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鎌田傳


「ラリー・コナーズ氏(「コナーズの短期売買入門」「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」)の経営する、TradingMarkets.comでテクニカル・アナリストを務め、現在証券会社に勤務。訳書に、「スイングトレード入門 短期トレードを成功に導く最高のテクニック」(パンローリング)、そして電子書籍「トレード成功のヒント - 米国株式市場の習性と特徴」(パンローリング)がある。」

鎌田傳の「South Bayトレーダー」 日記

ポーカー・プレーヤーが語る株トレード3つのルール

06月30日
勝ち目のないカードを配られたら、あなたはどうするだろうか?そのままポーカーを続けるだろうか?そんな場合は、その勝負からは降りて次の良い機会を待つ筈だ。ギャンブルのスリルを味わうために、手の良し悪しに関係なく全てのゲームに参加したら、そのポーカー・プレーヤーはどうなるだろうか? -- ブレット・スティンバーガー

スティンバーガーさんは、トレーダーのコーチとして知られていますが、ポーカーとトレードを比較する話はよく出てきます。例えば、iBankCoinのチャットルームを担当しているchessNwineさんは、株のトレーダーになる前はプロのポーカー・プレーヤーでした。



ラスベガス、アリゾナ、そしてカリフォルニアのカジノでプレーしてきたが、どのカジノも馬鹿なポーカー・プレーヤーが多い。まるで彼らは、プロから金を奪われるためにプレーしているようだ。私には3つのルールがあった。〕利な手がある時だけプレーすること。▲ャンブルの資金を他人から借りないこと。プレーの最中は酒を飲まないこと。 私が寝るのは夜の7時か8時、そして起きるのは午前2時半だ。こんな時間にポーカーをしている人たちのほとんどは疲れ、そして酔ったプレーヤーも多い。正に、勝てる確率が高い時間帯だ。

chessNwineさんの3つのルールは株のトレードにも当てはまります。

〕利な手がある時だけプレーすること: 自分の得意なパターンが現れたときだけトレードすること。

▲ャンブルの資金を他人から借りないこと: 信用取引は慎重に行うこと。

プレーの最中は酒を飲まないこと: これは特に為替トレーダーに当てはまります。為替市場は24時間開いていますから、たとえ日本が真夜中でもニューヨークの為替市場は動いています。東京に住む知人ですが、酒を飲みながらトレードをして大きな損を出しています。彼の話によれば、アルコールのお陰でだいぶ気が大きくなり、普通なら考えることができない一大勝負をしてしまったとのことです。


「赤子の手をひねる」、という言葉がありますが、意図的に2時半という時間帯にギャンブルすることで、chessNwineさんは負かすことが簡単な相手を選んでいました。トレーダー・コーチのスティンバーガーさんは、こんなことを述べています。

勝ちたければ、先ず自分はどんな相手とプレーしているのか、ということを知らなくてはならない。相手は素人なのか、あるいはプロが集まったトーナメントなのかでは、とうぜん賭け方も変わってくる。株のトレーダーもマーケット参加者について考えてみる必要がある。現在のマーケットは儲けやすい環境だろうか、それとも難しい状況だろうか?言い換えれば、現在のマーケットは出来高が大きく膨らみ、大衆が積極的に参加している状態だろうか?

金曜は独立記念日、米国はいよいよ本格的な夏休みです。出来高は減り、マーケットは閑散としてきますからトレードのチャンスも減ります。退屈しのぎにトレードをして損をする、といったことが起きやすいですから、夏の相場は忍耐が必要です。

(参照した記事:Mucking Your Trading Hand

A Little Background About chessNwine)





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前向き思考と株投資

06月27日
物事は前向きに考えることが大切だ、と言われます。最初からダメだと思っていたら本当に失敗してしまいますから、何かに挑戦する時は、先ず「出来る!」と確信してから始めます。昔流の言い方をすれば、「一念岩をも通す」、または「思う念力岩をも通す」といったところになります。

ポジティブに考えればポジティブな結果が起きる。成功を信じて行動すれば成功する、といった前向きな考え方を取り入れてトレードをしている人たちがいます。「私は素晴らしいタイミングで売買することができる」、といった言葉を頭の中で繰り返し、またはそうしている自分を頭の中でイメージすることでトレードの向上をはかります。

これは前に少し書いたことですが、著名トレーダーのラリー・ウィリアムズ氏は「トレードに前向き思考は有害だ」、と述べています。



「トレードは失敗に終わる。大きな負けになる」、というのが私の信条だ。この信条を受け入れてほしい。「トレードは失敗するぞ」、と最初から思っていれば、必要以上に大量な売買をすることなど起きない。前向き思考や自己暗示が原因となり、多くのトレーダーたちは道理に合わない危険なトレードを行なっている。どう考えても勝ち目がない状態でも、彼らは勝ちを信じてトレードに出動してしまう。正に、飛んで火に入る夏の虫だ。

ラリー・ウィリアムズ氏の意見は稀なものではありません。ワシントン・ポストにこういう記事があります。

The negative power of positive thinking(前向き思考のネガティブなパワー/前向き思考の弊害)

この記事を極めて簡単にまとめるとこうなります。

前向き思考というのは単に自分の他の声を消す思い込みであり、そのお陰で人々は間違ったビジネスや投資判断をすることになる。言い換えれば、揺れる草むらの向う側にはライオンが潜んでいる可能性があるということも忘れてはいけない。

この記事には、こんな例もあげられています。

株の世界には、持ち株が下がったところで買い足すという妄想的な方法がある。要するに、更に買い足すことで持ち株の平均価格を下げ、首尾よく再上昇したところで利食うという希望的観測に基づいたやり方だ。

更に、この記事にはこういう警告もあります。

テレビに出てくる株の専門家の意見には要注意だ。「この株は割安だ、買いだ!」、とあるブローカーが株番組で発言したとしよう。良く解釈すれば、彼はこの株に自信満々であり、前向き偏見のある意見を視聴者に売り込んでいる。悪く解釈すれば、彼の所属する会社は既にその株を買っているから、単に株価の値上がりを狙っているだけかもしれない。

前向き思考を否定するつもりはありません。現に、ワシントン・ポストの記事も認めていますが、エジソンの「一念岩をも通す」の前向き思考がなければ電球が発明されることはなかったでしょう。

ここで思い出したいのは、「一念岩をも通す」とは正反対の「逃げるが勝ち」です。一見卑怯にも思われますが、無駄な愚かな戦いは避けた方が得策です。要するに、私たちは現実的に物事を考える必要があります。「出来る、勝てる!」、と気合を入れてトレードをする前に、ここで買うことは現実的に正しいかどうかをよく考えてみることが大切です。

「トレードは失敗に終わる。大きな負けになる」、という考え方は別に新しいものではありません。ある記事で読みましたが、「最悪の事態を想定する」という考え方は古代ギリシャにもありました。物事を始める前に、最悪なシナリオを頭の中で描くことで、私たちはそれに対処できるかどうかを事前に知ることができます。

人を褒めすぎるのも悪影響のようです。なぜなら、あまりにも良い言葉が連発されると、褒められた本人が、その言葉を全く信じられなくなるからです。ですから、「出来る、絶対に勝てる」と何度も自分に言い聞かせることは、いかに自分に自信が無いかを確信させることになってしまいます。

(参照した記事:The negative power of positive thinking

Why Positive Thinking Doesn't Work!)



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回復する米国住宅市場??

06月24日
6月23日(ブルームバーグ):5月の米中古住宅販売は約3年ぶりの大幅な伸びとなった。全米不動産業者協会(NAR)が発表した5月の中古住宅販売件数 (季節調整済み、年換算、以下同じ)は、前月比4.9%増の489万戸となった。増加率は2011年8月以降で最大。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は474万戸だった。

と聞くと、米国住宅市場は好調だと思ってしまいますが、ゼロヘッジにはこんなグラフが掲載されています。



水色は全米(西部地区を除く)、赤の棒線は米国西部地区を表します。このグラフが示しているのは、住宅価格別に見た場合の中古住宅販売件数の伸び率です。(今年5月の販売数を1年前の5月と比較)

・ $0 - 100K: 10万ドル未満の住宅

・ $100 - 250K: 10万ドル以上25万ドル未満の住宅

・ $250 - 500K: 25万ドル以上50万ドル未満の住宅

・ $500 - 750K: 50万ドル以上75万ドル未満の住宅

・ $750 - 1M: 75万ドル以上100万ドル未満の住宅

・ $1M+: 100万ドルを超える住宅

左から2番め、$100 - 250K(10万ドル以上25万ドル未満の住宅)で説明しましょう。

・ 水色: 全米(西部地区を除く)では、このクラスの住宅販売数は6.6%減った。

・ 赤: 米国西部地区では、この価格クラスの住宅販売数は19.7%減少した。

見てのとおり、販売数が上昇しているのは、一番右側の100万ドルを超える高級住宅だけです。

・ 水色: 全米(西部地区を除く)では、このクラスの販売数は4.0%の伸び。

・ 赤: 西部では、このクラスの販売数は6.0%の伸び。

ゼロヘッジはこう書いています。

もちろん外見の話だが、発表された5月の中古住宅販売件数は強い数値だった。今回のデータを調べてみると、5月は4月より悪くなっており、5月に増えているのは裕福な人たちだけが購入することができる100万ドル+の住宅だけだ。とうぜん疑問になることは、100万ドルを超える住宅の販売数というのは、全住宅販売数のどれくらいを占めるのだろうか?下が割合だ。



一目瞭然ですが、販売件数がもっとも多いのは10万ドル以上25万ドル未満の住宅です(44.1%)。100万ドルを超える住宅の販売数は2.4%ですから、このクラスが占める割合はごく限らています。ゼロヘッジは、こう結論しています。

住宅市場の回復?それがあてはまるのは裕福な人たちだけだ。

(参照した記事:Guess Who Is Propping Up The US Housing Market

Something Very Disturbing Is Happening In The California Housing Market)



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10年のトレード生活から学んだこと: ライアン・デトリック氏

06月21日
ライアン・デトリック氏(シェイファーズ・インベストメント・リサーチ)は、過去10年間のトレード生活から学んだ事として次の10項目をあげています。



1、ニュースは無視すること。儲けにつながるのは値動きだけだ。

2、あなたが思っているほど他のトレーダーは儲けていない。

3、100%完璧なトレード方法は存在しない。マーケットに順応できないトレーダーは死ぬ。

4、大衆の心理状態、センチメントをトレードに利用すること。プット・コール・レシオ、センチメント調査、空売り残などをトレードに役立てること。

5、頭の良い人がトレードで成功する保証はない。好例はヘッジファンドのロングターム・キャピタルだ。言うまでもなく、ロングターム・キャピタルには多数の高学歴者が揃っていたが結果は惨めな破綻だ。

6、あまりにも言い古された言葉だが、「トレンドは友」というのは本当だ。

7、トレードで利益を上げる方法に間違った方法は無い。デイトレード、スイング・トレード、オプションの空売り、と様々な方法があるが、重要なことは自分の性格に合った方法をみつけ、それを徹底的にマスターすることだ。

8、うまく行っていないなら、さっさと立ち去ること。損切りの重要性の話だと思われるかもしれないが、さっさと立ち去ることで次のチャンスを見つけることができる。例えば、あなたの意に反して株価が下げ始めたとしよう。あなたは、その株が気になり1セント1セントの動きを監視する。要するに、その株だけに集中してしまい、他の銘柄が完全に目に入らなくなってしまうのだ。うまく行っていないなら、さっさと立ち去ること。

9、連敗は必ず起きる。もし敗けるのが嫌なら、トレーダーにはならないことだ。

10、マーケットは、あなたの事など気にしていない。言い換えれば、マーケットが興味のある事は、あなたから金を取り上げることだ。考えてほしい、90%のトレーダーは1年以内に脱落するのだ。


(参照した記事: 10 Things I’ve Learned About Trading Over The Past Decade)



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銀: 膨大な空売り残高、そろそろショート・スクイーズ?

06月18日
リチャード・ラッセル氏は今年90才、今日もダウ・セオリー・レターズ(1958年創刊)の執筆をしています。

米政府と連銀は、インフレ、経済、そして雇用状況について国民を騙し続けてきた。国民は政府の流すプロパガンダと嘘の中で暮らしてきたが、いよいよコルクの栓がボトルから吹き飛ばされる時が来たようだ。上昇が始まったメタル市場が明確な警報を発している。次のステップはドルの大幅下落だ。更に、COMEX銀には膨大な空売り残があるから、売り手たちは、そろそろ買い戻しに迫られることだろう。



6月9日のGoldMoneyには、銀の空売りに関する、こんなチャートが掲載されています。



大きな上昇となっていますが、これはヘッジファンドなどの大口投機家による銀の空売りポジションの増加を示しています。

銀のダウントレンドを追い求める投機家たちは、ひょっとすると罠にはまった可能性がある。現在空売られている銀の量は2億1402万オンスに達し、これは全世界で年間に生産される量の25%に相当する。はたして、これほどの量の銀を買い戻すことができるかは、銀行やコマーシャル・ヘッジャーが提供する流動性にかかっている。これだけ一方的な空売りに傾いていることを考えると、銀行はショート・スクイーズを狙ってくるのではないだろうか?(GoldMoney) ショート・スクイーズ:マーケット(市場)が売り持ち(ショートポジション)に傾いている時に、大きく買いを仕掛けることで、相場を高めに誘導することをいう。(iFinance)

デーブ・クランズラー氏(インベストメント・リサーチ・ダイナミクス)も、銀のショート・スクイーズの可能性を語っています。

ヘッジファンドは、記録的な膨大な量の銀の空売りポジションを抱えている。しかし、スマートマネーと呼ばれる実際に銀を扱う当業者たちは、銀の空売りポジションを減らしている。(現在、当業者たちの持つ空売りポジションは、2008年1月以来最低の量となっている。)

もちろん、当業者が空売りポジションを減らしているからといって、銀の値段が直ぐに上がるという保証はありません。しかし、空売りポジションを手仕舞い始めているということは、当業者たちは銀価格は現在のレベルから大きく下げることはない、と判断していることも確かです。

下は銀価格に連動するETF、iShares Silver Trust (SLV)の週足チャートです。



上辺が下降する三角形ですから、株の教科書に従うなら狙いは底辺割れのブレイクダウンです。ご察しのとおり、売り手が慌てるためには、株価は上辺を突破する必要があります。言い換えれば、本格的なショート・スクイーズが起きるためには上辺突破のブレイクアウトが必須です。更に、ブレイクアウトが大陽線なら、買い手が望む踏み上げも起きることでしょう。

(参照した記事:Richard Russell - Damn The Avalanche Of US Lies & Propaganda

Market positions for gold and silver

Is Silver Set Up For A Huge Short Squeeze?)





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ストラテジストが語る米国株式市場の注意点

06月15日
今年の米国株式市場を展望した場合、S&P500指数は2000年の時のような高値に達することになるだろう。しかし、今年のどこかで調整も起き、マーケットは今年が始まった頃のレベルで結局終了となりそうだ。 -- ジム・ポールセン(ウェルズ・キャピタル・マネージメント)

現時点では、マーケットに直ぐ調整が起きる兆しは無い、とポールセン氏は述べていますが、大幅調整に巻き込まれることを防ぐために、私たちは次の5項目に注意を払うべきだ、と氏は述べています。

1、マーケットの更なる大幅上昇:



上のチャートで分かるように、S&P500指数は上昇するチャネル内で推移している。言い換えると、現在のマーケットには一定のリズムがある訳だが、指数が上限を突破した時は要注意だ。そのような急激な上昇は長続きすることはない。

2、警戒論者の減少:

好調なマーケットが続いているが、私たちには弱気論者たちの声が相変わらず聞こえてくる。彼らの声が聞こえてくるうちは、マーケットはまだ天井ではない。天井では、全ての人たちが浮かれているものだ。

3、国債利回りの上昇:

現在の低い利回りが株を買う一因になっている。利回りが株に悪影響となるためには、10年債の利回りが少なくとも3%に達する必要がある。(現在の利回りは2.6%)

4、インフレ懸念の上昇:

現在、投資家たちはインフレを全く気にしていないがセンチメントが変化したときは要注意だ。

5、連銀のタカ派的意見の台頭:

今のところ、株式市場は連銀のハト派的姿勢から大きな恩恵を受けている。しかし、連銀は量的緩和縮小のペースを速め、思っているよりも早めの利上げに踏み切る可能性がある。


(情報源:Five gauges that could signal a stock-market correction)





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米国株式市場はまだ上げ足りない!?

06月13日
木曜のマーケット終了まであと30分を残し、ダウ工業株30種平均は現在0.7%の下げ、S&P500指数はマイナス0.8%です。下はダウ工業株30種平均の週足チャートです。



強い上昇相場が展開されていますが、チャールズ・パシィ氏(マーケット・ウォッチ)は、こんなことを指摘しています。

高値が更新され、好調な株式市場が続いているが、だからと言って米国消費者の投資口座残高にも同様なことが起きているわけではない。言い換えると、多くの人々は米国経済を相変わらず信用することができないのだ。

消費者信頼感指数という、米国消費者たちの経済に対する信用度を示す指標がある。ハイテク株ブーム、インターネット株が大人気だった2000年、消費者信頼感指数は144.7だった。そして株式市場が史上最高値にある今日、この指標はたったの83だ。

現在の米国失業率は6.3%、2009年10月の10%から大幅に下がっている。消費者物価指数も穏やかなペースで上昇し、米国経済は決して悪い状態ではない。更に、平均的な401Kの残高は2008年の5万6000ドルから10万2000ドル(2013年末)に増えている。


5月5日になりますが、シェイファーズ・インベストメントは、こんなチャートをブログに掲載しています。



黒い線はS&P500指数、赤い線は消費者信頼感指数です。

2000年に145だった消費者信頼感数は2007年には110、そして現在の数値は82だ。結論を言うと、この低い数値はS&P500指数に好材料だ。経済の低迷が消費者信頼感指数に悪影響となったことは確かだが、株式市場が最終的な天井を形成するためには、消費者信頼感指数はここからもっともっと高いレベルに達する必要があると思われる。

証券業界の知人たちとは株の話をしますが、それ以外の人たちから株の話を聞くことはありません。母親や友人から株の買い推奨を聞くようになったら、いよいよマーケットは天井だと言われますが、現時点ではそんなことは起きていません。

繰り返しになりますが、こんなにマーケットは好調なのに、人々はあまりにも静かです。90年代のブルマーケットでは次々とデイトレーダーが登場しましたが、今日トレードの話をする人はほとんどいません。株は機関投資家だけのものになってしまったのでしょうか?金融危機が米国消費者に与えたダメージは、あまりにも大きすぎたようです。

(参照した記事:Dow flirts with 17000, but most people missed the ride

What Is Consumer Confidence Saying About Stocks?)



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熱気を欠く好調な株式市場

06月10日
株式市場は高値を更新しているにもかかわらず、投資家たちは現金ポジションを大幅に増やしている。-- State Street

投資家というのは100万ドル以上の資金を持つ裕福な投資家、そして25万ドル以下の一般投資家が含まれ、調査対象になったのは16の国々だ。

現在、投資家たちの口座の40%は現金で占められ、2012年の31%から大きく上昇している。(米国の投資家は口座の36%が現金、2012年は26%だった。)

下が詳細だ。



見てのとおり、現金を最も多く現在抱えているのは日本の投資家(口座の57%が現金)、そして現金の比率が最も少ないのは26%のインドの投資家だ。

株式市場が好調なのだから、投資家たちは積極的に株を買い現金が口座を占める割合が大幅に減ってもよさそうなものだが、実際はこの2年間で現金の比率が上昇している。言い換えると、投資家たちの口座には、豊富な現金がまだ残っている訳だから、株式市場は更に上昇する可能性があるのではないだろうか?

去年、S&P500指数は30%の上昇だったが、米国と他の先進国の経済成長率は歴史的平均以下だった。しかし、もしこの経済成長率が改善方向となれば、投資家たちは豊富に持つ現金を株に投資してくることだろう。 -- ホセ・ラスコ氏(HSBC Private Bank)

スコット・クレモンズ氏(Brown Brothers Harriman)は、こういう見方をしている。

たしかに理屈では豊富な現金は株に好材料だ。しかし、現金は多くの人々にとって安全網のようなものだから、現金=株を買うための資金、と簡単に結論することはできない。それに、現在のマーケットは高値圏で推移しているから、現時点で現金がマーケットに大きく向かうとは考えにくい。投資家たちは、次の買い場となる調整が起きるまで動かない可能性がある。

スザンヌ・ダンカン氏(State Street)は、こう述べている。

現金の比率が増えているのは恐怖心が原因だ。ハイテク株バブル、金融危機で大きな痛手を受けた投資家たちは、悪いことが起きるという考え方に慣れてしまった。

一般的に言われることは、皆がマーケットに陶酔し熱狂的な状態になるまで上げ相場が終わりになることはない。90年代のハイテク株ブームの時は、サラリーマンから主婦まで株に夢中になったものだが、今日のマーケットはあまりにも静かだ。現に、株番組の視聴率は低迷し、人々は株などに全く興味無しといった状況だ。

ダンカン氏が言うように、金融危機が投資家たちを変えてしまったのだろうか?マーケットは、大衆の参加なく天井となるのだろうか?それとも、これから大衆の参加が本格的に始まるのだろうか?高値更新だというのに熱気を欠くマーケットだ。

(参照した記事:Fear of Equities Drives More Investors to Cash

Stashing Cash under the Mattress)



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勢いを利用した買い: ストキャスティクス・ポップの話

06月07日
投資家にとって持ち株が上がることは嬉しいことですが、米国株式市場は、いくらなんでも行き過ぎだとマーケットの天井を心配する人たちがいることも事実です。



上はCNNマネーに掲載されている「Fear & Greed Index(恐怖&欲指数)」です。現在の数値は極めて強い欲を示す86になり、1ヶ月前の34という株投資に恐怖を感じていた数値から大きく回復しています。更に、86は今年の最高値ですから投資家たちは強気です。

相場の格言は、現在のように皆が強気なときに買うのではなく、その反対に皆が弱気なときに買うことを勧めています。

野も山もみな一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし

格言に従うなら、今買うのは間違いということになりますが、皆が強気なときに買うトレード方法も当然あります。有名なのは、ストキャスティクスを利用したストキャスティクス・ポップです。

ストキャスティクスは売られすぎ、買われすぎを判断する指標として利用され、20以下の数値は売られすぎ、そして80以上の数値は買われすぎと一般的に解釈されています。80以上の数字は過熱、行き過ぎな株価を意味しますから、ここでは買うべきでないという結論になるのですが、逆に言うと80以上の数字は株が人気化したことを示しています。ということで、ストキャスティクス・ポップというのは、ストキャスティクスが80を超えたところで買う方法です。

下はグーグルの日足チャートです。



1がストキャスティクスが80を突破しストキャスティクス・ポップの起きている場所です。この日の終了間際で買いです(2)。利食いの方法はいくつかありますが、一般的な方法はこれです。



先ず買った日(2)の安値に損切りを設定します(a)。思惑通り翌日も陽線ですから、aの損切りをbに引き上げます。このようにc、dと設定を引き上げ、最終的に前日の安値割れが起き利食いとなったのはeです。ストキャスティクス・ポップは長期的な投資ではなく、短期的な勢いに乗る方法です。もちろん、これはデイトレードにも応用できます。

日経225インデックスファンドに最近ストキャスティクス・ポップが起きています。





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浮動株数を考慮したETFの話

06月04日
ご存知のように、需要と供給が物の値段に大きな影響を与えます。ブタを買いたい人が100人、しかし市場に出ているブタはたったの二匹なら、たちまち競り合いとなってブタの値段は急騰することでしょう。もちろん、その逆に売りに出されているブタが2000匹もいたら、買い手はかなり安い値段でブタを買うことができることでしょう。

需要と供給を考慮したETFがあります。名前はAdvisorShares TrimTabs Float Shrink ETF (TTFS)です。注目は、「Float Shrink」の部分になります。

Float: 浮動株

Shrink: 収縮、縮小

ということで、これは浮動株数が減少している株に投資するETFだろう、と推測することができます。


『オニールの成長株発掘法』の著者ウィリアム・オニール氏も、銘柄を選ぶ一条件として発行済株数をあげています。

38年間の株データを分析した結果、株価成長の大きいのは発行済株数が2500万株未満の株だ。

発行株数が少なければ、とうぜん浮動株数も少ないですから、大した買いがなくても株価は上がりやすくなります。その反対に、浮動株数が8億、10億と大量にある場合は、かなりの買いがないと株価は動きません。

AdvisorShares TrimTabs Float Shrink ETFが誕生したのは2011年10月4日ですから、まだ新しいETFです。資金の59.07%が大型株、38.95%が中型株、そして1.97%が小型株に投資され、このETF発足以来の成績は年率で28.92%です。

減少している浮動株数の他に、AdvisorShares TrimTabs Float Shrink ETFは、次の二点も考慮して銘柄を選んでいます。

・フリー・キャッシュ・フロー: 企業利益が向上していること。不動株数が減っているのは、企業アセットの売却が原因であってはならない。

・レバレッジ: 株を債務と交換しているような企業に投資してはいけない。


ザックス社のETFストラテジスト、エリック・ダットラム氏は、このETFについてこう述べています。

株を選ぶ方法は色々あるが、需要と供給という要素を見逃す人たちは多い。このETFは浮動株数に注目することで需給という要素を銘柄選びに取り入れ、S&P500指数を上回る成績を上げている。

誤解を防ぐために繰り返しますが、AdvisorShares TrimTabs Float Shrink ETFが投資している株は浮動株数を減らしている企業の株であり、他社と比較して浮動株数が極めて少ない企業の株ということではありません。下が、このETFが投資しているトップ10銘柄です。アップルが入っていることで分かるように、どれも自社株買いなどを行なって浮動株数を減らし、企業の利益も向上しています。



(参照した記事: AdvisorShares TrimTabs Float Shrink ETF

Inside the ETF That Uses Supply and Demand to Pick Stocks)



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「5月に株を売って相場を離れよ」にならなかった5月のマーケット: なぜ?

06月01日
5月のマーケットが終わりました。「5月に株を売って相場を離れよ」という諺がありますが、5月のS&P500指数の成績は+2.12%、ダウ工業株30種平均は+0.96%、そしてナスダック総合指数は+2.79%となり、どれもプラスで終了です。特に上昇が目立ったのはヘルスケアプラン指数(医療保険に関連した銘柄指数)の+8.44%、反対に大幅下落となったのは10%減の銀指数です。

相場の諺に反して、5月のマーケットが好調になった一因として、前FRB議長のバーナンキ氏があげられています。



FRB議長を辞めた直後の2ヶ月間は「クーリング・オフ期間」なので公な場でスピーチをすることができませんが、この期間が終了した3月の終わり頃からバーナンキ氏は一部の人たちの前で興味深い話をしています。

参加費用25万ドルの裕福な投資家たち(ヘッジファンド・マネージャー、主要銀行、大手機関投資家など)が集まったプライベート・ディナーの席上で、バーナンキ氏は議長だった頃のような曖昧な表現ではなく、超低金利政策はこれからも長期間に渡って続くと明言している。(ロイター)

下がバーナンキ氏の話の要点です。

・ 米国の金利引き上げ実施が近い、と思っている人たちがいるが、現在の米国労働市場を考えると、金利が実際に引き上げられるのは皆が予想しているよりかなり後になる。

・ バーナンキ氏(60才)が生きている間に、FF金利(フェデラル・ファンド金利)が歴史的平均である4%まで引き上げられることは有りえない。

・ 連銀のインフレ目標は2%だと思われているが、目標値はそれを超える可能性がある。


ラリー・クドロー氏(The Kudlow Report)はこうコメントしています。

超イージー・マネー・ポリシーが、これからも長期間にわたって続くというバーナンキ氏の言葉を聞いて、プライベート・ディナーに参加した裕福な投資家たちは米株に対していっそう強気になった。バーナンキ氏の言葉は外部にも漏れ、これが1%の米GDP減少にもかかわらず株が買われることになった一因だ。

プライベート・ディナーに出席した裕福な投資家とは、具体的には誰でしょうか?これらの名前が報道されています。

ポール・チューダー・ジョーンズ(Tudor Investment Corp)、デビッド・アインホーン(Greenlight Capital)、マイケル・ノボグラッツ(Fortress Investment Group)、ラリー・ロビンズ(Glenview Capital)、デビッド・テッパー(Appaloosa Management)

こんな言葉も報道されています。

バーナンキ氏から得た情報を有効に使うことができなかった。あのトレードは間違っていた。(デビッド・テッパー氏)

バーナンキ氏からのヒントがあったにもかかわらず、多くのヘッジファンドは米長期国債を買うことができなかった。(マイケル・ノボグラッツ氏)


辛辣な記事で定評があるゼロヘッジは、こう書いています。

最も驚くべきことは、バーナンキ氏の話を聞くために、1ドルどころか25万ドルも払う人たちがいるということだ。


(参照した記事: Bernanke's loose lips: Bull for stocks, bear for Dems

Bernanke Shocker: "No Rate Normalization During My Lifetime"

At big-ticket dinners, a blunt Bernanke sounds theme of low rates)



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