内インフレを刺激するため、日銀の利上げ観測を後押ししやすい。日銀は9月18日の会合で0.25%の利上げを決め政策金利を1.25%に引き上げたが、採決では2名の反対票が出たため、市場では「日銀は依然ハト派的」との受け止めが広がり、利上げ観測はいったん後退していた。
しかし、米国の経済指標が強く、FRB高官が追加利上げに前向きな発言をしたことで状況は一変した。原油価格も米・イラン交渉の難航で再び上昇し、インフレ懸念が強まった。こうした外部環境の変化が、日本でも早期追加利上げの可能性を高めた。
債券市場では、海外投資家が「利上げで将来のインフレが抑制される」とみて超長期債を買い続けてきた。日銀の利上げ観測が強まると、政策金利の影響を受けやすい中期債を売り、インフレ懸念が後退した際に価格が上がりやすい超長期債を買う「フラットナー」(イールドカーブがより水平に近づく)取引が活発化した。海外勢は中期債を3カ月連続で売り越し、超長期債を2カ月連続で買い越している。
フォワード金利でも、投資家が超長期金利の低下を見込んでいることが示される。例えば「1年先の20年物金利」は新発20年債の利回りを下回り、「1年先の30年物」も同様に現行の利回りより低い。これは「政策金利が2%超まで引き上げられれば、超長期債を買う投資家が増える」との見方を反映している。
ただし、現状では世界的な金利上昇圧力が強く、日本の超長期金利も下がりにくい。海外勢は既存のポジションで損失を抱える可能性があるが、それでも「日銀が利上げを加速すればイールドカーブはフラット化する」との期待から、超長期債の買い持ちを続けている。
国内では、9月期末を控えて動きが鈍かった機関投資家が10月以降に買いを再開する可能性がある。米国の債券市場が落ち着けば、国内でも高い利回りが再評価され、超長期債の利回り低下につながるとの見方が出ている。
一方、9月24日の国内債券市場では金利が急伸し、10年債利回りは3.075%と約30年ぶりの高水準を更新した。欧米の利上げ観測が強まり、米長期金利が5.13%まで上昇したことが国内債にも波及した。大阪取引所は国債先物の急変動を受けてサーキットブレーカーを発動した。
日銀の利上げ決定に反対票が出たことや、金融政策を巡る政府の姿勢が変わっていないとの見方もあり、市場では「日銀は依然として慎重姿勢」との受け止めが残る。植田総裁は「物価上昇率が2%に接近している」と述べ、政策の局面が変化したと強調したが、為替市場では円安が進行し、債券市場でも金融政策の先行きが見通しにくい状況が続いている。
総じて、米国の金利上昇と円安進行が日本のインフレ懸念を強め、日銀の追加利上げ観測を押し上げる一方、国内債券市場では不透明感が強まり、金利が急騰する展開となった。
【外国為替相場】
9月24日の東京外国為替市場で円相場は8日連続で下落し、夕方には1ドル=158円台後半まで円安が進んだ。大型連休中に米国の景気指標が強い内容となり、FRBによる追加利上げ観測が一段と高まったことが背景にある。米長期金利が上昇基調を強めるなか、円売り・ドル買いが優勢となり、円は3週間ぶりの安値圏に沈んだ。
米国では、S&Pグローバルが発表した9月の購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回り、4年以上ぶりの高水準となった。FRB高官からも利上げに前向きな発言が相次ぎ、10月のFOMCで政策金利が引き上げられるとの見方が広がった。こうした米金融政策への思惑がドル買いを促し、円相場の下押し要因となった。
一方で、円が下げ渋る場面もあった。午前の中値決済に向けて輸出企業の円買いが入ったほか、日本政府が前週に為替水準を確認する「レートチェック」を行ったとみられることから、円買い介入への警戒感が市場に残り、円の下値を支えた。
対ユーロでは円が反発し、夕方には1ユーロ=180円台前半まで円高が進んだ。ドル高の流れがユーロにも波及し、ユーロ安・ドル高が進んだことが円高要因となった。円買い介入への警戒感もユーロに対する円買いを後押しした。
総じて、米金利上昇と追加利上げ観測が円安を主導する一方、国内の介入警戒や企業フローが円の急落を一定程度抑える展開となった。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、9月18日に既に10日移動平均線の上に再浮上していたが、5連休明けの本日、9月24日にはまだやや下向きの25日移動平均線の上に再浮上した。ただ、長い上ひげを引いたほぼ寄引同事線で終えたため、まだ上値では売り圧力が強いことを示した。
33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、サービス(1位)、電気・ガス(2位)、保険(3位)、海運(4位)、鉱業(5位)となった。
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「中銀イベント通過」「円安進行」「AI・半導体関連の強気材料」「中東情勢の緩和期待」が重なり、幅広い銘柄に買いが入った 09月18日
昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +316.14 @51,778.04, NASDAQ +439.87 @26,413.30, S&P500 +85.95 @7,637.76, SOX +353.38 @11,599.49)。ドル円為替レートは157円台前半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が511に対して、 下落銘柄数は1,003となった。騰落レシオは104.65%。東証プライムの売買代金は10兆3969億円。
TOPIX -3 @4,091
日経平均 +883円 @65,019円
【米国株式相場】
9月17日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反発し、前日比316ドル高の5万1778ドルとなった。原油価格の下落と米長期金利の低下が投資家心理を改善し、幅広い銘柄に買いが入った。前日は中東情勢への警戒や金利上昇で大きく売られていたため、自律反発の動きも強かった。
原油市場では、米国とイランの対立を巡る過度な警戒がやや後退し、WTI原油は一時100ドルを割り込む場面もあった。供給不安が和らいだことで原油価格は下落し、インフレ圧力の緩和期待が株式市場を支えた。米長期金利も前日の5.02%から4.9%台前半へ低下し、株式の割高感が薄れたとの見方が広がった。
トランプ米大統領はイランとの戦闘が「終わりに近づいている」と述べ、合意の可能性に言及した。さらに、湾岸諸国首脳との会談が予定されているとの報道もあり、中東情勢への過度な懸念が後退したことが市場の追い風となった。
個別銘柄では半導体関連の上昇が際立った。グローバルファウンドリーズはマーベル・テクノロジーとの生産契約拡大が材料視され6%高。アーム・ホールディングスは自社開発AI半導体の売上目標達成に自信を示したCEO発言を受けて8〜9%高となった。インテルやAMD、マイクロンなど主要半導体株も上昇し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は3%高と強い動きを見せた。
AIインフラ関連株も買われ、ネビウス・グループは計算リソース値上げの通知が収益拡大期待につながり一時11%高。アマゾン向けデータセンター契約を発表したゼネラック・ホールディングスは18%高と急伸した。AI規制論が業界内外で議論されているものの、企業の旺盛なAI投資が続いているとの見方が強く、関連銘柄の下支えとなった。
経済指標では、新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、労働市場の底堅さが確認された。これが投資家心理を支え、景気後退懸念を和らげた。
ダウ平均採用銘柄では、エヌビディア、シスコシステムズ、アマゾン、キャタピラー、ナイキ、メルクなどが上昇。一方、セールスフォース、ボーイング、ウォルマートなどは下落した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も4営業日ぶりに反発し、439ポイント高の2万6418となった。テスラやブロードコムなどが上昇し、指数を押し上げた。
市場では、FRBの利上げ決定を受けた金利上昇が前日まで重荷となっていたが、17日は金利と原油の落ち着きが買い戻しを誘発した。AI関連の強い投資需要が相場全体の支えとなっており、規制論が浮上する中でも成長期待は根強い。翌18日は「クアドルプル・ウィッチング」(クアドルプル・ウィッチング(Quadruple Witching)とは、4種類の先物・オプション取引の期限が同時に到来する日で、株式市場の値動きが普段より不安定になりやすい特別な日)による値動きの不安定化が予想されるが、AI関連の底堅さが市場の下支えになるとの見方もある。
(注)クアドルプル・ウィッチングとは何か
以下の 4つのデリバティブ(金融派生商品) の期限が同じ日に到来する現象を指します。
株価指数先物
株価指数オプション
個別株オプション
個別株先物
これらの取引は機関投資家やヘッジファンドが大量に保有していることが多く、期限到来時にはポジション調整(決済・ロールオーバー)が一斉に行われます。
■ なぜ値動きが荒くなるのか
理由はシンプルで、大量の売買が同じタイミングで発生するからです。
機関投資家が先物・オプションを決済する
新しいポジションに乗り換える(ロールオーバー)
それに伴い現物株の売買も増える
この結果、通常よりも 出来高が急増し、株価が大きく上下しやすくなるのです。
■ いつ起きるのか
米国市場では 年4回(3月・6月・9月・12月) の第3金曜日に発生します。
日本市場でも米国の影響を受けて値動きが荒くなることがあります。
■ 投資家にとっての意味
短期的な乱高下が起きやすい
テクニカル分析が効きにくくなる
出来高が急増するため、意図しない値動きが発生することがある
まとめ長期投資家にとっては大きな意味はありませんが、短期売買をする投資家にとっては注意すべき日。
まとめ
クアドルプル・ウィッチングとは:
4種類の先物・オプションの期限が同時に到来する日
年4回発生
売買が集中し、株価が乱高下しやすい
特に米国市場で影響が大きい
市場が「荒れやすい日」として広く知られている。
【変質しつつある米国国債】
今週、米国の長期金利がリーマン・ショック後の「上限」とされてきた5%を突破した。インフレ懸念や追加利上げ観測だけでは説明しきれず、米国債が長年享受してきた「安全で便利な資産」という特権が弱まりつつあることが背景にある。米国債は流動性が高く、担保としても使いやすいことから、投資家は低い利回りでも保有してきた。この利回り差は「コンビニエンス・イールド」と呼ばれ、戦後平均で0.4〜0.6%程度とされる。しかし近年はこの特権が低下し、米国債の実質金利の均衡水準が上昇しているとの指摘が増えている。
研究によれば、コンビニエンス・イールドは2015年頃からマイナス圏に沈む場面が増え、近年はマイナスが定着している。最大の要因は米国債の供給増で、市場で流通する米国債は約29.5兆ドルと20年前の7倍に膨らんだ。財政赤字が常態化し、債務残高は2026年にGDP比101%、2030年には108%に達する見通しで、戦後直後の水準を上回る。供給が増えれば希少性が薄れ、特権も弱まる。
さらに、米国債の保有者構造も変化している。過去はFRBや海外中銀が大量に保有していたが、現在は民間部門の比率が高まり、価格変動に敏感な投資家が増えた。民間ファンドは収益最大化を重視するため、金利上昇に対してよりシビアに反応する。
財務省の債務管理への信頼も揺らいでいる。従来は「予見可能な発行」を原則としていたが、8月には長期債の買い戻し額を突然増やすなど、相場に応じた「機会主義的」な対応が見られた。これが不確実性を高め、金利上昇圧力につながるとの懸念がある。財務長官は短期債を増やし長期債を減らす「トレジャリー・ツイスト」を進めているが、短期債依存は将来の金利上昇リスクを高めるとの批判もある。
こうした状況は、財政が金融政策を縛る「財政優位(フィスカル・ドミナンス)」の懸念を強める。巨額債務への配慮がFRBの利上げ判断を難しくし、インフレ抑制への信認が揺らぐ可能性がある。専門家からは「財政優位のリスクは過去数十年で最も高い」との警鐘も出ている。
米国債は依然として世界最大の安全資産だが、長期金利の5%突破はその地位が絶対ではない現実を示している。
(注)トレジャリー・ツイスト(Treasury Twist)とは、米国財務省が国債の発行や買い戻しの「期間構成」を意図的に変えることで、長期金利の動きを調整しようとする政策運営の手法を指します。
中央銀行の金融政策とは異なり、財務省が「どの年限の国債を市場に多く出すか/減らすか」を操作することで、金利構造に影響を与える点が特徴です。
■ トレジャリー・ツイストの基本的な仕組み
ポイントは 「長期債を減らし、短期債を増やす」 という動きです。
長期債を買い戻す(市場から減らす)
→ 長期債の需給が引き締まり、長期金利の上昇圧力を和らげる
短期債を多く発行する(市場に増やす)
→ 財務省は短期で資金調達しつつ、長期債の供給を抑える
つまり、財務省が「国債の期間ミックス」を変えることで、
長期金利を抑えたいときに使うテクニックです。
■ なぜ「ツイスト」と呼ばれるのか
国債の発行構造を「短期に寄せる/長期を減らす」という形で“ねじる(twist)”ため、
イールドカーブ(利回り曲線)が「ひねられた」ように見えることから名付けられました。
■ 歴史的な背景
トレジャリー・ツイストは1960年代の米国で使われた政策が起源です。
当時は景気刺激を維持しつつ、長期金利の上昇を抑えるために採用されました。
近年では、財政赤字拡大や国債供給増による長期金利上昇を抑える目的で再び注目されています。
■ 最近の文脈(記事の背景)
記事では、ベッセント米財務長官が以下のような政策運営を行っていると説明されています:
長期債の買い戻しを増やす
短期債の発行を増やす
これはまさに「トレジャリー・ツイスト」であり、
長期金利の急騰を抑えるための財務省主導の需給調整策です。
ただし、短期債の比率が増えると「借り換え頻度が増える」「将来の金利上昇リスクが高まる」などの副作用があり、専門家からは慎重論も出ています。
■ まとめ
トレジャリー・ツイストとは:
財務省が国債の発行・買い戻しの期間構成を操作する政策
長期債を減らし、短期債を増やすことで長期金利の上昇を抑える
金融政策ではなく「財務省による金利調整」
長期金利の急騰局面で使われやすい
将来の金利リスクが高まる副作用もある
【日本株式相場】
本日9月18日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続伸し、前日比882円高の6万5018円となった。心理的節目である6万5000円台を約1週間ぶりに回復した。日米欧の中央銀行が相次いで利上げに踏み切り、世界的な金利急騰への警戒が和らいだことが投資家心理を改善させた。金融政策イベントを通過したことでリスク資産への資金回帰が進み、特に人工知能(AI)・半導体関連株が相場を押し上げた。
日銀は金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げ、1.25%とした。市場予想通りの内容で、金融緩和の正常化の範囲内と受け止められた。日経平均は午前中は6万4000円台で推移していたが、結果発表後に海外短期筋の先物買いが膨らみ、上げ幅は一時1300円超まで拡大した。日銀が示した「中立金利」レンジ(1.1〜2.5%)の下限にようやく達した水準であり、景気を冷やすほどの引き締めではないとの見方が広がった。
米国ではFRBが9月16日に利上げを決定し、トランプ大統領の利下げ圧力がある中でもインフレ抑制を優先する姿勢を示した。欧州中央銀行(ECB)も9月10日に利上げを実施。主要中銀がそろってインフレ対応に動いたことで、世界的な金利上昇の行き過ぎへの懸念が後退した。
中東情勢にも緊張緩和の期待が出ている。トランプ大統領が湾岸諸国首脳とイラン問題を協議する見通しと伝わり、原油先物は一時100ドルを割り込んだ。原油高によるインフレ圧力が和らぐとの期待が株式市場の追い風となった。
こうした環境改善を受け、AI・半導体関連株が再び強い動きを見せた。エヌビディアのCEOが「来年は今年の2倍の半導体を販売する」と述べたことが報じられ、米市場で関連株が上昇。アーム・ホールディングスのCEOもAI向けCPUの売上目標達成に自信を示し、株価が急伸した。東京市場でもアドバンテスト、ソフトバンクグループ、キオクシアなどが買われ、3銘柄だけで日経平均を700円押し上げた。
一方、銀行株は下落した。日銀の利上げは織り込み済みで材料出尽くしと受け止められ、三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGなどメガバンク株に利益確定売りが出た。追加利上げへの慎重姿勢が意識され、利ざや改善期待がやや後退したことも影響した。地銀株も同様に売られた。
東証プライム市場の売買代金は10兆円を超え、約1カ月ぶりの大商いとなった。半導体関連株への資金集中が売買代金を押し上げた。TOPIXは小幅反落したが、JPXプライム150指数は続伸した。
また、電力株が急伸している点も市場の話題となった。AI普及による電力需要増加に加え、政府が託送料金の期中見直しを認めたことで、電力会社がコスト増を料金に反映しやすくなった。関西電力、四国電力、九州電力など原子力比率の高い企業が高値圏で推移している。送配電網の設備投資増加が見込まれることから、日立製作所や富士電機など関連企業にも注目が集まる。ただし、電気料金の上昇が需要減退につながる可能性や、企業ごとの事情(東京電力の廃炉費用、中部電力の不正問題など)から株価の強弱は分かれている。
総じて、9月18日の東京市場は「中銀イベント通過」「円安進行」「AI・半導体関連の強気材料」「中東情勢の緩和期待」が重なり、幅広い銘柄に買いが入った。年末に向けて循環物色が続くとの見方も多く、投資家心理は悲観から楽観へと傾きつつある。
【事前の予想通り日銀は利上げを決定】
日銀は9月18日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%へ引き上げた。6月以来の追加利上げで、植田総裁体制では最速ペースとなる。市場では早くも次の利上げ時期を探る動きが強まり、日銀がどの指標を重視して判断するかが焦点となっている。
まず、円安は利上げ判断を促す重要な要因だ。日銀は為替を政策目標にしていないものの、円安は輸入物価を押し上げ、家計や企業の予想インフレ率を高めるため、物価安定の観点から利上げを後押ししやすい。円相場は2022年以降長期的な円安トレンドに入り、原油高や日米金利差拡大、財政悪化懸念などが重なって円安が進行してきた。過去の利上げも円安局面と重なっており、今後も円安が進めば利上げが近づくとの経験則が意識される。
また、為替介入が行われた後に利上げが続くパターンも定着しつつある。介入は一時的に円安を抑えるが、外為特会の資金には限りがあり、根本的な円安圧力を抑えるには金融政策の引き締めが必要になるためだ。
物価指標では、消費者物価指数(CPI)が基本となる。7月のCPI(生鮮除く)は前年比1.8%と目標の2%を下回るが、政府の補助金が押し下げ要因となっている。日銀が重視する「日銀版CPI」(特殊要因除く)は2.3%と22カ月連続で2%超を維持しており、基調的な物価上昇は強いとみられている。
さらに、企業物価指数(PPI)は先行指標として重要だ。8月の上昇率は7.6%と高水準で、原材料高や人件費上昇が消費者物価に波及する可能性が高い。AI関連需要による非鉄金属や機器類の価格上昇も企業物価を押し上げており、これがCPIに反映されれば追加利上げの可能性が高まる。
予想インフレ率(BEI)も日銀が注視する指標だ。BEIは足元で2%近くまで上昇しており、これがさらに高まれば物価上振れリスクが強まり、利上げ判断を後押しする材料となる。
金融環境の評価も重要だ。日銀は現状を「なお緩和的」とみており、企業の資金繰りや銀行の貸し出し態度を示す短観の指標は良好な水準を維持している。社債やCPの発行も高水準で、企業の資金調達環境は堅調だ。ただし、利上げの影響は時間差で表れるため、日銀は今後のデータを慎重に見極める構えだ。
市場では、翌日物金利スワップ(OIS)から算出される「2年先1年」金利が2.4%付近まで上昇しており、政策金利がさらに4回程度引き上げられるとの見方が織り込まれている。円安や物価上昇圧力が続けば、日銀の利上げの最終到達点(ターミナルレート)が引き上がる可能性もある。
【日銀の利上げと外国為替相場】
9月18日夜の外国為替市場で円相場は急速に円安方向へ進み、一時1ドル=158円台まで下落した。日銀が政策金利を1.25%へ引き上げたものの、会合で2名の審議委員が利上げに反対したことで「追加利上げは急がない」との見方が広がり、円売りが強まった。午前には156円台だった円は、正午の会合結果発表後に下落を加速し、植田総裁の記者会見後にはさらに円安が進んだ。
反対票を投じた浅田統一郎・佐藤綾野両審議委員は、高市政権下で任命された人物で、金融緩和寄りとみられている。市場では「政権が積極的な利上げを望んでいないのでは」との観測が強まり、利上げペースが鈍るとの思惑が円売りにつながった。ベッセント米財務長官が円安是正を求める発言を続けていたため、事前には「日銀が利上げを加速するのでは」との期待もあったが、今回の反対票でその期待が後退した。
植田総裁は会見で「政策の局面は変化した」と述べ、連続利上げの可能性も排除しないとした。ただし「0.5%利上げなど大幅な引き上げは例外的」とも示唆し、市場では「急いで追加利上げを行う姿勢ではない」と受け止められた。
一方、米欧の中央銀行はインフレ対応に積極的と評価されている。FRBは9月16日の会見で「全会一致の利上げは物価安定への決意」と強調し、市場は年内の追加利上げを高い確率で織り込む。ECBも利上げを決定し、成長見通しを引き上げた。世界的に金利が上昇していた背景には中東情勢の緊迫化や財政不安があり、長期金利にはインフレ不透明感によるプレミアムが乗っていた。しかしFRB・ECBの姿勢が明確になったことで不透明感が後退し、米欧の長期金利はむしろ低下した。
対照的に日本では、日銀の慎重姿勢が「ビハインド・ザ・カーブ(利上げが後手に回る)」懸念を強め、円安・債券売りが進む可能性が指摘されている。9月18日の国内債券市場では一時長期金利が低下したものの、会合後は国債売りが出て低下幅が縮んだ。
株式市場は円安を追い風に強い動きを見せた。日銀の利上げが想定よりハト派的と受け止められ、金利上昇懸念が和らいだことでAI・半導体関連株が買われ、アドバンテストやキオクシアが大幅高となった。円安は企業の利益押し上げ要因となるため、短期的には株式市場にプラスとの見方もある。ただし、インフレが長引き日本経済が失速すれば「日本売り」につながるリスクも残る。市場は日米欧の金融政策の温度差を敏感に捉えており、円相場は今後も不安定な展開が続く可能性がある。
【日米欧の中央銀行は相次いで利上げを決定したが、質が異なる】
日銀が9月18日の会合で政策金利を0.25%引き上げて1.25%としたこと自体は市場の想定通りだったが、2名の審議委員が反対票を投じた点が円売り材料となった。金融環境の緩さを重視する委員が据え置きを主張したことで、今後の利上げペースが読みづらくなり、追加利上げが慎重になるとの見方が広がった。
FRBやECBが利上げを連続して進める中、日銀内の判断のばらつきが目立ち、日米欧の金融政策の温度差が意識された。市場では次回利上げ時期を12月または2027年1月と予想する声が多い。原油高が続けば国内インフレ圧力が強まり、12月に前倒しで利上げする可能性もあるが、全会一致ではないため円高効果は限定的とみられる。
植田総裁は会見で「政策の局面は変化した」と述べ、物価の上振れリスクに言及した。ただし連続利上げや大幅利上げを強く示唆したわけではなく、慎重姿勢が残るため円高にはつながりにくいとの見方が多い。27年3月末の円相場は1ドル=156円前後との予想が示された。
市場では、浅田・佐藤両委員の反対票が「ハト派的な利上げ」と受け止められ、高市政権が利上げに積極的でないとの印象を与えたとの指摘もある。一方、FRBはタカ派姿勢を強め、追加利上げが高い確率で織り込まれている。ECBも利上げを継続する構えで、米欧のインフレ対応は積極的と評価されている。
世界的に金利が上昇していた背景には中東情勢や財政不安があり、長期金利にはインフレ不透明感によるプレミアムが乗っていた。しかしFRB・ECBの姿勢が明確になったことで不透明感が後退し、米欧の長期金利はむしろ低下した。対照的に日本では「利上げが後手に回る」懸念が残り、円安・債券売りが進む可能性が指摘される。
株式市場は日銀の利上げを好感し、金利上昇懸念が和らいだことでAI・半導体関連株が買われた。アドバンテストやキオクシアが大幅高となり、日経平均は一時1300円超上昇した。円安は企業収益を押し上げるため、短期的には株式市場にプラスとの見方もある。
ただし、インフレが長引き日本経済が失速すれば「日本売り」につながるリスクも残る。市場は日米欧の金融政策の温度差を敏感に捉えており、円相場と金利の不安定さは今後も続く可能性がある。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、陽線で続伸してやや上向きに転じた10日移動平均線の上に再浮上した。チャートで見る限り、これで押し目を終えて反発初動に入ったと見る。ただ、日経平均に占めるウェイトが大きい数銘柄(=値がさ株)が上げだけで日経平均は上昇したが、上昇銘柄の約2倍の銘柄は下落した(日本株全体では下げた)ことに留意しておく必要がある。
33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、石油・石炭(2位)、水産・農林(3位)、海運(4位)、不動産(5位)となった。
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8月18日から続く調整局面が底打ちしたように見えるが・・・ 09月17日
昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -328.09 @52,093.11, NASDAQ -204.84 @25,981.57, S&P500 -34.25 @7,585.73, SOX +44.27 @11,175.55)。ドル円為替レートは155円台前半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,048に対して、下落銘柄数は452となった。騰落レシオは108.45%。東証プライムの売買代金は6兆7075億円。
TOPIX +25 @4,062
日経平均 +439円 @63,923円
【米国株式相場】
9月15日の米株式市場では、原油価格の急騰と米長期金利の上昇が重なり、投資家心理が悪化した。ダウ工業株30種平均は前日比328ドル安の5万2093ドルと続落し、下げ幅は一時540ドルを超えた。中東情勢の緊迫がエネルギー供給不安を強め、株式市場全体の重荷となった。
原油高の背景には複数の供給障害がある。ロイター通信によれば、サウジアラビアの紅海側ヤンブー港で原油の積み込みが停止し、欧州向けの出荷も取り消しや延期が発生した。さらにリビアでは国営石油会社が油田の操業停止を発表し、状況次第では不可抗力宣言を出す可能性にも言及した。これらの供給不安が重なり、WTI先物は一時106ドル台後半と約4カ月ぶりの高値を付けた。
原油高は米国のインフレ圧力を強めるとの見方が市場で広がり、米10年債利回りは一時5.04%と2007年以来の高水準に達した。金利上昇は株式の相対的な割高感を強め、売りを誘発した。市場では、翌9月16日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げが決定されるとの見方が優勢で、追加利上げの有無にも注目が集まっている。
個別銘柄では、ナイキ、アマゾン、ウォルト・ディズニー、ユナイテッドヘルスなど消費関連・ヘルスケア株が軟調だった。一方、原油高を追い風にシェブロンが上昇し、エヌビディアやスリーエムも買われた。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も続落し、シーゲート・テクノロジーやウエスタンデジタルなど半導体関連の下げが目立った。
同日の市場では、AI関連株の動向にも注目が集まった。前日にはAI開発の減速を求める声が米企業トップから相次ぎ、関連銘柄が売られていたが、この日は一部で買い戻しも見られた。ただし、原油高と金利上昇というマクロ要因が強く、全体としてはリスク回避姿勢が優勢だった。
さらに市場では、アップルの株価が他の巨大テック企業と異なる動きを示している点も話題となった。アップルはAI投資競争に過度に踏み込まず、財務の安定性を重視する姿勢が評価され、ナスダック100指数との相関が低下し逆相関に転じた。設備投資を抑えつつフリーキャッシュフローを増やす見通しが示され、ディフェンシブな大型株として資金の受け皿になっている。ただし、ハードウエアの原価上昇や高価格化による需要減退リスク、新体制下での革新性維持など課題も残る。
総じて、15日の米市場は原油高・金利上昇・地政学リスクが重なり、株式全体が調整色を強めた。FOMCの結果と今後の金融政策の方向性が、次の相場の焦点となる。
【日本株式相場】
本日9月16日の東京株式市場では、日経平均株価が4営業日ぶりに上昇へ転じ、前日比438円高の6万3923円で取引を終えた。前日まで米国株が軟調だったものの、この日はアジア株が総じて堅調で、特に半導体比率の高い韓国総合株価指数(KOSPI)が上昇したことが日本株の買い戻しを促した。人工知能(AI)・半導体関連株の一部に買いが入り、後場にかけて上昇幅が拡大し、高値引けとなった。
前場は原油価格の上昇が重荷となり、日経平均が一時マイナス圏に沈む場面もあった。サウジアラビアの供給不安を背景にニューヨーク原油先物が5月以来の高値圏に達し、インフレ懸念が再燃。米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の政策決定会合を控え、利上げペースが加速する可能性が意識され、投資家の慎重姿勢が強まった。
しかし、アジア株の堅調さが相場の雰囲気を変えた。KOSPIが上げ幅を広げると、日本株にも海外短期筋の先物買いが入り、東エレクやアドテストなど主要半導体株が反発。これまで売られていた銘柄に買い戻しが入り、指数を押し上げた。一方、前日に急伸していたソフトバンクグループ(SBG)は利益確定売りに押されて下落し、キオクシアも軟調だった。
金利上昇が追い風となりやすい銀行株は、前場こそ買いが入ったものの、メガバンクは後半に失速し、三菱UFJやみずほFGが下落して終えた。半面、9月末の配当権利取りを意識した買いが地方銀行株に向かい、地銀株は後場にかけて上昇した。
東証株価指数(TOPIX)は24ポイント高の4061で反発。JPXプライム150指数も上昇した。東証プライム市場の売買代金は約6.7兆円と低調で、売買高は約17.7億株。値上がり銘柄は全体の約7割を占めた。
個別では、ファーストリテイリング、リクルート、信越化学、フジクラなどが上昇。一方、コナミグループ、大塚ホールディングス、イビデン、メルカリなどは下落した。
《高頻度取引(HFT)の影響拡大》
同日の市場では、ソフトバンクグループなど大型株の値動きが荒くなる場面があり、背景として高頻度取引(HFT)の存在感が指摘されている。HFTはミリ秒単位で大量の注文を出し、売買を繰り返す取引手法で、東証プライム市場の売買代金が10兆円前後と高水準にある中、海外業者の参入が増えているという。
金融庁の統計では、HFTの注文は全体の8割を占める。売買代金比率は35%前後で安定しており、頻繁な注文とキャンセルが繰り返されている様子がうかがえる。従来はマーケットメーク型が中心で、流動性を提供する役割が強かったが、近年は数秒先の値動きを予測して利益を狙う「ディレクショナル型」が増加。順張りの売買が多く、AI関連株の値動きが大きい局面では相場変動を増幅する可能性がある。
専門家の間では、HFTの構造変化が市場のボラティリティを高めているとの指摘がある。特にキオクシアやフジクラなどは日々5%以上動くこともあり、短時間で大きな損失を抱えるリスクが高まっている。HFTは膨大な取引量をこなすため、実態の解明には時間がかかるとされるが、投資家は場中の急変動リスクを意識する必要がある。
【外国為替相場】
日米の中央銀行が同時期に政策判断を迎えるなか、市場では両国がそろって0.25%の利上げに踏み切るとの見方が支配的となり、予想確率は9割を超えている。だが、利上げが既定路線であるにもかかわらず、金融政策がインフレ対応で後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」への懸念が強まり、円もドルも積極的に買いづらい状況が続いている。
9月16日の東京外国為替市場では、円相場は1ドル=155円台前半で推移した。原油高による日本の貿易赤字拡大が意識され、円売り・ドル買いが優勢(主に米ドルで支払うため)となった。ただし、FRBと日銀の政策決定を控え、投機的な持ち高を積み増す動きは限定的だった。
米国ではFRBが16日まで開くFOMCで利上げを決めるとの見方がほぼ確定的だ。米金利先物を基にした「フェドウオッチ」では、9月会合の利上げ確率が9割超に達している。原油高やインフレ圧力の強さを背景に、年内の追加利上げ観測も浮上しており、FOMC参加者の金利見通し(ドットチャート)や、ウォーシュ議長が記者会見でどの程度先行きの利上げ姿勢を示すかが焦点となる。
ウォーシュ議長はフォワードガイダンスに慎重で、明確な将来指針を示さない傾向があるため、市場は発言のニュアンスを細かく読み取ろうとしている。SMBC信託銀行の市場関係者は「追加利上げの可能性を示唆するかが最大の注目点」と指摘する。
一方、日銀は9月17〜18日の会合で利上げ継続姿勢を示すとの見方が強い。OIS市場では年内に0.50%の利上げを決める確率が9割を超え、0.25%幅の利上げを2回行うとの予想が織り込まれている。円安が物価上昇を助長する状況下で、利上げペースの加速を示唆するかが注目される。
しかし、一般的に利上げは通貨高につながるはずが、今回は円もドルも買いづらい。背景には、日米ともに政権側が積極的な利上げを望まないとの見方があり、金融政策が政治的圧力で後手に回る懸念が消えないためだ。
インフレ圧力は強まっている。中東情勢の緊張で原油価格はWTIが一時106ドル台まで上昇し、米国では中間選挙を前に減税や給付など財政拡張の思惑が広がりやすい。日本でも食料品の消費税減税を含む税制改正大綱が閣議決定され、高市政権の財政拡張路線が続くとの見方が強い。財政拡張はインフレを刺激し、長期金利を押し上げる力が働く。それに加えて利上げをすると国債の利払い費用が上がるため、利上げを難しくする要因となる。
こうした状況から、日米ともに「利上げはするが十分ではない」との評価が市場で広がり、通貨が買われにくい。野村証券の松沢氏は「ウォーシュ議長が利上げ姿勢を示しても、ドル買いにつながるほどの強いメッセージにはならない」とみる。日銀についても、利上げを決めても市場が想定するほどタカ派姿勢を示さなければ円安圧力が残る。
結果として、日米が利上げを決めても、双方の通貨が強含む展開にはなりにくく、「円とドルの綱引き状態」が続くとの見方が多い。円相場は年内150円台での膠着が続く可能性が高いとされ、政策イベント通過後も方向感の乏しい展開が予想されている。
【商船株が強含みで推移している背景】
商船三井、日本郵船、川崎汽船の大手商船株はどれも7月初旬から8月下旬にかけて明確な上昇トレンドを描いた後、高値圏で横ばいが続ているものの、反落する気配が殆どない。その一つの理由がコンテナ運賃の上昇である。そしてその上昇にはちゃんとした理由がある。
アジア―北米間のコンテナ船スポット運賃が急上昇している。上海発米国東岸向けは11日時点で1万479ドルと約4年ぶりに1万ドル台を回復し、西岸向けも7339ドルと高値圏にある。いずれも7週連続で上昇し、輸送コストの増加が日本企業にも影響し始めている。
背景の一つが パナマ運河の通航制限だ。降雨不足により運河の水位が低下し、パナマ運河庁は通航枠を段階的に縮小。通常36枠が34枠、さらに32枠へと減る見通しで、船の待機時間が長期化している。エルニーニョ現象が深刻化すれば雨期の降水量不足が続き、通航制限がさらに強まる可能性もある。前回のエルニーニョ期(2023〜24年)には通航枠が通常の6割まで落ち込んだ。
運河の混雑により船の回転率が低下し、運賃上昇圧力が強まっている。実際、一部の船はパナマ運河を避けて喜望峰経由で迂回しており、航海日数の増加がコストを押し上げている。さらに アジアの港湾混雑も運賃上昇を後押しする。台風の連続発生で上海・寧波などの港では荷役が滞り、最長10日以上の遅延が発生。世界のコンテナ定時運航率は7月に56.4%まで低下し、上海では21%と大幅に悪化した。港湾混雑は船のスケジュール遅延を招き、利用可能な船腹が減ることで供給が引き締まる。一方で 輸送需要は底堅い。アジア発米国向けコンテナ輸送量は8月に前年同月比2%増と回復。ベトナムや韓国発が伸びる一方、中国発は関税強化の反動で減少したが、全体として荷動きは強い。米国の小売業界も9月の輸入量増加を見込んでおり、ピークシーズンが長期化しているとの見方が多い。9月24日に予定される米中首脳会談で関税緩和が進めば、輸送量増加を通じて運賃上昇圧力がさらに強まる可能性がある。日本企業にとっては米国向け輸送コストの上昇が続く懸念があり、海運市況の動向を注視する必要がある。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、昨日の陽線に続き、本日も下ひげを引いた短陽線で上げた。8月17日に始まった今回の調整は底打ちをしたように見えるが、どこまで反発するかは未知数である。まずは半値戻しが目標だが、反発力が弱いと1/3戻しくらいで失速する。ただし、3月31日安値@50,558円と7月29日安値@60,448円を結んだ上昇トレンドラインを9月11日から割り込んでいるので、反発はまだ安定的とは言えない。
33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、石油・石炭(1位)、鉱業(2位)、繊維製品(3位)、海運(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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AI減速論・金利上昇・原油高という複数の逆風が続く 09月15日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -152.09 @52,421.20, NASDAQ -146.62 @26,186.41, S&P500 -37.00 @7,619.98, SOX -692.72 @11,131.28)。ドル円為替レートは154円台後半での動きだった。本日の日本株全体は上げる銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が800に対して、下落銘柄数は685となった。騰落レシオは107.63%。東証プライムの売買代金は7兆4384億円。
TOPX -21 @4,037
日経平均 -9 @63,484
【米国株式相場】
9月14日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が反落し、前週末比152ドル安の5万2421ドルとなった。主因はAI開発の減速懸念で、半導体やサーバーなどAIインフラ関連銘柄に売りが広がったことだ。米アンソロピックのアモデイCEOが「安全確保のため最先端AIモデルの開発ペースを落とすべきだ」と訴え、オープンAIのアルトマンCEOやイーロン・マスク氏も賛同した。これにより、AI関連の成長期待が一時的に後退し、エヌビディアやキャタピラーなどが下落。半導体株指数(SOX)は5.8%安と大きく下げた。
一方で、市場全体は底堅さも見せた。AI需要は中長期的に強いとの見方が根強く、「最先端モデルの開発には巨額投資が不可欠で、設備投資は高水準を維持する」との声が市場関係者から聞かれた。下値では押し目買いも入り、ダウ平均は一時プラス圏に戻る場面もあった。
市場心理を冷やしたもう一つの要因が原油高である。サウジアラビアの東西パイプラインが攻撃を受け操業停止となり、さらにオマーンがイランとの会合延期を発表したことで、中東のエネルギー供給不安が強まった。WTI原油は5月以来の高値を付け、インフレ懸念が再燃した。
金融株にも売りが波及した。バンク・オブ・アメリカは、投資銀行業務の手数料収入が前年同期比で減少していると明らかにし株価が下落。オープンAIのIPO延期報道も金融株の重荷となり、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーにも売りが出た。
ダウ構成銘柄では、3M、シスコ、アマゾンなどが下落。一方、セールスフォース、アルファベット、IBM、マイクロソフト、ウォルマート、ディズニーなどは上昇し、相場全体の下支えとなった。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も反落し、前週末比146ポイント安の2万6186となった。マイクロン、ブロードコム、アーム、AMD、インテルなど主要半導体株が軒並み大幅安となり、AI関連クラウドサービスのコアウィーブなども下落した。
さらに、米長期金利(10年債利回り)が一時5%を突破したことも市場の重荷となった。長期金利は金融資産の評価基準であり、企業の資金調達コストにも直結するため、上昇が続けば株式市場や実体経済への影響は避けられない。2023年に同水準を付けた際もS&P500は1割超下落しており、今回も警戒感が強まった。
金利上昇は、AI関連のような高成長株の現在価値を押し下げるほか、米国債利回りの上昇で株式の相対的魅力が低下する。企業や消費者の借入金利上昇も需要を抑制する。住宅市場への影響は限定的との見方もあるが、政府財政への負担は確実に増す。米政府債務はGDP比100%超で、金利高止まりが続けば利払い費が膨らみ、財政悪化の懸念が強まる。
総じて、9月14日の米市場はAI開発減速懸念・原油高・金利上昇という三重の圧力を受けたが、非AI銘柄の買いが下支えし、下げ幅は比較的限定的となった。
【日本株式相場】
本日9月15日の東京株式市場で日経平均株価は小幅に3日続落し、6万3484円で取引を終えた。前日の米国市場で半導体株が大きく売られた流れを受け、東京でもAI・半導体関連の一角に売りが続いた。背景には、米アンソロピックのCEOが最先端AIモデルの開発ペースを落とすべきだと発言し、オープンAIのトップらも同調したことで、AI需要の伸びが鈍るとの見方が広がったことがある。14日にすでに関連株は急落していたが、15日もアドテストや東京エレクトロンなど一部銘柄に売りが残った。
市場の重荷となったもう一つの要因は金利上昇だ。米長期金利は日本時間15日午後に再び5%台へ上昇し、日本の長期金利も一時3.03%と約30年ぶりの高水準を付けた。原油高によるインフレ圧力が債券売りを誘発したほか、ブルームバーグが高市政権による防衛費のGDP比3.5%への引き上げ検討を報じ、財政悪化への懸念が国債売りを強めたとの見方もあった。
一方で、相場は一方向に弱いわけではなく、前場には日経平均が600円超上昇する場面もあった。前日にオープンAIの上場延期観測で急落したソフトバンクグループ(SBG)が急反発し、1銘柄で日経平均を350円ほど押し上げた。AI減速論についても「過度な悲観は不要」との声が増え、最先端モデルの開発が鈍ってもハイパースケーラーなどの設備投資は簡単には縮まらないとの見方が広がった。キオクシアや村田製作所など、前日まで売られていた銘柄に買い戻しが入った。
ただし、金利上昇が続く環境では株式の割高感が意識されやすく、後場に入ると買いの勢いは弱まり、日経平均は再びマイナス圏へ沈んだ。TOPIXは0.52%安の4037で終え、銀行や保険など金利上昇の恩恵を受けやすい業種も買いが広がらなかった。JPXプライム150指数も下落した。
市場全体では値上がり銘柄が800と過半を占め、医薬品など出遅れ株への資金流入も見られた。中外製薬や武田薬品などが買われ、業績の安定性が改めて評価された。AI関連の不安がやや後退した一方、金利上昇や中東情勢の不透明感は依然として重荷であり、強い反転には時間がかかるとの見方が多い。
総じて、AI減速論・金利上昇・原油高という複数の逆風が続く中でも、日本株は一定の底堅さを保っており、個別物色が広がる展開となった。
【米国債券相場】
米国の長期金利が9月15日のアジア時間に急上昇し、10年債利回りは 5.03%台と2007年以来の高水準を付けた。背景には 原油高によるインフレ懸念、そして FRBの追加利上げ観測がある。14日の米債券市場でも利回りは5%台に乗っており、トランプ政権下で拡大する財政への不安が米国債売りを強めている。
さらに、近年の金利上昇には新たな構造的要因が加わった。巨大テック企業がAI向けデータセンター建設を急ぐ中、超長期の社債を大量発行して資金を調達しており、これが国債市場の需給を圧迫している。米投資銀行幹部は「AI企業の社債発行が米長期金利上昇の主要因の一つ」と指摘する。英LSEGによれば、2026年1〜8月の 20年超の米国債発行額は前年同期比26%減の2296億ドルだった一方、同期間の投資適格社債は78%増の2537億ドルと米国債を上回った。AI関連企業の発行額は急増しており、2024年160億ドル → 2025年435億ドル → 2026年は1〜8月で611億ドルと拡大。業種別シェアは24.1%に達し、エネルギーや金融を抜いて最大となった。
発行上位は アルファベット(172億ドル)、メタ(140億ドル)、オラクル(100億ドル)など。アルファベットは40年債を6.5%で発行し、円建てでも5765億円を調達。アマゾンは50年債まで発行している。投資家は国債より高い利回りを求めて社債に資金を振り向けており、結果として国債需要が押し出される「逆クラウディングアウト」が起きている。
米30年債利回りは9月に 5.3%台とリーマン危機前以来の水準に達した。コロンビア・スレッドニードルのフサイニー氏は「AI企業の巨額起債が米国債の利回りを押し上げている」と述べる。AI投資は数年前には存在感が小さかったが、今や市場の大きな部分を占め、需給の変化が金利を揺さぶっている。
世界的にも長期金利は上昇している。日本の10年債利回りは 3.035%と約30年ぶりの高さ、ドイツは3.5%台、英国は5.4%台といずれも十数年ぶりの水準。原油価格が1バレル100ドルを超えたことでインフレ懸念が強まり、債券売りが広がった。各国で財政拡張が進むことも金利上昇圧力を強めている。トランプ大統領が中間選挙で勝利した場合に成人1人当たり5000ドルを配ると発言したことも財政不安を招いた。
市場では「金利上昇はさらに続く可能性がある」との見方が根強い。AI関連社債の発行が続く限り、国債利回りの低下は起こりにくいとの指摘もある。UBS SuMi TRUSTの青木氏は「社債発行が落ち着かない限り米金利は下がりにくい」と述べる。金利上昇は消費者や企業の資金調達コストを押し上げ、景気や株式市場に逆風となる。投資家はリスク資産への姿勢を慎重化しつつあり、世界の金融市場はAI投資ブームと財政不安、原油高という複合要因に揺さぶられている。
【外国為替相場】
円相場では、ベッセント米財務長官による度重なる円安けん制発言が強い影響力を持ち始め、為替市場の地合いを変えつつある。従来は円高局面で輸入企業が積極的にドル買いを入れ、円安方向への圧力となっていたが、足元ではその動きが明確に鈍化している。国内勢の姿勢変化が、円先高観の強まりを示す。
9月14日のニューヨーク市場では原油高による日本の貿易赤字拡大が意識され、円は一時155円近辺まで下落した。だが翌15日の東京市場では154円台後半へ戻し、円安一方向ではない展開となった。市場では「ベッセント発言の効果が続いている」との見方が多い。
特徴的なのは時間帯別の値動きだ。日銀公表値を基にすると、9月以降は海外時間(夜)だけでなく東京時間(昼)でも円がじり高となる傾向が強まった。7月初めからの累計では昼・夜ともに4円超の円高となり、協調介入直後の8月初めより円買い圧力が増している。
背景には国内実需筋のドル買い減少がある。輸入企業は協調介入直後の急激な円高局面で大量のドル調達を進め、来期上半期分まで確保した企業もある。そのため「慌ててドルを買う必要はない」との声が広がり、通常なら円高時に増えるドル買いが大幅に減っている。ある銀行では、介入直後に殺到したドル買い注文が現在は「3〜4割程度」にまで縮小したという。さらに、円高が進めば調達済みドルの評価損が生じる「逆ざや」懸念もあり、輸入企業は慎重姿勢を強めている。りそなHDには「ドルを急ぎすぎたかもしれない」と悔いる声も寄せられている。外国為替の「リーズ&ラグズ:Leads and Lags」理論のラグズが起こっている。
投機筋の円売りポジションも縮小傾向だ。CFTCのデータではレバレッジドファンドの円売り越し幅は前週比で5割強減ったが、まだ中立には至っていない。過去の円高局面では買い越しに転じたこともあり、円買い余地は残る。
今週は日米の金融政策決定会合を控え、円相場の方向性を左右する重要局面となる。市場では「週末に152円台を上抜けるかが、ベッセント氏の影響力を測る指標になる」との声もある。原油高など円安要因は残るものの、輸入企業のドル買いが細り、円先高観が市場に浸透しつつある。150円台を試す展開も意識され、円安一辺倒の構図は崩れ始めている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、過去5日間は安値を更新していたが、本日は上ひげを引いた短陽線で安値更新はなく、下げ渋りを見せた。このまま反発するとは限らないが、日経平均に対するウェイトが高い銘柄はAI関連銘柄や半導体関連銘柄などの成長株であるため、長期金利上昇に弱い。米国自身が招いている原油高経由の物価上昇と民間の巨額AI設備投資が投資資金を国債市場から奪う「逆クラウディングアウト」効果は長期金利を押し上げるため、長期金利には強い上昇プッシャーがかかる。
33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、銀行(2位)、証券(3位)、保険(4位)、卸売り(5位)となった。
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日経平均は続落したが、相場全体は反発した 09月15日
先週金曜日の米国株式相場は反発した(DJIA +509.19 @52,573.29, NASDAQ +251.31 @26,333.04, S&P500 +65.28 @7,656.98, SOX +209.83 @11,824.00)。ドル円為替レートは154円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プラムでは、上昇銘柄数が1,221に対して、下落銘柄数は309だった。騰落レシオは108.76%。東証プライムの売買代金は7兆2866億円。
TOPIX +30 @4,058
日経平均 -518円 @63,493円
【米国株式相場】
9月11日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が5営業日ぶりに反発し、前日比509ドル高の5万2573ドルで取引を終えた。前日に7月下旬以来の安値を付けていたことから自律反発の買いが入りやすかったうえ、原油高が一服したことで投資家心理が改善した。
原油価格の落ち着きは、中東情勢に関する報道が背景にある。英フィナンシャル・タイムズ紙が、湾岸諸国とイランがホルムズ海峡の航行問題を協議する見通しと伝えたことで、供給不安が和らいだ。米原油先物WTIは前日比2.4%安となり、原油高によるインフレ懸念が後退した。
同日発表された8月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%上昇と市場予想通りだったが、コア指数は前月比0.3%上昇と予想を上回った。これにより、15〜16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決まるとの見方が強まった。利上げが実施されれば、FRBのインフレ抑制姿勢が市場の信認を高め、金利上昇が落ち着くとの期待が広がった。米長期金利は前日に大きく上昇していたが、この日は低下する場面もあり、株式の買い戻しを誘った。
ダウ平均ではシスコシステムズ、IBM、ボーイングなどが上昇し、セールスフォース、アルファベット、アマゾンも買われた。一方、ユナイテッドヘルス・グループやアムジェン、メルクは下落した。
ハイテク株中心のナスダック総合指数も5営業日ぶりに反発し、前日比251ポイント高の2万6333となった。半導体株が買われ、マーベル・テクノロジーやインテルが上昇。メタプラットフォームズも堅調だった。
総じて、原油高の一服と金利の落ち着きが市場の不安を和らげ、前日までの下落局面から株式の買い戻しが広がった一日となった。
【日本株式相場】
本日9月14日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前週末比518円安の6万3492円と約1カ月半ぶりの安値を付けた。人工知能(AI)関連の成長期待が揺らいだことが主因で、午前には下げ幅が1200円を超え、取引時間中に6万3000円を割り込む場面もあった。米オープンAIの上場延期観測や、AI開発の減速を求める声が広がったことが投資家心理を冷やし、半導体・AI関連株が軒並み売られた。米フォーチュン誌は、オープンAIのサム・アルトマンCEOが「2026年はIPOをしない」と述べたと報じた。市場では以前から上場時期の遅れが意識されていたが、トップの発言が改めて売り材料となった。さらに、米アンソロピックのアモデイCEOが安全性の観点からAI開発の減速を呼びかけ、業界内で賛同が広がったとの報道もあり、AI需要の伸びが鈍るとの懸念が強まった。これらを受け、オープンAIに出資するソフトバンクグループ(SBG)は一時13%安と急落し、日経平均を1銘柄で500円以上押し下げた。キオクシア、イビデン、太陽誘電など半導体関連にも売りが波及した。
中東情勢の悪化も市場の重荷となった。サウジアラビアは原油輸送パイプラインが攻撃を受け操業停止したと発表し、オマーンはホルムズ海峡の通航管理を巡るイランとの協議延期を明らかにした。原油先物WTIは100ドル台で高止まりし、エネルギー価格の上昇がインフレ圧力を高めるとの懸念が強まった。原油高は企業のコスト増につながるため、株式市場のリスク回避姿勢を強めた。
加えて、米国の利上げ観測が一段と高まった。8月の米消費者物価指数(CPI)はコア指数が前月比0.3%上昇と予想を上回り、インフレの根強さが示された。FRBは15〜16日にFOMCを開くが、利上げは「ほぼ確実」との見方が広がり、10月・12月にも追加利上げが続くとの予測も出ている。米長期金利が上昇すれば株式の割高感が強まり、特にグロース株であるAI・半導体関連は売られやすい。
こうした三重苦の中でも、日経平均は朝方の急落後に下げ渋った。海外短期筋による先物の押し目買いが入り、9月末の中間配当取りを狙う買いも相場を下支えした。通信株など内需株は堅調で、ソフトバンク(SB)は株式分割考慮後の上場来高値を更新した。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、銀行や保険など金利上昇の恩恵を受けやすい銘柄が買われた。JPXプライム150指数も上昇し、内需・ディフェンシブ株への資金シフトが鮮明になった。東証プライム市場では値上がり銘柄が1221と全体の7割を占め、売買代金は約7.3兆円と低水準だった。
個別では、キオクシアがAI開発鈍化懸念で大幅安。SBGはオープンAIの上場延期報道で10%超下落した。一方、川崎重工業は造船設備への450億円投資が好感され上昇した。地銀株も堅調で、七十七銀行は好決算と目標株価引き上げを受け上場来高値を更新。横浜FGや千葉銀行なども買われ、AI株から金利上昇の恩恵が期待できる地銀株へ資金が移る動きが見られた。銀行株全体は年初来で約50%上昇し、AI関連株に匹敵する上昇率となっている。背景には日銀の利上げ観測があるが、市場では「利上げ期待の行き過ぎ」や「銀行株への過度な資金集中」への警戒も出始めた。円安修正が進めば、円売り・銀行株買いのセット取引が崩れる可能性も指摘される。
総じて、AI関連の成長期待の揺らぎ、原油高、利上げ観測という複合的な要因が市場を圧迫し、日経平均は弱含みの展開となった。一方で内需株や銀行株には資金が流入し、全面的なリスクオフには至っていないものの、AI・半導体株の重さが相場全体の上値を抑えている。
【国債残高と矢野康治・元財務事務次官の警鐘】
2021年に「このままでは国家は破綻する」と警鐘を鳴らした矢野康治・元財務事務次官が、現在の財政運営に対し改めて強い危機感を示した。低金利が続いた過去には財政拡大への警告が「オオカミ少年」と受け取られたが、矢野氏は「オオカミはすぐそこまで来ている」と述べ、金利上昇が財政に深刻な影響を及ぼす局面が迫っていると強調した。
矢野氏は、高市政権の「責任ある積極財政」について、長期金利の急騰が円安・株安を招き、国民生活に大きな負担を残す恐れがあると指摘。政治家が退陣しても、住宅ローンや企業の資金調達コスト増といった実害は補償されないと述べ、財政運営のリスクを軽視すべきではないと警告した。
税収増や債務残高のGDP比低下についても「低金利と物価高による一時的な改善にすぎない」と説明。過去の低金利で発行した国債の借り換えが進めば利払い費は急増し、現在の年7〜8兆円から10年後には30兆円規模、金利が1%上昇すれば40兆円規模に達する可能性があると試算した。
財政には「ため」が必要だと強調し、不況や災害時に税収が落ち込んでも国民生活を支えるため、平時に歳出を抑え余力を蓄えるべきだと述べた。現在の積極財政はその余力を食い潰していると批判した。
政府が掲げる17分野への大規模投資については「対象が広すぎ、全産業に資金を配るようなもの」と指摘。成長投資は絞り込むべきであり、「成長が財源になる」という考えは願望にすぎないと述べた。名目GDPの伸びや税収増は物価高の影響が大きく、構造的な成長力の向上にはつながっていないと分析した。
消費税減税については「財源確保が困難で、物価高対策としても不適切」と批判。高所得者ほど恩恵が大きく、事業者の負担も増えるため、迅速かつ公平な給付の方が適切だと主張した。
選挙で積極財政が選ばれたとの主張に対しては「選挙で信任を得ても、政策の財源や影響を説明する責任は免れない」と述べ、国民の判断を軽視する姿勢を戒めた。
最後に、政府がデフレ脱却を宣言しない理由について「低金利を維持し財政拡大を続けたい意図がある」と指摘。物価高対策として消費税減税を行うなら、政府は物価上昇を認めているはずであり、整合性がないと批判した。日本は外から指摘される前に自ら政策を修正し、金融政策の正常化と財政規律の回復を急ぐべきだと締めくくった。
【日経平均日足チャートの解釈】
前日の「たくり線」に続き、本日も「たくり線」で続落した。ただし、本日の日経平均はソフトバンクグループの1銘柄だけで569円押し下げられた(米オープンAIの上場が2007年まで延期されたことが主因)が、全体的には上昇する銘柄の方が圧倒的に多かった。直近の下値抵抗線として意識されるのは6月11日安値@62,335円である。
33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、サービス(1位)、保険(2位)、その他製品(3位)、水産・農林(4位)、陸運(5位)となった。
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中東情勢の悪化、原油相場高騰、日米欧の金利上昇、悪い材料で溢れている 09月11日
昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -316.56 @52,064.10, NASDAQ -171.62 @26,081.72, S&P500 -44.66 @7,591.70, SOX -317.15 @11,614.17)。ドル円為替レートは154円台前半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が509に対して、下落銘柄数は986となった。騰落レシオは105.61%。東証プライムの売買代金は8兆7192億円。
TOPIX -26 @4,028
日経平均 -1,260円 @64,011円
【米国株式相場】
9月10日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が4日続落し、前日比316ドル安の5万2064ドルと7月下旬以来の安値を付けた。中東情勢の悪化が市場心理を冷やし、原油先物価格の急騰が株式相場の重荷となった。イエメンの親イラン武装組織フーシによる港湾都市掌握、トランプ米大統領が戦闘終結は米中間選挙後になるとの見通しを示したこと、イランが地下施設で弾道ミサイル生産を再開したとの報道などが地政学リスクを高めた。
米原油先物WTI期近10月物は一時7%以上上昇し、103ドル台と5月以来の高値を記録。エネルギー供給の混乱懸念からリスク回避姿勢が強まり、株式売りが広がった。加えて、8月の米卸売物価指数(PPI)が前年同月比5.4%上昇と市場予想を上回り、インフレ圧力の強さが意識された。米長期金利は一時4.95%まで上昇し、2023年10月以来の高水準となった。金利上昇は株式の割高感を強め、売りを誘った。FRBの早期利上げ観測も強まり、9月利上げ確率は7割超へ上昇した。
ダウ平均ではIBM、エヌビディア、アムジェン、ナイキ、メルクなどが下落。一方、アップル、ウォルト・ディズニー、アルファベットは上昇した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も4日続落し、171ポイント安の2万6081となった。インテルやマイクロンなど半導体株が売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.6%下落した。
地政学リスクの高まり、原油高、インフレ指標の上振れ、金利上昇が重なり、米株式市場は広範に売りが優勢となった一日だった。
【日本株式相場】
本日9月11日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落し、前日比1259円安の6万4011円と約1カ月ぶりの安値を付けた。中東情勢の悪化による原油高騰と、日米を中心とした世界的な金利上昇が景気や企業業績の下押し要因になるとの懸念が強まり、投資家がリスク回避姿勢を強めた。人工知能(AI)・半導体関連株への売りが集中し、午前には下げ幅が2000円を超える場面もあった。
背景には、米国とイランの衝突が長期化するとの見方がある。イエメンの親イラン武装組織フーシによる港湾都市モカの制圧、イランの弾道ミサイル生産再開などが報じられ、供給不安から原油先物WTIは一時104ドル台半ばまで上昇した。
原油高は企業のコスト増を通じて業績悪化につながるため、株式市場の重荷となった。さらに、米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回り、インフレ圧力の根強さが意識されたことで米長期金利は5%に迫る水準まで上昇。日本の長期金利も一時3%に達し、金利上昇に弱いグロース株、とりわけAI・半導体関連株が売られた。キオクシアは一時8%安、ソフトバンクグループも7%安まで下落するなど、これまで相場をけん引してきた銘柄が大きく値を崩した。
一方、円高が一服したことからトヨタやホンダなど輸出関連株には買いが入り、銀行や保険など金利上昇の恩恵を受けやすい金融株も買われた。海運市況が中東情勢で強含むとの見方から川崎汽船など海運株も上昇し、日経平均の下支えとなった。
市場では、トランプ米大統領が中間選挙に向けて財政支出を拡大する姿勢を示したことが「トランプ・インフレ」を招くとの警戒も強まった。米国債売りが進み金利が上昇するなか、株式の割高感が意識されやすい状況となっている。
テクニカル面でも弱気シグナルが点灯した。日経平均は「三角もちあい」の下値支持線を割り込み、チャート分析上は一段安の可能性が示唆される。さらに一目均衡表では「三役逆転」が成立し、トレンド転換の兆しが出ている。ただ、26週移動平均線(約6万3400円)を終値で維持したことから、下値抵抗が機能する可能性も残る。
今後の焦点は、11日夜に発表される米消費者物価指数(CPI)と、来週の日米金融政策決定会合だ。日銀は利上げ加速の観測が強まり、FRBも利上げ予想が7割を超える。中東情勢の混迷と金融政策の不透明感が重なるなか、市場は高い緊張感を保っている。
【外国為替相場】
9月11日の東京外国為替市場では、円売り・ドル買いが再び優勢となり、円相場は1ドル=154円40銭台を中心に前日比1円ほど円安が進んだ。9日に152円台後半まで円高が進んでいた流れは止まり、円安方向へ反転した。背景には、中東情勢の悪化による原油高と、米利上げ観測の強まりがある。
中東ではイラン関連勢力の動きが緊迫し、原油先物WTIは日本時間11日に一時104ドル台まで上昇した。原油価格が100ドルを超えたことで、日本の貿易収支悪化への懸念が高まり、円売り圧力が強まった。
米国のインフレ指標も円の重荷となった。10日に発表された米卸売物価指数(PPI)は前年同月比5.4%上昇と市場予想を上回り、インフレ圧力の根強さが意識された。これを受け、米短期金利先物の動きから算出される9月利上げ確率は70%超へ上昇し、ドル買いが強まった。
市場では「円高転換ではなく、一時的な円安修正にすぎない」との見方が多い。あおぞら銀行の諸我氏は、円売りの構造が変わらないため「当面は155円前後の推移が続く」と指摘する。関西みらい銀行の石田氏は、日銀の増審議委員が利上げに前向きな発言をしたものの、記者会見では慎重姿勢が目立ち、連続利上げ期待が高まらなかったことが円買い材料の出尽くしにつながったと分析した。
総じて、原油高と米利上げ観測が円の上値を抑え、円高転換にはなお高いハードルがあるとの見方が市場で広がっている。
【日経平均日足チャートの解】
日経平均の日足チャートを見ると、9月3日安値@63,773円を割り込み、さらに沈んだが切り返して、長い下ひげを引いた短陰線、「たくり線」で終えた。さらに追加の悪材料が出てこなければ自律反発する
ことを暗示している。
33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、電気機器(2位)、石油・石炭(3位)、サービス(4位)、化学(5位)となった。
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米国とイランの軍事的緊張の高まりで・・・ 09月11日
昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -405.51 @52,380.66, NASDAQ -168.07 @26,253.34, S&P500 -37.16 @7,636.36)。ドル円為替レートは153円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が723に対して、下落銘柄数は783となった。騰落レシオは112.58%。東証プライムの売買代金は8兆3803億円。
TOPIX +8 @4,055
日経平均 +128円 @65,271円
【米国株式相場】
9月9日の米国株式市場では、地政学リスクと金利上昇が重なり、主要株価指数がそろって下落した。ダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比約405ドル安の5万2380ドル台と7月下旬以来の安値を付けた。背景には、米国とイランの軍事的緊張の高まりによる原油価格の急騰と、米長期金利の上昇がある。
米中央軍は8日、イランの石油輸出拠点であるカーグ島周辺やオマーン湾で原油タンカー5隻を攻撃したと発表した。これはイラン側が米軍艦に弾道ミサイル攻撃を行ったことへの対抗措置とされる。イラン革命防衛隊もペルシャ湾でタンカーを攻撃したと主張し、9日にはヨルダンの米軍基地への攻撃が伝えられるなど、双方の報復行動が連鎖している。
こうした軍事衝突の激化により、中東のエネルギー供給が滞るとの懸念が強まり、原油先物価格は急上昇した。米WTI先物の期近10月物は一時96ドル台後半と、6月上旬以来の高値を記録。欧州の北海ブレント先物も節目の100ドルを突破した。原油高はインフレ圧力を高めるため、金融市場全体に警戒感が広がった。
同時に、米債券市場では長期金利が上昇し、株式の重荷となった。10年債利回りは一時4.85%と2023年11月以来の水準に達した。米財務省は10日に実施する国債買い入れ消却(バイバック)の規模を最大60億ドルと発表したが、市場では70〜80億ドル規模を期待する向きもあり、失望感が金利上昇を後押ししたとの指摘がある。さらに、原油高によるインフレ懸念から、金融政策の影響を受けやすい2年債利回りも4.43%まで上昇した。
株式市場では、金利上昇と原油高の影響を受け、消費関連やハイテク銘柄に売りが広がった。ダウ平均ではアルファベット、ボーイング、P&G、ナイキ、セールスフォースなどが下落。新製品発表会で折り畳み式iPhoneを披露したアップルも値を下げた。一方、IBMやシェブロンは上昇し、エネルギー関連の一部には買いが入った。
ナスダック総合指数も3日続落し、前日比168ポイント安の2万6253台で終了した。半導体関連ではブロードコムやKLAなどが売られたが、個人向けAIエージェントの新サービスを発表したメタプラットフォームズは大幅高となり、半導体の一角にも買いが入った。
総じて、米国とイランの軍事衝突による原油高と、米財政運営への不安を背景とした金利上昇が市場心理を冷やし、主要株価指数の下落につながった一日だった。
【日本株式相場】
本日9月10日の東京株式市場では、日経平均株価が3日ぶりに反発し、終値は前日比128円高の6万5270円台となった。取引の大半は中東情勢の悪化を懸念した売りが優勢だったが、海外投機筋による日経平均先物への買いが大引け間際に強まり、指数は一転して上昇して取引を終えた。
市場を揺らしたのは、米国とイランの軍事的緊張の高まりだ。米中央軍は8日、イランの石油輸出拠点であるカーグ島周辺やオマーン湾で原油タンカーを攻撃したと発表。イラン側もペルシャ湾で船舶への報復攻撃を行ったと主張し、地政学リスクが急速に高まった。原油価格は上昇し、日米の長期金利も上昇したため、朝方の日経平均は一時950円超下落する場面もあった。前日の米国株市場でダウ平均が7月下旬以来の安値を付けたことも日本株の重荷となった。
しかし午後に入り、半導体関連を中心に買いが広がった。14時半ごろ、台湾のTSMCが8月の売上高を前年同月比53%増と発表し、32カ月連続の増加となったことが好感された。これを受けてアドテストやキオクシアなどAI・半導体関連株に買いが波及。韓国のKOSPIも底堅く推移し、日本株の下支えとなった。日経平均が弱含みの展開を続けていたことから、押し目買いも入りやすい地合いだった。
さらに、翌11日に株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出を控えており、海外短期筋による思惑的な先物売買が活発化したとの見方もあった。中長期の機関投資家は、日米の金融政策決定会合を翌週に控えて様子見姿勢を強めており、短期筋や個人投資家の売買が相場を振り回す展開となった。
個別銘柄では、リクルート、村田製作所、レーザーテック、TDK、太陽誘電などが上昇。銀行株も買われ、三菱UFJは一時2%以上上昇した。米長期金利が4.85%まで上昇し、日本の長期金利も2.9%台に乗せたことに加え、日銀審議委員が利上げ継続を示唆したことが銀行株の追い風となった。一方、東京エレクトロン、フジクラ、イビデン、バンダイナムコHD、任天堂などは下落した。
総じて、地政学リスクと金利上昇が相場の重荷となる一方、半導体関連の好材料や先物主導の買いが指数を押し上げ、方向感の乏しい中で日経平均は小幅反発して取引を終えた。
【外国為替相場】
円相場は1週間足らずで対ドル8円ほど円高が進み、市場ではベッセント米財務長官の発言を契機に、日銀の利上げ加速や年金資金の運用方針の変化など、円安を支えてきた前提が崩れ始めたとの見方が広がっている。今回の円高は方向こそ異なるものの、2012年に超円高から円安へ転換した際の「政策変化を先取りする相場」の記憶を呼び起こしている。
運用会社GMXの石見直樹氏は、9月初旬に円売りから円買いへ転じた。きっかけはG20でのベッセント氏の発言で、日本に財政規律の強化や利上げを求める内容が伝わった。2日にはヘッジファンドが動き始め、CTA(商品投資顧問)がトレンドを増幅させたとみられる。市場では「ベッセント氏が円買いにつながる何らかの情報を持っているのでは」との臆測も出ている。
ただ、今回の円高は単なる恐怖ではなく、政策転換を先取りする動きだとの指摘がある。SBI FXトレードの斎藤裕司氏は、2012年の円高修正局面を例に挙げる。当時は日銀が物価目標を導入していたが、欧州危機によるリスクオフで円高が続いていた。転換点は10月のIMF・世銀総会で、財務省が円高是正を意識した発信を強めたことだった。11月14日の衆院解散決定を機に円高は最終局面を迎え、ヘッジファンドは政策転換の半年前から円売りを積み増していた。
今回も同様に、ベッセント氏の発言を契機に市場が先回りして動いている。日銀の利上げペースは半年に1度から3カ月に1度へ加速するとの観測が浮上し、政策金利が2%を超える可能性も取り沙汰される。さらに、GPIFが円資産を積み増すとの思惑も強まり、2013年の資産配分変更が相場に大きな影響を与えたことが再び意識されている。
CTAが円売りポジションをすべて解消すれば、円相場は148円程度まで円高が進むとの試算もある。円売り持ち高はピークから縮小しているが、まだ余地がある。今後の円高がさらに進むかどうかは、日米の金融政策会合で政策転換が現実味を帯びるかにかかる。構造的な円売り要因が消えたわけではないものの、ベッセント氏は「非対称な情報を持っている」と発言を続けており、市場では「逆らわない方がいい」との声も出ている。
一方、急速な円高は企業業績にも影響を及ぼしている。7月末の協調介入以降、円相場は1カ月強で10円ほど円高となり、主要企業の想定レート(155〜164円台)を上回る円高水準で推移している。製造業を中心に円高が逆風となり、業績予想の前提が揺らぎ始めた。
円安はこれまで製造業の利益を押し上げてきた。主要製造業20社の4〜6月期の営業利益増加額の9割は円安によるものだった。TDKや三菱電機など海外売上比率の高い企業は円安の恩恵が大きく、マツダや三菱自動車は円安効果を除くと実質赤字だった。円安は構造的な課題を覆い隠してきた側面があり、企業は為替耐性の強化を迫られている。
円高は輸入コストを下げ、内需企業には追い風となるが、上場企業全体では製造業の比重が大きく、円高が進みすぎれば業績悪化につながる。試算では1円の円高で経常利益が0.3〜0.4%押し下げられる。半導体関連の好調で27年3月期は増益が見込まれるものの、1ドル150円を割り込む円高は全体の業績を圧迫する可能性がある。
FX市場でもベッセント氏の発言が投資家心理を揺さぶっている。7月末の協調介入後、円高で損失が膨らみ、円売りを続ける投資家と円買いの順張りに転じる投資家に分かれている。155円前後が円安方向の抵抗線、150円が円高方向の分水嶺とされ、強制ロスカットが増える可能性もある。
為替の変動率は高い状態が続き、日銀会合や財政懸念、政治の不透明感が相場を揺らしている。企業や投資家は安定した為替環境を求めており、市場の不安を和らげる明確なメッセージが必要とされている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、3日続落で始まりさらに下げ幅を拡大したが、売りが一巡すると切り返し始め、結局、下ひげを引いた陽線で小幅高となった。9月3日安値@63,772円が目先の下値支持線として意識される。
33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、証券(1位)、サービス(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、鉄鋼(5位)となった。
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中東情勢の悪化による原油高、日銀の利上げペース加速観測、円高進行により・・・ 09月09日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -628.18 @52,786.07, NASDAQ -85.58 @26,421.41, S&P500 -45.08 @7,673.52, SOX +152.61 @11,887.87)。ドル円為替レートは153円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄下げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が601に対して、下落銘柄数は920となった。騰落レシオは116.15%。東証プライムの売買代金は9兆2303億円。
TOPIX -4 @4,047
日経平均 -127円 @65,143円
【米国株式相場】
9月8日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が続落し、前週末比628ドル安の5万2786ドルとなった。下落の主因は中東情勢の悪化で、原油価格が急伸し、インフレ懸念と金融引き締め観測が強まったことが株式の重荷となった。一方で、人工知能(AI)関連や半導体株の一角には買いが入り、市場全体の下げを一定程度抑えた。
●中東情勢の悪化が市場を直撃
イエメンのフーシ派がサウジアラビアの空軍基地やエネルギー施設を攻撃したと報じられ、サウジ側も報復姿勢を示した。また、イランの石油輸出拠点近くで爆発音が確認されるなど、地域の緊張が一段と高まった。これによりエネルギー供給の混乱が長期化するとの見方が広がり、WTI原油先物は一時94ドル台まで上昇し、約3カ月ぶりの高値を付けた。
原油高はインフレ圧力を高め、米長期金利は4.8%台まで上昇する場面もあった。金利上昇は株式の割高感を強めるため、投資家心理を冷やし、幅広い銘柄に売りが広がった。
●米国とカナダの貿易対立も重荷
カナダは米国の対カナダ関税に対し報復関税を発動。さらにトランプ大統領がカナダ航空機大手ボンバルディアの米国内販売を認めないとSNSで発言し、両国の対立が深まった。これが米経済や物価に悪影響を及ぼすとの懸念が市場に広がり、株式の売り材料となった。
●AI・半導体株は堅調
一方で、AI関連や半導体株には買いが入った。クアルコムはAWS向けにカスタムAI半導体を供給すると発表し、収益拡大期待から3%超上昇。インテルはPC向けCPUの値上げ計画が報じられ、9%高と大幅上昇した。
半導体製造装置大手ASMLも上昇。台湾TSMCや韓国サムスンがASMLの次世代装置を導入すると発表し、AI需要拡大を背景に買いが集まった。AMDやブロードコムなども堅調だった。
市場では「AI関連への楽観が相場の下値を支えた」との声が多く、原油高にもかかわらず投資家心理は一定の強さを保ったとされる。
【日本株式相場】
本日9月9日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比126円安の6万5142円となった。前場には一時500円超上昇したものの、後場にかけて失速し、最終的には小幅安で引けた。背景には、中東情勢の悪化による原油高、日銀の利上げペース加速観測、円高進行など複数の重荷が重なったことがある。
●中東情勢の悪化と原油高が投資家心理を冷却
イエメンのフーシ派がサウジアラビアの空軍基地やエネルギー施設を攻撃したとの報道に加え、米軍がイランの原油タンカーを攻撃したとの情報も伝わり、中東地域の緊張が一段と高まった。これにより原油供給の混乱が長期化するとの懸念が広がり、WTI原油先物は日本時間9日の時間外取引で94ドル台後半まで上昇した。原油高は世界的なインフレ圧力を強め、金融引き締め観測を刺激するため、株式市場の重荷となった。
原油高は日本企業のコスト増につながるため、これまで円安修正で買われていた小売株などにも売りが広がった。
●日銀の利上げペース加速観測
日銀が17〜18日の金融政策決定会合で利上げを決めた後も、追加利上げのペースを速めるとの見方が市場で強まっている。金利上昇は企業の資金調達コストを押し上げるため、買い手控えムードが広がりやすく、商いが薄い中で売りが出やすい地合いとなった。
円相場は前日に一時152円台後半まで急伸し、輸出企業の採算悪化懸念が強まった。自動車や電子部品など輸出比率の高い銘柄は軒並み売られ、指数の重荷となった。
●半導体・AI関連は一部で買い
前日の米株市場ではインテルがPC向けCPU値上げ観測を背景に大幅高となり、半導体関連が買われた。この流れを受け、東京市場でもインテルを主要顧客とするイビデンに買いが入り、関連銘柄が上昇した。
また、米コーニングがベライゾンと光ファイバー供給契約を結んだとの報道を受け、フジクラ・住友電工・古河電工の「電線3社」が急伸。古河電工は一時14%高、フジクラも9%超上昇するなど、光ファイバー需要拡大期待が買いを呼んだ。
ソフトバンクグループ(SBG)も上昇し、指数を一定程度支えた。
●しかし半導体株全体の勢いは続かず
市場環境には依然として不透明要因が多く、アドバンテスト、東京エレクトロン、SCREENなど主力半導体株は売りに押された。AI・半導体関連の物色は一部銘柄に限られ、全体的な買いの広がりには欠けた。
●市場全体の動き
東証株価指数(TOPIX)は小幅続落し、前日比3.69ポイント安の4046.64。JPXプライム150指数も続落した。東証プライム市場の売買代金は9兆円超と商いは膨らんだが、値下がり銘柄は920と全体の約6割を占めた。
個別では、ファーストリテイリング、リクルート、テルモ、コナミグループなどが下落。一方、TDK、ダイキン、住友金属鉱山などは上昇した。
銀行株は長期金利の低下を受けて売られ、三菱UFJは一時2%近く下落。ただし、日銀の利上げによる中長期的な収益改善期待から押し目買いも入り、下げ渋る場面もあった。
●市場の見方
アナリストからは「日米の金融政策イベントを控え、方向感が出にくい」「円高が企業業績の押し上げ効果を弱めている」との声が多い。個別材料を手掛かりとした銘柄物色が続く一方、全体としては様子見ムードが強い。
【外国為替相場】
9月9日午後の東京外国為替市場では、円が再び買われ、対ドルで153円台前半まで上昇した。前日からの円高基調が続き、14時時点では1ドル=153円43〜45銭と前日比で約40銭の円高となった。背景には、日銀が利上げペースを速めるとの観測が強まり、これまで積み上がっていた円売り・ドル買いのポジションを解消する動きが世界的に広がっていることがある。
今回の円高は、単なる短期的な値動きではなく、過去の急速な円高局面と似た構図が指摘されている。8日の東京市場では円が一時152円台後半まで上昇し、わずか1週間で7円以上の円高となった。市場では、2022年や2024年に円が20円以上急伸した際と同様に、為替介入と日銀政策の組み合わせが円買いを増幅しているとの見方が広がる。
22年のケースでは、ウクライナ侵攻後の世界的なインフレで欧米が利上げを急ぐ一方、日銀は緩和を維持し円安が進行。政府は9月と10月に円買い介入を実施し、その後日銀が長期金利の許容幅拡大を決めたことで円が急反発した。24年も、円キャリートレードが膨らむ中で円安が進んだが、日米協調介入と日銀のサプライズ利上げが転機となり、円は139円台まで戻した。
今回も同様に、日銀の利上げ加速観測が円買いの主因となっている。ヘッジファンドなど投機筋の円売り持ち高は9月1日時点で20万枚台と高水準で、巻き戻しの圧力が強まっていた。そこに、米財務長官ベッセント氏が「円の過小評価に対処する日本の政策を強く支持する」と発言したことが追い打ちとなり、円買いが一段と進んだ。
さらに、GPIFが国内債券への投資を増やすとの思惑も円買い材料となった。7月末の協調介入後の安値163円台から、8日の高値152円台まで約11円の円高が進んだ計算になる。過去の例にならえば、20円規模の円高が起きる可能性もあり、145円台が視野に入るとの声もある。
ただし、円高がこのまま続くかは不透明だ。日本の貿易収支は原油高の影響で赤字が続きやすく、財政拡張への懸念も残る。CFTCの統計では、ドル安に備えた円買いポジションも残っており、相場が一方向に進むとは限らない。
市場では「当面の円の上値は150円台前半」との見方が多い一方、日銀が利上げを継続できるか、原油高が収束するかなど複数の要因が絡み、円高の持続性は依然として流動的だ。
【国内債券相場)
9月9日の国内債券市場では、円高の進行を背景に長期金利が低下し、新発10年債利回りは 2.865% と前日比で0.020%下がった。円相場が急速に持ち直したことで、輸入物価の上昇圧力が和らぎ、国内インフレへの警戒感が後退したことが国債買いを促した。
外国為替市場では、日米の金利差縮小観測を受けて円買いが続き、円は153円台前半まで上昇。これにより物価上振れ懸念が和らぎ、短中期の国債にも買いが入り、新発2年債は 1.830%、新発5年債は 2.220% と利回りが低下した。
ただし、債券買いの勢いは強まらなかった。中東情勢の緊迫化で原油価格が高止まりし、米長期金利も4.8%台で推移するなど、海外要因が国内債券の重荷となった。米国とイランの攻撃応酬が続く中、エネルギー価格の上昇が世界的なインフレ懸念を再燃させている。
日銀が実施した国債買い入れオペでは、残存期間「1〜3年」「5〜10年」の区分で投資家の売り意欲が強く、「弱めの結果」と受け止められた。市場参加者は、円高によるインフレ緩和を評価しつつも、原油高や米金利の高止まりが国内金利の下押しを限定的にしているとみている。
背景には、財政政策への見方の変化もある。高市政権が掲げてきた積極財政に対し、利払い負担増を踏まえた慎重姿勢へ転換する可能性が意識され、国債増発への警戒感がやや後退した。米財務長官ベッセント氏が日本に対し「リフレ政策を見直すべきだ」と発言したことも、財政運営への市場の見方に影響した。
一方で、金利低下は一時的との見方も根強い。原油高が続けば貿易収支悪化を通じて円安圧力が再び強まり、長期金利が再び3%を目指す可能性が高いとの指摘もある。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、2日続落して長い上ひげを引いた十字線で終えた。上値では売りに押し戻されたことを指名している。
33業種中17業種が下げた。下落率トップ5は、証券(1位)、サービス(2位)、小売り(3位)、保険(4位)、医薬品(5位)となった。
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急速な円高が株価の強烈な向かい風に・・・ 09月09日
昨日の米国株式相場はレイバー・デイの祝日のため休場だった。ドル円為替レートは153円台の前日比円高円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が362に対して、下落銘柄数は1,158億円。騰落レシオは116.43%。東証プライムの売買代金は8兆4774億円。
TOPIX -75 @4,050
日経平均 -1,131円 @65,269円
【日本株式相場】
本日9月8日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、終値は前日比1130円安の6万5269円となった。下げ幅は1000円を超え、取引終盤にかけて安値圏での推移となった。背景には急速な円高進行と中東情勢の悪化によるリスク回避姿勢の強まりがある。
●急速な円高が輸出株を直撃
朝方の外国為替市場で円相場は一時1ドル=152円台まで上昇し、半年ぶりの円高水準となった。日銀が利上げペースを加速するとの観測が広がり、円買いが強まったことが要因とされる。輸出採算の悪化が意識され、トヨタ、ホンダ、村田製作所、TDKなど主要輸出企業の株価が軒並み下落した。特にトヨタは想定為替レート160円からの乖離が大きく、業績下振れ懸念が強まった。
●中東情勢の不透明感が市場心理を冷やす
午後には米ブルームバーグが「サウジアラビアの複数のエネルギー施設で火災が発生」と報じ、原油価格が急伸。WTI先物は一時94ドル台まで上昇した。原油高は世界的なインフレ圧力を高め、各国中銀の利上げ加速懸念につながるため、投資家心理を悪化させた。これを受け、日経平均は午後2時以降に下げ幅を拡大し、右肩下がりの展開となった。
●AI・半導体株は買い戻しも、全面的な復調には至らず
一方で、人工知能(AI)・半導体関連株には買いが入り、相場の下支えとなった。ソフトバンクグループ(SBG)は一時7〜8%高と大幅上昇し、指数寄与度の高さから日経平均の下落幅を一定程度抑えた。出資先である米オープンAIが新型モデルの提供を開始したことが材料視された。
また、前週末の米国市場で半導体メモリー大手マイクロンが大幅高となったことも追い風となり、アドバンテストやキオクシアなどが買われる場面もあった。ただし、村田製作所や太陽誘電など電子部品株は証券会社の目標株価引き下げもあり大幅安となり、AI・半導体株全体が一枚岩で上昇したわけではない。
●投資家の慎重姿勢は継続
QUICKの月次調査では、電機・精密などAI関連を含むセクターへの強気姿勢が1月以来の低水準に落ち込んでおり、投資家の慎重姿勢が強まっていることが示された。週内には米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、FRBの政策判断に影響する可能性が高いため、日本株を積極的に買い進む環境ではない。
【外国為替相場】
9月8日の外国為替市場で円相場が急伸し、対ドルで一時1ドル=152円台を付けた。これは約半年ぶりの円高水準で、4〜5月および7月の円買い介入でも突破できなかった「155円の壁」を明確に下抜けた点が市場の注目を集めた。円高はドル以外の主要通貨にも広がり、英ポンドやスイスフランに対して3%以上上昇、対ユーロでも177円台と2025年11月以来の高値を記録した。
背景には、日銀の利上げペース加速観測、日米当局が円安是正に向けて協調行動を取るとの思惑、そしてベッセント米財務長官による円安是正を強く支持する発言など、複数の円買い材料が同時に重なったことがある。これまで円キャリー取引を拡大してきたヘッジファンド勢は、急速な円高を受けて売り持ち高の解消を迫られ、巻き戻しの円買いが相場をさらに押し上げている。
市場関係者は「全方位的な円買い圧力が意識されている」と指摘し、従来のように単一要因で円高が進む局面とは異なるとみる。GPIFが国内債券への投資を増やすとの観測も円買いを後押ししている。米ゴールドマン・サックスは「円を戦術的に買う妙味が強まった」と分析し、次の上値の目安として1月につけた152円10銭近辺を挙げる。
ただし、構造的な円売り圧力が消えたわけではない。原油高による貿易赤字拡大懸念や、海外への証券投資による円売り需要は依然として残る。さらに、日銀の利上げ期待が高まる一方で、利上げが市場の想定通り進まなければ円高基調が反転し、再び160円方向へ円安が進む可能性も指摘される。
短期的には円高が続くとの見方が多いものの、中東情勢や日銀の政策運営次第で相場の方向性は大きく変わり得るため、市場は神経質な展開となっている。
【国内債券相場】
9月8日の国内債券市場では、円相場の急伸を受けて長期金利が低下し、国債価格が上昇した。新発10年債利回りは前日比0.045%低い 2.885% となり、幅広い年限で買いが優勢となった。円高により輸入物価の上昇圧力が和らぎ、インフレ懸念が後退したことが背景にある。
外国為替市場では円が一時 1ドル=152円台 と半年ぶりの円高水準を付けた。日銀が利上げペースを速めるとの観測が強まり、金融政策が後手に回るとの不安が後退したため、特に超長期債に買いが集まった。新発20年債は 3.705%、30年債は 3.960%、40年債は 4.025% といずれも利回りが低下した。
一方、財務省が実施した5年債入札は「やや低調」と受け止められた。最低落札価格が市場予想を下回り、応札倍率も 3.42倍 と前回より低下した。入札直後は中期債に売りが出たものの、その後は買いが戻り、新発2年債は 1.845%、新発5年債は 2.230% と落ち着いた動きとなった。
同日公表された日銀の「貸出・預金動向」では、全国の銀行の貸出残高が前年同月比 5.8%増の600兆円超 と過去最高を記録した。M&Aや不動産関連の資金需要が堅調で、利上げの影響を踏まえても需要に大きな変化はないとされた。この結果は「9月利上げ観測を補強する材料」と市場で受け止められた。
債券先物も反発し、9月限は 32銭高の126円33銭。短期金融市場ではTONA先物が上昇し、9月限は 98.7675 と前日比で小幅高となった。
総じて、円高進行とインフレ懸念の後退が債券買いを促し、長期金利は幅広く低下した。入札結果や貸出動向など個別材料も加わり、債券市場は堅調な展開となった。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、昨日やっと10日及び25日移動平均線の上に終値ベースで再浮上したばかりだったが、本日は長い上ひげを引いた陰線で反落して昨日の陽線を完全に打ち消し、再び0日及び25日移動平均線の下に沈み込んだ。
33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、ガラス・土石(1位)、輸送用機器(2位)、電気機器(3位)、機械(4位)、精密機器(5位)、と円高が収益を押し下げる業種が並んだ。
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日経平均は半値押し達成後、反発モードへ切り替わった 09月07日
先週金曜日の米国株式相場は小幅下落した(DJIA -271.86 @53,414.25, NASDAQ -77.07 @26,506.99, S&P500 -29.11 @7,718.60, SOX +383.18 @11,735.26)。ドル円為替レートは155円台前半から半ばでの前日比円高ドル安水準での動きだった。株価指数は上げたが、本日の日本株全般は下げる銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が633に対して、下落銘柄数は885となった。騰落レシオは117.68%。東証プライムの売買代金は8兆377億円。
TOPIX +23 @4,126
日経平均 +1,379円 @66,400円
【米国株式相場】
9月4日の米株式市場は、主要指数がそろって反落した。ダウ平均は前日比約272ドル安の5万3414ドルとなり、3日ぶりの下落。背景には、同日発表された8月の米雇用統計が市場予想を大きく上回り、FRBの早期利上げ観測が一気に強まったことがある。非農業部門の雇用者数は 16万2000人増 と、予想の5万3000人増を大幅に上回った。6月・7月分も上方修正され、労働市場の強さが改めて確認された。失業率は4.1%、平均時給の伸び率は0.3%と予想通りだったが、雇用の強さがインフレ圧力の継続を示すとの見方が広がった。
市場では「来週発表される物価指標が、再来週のFOMCで利上げか据え置きかを決める材料になる」との声が多く、利上げへのハードルが下がったとの見方も出た。フェドウオッチでは、9月利上げ確率が前日の49%から 58% に上昇。米10年債利回りは一時 4.81% に達し、2年債利回りも2025年1月以来の高水準となった。金利上昇は株式の割高感を強め、株価の重荷となった。
こうした中でも半導体関連には買いが入った。マイクロン・テクノロジーが上昇し、HBM(広帯域メモリー)の生産能力倍増を検討しているとの報道が追い風となった。サンディスクやラムリサーチなど関連銘柄にも買いが波及し、AI関連の強い需要が改めて意識された。
一方、ダウ構成銘柄ではアップル、セールスフォース、ディズニー、マイクロソフト、アムジェンなどが下落。金利上昇で大型テック株の割高感が意識されたためだ。半面、キャタピラー、エヌビディア、シスコなどは買われた。
ハイテク比率の高いナスダック総合は 0.28%安の2万6506.99 と反落。テスラの下げが目立ち、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)がロボタクシー専用車両の調査開始を発表したことが売り材料となった。前日に決算を発表したブロードコムも下落した。
総じて、雇用統計の強さが利上げ観測を押し上げ、金利上昇を通じて株式市場の重荷となった一方、AI・半導体関連は個別材料を背景に底堅さを見せた。市場の焦点は、来週の物価指標とFOMCの判断に移りつつある。
【日本株式相場】
本日9月7日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続伸し、前週末比1378円高の6万6399円となった。6万6000円台の回復は4営業日ぶり。前週末の米国市場で半導体株が上昇した流れが波及し、東京市場でもAI・半導体関連が買われた。特にソフトバンクグループ(SBG)、アドバンテスト、東京エレクトロンの3銘柄だけで日経平均を1000円以上押し上げるなど、値がさ株が相場を強く牽引した。
米国ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3.4%上昇。韓国KOSPIや台湾加権指数などアジアの半導体比率が高い市場も堅調で、東京市場の投資家心理を押し上げた。キオクシアは9%高、イビデンやレーザーテックも上昇し、AI関連の勢いが再び強まった。SBGは傘下のアーム株高を背景に11%急伸し、日経平均の押し上げに大きく寄与した。背景には、米マイクロンがAI向け需要が強い広帯域メモリー(HBM)の生産能力倍増を検討しているとの報道がある。さらに、米オープンAIが新型AIモデルの提供を開始したこともあり、AI関連の成長期待が相場を支えた。直近では半導体株が雇用統計や金利動向への警戒から売りが出ていたが、イベント通過による安心感から買い戻しが入った。
ただし、相場全体が強気に転じたわけではない。FRBの金融政策は依然不透明で、8月の米雇用統計が予想を大きく上回ったことで、9月FOMCでの利上げ観測が強まっている。日銀も17〜18日の会合で利上げが意識されており、日米同時利上げの可能性が相場の重荷となる。金利上昇は本来グロース株に逆風だが、今回は個別材料がその影響を上回った形だ。
日経平均は一時1600円超まで上昇したが、午後には伸び悩んだ。バンダイナムコHD、コナミグループ、任天堂などゲーム株が下落し、中外製薬など医薬株も重荷となった。ニッセイ基礎研究所は「半導体株の上昇が相場を牽引したが、金融政策の不透明感から上値追いは限られた」と分析した。
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、JPXプライム150指数も上昇。売買代金は8兆円超と高水準だったが、値上がり銘柄より値下がり銘柄の方が多く、相場の強さは一部銘柄に集中していた。
個別では、キオクシアが急伸。共同開発先のサンディスクがS&P100指数に採用されたことが追い風となり、メモリー関連への投資意欲が高まった。東海カーボンはSMBC日興証券の目標株価引き上げを受けて反発。半導体関連製品の需要増や黒鉛電極事業の改善期待が評価された。
一方、三菱UFJFGは高値接近による利益確定売りで反落。AI・半導体株が買われたことでバリュー株に売りが出やすくなった。ただし、金利上昇が利ざや改善につながるとの見方もあり、下値は限定的とされた。
FA(工場自動化)関連株の停滞が目立つ。ファナックや安川電機は年初来でマイナス圏にあり、AI関連の勢いに比べて出遅れが目立つ。中国企業の台頭が背景にあり、イノバンス・テクノロジーなどが急成長。中国の製造業の国産化が想定以上に進み、日本企業の競争環境が厳しくなっている。
FA企業は部品調達難で供給が遅れ、シェアを奪われる懸念もある。中国では「小巨人」企業の育成が進み、ロボット技術でも存在感が高まっている。日本企業は精密さや品質、アフターサービスで優位性を保つが、競争は激化している。FA銘柄の株価浮上の鍵として、顧客基盤の強さや組織力が挙げられる。キーエンスやオムロンは顧客ニーズの把握や提案力で評価され、年初来で大幅高となっている。FA分野でも、技術力だけでなく顧客との関係構築が競争力の源泉となりつつある。
総じて、7日の東京市場は半導体・AI関連の強さが相場を押し上げたが、金融政策や地政学リスクなど不透明要因は残り、全面的な強気相場には至っていない。今後は米CPIや日米中銀会合、米中間選挙に向けた動きが相場の方向性を左右する見通しだ。
【原油供給のボトルネックとその余波】
軽油を中心とした石油製品の供給不安が世界的に強まっている。背景には、中東とロシアで製油所の稼働が大幅に落ち込み、原油の精製量が回復していないことがある。米国は輸出を増やして不足分を補おうとしているが、製油能力には限界があり、燃料高が長期化する懸念が高まっている。
原油と石油製品の価格差(クラックスプレッド)は急拡大しており、軽油先物とWTI原油の価格差は1バレルあたり100ドル前後と過去最大級の水準にある。これは、原油よりも石油製品の供給が急速に減っていることを示す。供給減の主因は中東とロシアの製油所稼働の低迷だ。IEAによれば、7月の世界の原油処理量は前年より約500万バレル減少し、5カ月連続のマイナスとなった。中東ではホルムズ海峡の事実上の封鎖が続き、出荷が制限されている。さらに、紅海のバベルマンデブ海峡でもフーシ派が封鎖を宣言し、サウジの製油所への攻撃も重なって輸出が急減した。
ロシアではウクライナによるドローン攻撃が製油所を直撃し、国内供給が滞った結果、輸出制限が導入された。ロシア産製品を輸入していた国々が代替調達を迫られたことで、欧州などで軽油不足が連鎖的に広がった。通常、クラックスプレッドが拡大すると製油所は稼働を増やし供給が改善するが、今回は中東・ロシアの稼働が制限されているため、他地域の増産では補いきれない。IEAも「現状の供給ボトルネックは他地域の能力では解消できない」と指摘する。
世界の供給は米国への依存度が高まっているが、米製油所はすでに稼働率98%と限界に近い。秋には定期修繕が予定され、ハリケーンシーズンでメキシコ湾岸の生産が止まる可能性もある。市場では「これ以上の増産は難しく、突発的な停止リスクが価格に織り込まれている」との見方がある。
中東やロシアの供給回復は見通しが立たず、破壊されたインフラの修復には長い時間が必要とされる。住友商事グローバルリサーチは、地政学リスクで物流が不安定化し、地域間の在庫調整が機能しにくくなっていると指摘。精製余力が限られる中では、クラックスプレッドが縮小する要因は乏しく、燃料高が続く可能性が高い。
【外国為替相場】
9月7日の外国為替市場で円が急伸し、対ドルで一時1ドル=154円台と約半年ぶりの円高水準を付けた。背景には、日銀が利上げペースを加速するとの観測が強まり、日米金利差縮小を意識した円買いが広がったことがある。政府・日銀が円安是正に向けて協調介入を含む対策を取るとの思惑も市場心理を刺激し、投機筋による円売りポジションの解消が進んだとみられる。
中東情勢を巡る「有事のドル買い」も後退した。イラン外務省がホルムズ海峡の航行問題についてオマーンとの交渉が最終段階にあり、数日内に合意が見込まれると表明したことで、地政学リスクがやや和らぎ、ドル買い圧力が弱まった。円はユーロに対しても買われ、一時1ユーロ=180円を超える円高となった。
市場では、155円の節目を突破したことで短期的に円買いが入りやすいとの見方が強まっている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、円相場が2026年の高値である152円台まで上昇する余地があると指摘する。また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が資産配分を見直し、国内資産への投資を増やすとの観測も円買い材料となった。
一方で、円高が新たな局面に入るには、中東情勢の安定や原油価格の大幅な下落など、ドル買い要因の後退が実際に確認される必要があるとの慎重な声もある。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、本日、10日及び25日移動平均線の上に再浮上した。10日移動平均線が25日移動平均線の上に浮上していないので、まだ株価サイクル�◆蔽綣造幣緇困鮖遒后砲砲覆辰討い覆い�、下げ止まりから反発モードへ切り替わったことは明確となった。7月29日安値@60,448円と8月14日高値@68,811円までの上げ幅(8,363円)の半値押し(@64,630円)水準に9月3日のザラバで既に到達していた。翌日9月4日には陽線で反発していたが、本日9月7日、ギャップアップで始まるとさらに上値を追いかけて上昇して陽線で終えた。今夜以降、何も大きな悪い株価材料が湧き出てこない限り、明日もさらに上値を試す展開になりそうである。
33業種中17業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、ガラス・土石(2位)、電気機器(3位)、非鉄金属(4位)、情報・通信(5位)となった。
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今までのところ「9月相場は強くなりにくい」という経験則通りの展開だが・・・ 09月04日
昨日の米国株式相場は大幅上昇した(DJIA +624.16 @53,686.11, NASDAQ +366.23 @26,584.06, S&P500 +81.11 @7,747.71, SOX +12.88 @11,352.13)。ドル円為替レートは156円台前半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄銘柄数が788に対して、下落銘柄数は712となった。騰落レシオは117.30%。東証プライムの売買代金は8兆3282億円。
TOPIX +1 @4,103
日経平均 +806円 @65,021円
【米国株式相場】
9月3日のNY株式市場は続伸し、投資家心理が大きく改善した。FRBのウォラー理事が「インフレ指標に大きなサプライズがなければ、9月FOMCで政策金利据え置きを支持する」と発言したことで、前日まで高まっていた早期利上げ観測が後退。これを受けて米10年債利回りをはじめとする長期金利が低下に転じ、株式市場の追い風となった。為替市場で円高・ドル安が進んだことも金利低下圧力を強めた。
ダウ平均は 624ドル高(+1.17%)の5万3686ドル と、この日の高値圏で終了。ナスダック総合は1.40%高、S&P500も上昇し、主要3指数はそろって2日続伸した。前週末のウォーシュ議長のタカ派発言で利上げ観測が強まっていたため、ウォラー理事の慎重姿勢は市場に安心感を与えた。
米債券市場では長期金利が一時 4.73% まで低下。金利低下は株式の割高感を和らげ、景気敏感株や大型テック株に買いが広がった。ダウ平均は一時680ドル超上昇する場面もあった。
個別では、ビッグデータ分析のスノーフレイクが 16.5%高 と急騰。発表した決算が市場予想を上回り、AI関連製品の需要の強さが確認された。これを受けてソフトウエア銘柄にも買いが波及し、マイクロソフトやセールスフォースが上昇した。
その他、ゴールドマン・サックス、トラベラーズ、ウォルマート、エヌビディア、アルファベットなど幅広い銘柄が買われた。一方、シスコシステムズやマクドナルドは下落した。
ナスダック総合は 366ポイント高(+1.39%)の2万6584.06。テスラは自動運転タクシー「サイバーキャブ」のイベントを控えて買われ、メタも上昇した。半面、前日に決算を発表したブロードコムは売られた。
市場では、利上げの有無は「五分五分」との見方も残り、4日発表の米雇用統計が9月FOMCの判断を左右するとの声が多い。原油高によるインフレ懸念は依然残るものの、金利低下と好決算が相場を押し上げ、投資家はリスク資産に再び買いを入れやすい環境となった。
【日本株式相場】
本日9月4日の東京株式市場で日経平均株価は5営業日ぶりに反発し、終値は前日比806円高の6万5020円となった。前日の米株式市場でFRB高官の発言を受けて早期利上げ観測が後退し、米長期金利が低下したことが追い風となった。米ハイテク株が上昇した流れを受け、東京市場でもAI・半導体関連が買われ、日経平均は一時900円超上昇した。
FRBのウォラー理事が「インフレ鈍化の兆しが見られる」と述べ、9月FOMCでの利上げ見送りの可能性が意識された。これにより米長期金利が低下し、米株は大型テック株を中心に上昇。日本でもアドテスト、キオクシア、フジクラなどが買われ、成長期待の高い値がさ株が相場を押し上げた。
特にソフトバンクグループ(SBG)が急騰し、一時12%高、終値でも11%高となった。前日の米市場で傘下のアーム株が上昇したことが運用収益改善期待につながり、SBGだけで日経平均を約470円押し上げた。さらにSBGは個人向け社債として最大規模となる1兆円の起債条件を決定。利回りは年4.75%と17年ぶりの高水準だが、負債カバー率(LTV)が財務規律の範囲内に収まり、財務健全性が維持されているとの評価が買いを後押しした。
一方、外国為替市場では円高が急進し、円相場は一時1ドル=155円台前半まで上昇。日銀の利上げ加速観測や円買い介入への警戒が背景にあり、円高は輸出企業の収益を圧迫するため、トヨタやホンダなど自動車株は下落した。
東証株価指数(TOPIX)は小幅続伸し、JPXプライム150指数も上昇した。東証プライム市場の売買代金は8兆円超と高水準で、値上がり銘柄は788と全体の6割を占めた。ファストリ、ファナック、太陽誘電などが上昇した一方、三菱商事など商社株は下落した。
商社株の下落は、前日にバークシャー・ハザウェイのアベルCEOが商社株の長期保有方針を示したことで買われた反動もある。資源高や株主還元強化で商社株は強かったが、円高や金利環境の変化で一部調整が入った。
内需関連では、円高による輸入コスト低下が追い風となるはずだが、消費の弱さが重荷となった。家計調査では7月の実質消費支出が前年同月比3.6%減と8カ月連続のマイナス。物価高の影響で節約志向が強まり、中低所得層を中心に消費が伸び悩んでいる。食品関連など内需株は売りが優勢で、例外的にイオンなど低価格志向を取り込める銘柄が買われた。
地政学リスクも相場の不安要因として残る。米国とイランの緊張が高まり、原油先物は再び高値圏に戻った。原油高はインフレ圧力を強め、金利上昇を通じて株式市場の重荷となる。
市場では「9月相場は強くなりにくい」との見方がある。日米の金融政策決定会合、米中間選挙に向けた政治イベントなど不透明要因が多く、投資家は慎重姿勢を崩していない。今回の反発は金利上昇一服による“安堵感”が主因であり、業績相場への本格的な移行は7〜9月期決算で企業が高収益を維持できるかが鍵となる。
【国内債券相場】
9月4日の国内債券市場では、新発10年国債利回りが一時 2.895% まで低下し、終値も 2.900% と前日から下落した。1日に30年ぶりとなる3%台を付けた後、2営業日連続での低下となり、8月27日以来の2.8%台に戻った。背景には、円高進行によるインフレ懸念の後退 と 米長期金利の低下が日本市場に波及したこと がある。
米金利低下は、FRB高官が相次いで早期利上げに慎重な姿勢を示したことが要因。2〜3日にかけて発言が続き、米長期金利は一転して低下した。これが日本の債券市場にも波及し、買い戻しが優勢となった。
為替市場では、3日に円相場が 1ドル=155円台 まで上昇。円高は輸入物価を押し下げ、インフレ圧力を和らげるため、国内債券の買い材料となった。特に償還期間が長い「超長期債」を中心に買いが入りやすい環境になったとみられる。
さらに、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による円資産増加期待 も債券買いを後押しした。GPIFが通常と異なるタイミングで経営委員会を開いたと伝わり、国内債への投資が増えるのではないかとの思惑が広がった。
財政面では、ベッセント米財務長官が日本に対し「リフレ政策をやめるべきだ」と伝えたとされ、財政拡張への懸念が一時的に後退したとの見方もある。これまで金利上昇要因となっていた財政不安が和らいだことで、債券買いが入りやすくなった。
ただし、市場では金利低下が続くとの見方は少ない。日銀が 9月17〜18日の金融政策決定会合 を控えているため、積極的な売買はしづらい状況だ。政権側から財政拡張を想起させる発言が出なければ、方向感の乏しい展開が続くとの指摘がある。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、短陽線で反発した。それでもまだ強い反発とは言えない。
33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、海運(2位)、電気・ガス(3位)、水産・農林(4位)、医薬品(5位)となった。
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米早期利上げ観測の後退 、 円高進行によるインフレ懸念の和らぎ、長期金利の低下・・・ 09月03日
昨日の米国株式相場は小幅反発した(DJIA +295.07 @53,061.91, NASDAQ +118.05 @26,217.83, S&P500 +35.13 @7,666.60, SOX +50.63 @11,339.25)。ドル円為替レートは157円台前半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が下げる銘柄よりやや多かった。 東証プライムでは、上昇柄数が805に対して、下落銘柄数は685となった。騰落レシオは114.00%。東証プライムの売買代金は7兆5700億円。
TOPIX +20 @4,102
日経平均 -111円 @64,214円
【米国株式相場】
9月2日のNY株式市場は4営業日ぶりに反発した。前日まで米10年債利回りを中心に長期金利が急上昇し数年ぶりの高水準となっていたが、この日は金利上昇が一服。さらに、中東情勢の緊迫化で高騰していた原油価格の上昇ペースが鈍化し、インフレ再燃への警戒が和らいだことが投資家心理を改善させた。主要3指数は直近3日続落していたため、割安感を意識した押し目買いも入り、相場を押し上げた。
ダウ平均は終日プラス圏で推移し、295ドル高(+0.55%)の5万3061ドルで終了。ナスダック総合は軟調に始まったが0.45%高で引け、S&P500も上昇し、主要3指数がそろって反発した。
個別では、エヌビディアが3.2%高と上昇が目立った。AIモデル共有プラットフォーム「ハギングフェイス」の買収交渉が最終段階にあると報じられ、顧客基盤拡大への期待が高まった。
ダウ構成銘柄ではアメリカン・エキスプレス、キャタピラー、ディズニー、ボーイングなどが1%超上昇。S&P500では不動産を除く10セクターが上昇し、素材・通信・ヘルスケア・金融が上昇率上位となった。
AI関連の強さは他銘柄にも波及し、デル・テクノロジーズが急伸。四半期決算が市場予想を上回り、通期見通しを大幅に引き上げたことで、AIインフラ需要の強さが意識された。
金利面では、米利上げ観測が強まらなかったことが相場を支えた。NY連銀のウィリアムズ総裁が「様子を見る必要がある」と発言し、過度な利上げ警戒が後退。ADP雇用統計も市場予想を下回り、金利上昇圧力が和らいだ。
一方で、原油高によるインフレ懸念は残った。WTIは前日比0.9%高の91ドル台で終え、依然として高水準。米債券市場では長期金利が一時4.81%まで上昇し、株式の割高感や資金調達コスト増への懸念は続いた。
ダウではハネウェル、マイクロソフト、3Mなどが下落した。ナスダックではメタやマイクロンが上昇した一方、パロアルト・ネットワークス、モンゴDB、クレド・テクノロジーなど決算発表組に売りが出た。
総じて、金利上昇の一服と原油高の頭打ちが市場の不安を和らげ、AI関連を中心に買い戻しが広がったことでNY市場は反発した。ただし、金利と原油の高水準は依然として相場の重荷であり、先行きには警戒感が残る。
【日本株式相場】
本日9月3日の東京株式市場で日経平均株価は4日続落し、終値は前日比111円安の6万4214円と約1カ月ぶりの安値となった。世界的な金利上昇圧力が強まる中、日銀が利上げペースを速めるとの観測が広がり、株式の割高感を警戒した売りが優勢となった。米国とイランの対立激化による原油高がインフレ懸念を強め、景気や企業業績の下振れリスクが意識されたことも重荷となった。
日経平均は取引時間中に一時500円超下落し、節目の6万4000円を割り込む場面もあった。韓国KOSPIや台湾加権指数が下落に転じると、AI・半導体関連株に売りが広がり、連れ安となった。ただし、KOSPIが持ち直すと日経平均も下げ幅を縮小した。
朝方は一時400円近く上昇した。NY連銀ウィリアムズ総裁が「インフレ期待は落ち着いている」と述べ、米利上げに慎重との見方が広がったためだ。前日の米株高を受け、商社や銀行などバリュー株を中心に自律反発狙いの買いが入った。
個別では、ファストリや良品計画、アドテスト、イビデンなどが下落。ユニクロ既存店の減収やチャートの節目割れが売りを誘った。一方、ソフトバンクグループ、ニトリHD、レーザーテク、三菱商事、三菱UFJなどが上昇した。
特に商社株への買いが目立った。三菱商事は4%高、三井物産や住友商事も上昇した。米バークシャー・ハザウェイのグレッグ・アベルCEOが商社株の長期保有方針を改めて示し、共同投資や企業買収も視野に入れると発言したことが市場心理を押し上げた。バークシャーは5大商社株を10%超保有しており、買い増し期待が相場を支えた。
銀行株にも買いが入り、みずほFGは19年ぶりの高値を付けた。日銀の追加利上げ観測が強まり、利ざや改善期待が追い風となった。ただし、長期的には企業の資金調達コスト増が景気を冷やし、貸出縮小リスクもあるとの指摘がある。
商船三井は海運市況の改善や業績上振れ期待から反発。郵船や川崎汽船も買われた。高配当バリュー株への資金シフトが進んでいる。
一方、ファーストリテイリングはユニクロ既存店の減収を受けて3日続落。物価高による消費の弱さや200日移動平均割れが売りを誘った。
市場全体では、金利上昇への警戒が根強く、AI・半導体株の投資妙味が低下している。前日の急落で押し目買いは入ったものの、日米金融政策や中東情勢など不透明要因が多く、上値は重い。バークシャーの日本株への積極姿勢は海外投資家の関心を高める可能性があり、今後の日本株の支援材料となるか注目される。
【国内債券相場】
9月3日の国内債券市場では長期金利が低下し、新発10年国債利回りは 2.965%(前日比0.045%低下) となった。前日まで続いていた金利上昇が一服した背景には、米早期利上げ観測の後退 と 円高進行によるインフレ懸念の和らぎ がある。
米長期金利は9月2日のNY市場で低下した。NY連銀ウィリアムズ総裁が「インフレ期待は落ち着いている」と発言し、FRBが急いで利上げに踏み切る可能性が低いとの見方が広がった。これが日本の債券市場にも波及し、買い戻しが優勢となった。
為替市場では円高が進み、円相場は 1ドル=157円台前半 まで上昇。日銀の利上げペース加速観測や、円買い介入への警戒感が円高を促した。円高は輸入物価を押し下げ、インフレ圧力を和らげるため、国内債券の買い材料となった。
一方、財務省が実施した 30年債入札は弱めの結果 となった。最低落札価格は市場予想を下回り、テールは前回より拡大。応札倍率も 3.79倍 と低下した。入札前に流通市場で新発30年債が大幅に買われていたこともあり、投資家需要がやや細った形となった。
流通市場では、
2年債利回り:1.850%(0.010%低下)
5年債:2.285%(0.025%低下)
20年債:3.810%(0.075%低下)
30年債:4.075%(0.080%低下)
と、幅広い年限で利回りが低下した。40年債は売買成立なし。
債券先物は反発し、中心限月9月物は 33銭高の125円65銭。短期金融市場ではTONA先物が下落し、9月物は 98.7650 で取引を終えた。
総じて、米利上げ観測の後退・円高進行・インフレ懸念の緩和 が国内債券の買い戻しを促し、長期金利は30年ぶりの高水準からいったん低下した。
【外国為替相場】
9月3日の外国為替市場で円相場は急伸し、一時 1ドル=155円台 と約1カ月ぶりの円高水準を付けた。前日夕方には159円台後半だったため、1日で4円近い円高となった。背景には、日銀の利上げ加速観測 と 米財務長官の発言をきっかけとした円安是正期待 がある。
日銀の植田総裁は「次回会合を含め毎回利上げを議論する」と述べ、高田審議委員も「機動的な利上げが必要」と発言。これにより、市場では利上げペースが従来の「半年に1回」から「3カ月に1回」へ加速するとの見方が強まった。
さらに、米財務省が公表したベッセント財務長官と植田総裁の会談内容が市場心理を動かした。ベッセント氏は「円の過小評価に対処するため、日本が断固とした政策対応を取ることを支持する」と述べており、円安是正に向けた政策変更の可能性が意識された。ベッセント氏は8月末に「市場が知らない情報を持っている」と発言しており、当局の本気度を市場が読み取った形だ。
財務省の三村財務官も「臨戦態勢だ」と述べ、円買い介入への警戒感が高まった。こうした発言が重なり、投機筋によるドル売り・円買いが加速したとみられる。
市場関係者からは「ヘッジファンドがドルを投げ売りしている」との声が出ており、円買いの勢いは強い。ステート・ストリート銀行の担当者は、7月の日米協調介入後に意識された 155円台が次のターゲット になるとの見方を示した。
総じて、日銀の利上げ加速観測、米財務長官の発言、円買い介入への警戒 が重なり、円相場は急速に円高方向へ振れた。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、前日の陰線に続き、本日も陰線で下げて今回の下げ基調8月18日から始まった調整相場の安値を更新した。滅茶苦茶弱いわけではないが、まだ力強く反発しそうでもない。悪材料がありすぎる。
33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、卸売り(1位)、電気・ガス(2位)、海運(3位)、石油・石炭(4位)、保険(5位)となった。
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地政学リスクの上昇×原油価格上昇×長期金利上昇=株価下落 09月02日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -419.02 @52,766.88, NASDAQ -271.11 @26,099.77, S&P500 -54.67 @7,631.47,SOX -264.44 @11,281.61)。ドル円為替レートは159円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライでは、上昇銘柄数が100に対して、下落銘柄数は1,436となった。騰落レシオは116.64%。東証プライムの売買代金は8兆334億円。
TOPIX -100 @4,082
日経平均 -1,890円 @64,326円
【米国株式相場】
9月1日のNY株式市場は続落した。米軍がイラン革命防衛隊の拠点を空爆したと発表したことで中東情勢の緊張が高まり、NY原油先物価格は5%超上昇し、WTIは期近10月物が1バレル90ドル台に達した。原油高はインフレ懸念を強め、米10年債利回りは4.80%と2025年1月以来の高水準を付け、日欧でも債券売りが加速した。FRBが9月FOMCで利上げに踏み切るとの警戒感が広がり、株式市場の重荷となった。加えて、歴史的に株価が軟調になりやすい9月入りが投資家心理を冷やし、売りが優勢となった。
ダウ平均は終日マイナス圏で推移し、419ドル安とこの日の安値圏で終了。ナスダック総合は一時1.42%安まで下落し、最終的に1.03%安で引けた。S&P500も下落し、主要3指数はそろって3営業日続落した。
中東情勢では、ホルムズ海峡を航行中の大型タンカーが正体不明の飛翔体による攻撃を受けたと伝わり、エネルギー供給不安が原油高をさらに押し上げた。トランプ米大統領はイランが報復すれば「さらに過酷な攻撃を受ける」と警告し、緊張感が一段と高まった。
インフレ懸念の強まりを背景に、FRBのバー理事は「インフレが十分に鈍化しなければ断固として利上げすべきだ」と発言。市場では米長期金利が心理的節目の5%を試す可能性があるとの見方も出ている。米ISM製造業指数は市場予想を下回ったが、景気判断を大きく変える材料とはならず、相場への影響は限定的だった。
個別銘柄では、シャーウィン・ウィリアムズ、ホーム・デポ、キャタピラーなど景気敏感株が下落。アマゾン、ゴールドマン・サックス、エヌビディアも売られた。一方、アップルやシェブロンなどは上昇し、J&Jやアムジェンなどディフェンシブ株にも買いが入った。ナスダックではテスラ、アーム、アプライドマテリアルズが下落し、パロアルト・ネットワークスやクラウドストライクなどサイバーセキュリティー関連にも売りが広がった。
総じて、原油高と金利上昇が市場心理を悪化させ、地政学リスクと利上げ警戒が重なったことで、NY市場は幅広い銘柄が売られる展開となった。
【日本株式相場】
本日9月2日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比1742円安(2.63%)の6万4473円と大幅続落し、下げ幅は一時1900円超に達した。背景には、中東情勢の悪化による原油高と、日米の長期金利上昇がある。米中央軍がイラン革命防衛隊拠点への空爆開始を発表し、イラン側も報復姿勢を示したことで地政学リスクが急上昇。原油先物は日本時間で1バレル92ドル台へ上昇し、インフレ加速懸念が強まった。
9月1日の米株式市場では半導体株を中心に売りが広がり、主要指数がそろって下落。東京市場もこの流れを引き継ぎ、朝方から売りが先行した。さらに、国内債券市場で長期金利が30年ぶりに3%台を突破し、2日も3.015%まで上昇したことで、株価指数先物主導で下げ幅が拡大した。
市場では、日米の金融政策決定会合が9月に控える中、両国が利上げに踏み切るとの観測が強まっている。原油高によるインフレ圧力が高まれば、金融引き締めを強めざるを得ないとの見方が株式の持ち高調整を促した。
下げが目立ったのは、東エレク、アドテスト、村田製作所、TDKなどの半導体・電子部品株。金相場の下落を受け、住友鉱など非鉄金属株も急落した。東証プライム市場は全面安で、33業種すべてが下落した。
一方で、海外投資家の間ではAI関連株への関心は依然強い。バンク・オブ・アメリカ(BofA)やUBSが開催した日本株カンファレンスでは、面談希望企業の上位がすべてAI関連となり、特にキオクシアへの人気が突出した。キオクシア株は6月高値から5割下落したが、海外同業と比べてPER4倍台と割安で、底堅さを見せている。自社株買い発表など還元期待も追い風だ。
海外勢は6月末以降、日本株を1兆4000億円超売り越しており、持ち高整理が進んだことで「買い余力」が生まれたとの指摘もある。ヘッジファンドの日本株比率もピークから4ポイント低下し、環境が整えば再び買いに動く可能性が高い。
ただし、世界的な金利上昇は市場心理を冷やしている。米長期金利は4.80%、ドイツは3.3%台後半まで上昇。国内でも長期金利が3%台に乗せ、1987年の「ブラックマンデー」再来を懸念する声も出始めた。当時も中東情勢の緊張と金利上昇が株価暴落につながった。
日銀の利上げ観測は9割に達し、食品値上げが続く中でインフレ圧力は強い。BofAは日銀の政策金利が2027年に2%へ上昇すると予想し、長期金利3%は「通過点」とみる。
9月2日の終値は1889円安の6万4325円。TOPIXは10日ぶりに反落。市場では「目先の天井を打った可能性」が指摘され、10月初旬に5万8000円まで下落する可能性も示されている。金利高は、AI・半導体株の歴史的上昇局面の「終わり」を示唆する可能性があるとの声もある。
【国内債券相場】
9月2日の国内債券市場では、新発10年国債利回りが一時 3.015% まで上昇し、1996年9月以来となる約30年ぶりの高水準を記録した。前日も3.005%で取引を終えており、節目の3%台を連日で更新する展開となった。背景には、原油高によるインフレ懸念 と、日米の利上げ観測の強まり がある。
原油価格は、米軍がイラン革命防衛隊拠点への空爆を開始し、イラン側も報復攻撃に動いたことで急騰。中東情勢の緊迫化がエネルギー供給不安を高め、インフレ圧力を増幅させた。これが債券売りを誘い、長期金利の上昇につながった。
さらに、日米の金融政策への思惑も金利上昇を後押ししている。7月末の日米協調による円買い介入以降、市場では「円安是正のため日銀が早期利上げに踏み切る」との観測が急速に強まった。米財務省は、ベッセント財務長官が日銀の植田総裁に対し「円の過小評価に対処するため断固とした政策対応を支持する」と伝えていたことを公表し、利上げ観測をさらに刺激した。
翌日物金利スワップ(OIS)市場では、9月17〜18日の日銀会合で0.25%利上げが行われる確率が9割超 に達している。米国でもFRBのバー理事が「インフレ鈍化が不十分なら断固として利上げすべき」と発言し、米長期金利が上昇。米金利の上昇は日本の債券市場にも波及し、国内債券の売り圧力を強めた。
総じて、原油高・インフレ懸念・日米の利上げ観測 が重なり、国内長期金利は歴史的な水準へと急上昇している。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、8月20日から続いていた保ち合いレンジを下抜けた。下げ渋っていたが追加の大きな悪材料には耐えきれなかった。上から順番に60日、10日、25日の各移動平均線すべてを割り込んだ。本格的反発なモード(株価サイクル�↓�)に戻るまでは相当な日柄が必要なようである。
33業種中すべての業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、サービス(2位)、ガラス・土石(3位)、電気機器(4位)、空運(5位)となった。
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長期金利の上昇が日米欧で同時進行⇒株価に対する影響は・・・ 09月01日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -374.09 @53,185.90, NASDAQ -31.53 @26,370.89, SOX +65.39 @11,535.05)。ドル円為替レートは159円台後半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が下げる銘柄よりもやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が845に対して、下落銘柄数は662となった。騰落レシオは121.51%。東証プライムの売買代金は5兆5016億円。
TOPIX +26 @4,182
日経平均 -97円 @66,215円
【米国株式相場】
8月31日のNY株式市場は続落した。米軍がイランのララク島にあるロケット発射装置を攻撃したことが公表され、中東情勢の緊張が再び高まった。イラン側も米軍基地への報復攻撃を行ったと報じられ、地政学リスクが急速に強まった。これを受けて原油先物WTIは一時86ドル台へ上昇し、前週末比4%超の急伸となった。原油高はインフレ再燃への懸念を誘い、米長期金利は4.76%まで上昇。金利上昇は株式の割高感を意識させ、投資家心理を悪化させた。
ダウ平均は終日マイナス圏で推移し、374ドル安で引けた。ナスダック総合も小幅安、S&P500も下落し、主要3指数はそろって2営業日続落した。背景には、ウォーシュFRB議長がジャクソンホール会議で「インフレが2%に向かわなければ追加対応が必要」と発言し、9月利上げ観測が強まったことがある。金利高は企業の資金調達コスト増につながり、AI投資で債務が増える企業には逆風となった。
一方で、半導体株は堅調だった。マイクロンが2.7%高、エヌビディアとAMDも1%超上昇し、SOX指数は0.57%反発した。テスラやクアルコムなども買われ、サイバーセキュリティー関連株も上昇。クラウドストライクはグーグルやエヌビディアとの提携拡大を発表し、5%超上昇した。
ダウ平均ではアマゾン、アルファベット、ナイキ、3Mなどが下落し、マイクロソフトやアップルも売られた。一方、原油高を受けてシェブロンが上昇し、ウォルマートやエヌビディアも堅調だった。
地政学リスクと利上げ観測が重なり市場は調整したが、月間では主要指数がそろって上昇した。ダウ平均は5カ月連続の上昇、ナスダックは3.9%高で3カ月ぶりのプラス、S&P500も上昇して8月を終えた。AI関連銘柄が月間の相場をけん引し、下値を支えた。
総じて、8月31日のNY市場は中東情勢悪化と金利上昇が売りを誘発した一方、半導体やAI関連の強さが相場の下支えとなり、月間では堅調さを維持した。
【長期金利の上昇が日米欧で同時進行】
世界で長期金利の上昇が再燃している。日米欧の中央銀行がインフレ抑制へ利上げ姿勢を強める一方、政府債務の膨張や国債供給増への不安が根強く、投資家は長期債保有により高い利回りを求めている。31日の債券市場では米10年債利回りが4.76%台後半と2025年1月以来の高水準に上昇。ドイツ10年債は3.3%台、日本も2.9%台と約30年ぶりの水準となった。米軍のイラン攻撃で中東情勢が悪化し、原油高がインフレ長期化懸念を強めたことも債券売りを加速させた。
FRBのウォーシュ議長はジャクソンホール会議で「インフレ低下に確信が持てなければ追加対応が必要」と発言し、市場はタカ派姿勢と受け止めた。金利先物市場では9月利上げ確率が4割から6割強へ上昇し、英バークレイズは年内2回の利上げ予想へ転換した。ECBも9月利上げがほぼ織り込まれ、日銀も9月利上げ観測が7割超に達するなど、主要国で金融引き締めが強まっている。
本来、利上げは将来のインフレを抑え長期金利の上昇圧力を和らげるはずだが、財政不安がそれを相殺している。米財務省のベッセント長官は、バイバック(長期債買い入れ)を増額しなければ金利はさらに高かったと述べ、巨額債務の積み上がりが金利上昇要因になっていると指摘した。成長促進のための政府支出は国債発行増につながり、金利を押し上げる矛盾も抱える。
日本でも27年度予算の概算要求が143兆円規模と過去最大に膨らみ、成長分野への歳出拡大が続く。欧州ではフランスが高水準の財政赤字を抱え、ドイツも防衛・インフラ投資で国債発行を増やしている。財政拡張が国債需給の逼迫を招き、長期金利の構造的な上昇圧力となっている。
著名経済学者も警鐘を鳴らす。ロゴフ教授は「有権者が増税や歳出削減を受け入れず、政治が問題を先送りすれば債務危機が起こり得る」と指摘。ラジャン教授は「先進国が公的債務懸念に直面するのは数十年ぶりで、タームプレミアムには構造的な上昇圧力がかかる」と述べた。
さらに、財政と金融政策の境界が曖昧になる「財政優位(フィスカル・ドミナンス)」への懸念も高まる。ベッセント長官が利上げに関する見解を示したほか、日本でも高市首相が日銀に国債買い入れを求めたと報じられ、金融政策が財政運営に影響されるリスクが意識されている。
総じて、インフレ懸念・財政拡張・地政学リスクが重なり、世界的に長期金利の上昇圧力が強まっている。
【日本株式相場】
本日9月1日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、午前には前日比700円超下落する場面があった。背景には、米軍によるイラン攻撃で中東情勢が緊迫化し、原油先物価格が急伸したこと、さらに米長期金利が上昇した流れが東京市場にも波及したことがある。国内長期金利も約30年ぶりに3%台を付け、AI・半導体関連など割高感が意識されやすい銘柄に売りが広がった。
ただし、日経平均は急速に下げ渋り、韓国株が上昇に転じると海外投機筋の先物買いが入り、押し目買いもあって上昇に転じる場面もあった。チャート上では25日移動平均線(約6万5700円)が下値支持として意識され、好業績を背景にした日本株の先高観が買いを誘った。金利上昇を受け、AI・半導体株から銀行などバリュー株へ資金が移る「循環物色」も日経平均を支えた。
東証株価指数(TOPIX)は9日続伸し、約1年4カ月ぶりの連騰となった。トヨタや三菱商事などが買われ、8月に付けた最高値に接近した。JPXプライム150指数も続伸し、東証プライム市場では値上がり銘柄が過半を占めた。
一方、金利上昇の影響は個別銘柄に明確に表れた。東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連は大幅安となり、東エレクは一時5%超下落した。長期金利が3%に到達したことで銀行株には買いが入り、三菱UFJやみずほFGが上昇した。ただし、金利がさらに上昇すれば景気悪化懸念から金融株も一方向に買われるとは限らない。
市場では、米財務長官が「日本政府や日銀が円高につながる措置を取る」と発言したことが報じられ、日銀の利上げ観測が強まった。ターミナルレート(政策金利の到達点)が引き上げられる可能性も意識され、国内金利の一段の上昇への警戒が広がった。
それでも日本株は底堅さを見せた。自動車株はトヨタが3%高となるなど堅調で、商社株も3〜4%上昇した。金利上昇で不利とされる不動産株も上昇するなど、業績成長への期待が相場を支えた。財務省が発表した4〜6月期の法人企業統計では、全産業の経常利益が前年同期比25%増と大幅増益となり、価格転嫁の進展など企業収益の強さが確認された。
総じて、原油高と金利上昇が相場の重荷となる一方、好業績や循環物色が下支えし、日本株は急落後に持ち直した。今後は、業績期待と金利上昇によるバリュエーション低下への警戒が綱引きとなり、相場は不安定な展開が続く可能性がある。
【国内債券相場】
9月1日の国内債券市場で新発10年国債利回りが3%を突破し、1996年9月以来30年ぶりの水準となった。債券価格は下落し、長期金利は午後に3.005%まで上昇した。背景には、日米の中央銀行がインフレ抑制のため利上げに踏み切るとの観測が強まったことに加え、日本の財政悪化への懸念が重なり、債券売りが広がった。財務省が実施した10年債入札も市場予想を下回る結果となり、最高落札利回りが3%台に乗ったことが現物市場の売りを促した。
長期金利は前日にも2.95%まで上昇しており、上昇圧力が強まっている。日米ともにインフレ不安が高まり、中央銀行がより積極的な対応を迫られるとの見方が市場で広がっている。7月末に日米が協調して円買い介入を実施して以降、日銀の利上げ観測が急速に高まった。米財務長官ベッセント氏が「日本政府や日銀が円高につながる措置を取る」と発言したことも、日銀の政策変更観測を強めた。
日銀は9月17〜18日に金融政策決定会合を控え、OIS市場では9割以上が利上げを織り込む。さらに、日銀が利上げを継続しターミナルレートが引き上がるとの見方も強まり、長期金利の上昇につながっている。米国でもFRBの利上げ観測が強まり、ウォーシュ議長が「インフレ減速に確信が持てなければ追加対応が必要」と述べたことで、米金利上昇が日本の債券市場にも波及した。
財政不安も金利上昇の一因である。2027年度予算の概算要求は143兆円規模と過去最大に膨らみ、積極財政を掲げる高市政権の姿勢が国債増発への警戒を招いている。債券投資家は財政規律の緩みを懸念し、国債売りを強めている。
日本の長期金利はバブル崩壊後の低成長・低物価を背景に低下を続け、2016年にはマイナス0.3%まで下落した。日銀が異次元緩和やYCCで金利を抑え込んできたが、物価・賃金の上昇を受けて政策正常化が進み、2024年にはマイナス金利解除・YCC撤廃が行われた。高市政権発足後は積極財政観測が債券売りを強め、金利上昇に拍車をかけている。
今回の3%到達は、日本経済が「失われた30年」から脱却しつつある象徴とも言えるが、同時に「悪い金利上昇」の側面もある。潜在成長率は0.5%前後とみられ、インフレ定着や財政不安が金利を押し上げている可能性が高い。原油高やAI投資による資金需要増、各国の財政拡張など世界的な要因も重なり、日本の低金利が世界市場の「アンカー」として機能してきた構造が変わりつつある。
長期金利3%は企業や家計に厳しい負担をもたらす一方、投資の選別機能を取り戻す契機にもなる。インフレ時代においては、金利が適切な規律として働くことが重要であり、政府・日銀にはインフレ制御と財政管理を両立させる政策運営が求められる。
【企業年金が国内債へ投資を増やし始めた】
日本の企業年金が国内債券への投資を再び増やし始めている。長年続いた低金利環境では利回りの低い国内債の比率を減らし、外国債券やオルタナティブ資産へ資金を振り向ける傾向が強かった。しかし、国債利回りが上昇し、投資対象としての魅力が回復したことで、国内債への回帰が鮮明になっている。
DB年金は将来の給付に必要な運用利回り(予定利率)を設定するが、多くは2%台で運用している。1日に新発10年国債利回りが3%台へ上昇し、約30年ぶりの高水準となったことで、株式などのリスク資産に頼らずとも予定利率を上回る利回りが確保できる環境が整いつつある。これにより、満期まで保有する前提の国内債投資や、国債より利回りの高い事業債への関心も高まっている。
低金利期には国内債の比率は政策アセットミックスで38%(2010年)から19%(2020年)まで低下したが、生命保険会社が提供する一般勘定の利回り引き上げ競争もあり、年金マネーの国内債流入は今後も続く見通しだ。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、下げて始まったがその後切り返して陽線で終えた。8月20日以来、保ち合い相場が続いているが、中身をよく見てみると8日中6日は陽線引けとなっているため、下げ渋りは明確である。大きな悪材料が飛び出して来ない限り、早晩、上方向へ動き出しそうに見えるが、さてどう動くか。
33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、鉱業(2位)、石油・石炭(3位)、鉄鋼(4位)、卸売(5位)となった。
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米長期金利が上昇し、米半導体株が売られた流れが東京市場にも波及・・・ 09月01日
先週金曜日の米国株式相場は反落した(DJIA -9.45 @53,559.99. NASDAQ -138.93 @26,402.42, S&P500 -19.23 @7,711.76, SOX -412.51 @11,469.66)。ドル円為替レートは160円に迫る前日比円安ドル高での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が881に対して、下落銘柄数は634となった。騰落レシオは128.68%。東証プライムの売買代金は9兆3583億円。
TOPIX +10 @4,156
日経平均 -94円 @66,312円
【米国株式相場】
8月28日のNY株式相場は反落した。米ワイオミング州で開催されたジャクソンホール会議で、ウォーシュFRB議長がインフレ率の鈍い低下に懸念を示し、必要であれば追加の政策対応を取る姿勢を示唆したことが市場にタカ派的と受け止められた。これにより早期利上げ観測が強まり、米長期金利が一時4.73%まで上昇。株式の割高感が意識され、前日に急伸していた半導体株を中心に利益確定売りが広がった。
ダウ平均は一時250ドル高まで上昇したが、最終的には9ドル安と小幅反落。ナスダック総合も上昇後に売りが強まり、0.52%安で終了した。S&P500も下落し、主要3指数がそろって反落した。
半導体株の下げが目立ち、マーベル・テクノロジーは決算が市場の高い期待に届かなかったとの見方から10%安。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.4%下落し、エヌビディアも4.5%安となった。金利上昇が半導体株の逆風になったとの指摘が多い。
一方で、超大型テック株には資金が移動し、アマゾンが目標株価引き上げを受けて上昇。マイクロソフト、アルファベット、アップルも買われた。前日に売られていた消費関連株やディフェンシブ銘柄にも買い戻しが入り、マクドナルド、ディズニー、ナイキなどが上昇した。
ダウ平均採用銘柄では、3Mやキャタピラー、シスコシステムズ、IBMなどが下落した一方、セールスフォースやシェブロン、JPモルガンは上昇した。週間ではダウ平均が3週ぶりに上昇し、ナスダックとS&P500も反発した。
ナスダックでは、ペイパルが買収断念報道を受けて大幅安となり、ラムリサーチやKLAなど半導体関連株も売られた。
全体として、FRB議長講演を受けた金利上昇が市場心理を冷やし、半導体株中心に調整が進んだ一方、超大型テック株や消費関連株が相場を部分的に下支えする展開となった。
【日本株式相場】
本日8月31日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前週末比93円安の6万6311円となった。前週末のジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長がインフレ高止まりへの懸念を示し、9月利上げ観測が再燃。米長期金利が上昇し、米半導体株が売られた流れが東京市場にも波及した。寄り付き直後には1500円超下げる急落となったが、その後は先物主導の買い戻しや底堅さを意識した買いが入り、終値はこの日の高値で引けた。
半導体関連には売りが先行し、アドテストや東京エレクトロンが下落した一方、キオクシアなどAI関連の一角は買いが優勢となった。TOPIXは上昇に転じ、自動車や銀行株も堅調だった。国内長期金利は約30年ぶりの高水準に達し、3%台が視野に入るなど金利上昇圧力が強まっている。短期筋の先物売買が相場を大きく動かし、様子見ムードが広がった。
個別では、ソニーFGが金融庁によるソニー生命への立ち入り検査検討報道を受け4%安。INPEXは中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇し、3カ月ぶり高値を付けた。
一方で、AI関連を中心とした企業業績の強さが株価の下支え要因となっている。日経平均の12カ月先EPSは年初来で3割増、韓国KOSPIは3倍に達するなど、アジアのハイテク企業の収益成長が顕著。金利上昇はPERの重荷となるが、業績主導の株高が続いている。ソフトバンクグループや東京エレクトロンは下げ渋り、韓国SKハイニックスや台湾株も持ち直した。
米利上げ確率はFedウオッチで62%まで上昇し、金利高が続けばハイテク株の調整リスクも残る。ハイパースケーラーの設備投資ペース鈍化懸念や、日本国内の財政不安・日銀の利上げ観測も長期金利上昇圧力となる。国内金利が3%を超える場面では株式売りが出やすいとの指摘もある。
総じて、金利上昇と半導体株安が相場の重荷となる一方、AI関連を中心とした企業業績の強さが下支えし、急落後に持ち直す展開となった。
【国内債券相場】
8月31日の国内債券市場では長期金利が上昇し、新発10年国債利回りは2.94%と前週末から0.02%上昇、一時は2.95%と約30年ぶりの高水準を付けた。背景には、ジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長がインフレ抑制のため追加利上げの可能性を示唆し、9月利上げ観測が強まったことがある。米長期金利の上昇が国内債にも波及し、幅広い年限で売りが出た。新発5年債利回りも2.205%まで上昇し、一時は過去最高の2.210%を付けた。
さらに、財務省の概算要求総額が過去最大の140兆円規模に膨らむとの報道が財政悪化への懸念を誘い、国内債の売りを加速させた。新発20年債利回りも3.83%へ上昇した。
総じて、米利上げ観測と日本の財政不安、日銀の早期利上げ観測が重なり、国内債券市場では金利上昇圧力が強まった。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、ザラバでは大きく下げたが、その後切り返して長い下ひげを引いた陽線で終えた。それでも8月19日の大陰線の上限と下限に挟まれた部分から上に抜け出せない保ち合いが続いている。
33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、鉱業(2位)、石油・石炭(3位)、サービス(4位)、ガラス・土石(5位)となった。
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