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優利加

2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『 生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。

「生涯現役のトレード日記」

AI投資の収益性への警戒感が再度高まったため・・・

06月29日
先週金曜日の米国株式相場は下落した(DJIA -44.51 @51,876.11, NADSAQ -60.99 @25,297.62, S&P500 -3.47 @7,354.02, SOX -737.30 @13,203.57)。ドル円為替レートは161円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,089に対して、下落銘柄数は416となった。騰落レシオは102.17%。東証プライムの売買代金は11兆8257億円。

TOPIX +19 @3,982
日経平均 +107円 @69,468円

【米国株式相場】

6月26日のNY株式相場は、オープンAIがIPO延期を検討しているとの報道を受けてAIインフラ投資の減速懸念が強まり、半導体を中心としたハイテク株が売られた。一方で、ヘルスケアや生活必需品などディフェンシブ株への資金移動が進んだ。良好な消費者マインドやインフレ見通しの改善が下支えとなったものの、FRB高官による利上げ示唆が重荷となり、相場は方向感を欠いた。ダウ平均は一時305ドル安まで下落後、209ドル高まで戻すなど乱高下し、最終的には44.51ドル安と小幅反落。ナスダック総合は1.36%安まで売られた後、0.24%安で終了し、S&P500とともに5日続落となった。AI関連や半導体銘柄が相場の重しとなる一方、原油輸送正常化期待から原油先物が下落し、景気悪化懸念が和らいだことで投資家心理を支えた。オープンAIのIPO延期報道は、目標としていた時価総額1兆ドルの達成が不透明になったことが背景とされ、市場ではAI投資の収益性への警戒感が広がった。エヌビディアやキャタピラーなど関連銘柄が下落した。前日にはマイクロンの好決算を受けてAI関連株が買われていたため、利益確定売りが出やすかったとの指摘もある。一方、原油積み込み再開の報道を受けてWTI先物は3.7%安となり、原油高による景気悪化懸念が後退。J&Jやメルクなどディフェンシブ株が買われ、相場の底堅さを示した。ダウ構成銘柄ではゴールドマン・サックスやシスコ、3M、JPモルガンが下落した一方、マイクロソフト、セールスフォース、IBMなどSaaS銘柄は上昇した。

【日本株式相場】

本日6月29日の東京市場では、日経平均は前週末比107円高の6万9468円と反発した。午前はAI・半導体関連の売りが強まり、一時1300円超下落したが、韓国総合指数(KOSPI)が下げ渋り、海外短期筋の買い戻しが入ったことで午後にかけて持ち直した。韓国政府がサムスン電子とSKハイニックスによる半導体工場新設を含む大規模投資計画を正式発表したことも、日本の製造装置・部材メーカーへの追い風と受け止められ、関連銘柄に見直し買いが入った。韓国の巨額投資は日本の製造装置・部材メーカーには追い風となる一方、SKハイニックスと競合するキオクシアには逆風となるなど、日本の半導体株にはプラスとマイナスが混在する材料となった。

一方、前週末の米市場ではオープンAIのIPO延期報道やマイクロンへの利益確定売りを背景にSOX指数が5%下落。東京市場でもAI・半導体株に売りが波及し、キオクシアやSBG、アドバンテストなどが大きく下げた。メモリー価格高騰がハイパースケーラーの収益を圧迫するとの懸念もあり、半導体関連の過熱感が警戒された。相場を支えたのは内需株で、原油価格が70ドルを割り込んだことで景気悪化懸念が和らぎ、鉄道、小売り、不動産などが買われた。製薬株も堅調で、住友ファーマや第一三共、中外製薬が上昇。

任天堂やコナミなどゲーム株も買われ、日本のコンテンツ産業への期待が追い風となった。市場では国内機関投資家のリバランス売りやETF分配金捻出に伴う換金売りが重荷との声があるほか、7月2日の米雇用統計を控え、FRBの利上げ観測が強まる中で積極的な買いを手控える雰囲気も強い。AI・半導体株の調整は、海外ヘッジファンドの早期休暇入りによる一時的な要因との見方もあるが、相場の偏りへの警戒は根強い。今後は小売り大手の決算などを通じ、消費の堅調さを確認しつつ、ポストAI・半導体相場の行方を探る展開となりそうだ。

【SaaSの「帰還」】


NECは6月29日、前週末比6%超の大幅続伸となり、ソフトウエア関連株への循環物色が強まった。これまで市場では「AIがSaaSモデルを揺るがす」との警戒感からソフトウエア株が売られていたが、半導体関連株の上昇が一服したことで資金がソフトウエア株へ移り、反動的な買いが広がった。SHIFT、Sansan、野村総研なども上昇し、セクターローテーションの流れが鮮明になった。米国市場でも同様の動きが見られ、オクタやセールスフォースが上昇。市場では「日米で半導体株からソフトウエア株への資金移動が進んだ」との見方が出ている。背景には、FTSEラッセルが26日に実施した指数の定期見直しがある。スペースXが大型株指数「ラッセル1000」に新規採用され、7月にはナスダック100にも組み入れられる予定だ。指数連動型ETFはスペースX株を買い入れるための資金手当てとして、既存の半導体関連株に利益確定売りが出やすくなったとみられる。こうした流れが日本市場にも波及し、半導体関連株の一角が売られる一方、出遅れていたソフトウエア株に買いが向かった。NECはAI関連事業を手がける一方、企業向けシステムやソフトウエア開発でも強みを持つため、セクターローテーションの恩恵を受けやすかったとみられる。総じて、米国の指数組み入れ変更を契機に半導体株が調整し、日米でソフトウエア株への資金移動が進んだことがNECの大幅続伸につながった。

【銀行株安の理由】


メガバンク株がそろって下落した。三菱UFJは一時1.5%安となり、三井住友FGやみずほFGも軟調だった。背景には、政府が「骨太方針」に金融政策への言及を盛り込み、「適切な金融政策運営が重要」と明記する方針を固めたとの報道がある。これは、高市首相が利上げによる景気下押しを懸念していることを反映し、追加利上げを検討する日銀をけん制する狙いとみられる。市場では「政府が利上げに消極的な姿勢を明確にした」と受け止められ、金融株の先高観が後退した。日銀は今月追加利上げを実施したが、原油価格の下落でインフレ圧力が和らぎ、利上げペース加速への観測は後退していた。メガバンク株はこれまで利上げ期待で上昇していたが、足元ではその勢いに一服感が出ており、今回の政府方針報道が売りを誘った形となった。


【DRAM価格高騰の背景】


半導体メモリーDRAMの旧世代品であるDDR3の価格が急騰している。4〜6月期の大口価格は前期比で最大2倍、スポット価格も1年で7倍超となり、産業機器やプリンター向けなど幅広い用途で品薄感が強まっている。背景には、サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンなど大手がAI向け需要の急拡大を受け、DDR5やHBMなど先端品の生産に急速にシフトしたことがある。大手はDDR4の生産も縮小しており、旧世代品の供給は台湾のナンヤやウィンボンドなど一部メーカーに限られる。これらの企業もDDR4への移行を進めており、DDR3の供給はさらに細る見通しだ。DRAMは世代間互換性が低く、DDR3搭載機器をDDR4へ移行するには設計変更が必要で、日本の電機メーカーでは評価から量産まで2〜3年かかる場合もある。旧世代品の高騰を受け、製品のモデルチェンジ時にDRAM仕様を変更する動きが出る可能性があるが、DDR4やDDR5も値上がりしており、コスト増に見合わない製品は生産終了を迫られる可能性もある。一方、現行品のDDR5も品薄で、5月の大口価格は前月比3%上昇し5カ月連続の値上がりとなった。ただし、半年で3.5倍に急騰したことでPCメーカーが強い抵抗感を示し、上昇幅は縮小している。需要家からは「これ以上の値上げは限界」との声も出ており、価格上昇には黄色信号が灯り始めている。全体として、AI向け先端メモリーへの集中投資が旧世代DRAMの供給逼迫と価格高騰を招き、産業機器メーカーの設計変更や製品戦略に影響を及ぼし始めている。


【日経平均の日足チャート解釈】

日経平均の日足チャートを見ると、ザラバで6月25日以来の安値を更新したが、非常に長い下ひげを引いた短陰線(たくり線)で終え、下値が堅いことを示した。25日移動平均線が依然として上向きなので、経験則では買い戦略が有効である。ただ、3月下旬から三段上げで急上昇してきたので、何かを口実に利食い売りが出易いと見る。

33業種中24業種が上げた。上昇率トップ5は、その他製品(1位)、倉庫・運輸(2位)、保険(3位)、サービス(4位)、不動産(5位)となった。
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メモリー価格の高騰がAI投資の減速を招くとの懸念により・・・

06月27日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +71.72 @51,920.62, NASDAQ -118.03 @25,358.60, S&P500 -0.73 @7,357.49, SOX +482.68 @18,940.87)。ドル円為替レートは161円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かったが、日経平均やTOPIXなどの株価指数は大幅安となった。東証プライムでは、上昇銘柄数が915に対して、下落銘柄数は613となった。騰落レシオは97.75%。東証プライムの売買代金は12兆1679億円。

TOPIX -53 @3,963
日経平均 -3,005円 @69,301円

【米国株相場】

6月25日のNY株式相場は、半導体株の上昇と大型ハイテク株の下落が拮抗し、高安まちまちの展開となった。主役はマイクロン・テクノロジーで、前日の好決算と強気の見通しを受けて15%超急騰。AIインフラ投資の継続期待が追い風となり、半導体株全体を押し上げた。一方、アップルとマイクロソフトが相次いで製品値上げを発表したことで売りが強まり、アップルは6%超下落、マイクロソフトも軟調となり、相場の重荷となった。指数はまちまちで、ダウ平均は71ドル高と小幅続伸し、取引時間中には一時800ドル超上昇して最高値を更新。キャタピラーなど景気敏感株や金融株が買われた。金融株の上昇は、FRBが公表したストレステストで米銀32行すべてが健全性を維持できると評価されたことが背景で、多くの銀行が増配や自社株買いを発表したことも支援材料となった。一方、ナスダック総合は朝方の上昇から急反落し0.46%安で終了、S&P500も小幅安となり、両指数は4日続落。ハイテク株の弱さが鮮明となった。25日朝発表の5月PCEコア指数は前年比3.4%上昇と市場予想通りで、インフレ加速への過度な警戒が和らぎ、長期金利は低下。これが株式相場の下支えとなった。原油市場では、ホルムズ海峡での貨物船攻撃を受け供給不安が高まり、WTI先物が2%超上昇。序盤の安値から急反発した原油高は、株式市場のセンチメントをやや冷やす要因となった。

【日本株相場】

本日6月26日の東京市場では、日経平均株価は大幅反落し、終値は前日比3005円安の6万9360円と7万円台を割り込んだ。日経平均の下げ幅は「令和のブラックマンデー」と形容された2024年8月5日(4,451円)以来の大きさで、歴代1987年10月に続く3番目の記録となった。背景には、メモリー価格の高騰がAI投資の減速を招くとの懸念が強まり、国内外でAI・半導体関連株が一斉に売られたことがある。特にアドテスト、ソフトバンクグループ(SBG)、キオクシアの下落が大きく、この3銘柄だけで日経平均を1800円以上押し下げた。SBGは、出資先の米オープンAIが2026年後半に予定していたIPOを27年に延期する検討が伝わったことで、一時14%超下落。AI相場の勢いに冷水を浴びせるとの見方が広がった。前日の米市場でも、メモリー高騰を受けてアップルやマイクロソフトが製品値上げを発表し、主要テック株が売られた。メモリー価格上昇はAI投資の抑制だけでなく、消費減退を通じて景気全体に悪影響を及ぼす可能性がある。午後に入ると日経平均の下げ幅は3700円超まで拡大し、節目の6万9000円を割り込む場面もあった。韓国市場では半導体株の比率が高いKOSPIが急落し、サーキットブレーカーが発動。これが日本株の売りをさらに加速させた。加えて、6月の四半期末を控え、機関投資家が利益確定売りを出しやすい地合いだったことも下落に拍車をかけた。原油価格の上昇も市場心理を冷やし、景気や企業業績の下振れリスクが意識された。こうした複合的な要因が重なり、本日の日経平均は大幅安となった。

日経平均が大幅安となる中でも、東証プライムの6割の銘柄が上昇した。内需株や高配当株が買われ、資金が市場から流出しているわけではない。12月期決算企業の配当権利取りに向けた買いが活発化し、カシオ計算機、シチズン時計、サッポロHD、高島屋など約40銘柄が年初来高値を更新した。高配当株も堅調で、日本たばこ産業(JT)やINPEXが2%高となった。本日6月26日は6月末を基準日とする銘柄の権利付き最終売買日であり、個人投資家による「配当取り」の駆け込み需要が強まった。アジア全体でハイテク株が売られる一方、日本市場では内需・高配当といった出遅れセクターに資金が向かう構図が鮮明となった。

アジア市場では株安が連鎖し、特に半導体株の下落が各国の株価指数を大きく押し下げた。韓国ではSKハイニックスやサムスン電子が急落し、KOSPIは一時8%超下落。サーキットブレーカーが発動されるほどの急落で、日本株の売りも加速した。台湾でもTSMCが2%安、香港ではSMICが7%安となるなど、アジア全体でハイテク株の下げが目立った。背景には、米国の利上げ観測が続くなかで相場が上下に振れやすい地合いがある。加えて、アップルの製品値上げをきっかけに、メモリー価格高騰がテック企業の利益を圧迫するとの懸念が広がった。オプション市場ではKOSPIの予想変動率が過去最高水準で推移し、日経平均ボラティリティー・インデックスも3カ月ぶりの高水準を付けるなど、投資家心理の不安定さが強まっている。


米株式市場では、巨大テック企業「マグニフィセント7(M7)」の調整が鮮明になっている。25日には、メモリー価格高騰を受けてアップルやマイクロソフトが一部製品の値上げを発表し、両社の株価が大きく下落。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は4日続落し、6月は25日時点で6%安となった。一方、半導体株の影響を受けやすい日経平均は同期間に9%上昇していたが、米大型テック株の調整が進むなか、日本株も無視できない局面に入りつつある。日米市場で短期的なローテーション(資金移動)が起きやすい状況にある。M7や日本のAI半導体株はバリュエーション面で割高感が強まっており、出遅れたバリュー株への資金シフトが進みつつあるのかもしれない。ただ、日本株の上値追いには課題もある。日経平均の指数ベースのPERは前日に26倍超まで上昇し、AI半導体株の影響を受けやすい構造となっている。過去にもPER26倍付近まで上昇した後、上値を抑えられた経緯があり、投資家の様子見姿勢を強める要因になっている。今後の焦点は、7月下旬から本格化する主要企業の4〜6月期決算だ。



医薬株は年初来で6%安と不振が続き、食品や電力など他のディフェンシブ株に比べても見劣りしてきた。背景には、トランプ米大統領が推進する「最恵国待遇(MFN)薬価」により米国の薬価が引き下げられ、日本での新薬発売が遅れるとの懸念がある。しかし潮目は変わりつつあり、米国市場ではヘルスケア株が上昇基調に転じ、S&P500の業種別指数でも上位の上昇率を記録した。では、これから医薬品株に注目するとすれば、どの銘柄をマークすべきか。楽天証券の西氏がPBRとROEから算出した理論株価では、塩野義製薬が現在の株価の約2倍となる5900円と試算され、日経平均構成銘柄の中で4番目に割安度が高いとされた。大塚HD、協和キリン、第一三共も理論株価が現状を上回り、割安感が際立つ。これらの要因から、低迷してきた医薬株に見直しの動きが広がる可能性が高まっている。

【原油相場】


原油価格は米国とイランの軍事衝突前の水準まで下落したが、市場構造は元には戻らず、先行きは不透明だ。ブレント原油は一時72ドル、WTIも68ドル台まで下落し、ホルムズ海峡の供給回復期待が相場を押し下げた。しかし、衝突を経て世界の原油調達構造は大きく変化し、中東依存の低下が進んでいる。

中東産原油は地政学リスクによる保険料増加で割安でなければ買われにくくなり、調達先の多角化が加速。日本は7月に原油の100%をホルムズ海峡外から調達する見通しで、米国産など非中東原油の処理能力拡大を進める。インドや韓国も同様の動きを強めている。石油メジャーも脱中東を進め、エクソンモービルはナイジェリア開発を加速、シェルはカナダで権益企業を買収した。中東産の指標であるドバイ原油は65ドル台と下げが目立ち、将来的な中東離れが価格に織り込まれているとの指摘もある。さらに、OPEC離れも進行し、UAEが脱退、イラクも検討中とされる。OPECプラスの供給シェアは大幅に低下する見通しで、価格調整力の低下が懸念される。一方、イランは衝突後にホルムズ海峡の実効支配能力を示し、今後も原油供給の「蛇口」を操作するリスクが残る。地政学リスクは完全には払拭されていない。加えて、世界的なエネルギー転換も進む。EV普及は一時停滞したものの、ガソリン価格高騰を背景に再び切り替えの動きが強まり、石油需要の長期的な減少圧力は続く。金融市場でも衝突前の環境には戻らず、原油高を通じたインフレ再燃でFRBの利下げ観測は消え、利上げ予想が主流となった。原油価格が元に戻っても、地政学・需給・金融政策の三つの面で世界は衝突前とは異なる局面に入り、相場の先行きは依然として不透明だ。



【LNG相場】

米国とイランの戦闘終結から1週間余りが経ち、ホルムズ海峡を通れず滞留していた原油・LNG運搬船が徐々に動き始めた。原油価格は衝突前の水準に戻った一方、LNG価格は依然として高止まりしている。カタールではLNG輸出の再開が進み、ケプラーによれば17〜24日の間に同国のLNG船7隻が海峡を通過し、輸出拠点ラスラファンに向かった。衛星画像からは停止していた液化設備の再稼働の兆候も確認され、2026年の輸出量は従来予想より310万トン増える見通しだ。しかし、LNG市場の逼迫はすぐには解消しない。カタールの生産設備は軍事衝突で約2割が損傷し、復旧には2〜3年かかる可能性がある。さらに、今年はスーパーエルニーニョの影響でアジアの猛暑が予想され、電力需要が増加する見通しだ。中国は高値でもスポット調達を続け、インドも積極的に買い進めており、アジアの需要増が供給回復分を吸収してしまう構図がある。欧州も不安定要因だ。ガス在庫は例年より低く、23日時点で貯蔵能力の47%と過去5年平均を大きく下回る。先物市場では冬の価格が夏より安い逆ざやが続き、在庫積み増しが進まなかった。今後、欧州が冬に向けて在庫確保を急げば、アジアとの調達競争が激化する可能性がある。日本は長期契約で一定量を確保しているものの、スポット価格の影響は避けられない。停戦で最悪期は脱したものの、LNG需給はなお逼迫しており、年後半に向けて価格上昇リスクが残る。電力・ガス料金への影響も時間差で続く可能性がある。

【日経平均の動き】

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の長大陽線を、本日は長大陰線でタスキをかける形で打ち消し、上向きの10日移動平均線を割り込んだ。これにより株価サイクル��(着実な上昇局面)は再び中断した。また、高値圏で明確な「タスキ線」は、これまでの上方向の勢いが強く打ち消されたサインである。来週以降、チャート分析の定石通りに調整するか、或いは、定石を弾き飛ばすような好材料が出え来てまた急反発するか?

日経平均は大幅下落したが、33業種中19業種が上昇した。上昇率トップ5は、石油・石炭(1位)、輸送用機器(2位)、鉱業(3位)、建設(4位)、不動産(5位)となった。
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マイクロン・テクノロジーの期待以上の決算発表を好感して・・・

06月25日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +182.06 @51,848.90, NASDQ -110.40 @25,476.64, S&P500 -7.24 @7,358.22, SOX -24.32 @13,458.19)。ドル円為替レートは161円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,043に対して、下落銘柄数は471となった。騰落レシオは97.17%。東証プライムの売買代金は10兆9137億円。

TOPIX +53 @4,016
日経平均 +3,191円 @72,366円

6月24日の米国では、原油安と金利低下が追い風となり、バリュー株や景気敏感株が買われた一方、半導体やIT株には決算発表前の利益確定売りが出て、高安まちまちの展開となった。米原油先物WTIは一時69ドル台まで急落し、ホルムズ海峡で船舶航行が再開しつつあるとの報道から、エネルギー供給不安が後退。原油安はインフレ沈静化期待につながり、米10年債利回りも4.39%台へ低下した。金利低下は株式の割高感を和らげ、消費関連株や景気敏感株に買いが入り、ダウ平均は一時582ドル高まで上昇し、最終的に182ドル高と反発した。一方、ナスダック総合は序盤に上昇したものの、引けにかけて半導体やソフトウエア株に調整売りが広がり、0.43%安で終了。S&P500もマイナス圏に沈み、両指数は3日続落となった。市場では、引け後に予定されていたマイクロン・テクノロジーの決算を前に、ハイテク株で持ち高調整が進んだ。ダウ構成銘柄ではエヌビディアやマイクロソフトが下落した。しかし、マイクロンの決算は市場予想を大きく上回り、時間外取引で株価は13%急伸。3〜5月期の売上高と調整後EPSが予想を上回ったほか、4〜6月期の売上高見通しも強い内容となり、AI関連需要の底堅さを示した。全体としては、原油安と金利低下が相場を支えた一方、半導体決算を控えた警戒感がハイテク株の重荷となり、指数間で明暗が分かれた一日となった。

本日6月25日の東京市場では、日経平均は3日ぶりに反発し、前日比3191円高の7万2366円と大幅上昇、過去最高値を更新した。上げ幅は歴代4位で、一時3400円超まで上昇した。主因は、米マイクロン・テクノロジーが24日夕に発表した決算が市場予想を大幅に上回り、時間外取引で急騰したことだ。マイクロンの2026年3〜5月期決算は売上高が前年同期比4.5倍、純利益は15倍と市場予想を大幅に上回り、四半期として過去最高を更新。6〜8月期の売上高見通しも強気で、時間外取引で株価が急騰した。AI関連需要の強さや半導体メモリーの需給逼迫が27年以降も続くとの見通しが示され、世界的に半導体株への買いが広がった。マイクロンが来期の設備投資を強気に見通したことで、製造装置を含む半導体供給網全体の業績改善期待が高まった。また、中東情勢の緊張緩和でホルムズ海峡の船舶航行が正常化し、原油先物価格が下落。物価上昇懸念が和らぎ、食品・小売り・不動産など出遅れ銘柄にも買いが広がった。市場では「AI関連株の業績は堅調で過熱感は乏しい」との声がある一方、半導体関連の材料に対する市場の反応が過敏になっており、短期的な調整リスクも指摘されている。原油価格下落に伴う日米金利の低下も追い風となり、ハイテク株の高いPERが許容されやすくなった。この好決算を受け、東京市場でもAI・半導体関連株に買いが殺到した。キオクシアは一時15%高となり、マイクロンがDRAM優先生産に舵を切るとの示唆から、NAND専業のキオクシアにシェア拡大期待が広がった。アドバンテストは日経平均への寄与度が1100円超と最大で、東京エレクトロン、ソフトバンクG、キオクシアを含む4銘柄で指数を2300円以上押し上げた。イビデン、太陽誘電、村田製作所など部材メーカーにも買いが波及し、AI・半導体サプライチェーン全体に強気ムードが広がった。ただし、市場はAI・半導体関連の悪材料に敏感で、SKハイニックスの生産方針報道やブロードコム決算などで直近も大きく調整している。年初から続くAIラリーで期待値が高まっており、多少の好決算では株価が上がりにくい局面にある。専門家からは「夏場の決算次第で波乱もあり得る」との警戒感も示されている。


ホルムズ海峡を経由する原油・石油製品の供給が急速に回復している。米国とイランが戦闘終結の覚書に署名した18日以降、24日までの1週間でタンカー通航数は98隻と、衝突後で最多となった。封鎖中は通常の1割未満まで落ち込んでいたが、現在は封鎖前の約25%まで回復している。欧州調査会社ケプラーによれば、海峡を通過した原油・石油製品は日量1100万バレル超と、封鎖前の6割近くに戻った。米エネルギー省も、直近24時間で封鎖前並みの2000万バレル相当が輸送されたと説明した。供給正常化への期待から原油価格は下落し、北海ブレント先物は一時72ドル台前半と、米イラン衝突前の水準を下回った。方向別では、ペルシャ湾から外へ向かう船が62隻と6割超を占め、積み荷を運び出す動きが先行している。ただし、湾内へ積み荷を取りに向かう船はまだ十分に増えておらず、供給回復が持続するかは不透明との指摘もある。海峡には依然として機雷が残り、米イラン間で通航ルールを巡る主張の食い違いも続く。オマーンはIMOと調整した「脱出回廊」を設け通航料を徴収しない方針を示したが、イラン革命防衛隊は独自の航路のみを認めると反発するなど、航行の安全確保には課題が残る。また、封鎖中に北米などへ迂回していたタンカーが中東に戻るには数週間かかるため、供給回復にはタイムラグが生じる。市場は期待先行で原油安を織り込んでおり、輸送や生産の回復が想定より遅れれば、再び価格に上昇圧力がかかる可能性があると専門家は警戒している。


日本の債券市場で海外投資家の存在感が急速に高まっている。日銀の資金循環統計によると、2026年3月末時点で海外勢の日本国債保有比率は8.09%と、2005年以降で最高を更新した。残高は82兆円に達し、前期から6兆円以上増加した。背景には、マイナス金利解除後の金利上昇で日本国債の利回りが相対的に魅力を増したこと、国内金融機関のドル需要増により為替ヘッジコストが低下し、為替リスクを取らずに高いプレミアムを得られる環境が整ったことがある。一方、日銀は量的緩和縮小に伴い国債買い入れを減らしており、保有比率は47.88%と低下が続く。23年9月末の53.86%をピークに減少基調にあり、今後も償還の進行で保有残高は縮小する見通しだ。保険・年金基金の保有比率も18.44%と過去最低を更新し、長期国債の利回り上昇による価格下落が響いた。海外勢は日銀の保有減少の受け皿として重要性を増す一方、相場の不安定化要因にもなり得る。海外マネーには短期売買を繰り返す投機資金も多く、持ち高調整や裁定取引を通じて日本国債が海外市場の動きに連動しやすくなる。特にグローバル投資家は複数市場で資金移動を行うため、海外金利や債券価格の変動が日本市場に波及しやすくなる。債券市場の流動性や変動率の高まりは、異次元緩和の正常化が進んでいる証左ともいえるが、安定的な投資主体である個人の保有が広がるには時間がかかる。しばらくは海外勢の動向に日本の債券相場が左右されやすい状況が続くとみられる。


外国為替市場で円安が進み、対ドルで39年半ぶりの安値に迫っている。政府・日銀による円買い介入への警戒感が一定の歯止めとなるものの、市場では162円台への下落は避けられないとの見方が強まる。円は22日に161円93銭まで下落し、その後も161円台後半で推移。特に6月以降は米FRBの利上げ観測を背景にドル全面高が進み、海外時間帯に円安が加速している。月初から23日までの海外時間の円下落幅は約2円30銭に達し、ヘッジファンドなど短期勢が「介入ライン」を探りながら円売りを進めているとみられる。一方、東京時間では原油高に伴う輸入企業のドル買いが一服し、円相場は横ばい圏で推移している。政府は円安けん制を続けており、片山財務相は「必要に応じて適切に対応する」と発言。米財務長官とも協議し、日米が断固たる措置を取ることで一致していると強調した。ただし、4月末の介入直前のような強いメッセージではなく、市場では「警戒はあるが本格介入の気配は薄い」との見方もあり、短期勢が慎重ながら円売りを続けている。さらに、個人投資家のFX取引も円安を助長する可能性がある。店頭FXのドル買い比率は31%台まで低下し、円買い・ドル売りの逆張り姿勢が強まっている。次の介入を見込んだ個人のポジションが、短期的に相場の変動を大きくするリスクも指摘される。総じて、市場では円安トレンドの転換はまだ遠いとの見方が優勢で、海外勢の短期売買とドル高基調が当面の円相場を左右する状況が続きそうだ。



日経平均の日足チャートを見ると、昨日は上向きの10日移動平均線を割り込む寸前まで急落して株価サイクル��(着実な上昇局面)が中断されそうなくらいまで調整したが、本日、長大陽線で急反発した。AI・半導体関連株ブームはまだ終わっていない。

33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、電気機器(1位)、情報・通信(2位)、ガラス・土石(3位)、ゴム製品(4位)、金属製品(5位)となった。
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AI向け巨額投資の持続性への疑念が再び高まったため・・・

06月25日
昨日の米国株式相場は下落した(DJIA -45.87 @51,666.84, NASDAQ -579.56 @25,587.04, S&P500 -107.33 @7,365.46, SOX -1,152.22 @13,482.51)。ドル円為替レートは161円台後半の水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が678に対して、下落銘柄数は826となった。騰落レシオは96.85%。東証プライムの売買代金は12兆5140億円。

TOPIX -27 @3,964
日経平均 -613円 @69,175円

6月23日、米国ではNY株式相場は下落し、特にハイテク・半導体関連株が大きく売られた。アジア市場で韓国KOSPIが約10%安となるなど、世界的なハイテク株安の流れが米国にも波及した。24日に決算発表を控えるマイクロンは13%超急落し、インテルやエヌビディア、AMDなど主要半導体株が軒並み大幅安。SOX指数は約8%下落した。ダウ平均は一時400ドル超下げたが、最終的には45.87ドル安と小幅反落。ナスダックは2.21%安と大幅続落し、S&P500も1%超下落した。AI関連銘柄への利益確定売りが強まり、半導体・メモリー株の下げが相場全体を押し下げた。背景には、AI向け巨額投資の持続性への疑念や、FRBがタカ派姿勢に転じたとの観測から金利高止まりへの警戒がある。これにより企業の借入コスト増が意識され、ハイテク株に売りが集中した。市場では「ハイテクに買いが偏った反動」との声も出た。一方、米6月PMIが予想を上回り、景気の底堅さが確認されたことで、ディフェンシブ株や景気敏感株の一部には買いが入った。個別ではキャタピラー、ハネウェル、ナイキ、ボーイング、アップルなどが下落。IBMは量子コンピューター開発促進の大統領令や投資判断引き上げを材料に5%高となり、メルク、ウォルマート、シャーウィン・ウィリアムズも上昇。前日まで下げが目立ったマイクロソフトやセールスフォースも買い戻された。

本日6月24日の東京株式市場では、日経平均株価は続落し、終値は前日比613円安の6万9174円となった。前日の米国市場でハイテク株が下落した流れを受け、東京市場でもAI・半導体関連株が大きく売られた。特に韓国総合指数(KOSPI)が朝高から下落に転じた場面では、日本株にも売りが波及し、日経平均は一時1300円超下落して6万9000円を割り込んだ。AI・半導体関連株の調整懸念が続くなか、米マイクロンの決算発表を控えた持ち高整理の売りが広がり、個人投資家の信用買い解消売りも下押し要因として意識された。東京エレクトロンや信越化学など主要半導体株が売られ、23日の大幅安に続き戻りの鈍さが鮮明になった。短期的には25日移動平均線付近までの調整余地を指摘する声もある。


AI・半導体関連株が大きく売られた背景にはAI投資の持続性への疑念がある。韓国SKハイニックスがHBM増産を急がずDRAM比率を高めるとの報道が出たほか、米市場ではメモリー関連ETFが14%安、AI半導体のセレブラスが時間外で急落するなど、関連銘柄に売り材料が相次いだ。米長期金利の高止まりがハイパースケーラーの巨額投資の採算性を圧迫するとの見方も根強い。

さらに、個人投資家の信用買い残が6兆4756億円と過去最高水準に近づき、信用倍率も6倍と偏りが大きい。AI・半導体株が反発する局面でも、信用買い解消売りが上値を抑えるとの警戒が出ている。

ただし、急ピッチの株高に乗り遅れた個人投資家の押し目買いが下値を支え、下げ幅は徐々に縮小した。東エレク、ディスコ、TDKなど主要半導体株が大幅安となり、先物主導で午後にかけて下げが加速した。24日夜に米マイクロンが決算発表を控えるなか、同業のキオクシアには売り買いが交錯した。一方、ソニーGやNEC、富士通など、半導体関連を買うための換金売りの対象とみられていた銘柄には買いが入り、相場の下支え要因となった。後場にはKOSPIが再び堅調に推移し、日経平均の下げも一服。ファーストリテイリングが上昇し、指数を押し上げた。市場では、半導体比率の高いKOSPIと日経平均の連動性が強まっており、今後もしばらくは韓国株の動向が日本市場の方向性を左右するとの見方が出ている。

今現在の市場の焦点は6月25日未明発表の米マイクロン決算に移っている。市場予想では売上高が前年同期比4倍の350億ドルと好調が見込まれる。決算通過後にはイベントリスク後退で日本株に見直し買いが入るとの期待もあるが、相場変動が大きい中で慎重姿勢の投資家も多い。


トヨタ株を取り巻く環境は逆風が強まっている。2月下旬の米国とイランの衝突を受けた原油高は原材料コストを押し上げ、利益率を圧迫した。停戦で原油は下落したものの、戦闘前の水準に戻るかは不透明だ。さらにインフレ懸念と米利上げ観測で米長期金利が上昇し、自動車ローン金利の上昇が消費者の購入意欲を冷やす可能性もある。こうした要因がトヨタ株の重荷となっている。

ただし、自動車関連株全体が不人気というわけではない。部品メーカーの一部はむしろ高い評価を受けており、日経平均を上回る上昇率を示している。代表例がニッパツで、株価は1年で2.5倍に達し、AIブームの恩恵を受ける電子部品メーカーとして再評価が進んだ。HDD向け部品で高いシェアを持ち、データセンター投資拡大が追い風となっている。PERは18倍と同業のTDK(33倍)より低く、割安感も意識されている。NGKも排ガス浄化製品が主力ながら、半導体関連部品の成長期待でPER20倍超と高評価を受ける。両社に共通するのは、自動車依存から脱し、新領域で収益源を確立した点だ。

日経平均の日足チャートを見ると、陰線で続落して、上向きの10日移動平均線に接触するところまで下げてきた。もし、明日、続落すると株価サイクル��(着実な上昇局面)は再び中断される。

33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、保険(1位)、非鉄金属(2位)、石油・石炭(3位)、銀行(4位)、鉱業(5位)となった。
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本日は長大陰線で急落したが、まだ株価サイクル��を維持している

06月24日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +148.01 @51,712.71, NASDAQ -351.33 @26,166.60, S&P500 -27.79 @7,472.79, SOX +292.94 @14,634.72)。ドル円為替レートは161円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が366に対して、下落銘柄数は1,154となった。騰落レシオは95.92%。東証プライムの売買代金は13兆7350億円。

TOPIX -105 @3,990
日経平均 -2,566円 @69,788円

米国では、NY株式市場は6月22日、高安まちまちで終了した。米・イラン交渉の進展観測を受けて中東リスクが後退し、原油先物WTIは74ドル台後半まで下落。原油安はインフレ懸念を和らげ、キャタピラーやJPモルガンなど景気敏感株が買われ、ダウ平均を押し上げた。一方、先週のFOMCでタカ派姿勢が示されたことから利上げ前倒し観測が強まり、米10年債利回りは4.50%へ上昇。金利上昇が株式相場の重荷となった。パキスタンとカタールは、米・イランが60日以内の最終合意に向けた行程表で合意したと発表。ホルムズ海峡の航行正常化や戦闘終結への期待が高まり、市場心理を支えた。原油安も株式の買い材料となった。しかし、上値は重かった。アルファベットではAI部門の研究者が退社しアンソロピックへ移籍するとの報道が出て大幅安。AI競争激化への懸念からアマゾンやマイクロソフトなどハイテク株にも売りが広がり、ナスダックとS&P500の重荷となった。市場では「原油安が続けばインフレ圧力は緩和する」との期待がある一方、金利上昇とハイテク株安が相場全体の上値を抑えた。

本日6月23日の東京市場では、日経平均は9営業日ぶりに反落した。小幅高で始まったもののすぐに下落へ転じ、韓国株の急落が投資家心理を冷やし、東証プライムの7割が下落した。前日比2565円安の6万9788円と大幅下落した。日経平均は8日続伸で8000円超上昇していた反動から、海外短期筋を中心に利益確定売りが膨らみ、AI・半導体関連株のモメンタム買いも一巡した。

後場には韓国KOSPIが半導体株主導で約10%急落し、日本株にも売りが波及して投資家心理が悪化した。大引けにかけては先物の手じまい売りが加速し、安値引けとなった。特にソフトバンクGが急落し、日経平均を大きく押し下げた。前日の米市場で傘下アームが大幅安となったことが嫌気され、東エレクやキオクシアなど半導体関連株にも売りが広がり、3銘柄で指数を1400円超押し下げた。

AI・半導体関連への先高観は根強いものの、短期的な急騰や資金集中への警戒感が強まり、利益確定売りが優勢となった。前日の米国市場ではダウ平均が小幅高だった一方、AI開発競争の激化を背景にアルファベットやマイクロソフトなどハイパースケーラー株が売られ、日本でもAI・半導体関連の買いが一服した。村田製作所や古河電工、ファナック、安川電機など幅広い関連銘柄が下落し、前日に時価総額60兆円に達したキオクシアも一時16%超下落した。一方、半導体株に比べて出遅れていた内需株には買いが向かい、陸運や食品株が堅調。フジクラは業績見通しの上方修正が好感され、見直し買いが続いた。全体としては、急ピッチの上昇の反動と外部環境の悪化が重なり、幅広い銘柄で調整が進む一日となった。

日経平均は22日までに8連騰し、8000円超上昇していたため、25日移動平均線からの乖離率は約9%と過熱感が強まっていた。市場では利益確定売りが出やすい局面との見方が広がって売り優勢となった。しかし、AIラリーが終わったとの見方はまだ少なく、企業業績は4〜6月期にさらに加速するとの期待も根強い。証券各社は強気の見通しを維持しており、シティは2026年末の日経平均予想を9万円に引き上げ、大和証券も8万円へ上方修正した。市場の焦点は24日発表のマイクロン決算で、好決算ならAIラリー継続の追い風になるとの見方が出ている。しかし、もし期待外れだった場合は・・・。


円安・ドル高が加速し、6月22日の欧米市場では一時1ドル=161円93銭と、1986年以来の水準に迫った。背景には米利上げ観測の強まりによる日米金利差の固定化があり、円売りが止まらない展開となった。その後、日米財務相がオンライン協議を行ったとの報道が流れ、円は161円06銭付近まで急反発したが、協調介入の可能性は低いとの見方が多い。日本経済が危機的状況にあるわけではなく、米国も円安そのものに対して行動する意図は乏しいとされる。市場では、24年7月の安値(161円96銭)を下回れば円安がさらに加速するとの警戒が強く、協議報道は円安の勢いを抑える狙いがあったとの指摘もある。6月23日の東京市場では161円60銭前後とやや円高方向に戻ったものの、テクニカル指標では円が「売られすぎ」の状態が続いており、依然として不安定な状況が続く。


日経平均の日足チャートを見ると、昨日、ザラバベースで史上最高値を更新したが、本日は長大陰線で急落した。ただ、株価サイクル��(着実な上昇局面)である。上向きの10日移動平均線及び25日移動平均線の上で推移する限りは、上昇トレンドは継続していると見る。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、電気機器(2位)、情報・通信(3位)、金属製品(4位)、機械(5位)となった。
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日経平均は8連騰で最高値を更新したが高値警戒感も・・・

06月23日
6月19日、先週金曜日の米国株式相場はジューンティーンス(奴隷解放記念日)の祝日のため休場だった。本日のドル円為替レートは161円台後半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が792に対して、下落銘柄数は727となった。騰落レシオは99.97%。東証プライムの売買代金は9兆8253億円。

TOPIX +50 @4,095
日経平均 +1,104円 @72,354円

先週末の米国は祝日のため休場だった。

本日6月22日の東京市場では、日経平均は22日、8日続伸して7万2353円と終値で初の7万2000円台に到達し、連日で最高値を更新した。米国とイランの最終合意に向けた協議が進展しているとの報道が投資家心理を強気に傾け、海外勢の先物買いやAI・半導体関連株への資金流入が相場を押し上げた。日経平均はこの8営業日で8000円超上昇し、AIラリーが相場を牽引し続けている。朝方は米ハイテク株高を受けてアドテストやキオクシアなどが買われ、日経平均は一時1500円超上昇。キオクシアは初の10万円台、フジクラは業績上方修正を材料に2日連続ストップ高となった。東エレク、イビデン、古河電など半導体・電線株にも買いが広がった。一方、急伸後の過熱感から利益確定売りも出やすく、後場は上昇が一服。ファストリ、セブン&アイ、太陽誘電、KDDIなどが下落した。日経平均の25日移動平均線からの乖離率は9%と「買われすぎ」水準に達し、ポジション偏りによる変動リスクも警戒される。

米・イラン協議では、パキスタンとカタールが60日以内の最終合意に向けたロードマップで一致したと発表し、イラン外相も戦闘終結に向けた進展を示唆。地政学リスク後退が相場を支えたが、トランプ大統領の強硬発言やイラン軍の海峡封鎖宣言など不安材料も残る。TOPIXも1.24%高の4095と最高値を更新した。

キオクシアホールディングスの時価総額が本日6月22日に一時60兆円を突破し、トヨタに次ぐ日本企業として歴代2社目の規模に達した。背景には、米ハイパースケーラーによるAIデータセンター向け設備投資の急拡大があり、同社が手がけるNAND型フラッシュメモリーの需要が急増していることがある。キオクシアの時価総額は16日に50兆円を超えてからわずか1週間弱で約10兆円増加し、AI半導体関連株への資金流入が加速している。同時に、光ファイバー製品を扱うフジクラが業績予想を上方修正し、最終減益予想から一転して最高益を見込むと発表したこともAI関連株の買いを強めた。こうした動きは、AI普及に伴うデータ処理・保存需要の急拡大が、半導体メモリーや関連部材の需要を押し上げていることを示している。東京エレクトロンは年初から時価総額が2倍強、村田製作所は4倍弱に増加するなど、半導体関連企業の株価上昇が顕著だ。一方で、半導体市況は需給変動が激しく、過去には供給過剰による大幅調整も繰り返されてきた。AI関連株の上昇ピッチが急であることから、短期的な過熱感を警戒するべきだろう。


本日はロボットを自律制御する「フィジカルAI」関連が相場を牽引し、ファナックが一時9%高、安川電機は11%高、ナブテスコやハーモニック・ドライブも大幅高となった。AI革命は、過去の産業構造を一変させた第1〜第3次産業革命に続く「第4次産業革命」として位置づけられつつある。米ハイパースケーラーによる巨額投資が続くなか、AIインフラや関連技術を担う企業には強い追い風が吹き、AI関連株への資金流入は一過性のブームではなく長期的潮流として定着しつつある。インターネット時代には米巨大テック企業が台頭したが、日本企業は十分に恩恵を受けられなかった。しかしAI普及にはハードとソフトの両面での革新が不可欠であり、製造業の裾野が広い日本には大きなチャンスがあるとの見方が強まっている。政府もAIを軸にした成長戦略を積極的に進めており、戦略17分野への官民投資総額は2040年度までに370兆円超、そのうちフィジカルAIには10.5兆円を投じる方針が報じられた。具体的な投資額が示されたことで、AIサプライチェーンにおける日本の存在感への期待が高まり、市場では政策支援を背景にAI関連株への買いが加速している。市場関係者は、政府が日本企業の強みを発揮できる分野に重点投資する姿勢を示したことで、AI革命の波に日本が乗る可能性が高まったと評価している。ただ、AI・半導体関連への資金流入が続く一方、相場は急伸しており、過熱感への警戒も残る。


半導体・AI関連株の上昇が続く中、リクルートHDが「AI活用銘柄」として新たに注目を集めている。従来はAIによる求人サービス競争激化やホワイトカラー雇用減少懸念から株価が軟調だったが、5月中旬の決算で2027年3月期の純利益が25%増と4期連続最高益を見込むと発表し状況が一変。主力の米求人検索サイト「インディード」でAIが適合人材を自動抽出する高単価プランが好調で、利益率改善が評価され株価は上場来高値圏にある。市場では半導体や電線など“AIツルハシ銘柄”が依然人気だが、AIで新サービス創出や収益改善を実現する企業の選別は進んでいない。リクルートの成功は、独自データを持つ医療系企業(JMDC、エムスリー、メドレー)や人流データ分析のunerryなど、AI活用で成長が期待される銘柄発掘のヒントになるとの見方が広がっている。

日経平均の上昇には、株主総会シーズン特有の「配当再投資」による需給改善期待が追い風となった。TOPIX構成企業が5月下旬〜6月末に支払う配当総額は約12.5兆円、そのうち6月22〜30日の1週間だけで7.6兆円が支払われる見通しだ。パッシブ運用は3月末の配当落ち時点で再投資を済ませているが、アクティブ運用や個人投資家は実際に配当が入金される6月下旬に株式購入へ動きやすく、需給改善の思惑が株高を後押しした。日経平均は23年8月以来の8連騰となり、AI関連を中心に業績拡大期待が強いことから「大きな売り材料が見当たらない」との声もある。急上昇への過熱感は指摘されるものの、相場に乗り遅れることへの不安(FOMO)から買いが入りやすく、当面は上昇基調が続くとの見方が多い。

日経平均の日足チャートを見ると、連日で最高値を更新し、終値ベースで初めて72,000円台に乗せた。ただ、日経平均の200日移動平均線からの上方乖離率は22日に34.68%となり、「買われすぎ」とされる20%を大きく超え、2013年5月以来の高水準に達した。ここまで乖離が拡大した例は歴史的にも少なく(1)1952〜53年の朝鮮戦争特需期と(2)2013年のアベノミクス相場のみだった。過去はいずれもその後に調整局面が訪れており、今回もその調整がいつ起こるかまではわからないが、意識していれば初動で一旦手仕舞いできる。

33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、ガラス・土石(2位)、電気機器(3位)、銀行(4位)、その他金融(5位)となった。
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当面の上昇エネルギー(追加の買い材料)は尽きたと見るが・・・

06月19日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +72.15 @51,564.70, nASDAQ +496.28 @26,517.93, S&P500 +80.48 @7,500.58, SOX +864.70 @14,341.78)。ドル円為替レートは161円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が648に対して、下落銘柄数は873となった。騰落レシオは96.21%。東証プライムの売買代金は14兆609億円。

TOPIX -23 @4,045
日経平均 +197円 @71,250円

米国では、米FOMCのタカ派姿勢を受けた前日の売りが一巡し、18日の米株市場では押し目買いが優勢となった。トランプ大統領がインテルとアップルの米国内での半導体設計提携に言及したことでインテルが10%超急騰し、エヌビディアやマイクロンなど半導体株にも買いが広がった。堅調な企業業績や良好な経済指標、AIインフラ需要への期待が相場を支え、長期金利の低下も投資家心理を改善した。ダウ平均は一時456ドル高まで上昇し、最終的に72ドル高で反発。ナスダック総合も約2%上昇し3日ぶりに反発した。米・イランが戦闘終結に向けた覚書に署名し、ホルムズ海峡の機雷除去や通航正常化が進む見通しとなったことで中東情勢の不透明感が後退。原油価格は一時73ドル台まで下落し、燃料高懸念の後退が株式の追い風となった。前日はFOMCのタカ派的な金利見通しで株価が急落したが、米・イラン合意がその影響を相殺したとの見方もある。ガソリン価格が4ドルを下回り、個人消費への懸念が和らいだことも買いを後押しした。全体として、半導体株を中心に市場が持ち直した一日となった。

本日6月19日の東京市場では、日経平均は19日、7日続伸して7万1250円と連日で史上最高値を更新した。前日の米ハイテク株高を受け、東京市場でもAI・半導体関連に買いが集まり、朝方はアドテストやキオクシアが急伸。日経平均は一時900円高に迫り、キオクシアは初の10万円台、フジクラは業績上方修正を材料にストップ高となった。ただ、買い一巡後は利益確定売りが優勢となり、日経平均は一時500円超下落して7万1000円を割り込む場面もあった。6日間で約6900円上昇していた反動に加え、東エレクなど指数寄与度の大きい銘柄が売られ、医薬品株や銀行株も軟調。ホルムズ海峡封鎖を材料に買われていた海運株も反落した。相場の重荷となったのは米・イラン交渉の不透明感だ。ロイターは、19日に予定されていた米副大統領とイラン側の会談が取りやめになったと報道。初回交渉の開催時期が不透明となり、市場心理を冷やした。大和証券は「急上昇後の週末を前に利益確定売りが出やすいが、調整は健全な範囲」と指摘する。一方、米国では18日にSOX指数が6%超上昇し、ナスダックも2%近く上昇。マイクロンの大幅高を受け、メモリー市況改善期待が日本株にも波及した。キオクシアやフジクラの上昇が象徴するように、AI関連の勢いは依然強い。ただしイビデンは割高感から反落し、短期的な過熱感も意識され始めている。総じて、AIラリーが相場を牽引しつつも、急騰後の利益確定売りや地政学リスクが上値を抑える展開となった。


国債市場では長期金利の上昇懸念が再び強まっており、新発10年国債利回りが年内に3%へ接近するとの見方も出ている。背景には、7月に公表予定の「骨太の方針」や消費税減税論議など、財政悪化を意識させる材料が重なっているためだ。5月には補正予算を巡る財政懸念から利回りが2.8%まで上昇したが、その後は一服。しかし、米・イラン対立の緩和や日米の金融政策イベント通過で市場環境が改善したにもかかわらず、国内投資家の国債買いは慎重姿勢が続く。銀行は預金余力の乏しさから長期債の購入を控え、中期債に資金を振り向ける動きが強い。超長期債の主要買い手である生保も「必要な分だけ買う」姿勢にとどまり、積極的な買いは見られない。市場が最も警戒するのは骨太方針の内容で、財源が不透明な成長戦略や積極財政色が強まれば、国債増発懸念から金利上昇圧力が高まる可能性がある。専門家は、財政政策が「量から質」へ転換できるかが焦点と指摘する。新たな投資枠の財源設定や、中期財政計画が将来の利払い費増加をどこまで織り込むかが金利動向を左右する。市場は政策次第で金利がさらに上昇するリスクを意識し、慎重な姿勢を崩していない。


日経平均の日足チャートを見ると、7日連騰したが、上下にひげを引いた短陰線で終えた。この7日間で初めての陰線となった。25日移動平均線乖離率が8.4%まで拡大しており、6月3日の8.8%に近づいている。5月7日は10.0%まで拡大したがさすがにその後は1週間ほど横ばいが続いた後に調整し始めて上向きの25日移動平均線に接するまで下げた。したがって、過去の例から判断するともう少し上げる余地は残っているが、当面の上昇エネルギー(追加の買い材料)は尽きたと見るが、さて、来週はどう動くか。

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、銀行(1位)、精密機器(2位)、その他金融(3位)、医薬品(4位)、海運(5位)となった。
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N字目標値で考えると、後900円ほど上昇余地が残っている

06月19日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +507.12 @51,492.55, NASDAQ -354.69 @26,021.66, S&P500 -91.25 @7,420.10, SOX +182.85 @13,477.07)。ドル円為替レートは前日比円安ドル高の160円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が937に対して、下落銘柄数は579となった。騰落レシオは98.30%。東証プライムの売買代金は11兆8691億円。

TOPIX +55 @4,068
日経平均 +1,151円 @71,053円

米国では、米FOMCでは政策金利が4会合連続で据え置かれたものの、参加メンバーの金利見通しは年内の利上げを示唆し、2026年末の中央値も0.25%分引き上げ方向となった。就任後初会見のウォーシュFRB議長も物価安定への強い姿勢を繰り返し、想定よりタカ派的との受け止めが広がった。これを受け米10年債利回りが急上昇し、株式市場のセンチメントが悪化。ダウ平均は一時上昇したが終盤に急反落し、507ドル安で終了。ナスダックも1.34%下落した。
声明文は簡素化され、フォワードガイダンスが削除されるなど政策運営の見直し姿勢も示されたため、市場は新議長体制の方向性を見極めようとするムードが強まった。さらに、トランプ大統領がイランとの戦闘終結合意は「最終決定ではない」と述べたことで地政学リスクが再燃し、原油先物の上昇も株売りを誘った。

一方、5月の米小売売上高が市場予想を上回り、消費の底堅さが確認されたことは相場の下支えとなった。前日に売られた半導体株の一角が買い戻され、インテルが3%高となるなど個別材料もあったが、全体としてはタカ派FOMCと金利上昇が重荷となり、主要株指数は軟調な展開となった。

本日6月18日の東京市場では、日経平均は連日で史上最高値を更新、初めて7万円・7万1000円台に到達した。米国株全体は軟調だったものの、半導体株が上昇した流れを受け、東京市場でも東エレクやSBG、イビデンなどAI・半導体関連に買いが集中した。米国とイランが戦闘終結の覚書に正式署名したことで中東情勢の緊張が和らぎ、原油安による景気下振れ懸念の後退も投資家心理を押し上げた。

午前中の買い一巡後は、7万1000円突破による達成感から国内勢の利益確定売りが出て伸び悩んだ。また、FOMCが公表したドットチャートが年内利上げ転換を示唆したことで、米金融政策への警戒感が上値を抑えた。それでも海外投資家の先物買いと主力株物色が相場を支え、日経平均は大台を維持して取引を終えた。


日経平均は18日、終値で初の7万円台に到達し、7万1053円と連日で最高値を更新した。4月末に6万円を突破してからわずか2カ月弱での大台替わりで、過去最速のペースとなった。背景には、AI需要の急拡大が企業業績の改善期待として具体化し始めたことがある。米国市場では主要指数が下落する中でも半導体株が上昇し、東京市場でも東エレクやSBG、イビデンなどAI・半導体関連に買いが集中した。

また、米国とイランが戦闘終結の覚書に正式署名したことで中東情勢の緊張が緩和し、原油安を通じて景気下振れ懸念が後退。海外投資家の先物買いも相場を押し上げた。日経平均は2009年のバブル崩壊後安値から10倍に達し、2025年末からの上昇率は41%と主要国で突出している。

大台替わりのスピードは加速しており、3万円から4万円まで3年超、5万円までは1年8カ月かかったが、6万円から7万円までは2カ月弱だった。市場予想ではTOPIX構成企業のEPSが26年に16%増、27〜28年も2ケタ成長が続く見通しで、株高の持続性はAI関連の収益成長が維持されるかにかかっている。


日経平均の上昇ペースは大方の想定を上回るものの、その背景にはAIインフラ需要の急拡大が企業業績を押し上げているという確かな根拠がある。供給不足の分野では顧客が「価格はいくらでもよいから確保したい」という状況になりやすく、日本企業も慎重姿勢を保ちながらも、需要の確実性を確認しつつ増産に動き始めている。数量増と単価上昇が同時に進む局面にあり、成長はまだ株価に織り込み切れていないとの見方から、日本株に強気の姿勢が続く。

AI関連の過剰投資を懸念する声もあるが、主要テクノロジー企業にとってAIインフラ投資を止めることは競争力の喪失につながるため、当面は需要が堅いとみられる。半導体製造装置や部品・素材など、日本企業が強みを持つ領域は世界のAIインフラを支える存在であり、需要の継続性が高い。

一方、日本の投資家は長期の横ばい相場を背景に「割安株志向」が根強く、株価上昇局面では割高感を警戒しがちだ。しかしAI関連株は景気循環株ではなく、参入障壁と価格決定力を持つ成長株として捉えるべきで、来期・再来期の業績を踏まえれば割高とは言えない。さらにM&Aの進展が競争過多を抑え、収益性改善にも寄与している。


米ゴールドマン・サックスは、マイクロソフトなど米大手4社のハイパースケーラーによる設備投資が2030年までに累計5.3兆ドル(約850兆円)に達すると予測しており、AIインフラ投資の巨大さが改めて示された。BNPパリバAMのライリー氏は、2000年前後のITバブルと異なり、今回は「AIを使いたい」という即時の需要が存在し、投資が無駄になりにくい点が決定的に違うと指摘する。

日本企業はAI投資の恩恵を受ける裾野が広く、素材・部品など“ツルハシ銘柄”が強みを発揮している。半導体成膜に使うスパッタリングターゲットで世界シェア6割を持つJX金属は株価が2.2倍に上昇。村田製作所もAIサーバー向けMLCC需要が急増し、27年3月期の純利益は25%増の2930億円を見込む。決算を機に評価が急上昇し、株価は4月末から2.4倍となった。

AIインフラ拡大という世界的潮流の中で、日本の素材・部品メーカーが存在感を高めている構図が鮮明になっている。

日経平均の日足チャートを見ると、6月16日の寄り付きから再び株価サイクル��(着実な上昇局面)に戻って以来強い上昇基調が続いている。5月20日安値@59,292円から6月3日高値@68,786円までの上昇幅(9,476円)をN字目標値とすると、6月11日安値@62,477円から6月18日高値@71,053円まで8,576円の上昇なので、まだ900円ほど上昇余地がある。「高所恐怖症」が出てきそうな勢いだが、スウィング・トレーダーような短期トレーダーは「音楽が鳴り続ける限り、踊り続ける」ことが収益を最大化できる。例え、どこかの時点で売り手仕舞いしたとしても、さらに株価が上がるならまた飛び乗ればよい。一応予想はするが、その予想が結果的に外れることは多いので、その予想誤差は建玉法(偃月殺法⇒二刀流燕返し)で修正し続ける。

33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、サービス(2位)、電気機器(3位)、精密機器(4位)、食料品(5位)となった。
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原油価格の急落を好感して買い優勢が続く

06月18日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +328.64 @51,999.67, NASDAQ -307.60 @27,376.34, S&P500 -42.94 @7,511.34, SOX -805.41 @13,294.22)。ドル円為替レートは160円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が931に対して、下落銘柄数は578となった。騰落レシオは95.44%。東証プライムの売買代金は10兆4130億円。

TOPIX +22 @4,013
日経平均 +498円 @69,902円

米国では、米国とイランの和平合意を受けて原油価格が急落し、景気悪化懸念が後退したことで、金融など景気敏感株が買われる一方、半導体中心のハイテク株には利益確定売りが強まった。WSJ報道で米国がイランの石油販売再開を認める見通しと伝わり、NY原油先物は80ドル台後半から一時75ドル台半ばまで下落し、76.05ドルで終了した。原油安と長期金利低下が株式の割高感を和らげ、ダウ平均は一時500ドル超上昇した。米・イランは戦闘終結に向けた覚書に合意し、19日に署名予定で、WTI先物は75ドル台まで下落した。原油高による景気悪化懸念が薄れたことで、景気敏感株や消費関連株が買われ、金利低下も株式買いを後押しした。

本日6月17日の東京市場では、米国とイランが戦闘終結に向けた覚書に署名し、原油先物相場が続落したことで、物価上昇や景気減速への懸念が後退し、株式相場全体を支えた。前日の米ハイテク株安にもかかわらず、AI・半導体関連株に押し目買いが入り、相場を押し上げた。東京エレクトロン、イビデン、レーザーテックの寄与が大きく、プライム市場の6割が上昇。TOPIXは史上初の4000台に乗せた。原油安を背景に景気敏感株が買われ、AI・半導体株にも押し目買いが入り、建設株や防衛関連株が上昇した。日経平均は一時700円超上昇し、取引時間中に再び7万円台に乗せた。一方で、日経平均は200日移動平均線からの乖離率が30%超と過熱感が強く、急ピッチの上昇に対する警戒も残る。

ホルムズ海峡封鎖の解除やイランの核開発放棄の確約など、合意内容が報じられたことで地政学リスクが和らぎ、買い安心感が広がった。日銀会合や米スペースXの大型IPOなど重要イベントが波乱なく通過したことも市場心理を改善した。さらに、6月後半に向けて3月期企業の配当支払いが相次ぎ、受け取った配当金の再投資が需給面で相場を支えたほか、株高に乗り遅れることへの不安(FOMO)から買いを入れる投資家も増え、上昇を後押しした。


旺盛なAI関連需要によりイビデンの株価上昇トレンドが著しいが、イビデンの株価上昇はAI需要だけでなく、積極的なIR活動による海外投資家の開拓が大きく寄与している。IR責任者の水谷氏はLinkedInを活用し、北米を中心に投資家との接点を急拡大。面談後も継続的に関係を築き、アカウント開設から1年で180人超とつながった。27年3月期には経営陣を含め2100社と面談する計画で、3年前の5倍に達する。

イビデンはエヌビディア向け基板を寡占しているとされ、株価は5年で8倍に上昇した。社長就任後、河島氏はIRを経営の重点施策に位置づけ、海外投資家からの信頼を高めた。外国人投資家比率は3割超で安定し、今後さらに引き上げる方針である。PERは100倍超と高水準だが、経営陣との対話を通じて長期成長への理解が深まり、投資家が高い評価を許容している。5月には31年3月期の売上目標を1兆円へ引き上げ、3年間で5000億円を投じる大型投資計画も発表。慎重だった同社が成長余地を再確認し、株高を持続させる基盤を築いている。


レーザーテクが急反発し(+13.16%)、株式分割考慮ベースの上場来高値を更新して初の5万円台に乗せた。最先端の「極端紫外線(EUV)露光装置」を世界で唯一手がけるオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが生産能力を拡大していることが17日、伝わった。レーザーテクはEUVに対応したマスク欠陥検査装置を手掛けており、連想買いが集まっているようだ。

米イラン合意により運賃が正常化する(=運賃引き上げ期待が後退した)との思惑から海運株が安い。郵船は一時、前日比185円(3.38%)安の5281円まで下がった。米国とイランが戦闘終結で合意したと伝わり、運賃引き上げの思惑が後退したことが材料視されている。同様に商船三井(9104)や川崎汽(9107)も安い。

みずほFG株価が反発(+3.21%)して年初来高値を更新し、18年ぶりの高値更新となった。株式分割考慮ベースで2007年7月以来、18年11カ月ぶりの高値水準となる。日銀が利上げを決めた金融政策決定会合後、16日夕に記者会見した内田真一副総裁が「利上げを続けて基調的な物価上昇率を2%に着地させる」と利上げ継続の姿勢を示したことが買いを誘っている。前日の米株式市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にJPモルガン・チェースなどが買われたのも追い風に、三菱UFJと三井住友FGも上昇している。

米国とイランの戦闘終結合意を受け、ホルムズ海峡からの原油供給が正常化するとの見方が強まり、原油価格が急落している。中東産の指標であるドバイ原油は17日に1バレル71ドルと、軍事衝突前の2月以来の安値を記録。北海ブレント先物やWTIも3月以来の水準まで下落した。トランプ大統領が合意をSNSで発表して以降、各国の報道が相次ぎ、市場は供給増を織り込み投げ売りも発生している。ゴールドマン・サックスは中東からの輸出正常化時期を前倒しし、ブレント価格見通しを90ドルから80ドルへ引き下げた。一方で、署名内容の不確実性や海峡の安全確保には依然リスクが残る。和光大学の岩間教授は「供給の実態は変わっておらず、市場は過剰反応」と指摘している。HSBCは署名が遅れればブレントが90〜100ドルに再上昇する可能性もあるとみており、原油市場は楽観と警戒が交錯する状況となっている。


日経平均の日足チャートを見ると、本日も陽線で続伸し、これで6月11日から5営業日連続陽線で上昇している。いつまでも上げ続けることは決してなく、早晩、利食い売りが優勢となり、調整が入るはずだ。しかし、依然として先高観が根強いため、調整は短く、且つ、浅いと見ている。

いい水準まで上げてきて、直近の数週間では上ひげが多くなってきたので、三菱UFJは本日、一旦全玉利食り切りました。

33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、ガラス・土石(1位)、機械(2位)、精密機械(3位)、電気機器(4位)、繊維製品(5位)となった。
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続伸したが「赤三兵思案星」の罫線

06月17日
昨日の米国株式相場は大幅続伸した(DJIA +468.77 @51,671.03, NASDAQ +795.10 @26,683.94, S&P500 +122.83 @7,554.29, SOX +728.15 @14,099.62)。ドル円為替レートは160円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が449に対して、下落銘柄数は1,079となった。騰落レシオは95.34%。東証プライムの売買代金は11兆9079億円。

TOPX -8 @3,991
日経平均 +87円 @69,405円

米国では、 米国とイランが戦闘終結で合意し、トランプ米大統領は「覚書はすべて署名され、ホルムズ海峡は部分的に解放されている」などと述べた。ただ、覚書の詳細の公表は19日より後になる可能性も示唆した。覚書にはホルムズ海峡の即時解放や米軍による海上封鎖の解除などが含まれる。原油先物相場(WTI期近7月物)は前週末比で6%余り下げ、期近物としては3か月ぶりに一時1バレル=80ドルを割り込む場面があった。インフレ懸念及びその結果としての米利上げ観測が後退したため、米長期金利は前週末比で0.06%低い4.42%を付けた。6月12日に上場したスペースXが19%高で引けたことも好感されて、米株式相場を押し上げた。

本日6月16日の東京市場では、日経平均は小幅続伸して、ザラバで一時70,000円台に乗せた。日銀は16日まで開いた金融政策決定会合で、追加利上げ(政策金利の誘導目標をを0.75%から1.0%へ引き上げる)と国債買い入れ減額を2027年4月に停止することを決めたが、想定通りの内容だった。結果発表直後は海外投機筋など投機的な先物買いが入り、日経平均の上げ幅は700円超に拡大して70,000円台に乗せた。しかし、目標達成感からき急速に売りが増えて上げ幅を縮小させた。

日銀が買い入れ額の減額を停止した。これは何を狙いとしているのだろうか。もし、減額ペースを速めると金利上昇圧力が増すことなる。月間買い入れ額を2027年春以降も維持したとしても、日銀が保有する国債残高は減少して行くため、金利を押し上げる力になる。しかし、買い入れ額の減額を停止すれば金利の上昇速度は穏やかになる。日銀はこれを狙っている。それでも、現在の日銀のスタンスから察すると、10〜12月の金融政策決定会合で追加利上げを実施しそうである。

目立った動きとして、キオクシアは連日で上場高値を更新し、時価総額は50兆円台に入った。他方、政策金利の1.0%への利上げはすでに株価に織り込み済みだったため、材料出尽くし感から三菱UFJなど銀行株は売り優勢となり下げた。今回の利上げは2025年12月の金融政策決定会合以来4会合ぶりで、1.0%の政策金利は1995年以来31年ぶりの高さとなった。一旦売り優勢となったが、金利は今後数年間先を考えると、上がることはあっても利下げはまずないだろう。したがって、上げ下げを繰り返しながら株価水準は上を目指し続けると見る。

米政府高官はホルムズ海峡を通航料なしで60日間開放すると説明した。つまり、今回合意した内容は60日間の停戦に過ぎないことに留意する必要がある。イランの核開発を巡っては、双方の主張に大きな隔たりがあるためだ。調印式は6月19日にスイスで正式に行われる予定である。

外為市場では、日銀が追加利上げを決定しても円高ドル安方向には動いていない。なぜか。それは今回の利上げ後でも日本の実質金利(=政策金利マイナス物価上昇率)が大幅なマイナス圏(マイナス1.8%程度)に沈み込んだままだからである。それに対して、米国の実質金利はマイナス圏だがマイナス幅が日本よりはるかに小さい(マイナス0.7〜0.45%)。

日経平均の日足チャートを見ると、続伸したが上ひげを引いた短陽線で終えた。6月11日を起点とすると3連続陽線で急上昇した後、上ひげを引いた短陽線が続き、「赤三兵思案星」の罫線となった。この罫線パターンはこれ以上の上値は重いことを暗示するが、株価材料次第では経験則は吹き飛ぶことも珍しくない。さて、経験則通りに動くか、それとも新たな好材料が飛び出してきてさらに続伸するか?

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、卸売り(2位)、建設(3位)、不動産(4位)、電気・ガス(5位)となった。

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株価サイクル��(着実な上昇局面)に戻った

06月16日
先週金曜日の米国株式相場は続伸した(DJIA +353.51 @51,202.26, NASDAQ +79.18 @25,888.84, S&P500 +37.16 @7,431.46, SOX +200.03 @13,371.47)。ドル円為替レートは160円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,090に対して、下落銘柄数は434となった。騰落レシオは97.64%。東証プライムの売買代金は11兆4601億円。

TOPIX +117.64 @4,000
日経平均 +3,297円 @69,318円

米国では、ナスダックに新規上場したスペースXが公開価格(135ドル)を大きく上回り、終値でも19%高と急上昇した(160.95ドル)。これによりスペースXの時価総額は2兆ドル(約320兆円=トヨタ自動車の7倍)を超えた。さらにイーロンマスク氏は史上初のトリオネアー(1兆ドルを超える個人資産所有者)となった。米国とイランの戦闘終結交渉が最終的に近々合意すると報道され、原油先物相場(WIT期近7月物)が5%急落して、4月中旬以来の安値を付けた。これらの支援材料により相場全体のセンチメントは明確に「リスクオン」へ切り替わり、株式相場の押し上げ要因となった。また、6月ミシガン大米消費者態度指数(速報値)が48.9(>5月44.8、過去最低水準;市場予想46.0)と改善したことも株価を支えた。主要3株価指数は揃って上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も上昇した。

本日6月15日の東京市場では、ホルムズ海峡の開放期待からニューヨーク原油先物相場が下落して(1バレル=80ドルまで)インフレ懸念が後退したことを材料に、幅広い銘柄がが買われた。インフレ懸念和らげば、長期金利は下がる。長期金利が下がるとハイテク成長株が買われるのが原理原則である。ソフトバンク・グループ、東京エレクトロン、アドバンテスト、イビデン、TDK、太陽誘電の上昇が目立った。後場になるとキオクシアも上げ幅を拡大した。原油安からメリットを受けるJALやANAなど空運も買われ、資材価格の高騰が収まるとの見通しから、足元で売られていた大成建設や鹿島など建設株も買い戻された。景気敏感株とされる自動車株や金融株も買われた。日経平均は終値ベースで3,297円(4.99%)上昇して初めて69,000円台を付けた。本日の上げ幅は歴代第2位となったが、上昇率で見ると歴代20位にも入らない。

原油相場が下げるとインフレ懸念が和らぎ、金利が下がる。金利が下がると相対的に金利を稼げない金(ゴールド)の魅力が増し、価格が上がるのが原理原則であり、その通り、ロンドン現物価格は一時1トロイオンス=4,300ドル台(先週末比3%上昇)となった。先週末に米国とイランの戦闘終結を巡る合意の可能性は既に報道されいたが、これまで37回も「合意は近い」と主張していたのに、結果的に期待が裏切られていたため、マーケットの大半は半信半疑だっただろう。今回はトランプ大統領側だけでなく、他の関係者からも発信されたので、マーケットはその情報の正確さを信じた。ただ、原油供給の正常化には数か月から半年はかかるとの見方が主流であり、その結果、その間、原油価格も高止まりする可能性が高い。さらに、このまま戦闘が再開せずに、ペルシャ湾内を船舶が安全に航行できるかどうかという懸念も残る。

日経平均の日足チャートを見ると、長大陽線で続伸して10日移動平均線の上に再浮上し、最高値を易々と更新した。これにより株価サイクル��(着実な上昇局面)に戻った。

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、空運(1位)、金属製品(2位)、建設(3位)、電気機器(4位)、機械(5位)となった。
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米国株の大幅高で日本株も大幅高に

06月13日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +929.97 @50,848.75, NASDAQ +640.16 @25,809.66, S&P500 +127.31 @7,394.30, SOX +964.97 @13,171.44)。ドル円為替レートは160円台前半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が964に対して、下落銘柄数は555となった。騰落レシオは95.44%。東証プライムの売買代金は12兆7697億円。

TOPIX +52 @3,882
日経平均 +1,803円 @66,020円

米国では、トランプ大統領が予定していたイランへの攻撃を中止し、近日中に戦闘終結に向けた最終合意書に署名する意向を示した。トランプ大統領はイラン側が最高指導部レベルで協議の内容を承認したと言い、最終的な合意内容はイスラエルや中東イスラム諸国を含むすべての当事者が承認したと主張した。署名の日時と場所については近く公表すると言った。これにより米原油先物価格(WTI期近7月物)が前日比2.6%低下して1バレル87.71ドルで終え、株式相場を押し上げた。米5月生産者物価指数(PPI)は前月比で1.1%上昇した(>予想0.7%)。しかし、食品とエネルギーを除くコア指数は市場予想(+0.5%)を下回って+0.4%だったため、インフレ高進懸念が和らぎ、米長期金利が低下したことも株価を押し上げる力となった。こういう状況だったので、前日に急落した半導体銘柄をはじめとするハイテク銘柄が割安感から押し目買いで買い戻された。ダウ平均株価の上げ幅は一時1,000ドルを超えた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.91%も上昇した。

本日6月12日の東京市場では、米国とイランの戦闘終結への期待から前日に米ハイテク株を中心とした米国株の大幅反発の流れを受けて、日本株もハイテク株を中心に買い優勢となり、日経平均の上げ幅は一時2,800円を超え、67,000円台に乗せる場面があった。東京エレクトロンやアドバンテスト、キオクシア、ソフトバンク・グループ(SBG)の4銘柄だけで日経平均を約1,200円押し上げた。また、ハイテク株比率が高い韓国総合株価指数(KOSPI)も大幅高になり日本株の上昇を支えた。さらに米国東部時間6月12日(日本時間今夜)に予定されている米宇宙会社スペースXの大型新規株式公開(IPO)(21億8500万ドル=約3,470億円は日本国内で調達)で株を買うために行われていた既存保有銘柄の換金目的の売りも一巡したとみられる。他方、積層セラミックコンデンサー(MLCC)を製造する村田製作所や太陽誘電などが急失速して日経平均の上値を抑えた。

半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスは7%強高となり、時価総額が44兆円台に乗せた。43兆円のトヨタ自動車を抜いて日本一の時価総額となり、AI半導体が日本の産業の主役になったことを内外に知らしめた。米国市場でインテルが急伸したことを受け、インテルを主要居客に持つイビデンも上げたが、注目を集めたのは半導体製造装置用部品を手掛けるマルマエ、日本マイクロエニクス、三井金属などAI・半導体関連銘柄が際立った上昇を見せた。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップアップして始まると、さらに上値を追いかけて陽線で伸びたが、上値では売りが強く、押し戻されて上ひげを引いた陽線で終えた。終値ではやや下向きの10日移動平均線に接するところまで戻してきた。米国市場でスペースXが初値がついてからさらに上に行くのか、或いは、市下に行くのかに注目している。

33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、機械(2位)、鉄鋼(3位)、化学(4位)、金属製品(5位)となった。
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終値ベースで辛うじて25日移動平均線の上を維持

06月12日
昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -953.33 @49,918.78, NASDAQ -509.32 @25,169.50, S&P500 -119.66 @7,266.99, SOX -451.35 @12,206.46)。ドル円為替レートは160円台半ばの前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が538に対して、下落銘柄数は987となった。騰落レシオは92.89%。東証プライムの売買代金は11兆2563億円。

TOPIX -17 @3,830
日経平均 +38円 @64,217円

米国では、トランプ大統領がイランへの攻撃を示唆し、中東情勢の緊迫化が再び激化した。イランはホルムズ海峡を完全封鎖したと宣言した。その結果、原油相場が上昇して株価を下押しした。さらに、今週末にはスペースXの超大型IPOを控えており、既存保有銘柄の一部を売却してスペースX株を買う資金を作ろうとする動きもあった。そして、通奏低音は少し前まで続いた人工知能(AI)・半導体関連銘柄への集中投資と急上昇からくる高値警戒感から利益確定売りが優勢に転じた相場全体の流れである。これに力をさらに貸したのが、5月米消費者物価指数(CPI)の総合指数が3年ぶりに4%を超えた(市場予想とほぼ一致したが)ことである。これにより米連邦準備制度理事会(FRB)が次期FOMCで追加利下げを実施する可能性はほぼ消滅し、むしろ年内に利上げに転じる可能性さえ浮上してきた(年内の利上げ確率は7割)。理論的に金利上昇は高PERのハイテク銘柄の株価を低PER銘柄よりも急速に押し下げる。主要3株価指数もフィラデルフィア半導体株指数(SOX)もすべて揃って大幅下落した。スペースXのIPOの次は、AI新興企業のアンソロピックのIPOも、さらに、オープンAIのIPOも控えている。それらの超大型新規上場銘柄に一部でも乗り換えるために、既存保有銘柄が大量に売られることは容易に想像できる。

本日6月11日の東京市場では、前日の米国株の大幅下落の流れを受けて、売りが優勢となり日経平均の下げ幅は一時1,800円を超える場面があった。しかし、売りが一巡すると人工知能(AI)・半導体関連銘柄の一角(東京エクトロン、イビデン、村田製作所などに加え、味の素やTOPPANも)に押し目買いが入り、下げ幅を縮小し始め、遂には上昇に転じて一時200円超高くなった。明日6月12日(金)のメジャーSQ算出を控え、海外投機筋による思惑的な売買が乱高下をもたらしたとの観測があった。トヨタ自動車など自動車株や三菱UFJなど銀行株、豊田通商など商社株の一角も売られた。

フジクラ株は、AIデータセンター向け需要で急騰していた反動から下落が止まらず、5月14日の上場来高値から1カ月足らずで半値となった。決算で示した2027年3月期の業績予想が市場予想を下回り、原材料調達リスクも嫌気されたことが急落の引き金となった。続く新中期経営計画も市場の期待に届かず、株価下落に拍車がかかった。さらに日米のAI・半導体関連株の調整が進み、地合い悪化も影響している。株価は26週移動平均を割り込み、信用倍率も高水準で需給悪化が顕著だ。PERは同業他社より割高で、割高感が下落率の大きさにつながっている。一方で、情報通信事業の成長余地は大きく、業績予想は保守的との見方もある。中長期では追い風が続くが、過熱感の反動と需給悪化により調整が長引く可能性がある。

トヨタ株は下落が続き、11日には年初来安値を更新し、2026年に入ってからの下落率は2割近くに達した。中東情勢の悪化で生産や供給網への影響が懸念され、27年3月期の営業利益が前期比20%減となる見通しも重荷となっている。株価は2月の高値から右肩下がりで、PBRは0.81倍と14年半ぶりの低水準に低下したが、割安でも買い手は乏しい。投資家の関心はAI・半導体株に集中し、自動車株は敬遠されている。アクティブ投信でも自動車の保有比率が引き下げられ、トヨタを組み入れ上位から外す動きもみられる。円安にもかかわらず、株価が織り込む先行き不安は震災・洪水・超円高が重なった2011年並みに強い。もっとも、過去には割安感を背景に反発した例もあり、米・イラン情勢が落ち着けば買われやすくなるとの見方もある。

日経平均の日足チャートを見ると、ザラバで上向きの25日移動平均線を大きく割り込んだが、売りが一巡すると切り返し始めて、長い下ひげを引いた陽線で終え、前日比小幅高で引けた。終値ベースで辛うじて25日移動平均線の上を維持した。首の皮一枚で繋がっている。

33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、証券(2位)、非鉄金属(3位)、建設(4位)、銀行(5位)となった。
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株価サイクル�ァ蔽綣造焚射遒鮖遒攻斌漫砲貌�る目前

06月11日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +86.10 @50,872.11, NASDAQ -250.84 @25,678.82, S&P500 -19.08 @7,386.65, SOX -248.89 @12,657.81)。ドル円為替レートは160円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方がやや多かったが、株価指数は反落した。東証プライムでは、上昇銘柄数が835に対して、下落銘柄数は694となった。騰落レシオは99.39%。東証プライムの売買代金は11兆3336億円。

TOPIX -49 @3,848
日経平均 -1,237円 @64,179円

米国では、前日に反発した人工知能(AI)・半導体関連銘柄が再び売られて大きく下げた。前週、米半導体大手ブロードコムが決算で、人工知能(AI)向け半導体の売り上げ見通しが市場期待に反して据え置いた。マーケットは当然、上方修正すると期待していたが、その期待が裏切られた。そのショックは凄まじく、人工知能(AI)・半導体関連銘柄の総崩れとなった。ある程度下げると値ごろ感から自律反発狙いの押し目買いが入り反発するが、多くの場合、その反発エネルギーはすぐに枯渇して再び売り優勢の展開が続くことが定石である。さらに、株式相場の下落を促しているのが、米連邦準備制度理事会(FRB)は、中東情勢の悪化が(=トランプ大統領が)招いている物価上昇を抑えるために、次回のFOMCで今まで株価上昇の原動力だった追加利下げを見送り、さらに年内に利上げを開始するのではないかという観測まで強くなっていることである。また、中東情勢で再びイランと米国の戦闘が小規模ではあるが始まり、先行きが依然として不透明である。米軍のヘリコプター1機が8日の夜、ホルムズ海峡でイラン軍に撃墜された。トランプ大統領は報復を示唆した。半導体銘柄が大きく下げたため、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%下げた。

トランプ大統領の中東情勢を巡る発言は、よくも恥ずかしくもなく「大本営発表」を何十回と繰り返しているなあと呆れるを通り越して、今ではその厚顔無恥ぶりに「賞賛」さえしたくなるほどである。トランプ大統領は8日にイランとの交渉が最終段階にあり、今度2〜3日中に合意に達する可能性があると言及した。マーケットはまた騙されたが、彼がイランとの合意は近いと主張した回数は「37回」に上る。そのたびにマーケットは騙されて、原油相場は下がり、株価は上がった。

本日6月10日の東京市場では、前日の米国市場でのハイテク株安と中東情勢の緊迫化(米軍がイランに「自衛攻撃」を開始)を受けて、人工知能(AI)・半導体関連銘柄の一角(アドバンテスト、ソフトバンク・グループなど)や株価指数先物の売りが優勢となった。ただ、東京エクトロンとSCREENはホールディングスは買われた。キオクシアも大きく売られ、村田製作所や太陽誘電などの電子部品銘柄、フジクラ、古河電工、住友電工など電線銘柄も売られた。また、日本時間の10日夜に発表される5月の米消費者物価指数(CPI)を控えて、持ち高調整する動きも加わり、日経平均の下げ幅は一時1,600円を超える場面もあった。12日(金)は株価指数先物とオプションの清算日が重なるメジャーSQ(特別清算指数)算出を控えているため、先物主導で値動きが荒くなった。

日銀の利上げが確実視されるため、利ザヤ拡大により収益が膨らむとの期待から銀行株は買われて小幅高となった。AIがロボットや機械を自律的に制御する技術「フィジカルAI」関連銘柄も売られており、25日移動平均線を割り込む銘柄が相次いでいる。安川電機は25日移動平均線乖離率がマイナス12%、ファナックもマイナス13%まで下方乖離してきたため、割高感が急速に緩和して来ている。「フィジカルAI」が次の大波の一つになると見ているので、下げ止まるのを待ち、徐々に仕込み始めようと虎視眈々と監視している。

イランの気になる動きが報じられた。世界の注目は今までホルムズ海峡だったが、イランが紅海の出口にあたるバベルマンデブ海峡の封鎖も示唆したのだ。ホルムズ海峡の迂回ルートであるバベルマンデブ海峡も封鎖されることになると世界への原油供給は一段と細ることになり、当然、原油価格を押し上げる。もしそれが現実となれば、90%の原油を中東に依存する日本にとっては大打撃となる。

日経平均の日足チャートを見ると、下ひげを引いた陰線で反落して、昨日の反発を完全に打ち消した。上向きの25日移動平均線が支持線として意識されるが、本日現在ではそれが辛うじて機能している。しかし、米国株の大幅下落が続けば、25日移動平均線を割り込むことはほぼ確実であり、さらに下げると25日移動平均線の傾きは下向きに転じる。すると株価サイクル�ァ蔽綣造焚射遒鮖遒攻斌漫砲貌�る。

33業種中18業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、その他製品(2位)、海運(3位)、電気機器(4位)、鉱業(5位)となった。
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米国株の反発を受けて押し目買いが優勢

06月10日
昨日の米国株式相場は総じて反発した(DJIA -80.77 @50,786.01, NASDAQ +220.23 @25,929.66, S&P500 +21.99 @7,405.93, SOX +685.93 @12,906.69)。ドル円為替レートは 160円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が842に対して、下落銘柄数は670となった。騰落レシオは97.76%。東証プライムの売買代金は10兆9342億円。

TOPIX +44 @3,896
日経平均 +1,392円 @65,417円

米国では、先週の急落を見て、マイクロン・テクノロジーなど人工知能(AI)・半導体関連銘柄を中心に自律反発狙いの買い戻しが入った。中東ではイランとイスラエルの軍事衝突の再開により原油相場が上昇した。ただ、トランプ米大統領が停戦に言及し、イランも作戦を終了したと報じられた。米5月雇用統計が予想以上に強い結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が強まっており、米10年債利回りが4.56%台へ上昇したことが株価の頭を押さえた。

本日6月9日の東京市場では、米国株式相場の反発を受け、自律反発狙いで、アドバンテストや東京エクトロンなど人工知能(AI)・半導体関連銘柄の一角が買い戻された。日経平均の上げ幅は一時1,400円を超える場面があった。

日経電子版が本日14時過ぎに「日銀は15〜16日に開く金融政策決定会合で利上げを決めるとともに、四半期ごとに国債の買い入れ額を減らす措置は2027年4月以降、停止する調整に入った」と報じた。この報道を受けた国内金利の低下を期待して、日経平均先物に買い入った。キオクシア、太陽誘電、イビデンなどが目立って上げた。6月利上げが9割以上織り込まれた今でも10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は依然として2%を超えている。6月の利上げで政策金利を現行の0.75%から1.00%へ引き上げたとしても、「Behind the Curve」となりインフレに対して後手に回る懸念が払拭できず、さらに次の利上げが催促される可能性が高い。

日経平均の日足チャートを見ると、5月21日と同じように25日移動平均線を割り込む寸前で反発した。先高観が根強いため、ある程度下げるとすぐに押し目買いが入るためなかなか深押しはしないようだ。そうはいっても高値更新するには今しばらく日柄調整が必要だろう。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、電気機器(1位)、保険(2位)、証券(3位)、その他金融(4位)、サービス(5位)となった。

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株価サイクル�ぁ幣紊音澆泙蠅�ら反落初動局面)

06月09日
先週金曜日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -695.15 @50,866.78, NASDAQ -1,121.53 @25,709.43, S&P500 -200.57 @7,383.74, SOX -1,396.74 @12,220.76)。ドル円為替レートは160円台前半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が461に対して、下落銘柄数は1,073となった。騰落レシオは92.68%。東証プライムの売買代金は11兆1007億円。

TOPIX -97 @3,852
日経平均 -2,564円 @64,025円

米国では、5月雇用統計で非農業部門雇用者数が17.2万人(>予想8.5万人)と予想を大幅に上回っただけでなく、前月分も11.5万人増だった数値を17.9万人増に上昇修正された。これを受けて、ただでさえ原油相場の高止まりが続きインフレが高進しつつある中で、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待はほぼ消滅し、政策金利は楽観的に見て現状維持、もしかすると逆に年内の利上げすら現実味を帯びてきた。その結果、米10年債利回りは前日の4.47%台から4.53%台へ上昇した。ブロードコムの決算を機にすでに始まりつつあった半導体・ハイテク株の利益確定売りに拍車がかかり、米株式相場は大崩れとなった。主要3株価指数は揃って大幅下落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は10.26%も急落した。特に、フィラデルフィア半導体株指数は2025年末から6月4日終値時点で約90%も上昇していただけに、その反動も大きい。世界株全体の動きを示すMSCI全世界株指数(ACWI)は6月2日に最高値を更新したばかりだったが、その直後に米半導体大手ブロードコムが決算発表をしたが、大き過ぎたマーケットの期待に応えられず急落した。これが起点となって半導体・メモリー銘柄が利益確定売りが急増し始めた。

本日6月8日の東京市場では、先週末の米国株式相場の大崩れと中東情勢が再び緊迫化したため、アドバンテストや東京エクトロン、キオクシア、フジクラ、ソフトバンク・グループなど高PERの人工知能(AI)・半導体関連銘柄やTDKや村田製作所などの電子部品銘柄を中心に売りが急増して日経平均を押し下げた。韓国KOSPIも急落し、取引を一時中断するサーキットブレーカーが発動した。KOSPIが6月2日の最高値から3営業日で15%下げた。

先週6月3日(日付が変わていたので4日付け)のブログに以下のように経験則から近いうちに大きな調整がありそうだと書いばかりたが、その通りの展開となっている。

「信用評価損率がもう少しでマイナスどころかプラス圏に入りそうな勢いである。経験則を当てはめると当面のピークが近いというサインである。信用取引の買い残や融資金額を基に算出される信用評価損益率は、通常マイナス5〜20%で推移するが、5月29日時点でマイナス0.36%まで改善し、2月の水準に続いて再び0%に接近している。プラス圏となれば2013年5月以来となる。信用取引では含み益が出ると早期に利益確定し、含み損は抱えがちなため、評価損益率が0%近くまで上昇するのは珍しい。日経平均やTOPIXが最高値を更新する中、幅広い銘柄で運用成績が改善していることが背景にある。前回プラス圏だった13年5月はアベノミクス期待で日経平均が急騰したが、その後急落し、評価損益率も悪化した。」

日経平均の日足チャートを見ると、長大陰線で急落して10日移動平均線を明確に下抜けた。これにより株価サイクル��(着実な上昇局面)は再び中断した。10日移動平均線が下向きに転じたので株価サイクル�ぁ幣紊音澆泙蠅�ら反落初動局面)に入った。5月21日のように上向きの25日がサポートラインとして機能するかどうかに注目している。もし、25日も完全に割り込むようだと、調整が長引くと見る。

33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、電気機器(2位)、ガラス・土石(3位)、金属製品(4位)、機械(5位)となった。
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高値圏で「はらみの下抜け」⇒調整が続きそう

06月06日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +874.86 @51,561.93, NASDAQ -23.02 @26,830.96, S&P500 +30.63 @7,584.31)。ドル円為替レートは159円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かったが、日経平均は大きく下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,196に対して、下落銘柄数は340となった。騰落レシオは101.05%。東証プライムの売買代金は9兆8535億円となった。

TOPIX -3 @3,949
日経平均 -883円 @66,588円

米国では、ブロードコムの決算が期待外れだったことで、期待先行で上昇を続けていた人工知能(AI)・半導体関連銘柄で利益確定売りが優勢となった。その資金がハイテク以外のセクターへ移動して循環物色が拡大した。米国務省がレバノンとイスラエルが停戦で合意したと発表し、中東情勢に対する懸念が和らいだ。原油先物相場(WTI期近7月物)が1バレル=93.04ドルへ3.1%下落し、米10年債利回りが4.47%台へ低下して米株式相場を下支えした。ただ、半導体株は、ブロードコムが12.59%下落し、マイクロン・テクノロジーは7.74%、AMDも3.56%下落した。 その結果、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.15%安となり、6日ぶりに反落した。

本日6月5日の東京市場では、米国市場で半導体株安となった流れを受けて、東京エレクトロンやアドバンテスト、イビデンなど人工知能(AI)・半導体関連銘柄に利益確定売りが膨らんだ。この3銘柄高だけで日経平均を約850円押し下げ、日経平均の下げ幅は一時1,600円ほどに拡大する場面があった。来週6月12日には米宇宙会社スペースXが新規上場する予定で、大型新規株式公開(IPO)のために既存保有銘柄を売り、買い付け資金を捻出する動きもあったはず。ただ、キオクシアやTDKなどAI・半導体関連銘柄の一角は押し目買いが入り、日経平均を下支えした。他方、6月15~16日に開く金融政策決定会合で日銀が0.25%政策金利を利上げするとの観測を支えに、三菱UFJや三井住友FGなど銀行株は逆行高となった。

株価の上昇基調が続くと判断されるような局面では、機関投資家が大きな資金を投入するためまず最初に先物で手当てする(流動性が高いから)ため先に先物が上に動き出し、現物買いは少し遅れる。そのため、先物価格が少しだけ理論値よりも高くなり「割高」となる。すると割高な先物を売ると同時に割安な現物を買う「裁定買い」取引が行われる。これは自己資金ゼロで、リスクなしに確実に儲けることができる実に美味しい取引である。名前は「さいてい」だが「最高」の取引である。ただ、先物主導で株高の流れが作られるところに脆弱性がある。特徴は株価が上昇するにつれて裁定買い残も増加することである。上昇基調が止まったと見るや否や、ヘッジファンドは利益確定売りに転じる。しかし、対照的に、足元の株高は、株価が上がるにつれて裁定買い残が減少している。裁定買い残は4月末から4割も減少して、5月末時点では2兆2643億円に急低下した。キオクシアのように業績見通しの成長に安心感がある個別銘柄を中心に買われることにより相場全体を持ち上げていることを示唆する。その分だけ、相場の本質が強く、調整するときも大崩れせず、底堅い。

AI・半導体関連株が世界的に急騰し、SOX指数は3月末から6月初旬までに8割上昇した。背景には、企業業績の改善期待とAI社会実装の進展がある。特にメモリー大手マイクロンはHBM需要の急増で売上高が前年同期比3倍超となり、株価は年初来で4倍近くに上昇した。通信インフラ関連も好調で、アステラ・ラブズやマーベルなどが大幅高となった。AIが「学習」中心から「推論」重視へ移行し、CPUや高速通信技術の重要性が増している。一方、これまでAI株高を牽引したエヌビディアは上昇率が明らかに鈍化している。市場ではAI関連銘柄への物色が広がっており、1920年代の自動車革命に例える声も出ている。

日経平均の日足チャートを見ると、続落して一時ザラバで上向きの10日移動平均線を割り込んだが、その後は切り返して下ひげを引いて下げ幅を縮小した。それでも「はらみの下抜け」となったので調整はしばらく続きそうだ。

33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、その他製品(2位)、保険(3位)、不動産(4位)、繊維製品(5位)となった。
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米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が難航するとの懸念が再び高まったため・・・

06月05日
昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -620.70 @50,687.07, NASDAQ -239.93 @26,853.98, S&P500 -56.10 @7,553.68)。ドル円為替レートは159円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が433に対して、下落銘柄数は1,079となった。騰落レシオは95.84%。東証プライムの売買代金は10兆1762億円。

TOPIX -44 @3,952
日経平均 -931円 @67,471円

米国では、中東情勢の緊迫化を受けて、米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が難航するとの懸念が高まった。その結果、原油価格が上昇してインフレ高進が改めて懸念された。米軍がイランの石油積み出し拠点カーグ等に向かった船舶を攻撃し、航行不能にした。報復としてイランはクウェート国際空港の旅客ターミナルをドローンで攻撃したと報じられた。さらに、5月ADP雇用統計(前月比12万2千人増>予想11万人増)と5月ISM非製造業PMIが予想を上回る強い結果となり、米10年債利回りが4.5%近くに上昇した。その結果、足元で上昇を続けていたAI関連銘柄が軒並み売られて下げた。主要3株価指数は揃って反落したが、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.39%高となり、5営業日続伸して史上最高値を更新した。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やインテルなどに人工知能(AI)投資の拡大による収益成長を期待した買いが続いた。

本日6月4日の東京市場では、中東情勢の不透明感を背景に米国株式相場が下落し、米国時間3日の時間外取引で、2026年2〜4月期決算(AI半導体の売上高が前年同期比2.4倍となったが、5~7月期見通しを上方修正しなかった)を発表した米半導体ブロードコムが急落したことを受けて、日本株相場をけん引してきた人工知能(AI)・半導体銘柄の一角が売られた。急ピッチで上昇していたため、もともと利食い売りが出やすい局面でもあり、日経平均の下げ幅は一時1,400円を超える場面があった。特に、ソフトバンク・グループ(SBG)は11%強下落し、この1銘柄だけで日経平均を754円押し下げた。チャートを見ると急騰した後に大陰線による急落が3日連続で起こっている。「三羽がらす」であり、チャートだけで判断する限り、その後も弱い展開が続きそうである。

また、米ブルームバーグが4日午後、「日本銀行は6月の金融政策決定会合で、政策金利を0.25ポイント引き上げる方向で検討する。年寧に追加利上げの可能性もある」と報じた。株式市場では早期の利上げを警戒した売りが優勢となった。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の陽線に対して本日は短陰線で、高値圏での「はらみ線」となった。はらみの下抜けとなればしばらくは調整モードが続きそうと見るのが定石であるが、さてどう動くか。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、情報通信(1位)、非鉄金属(2位)、石油・石炭(3位)、繊維製品(4位)、その他製品(5位)となった。
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典型的な株価サイクル��(着実な上昇局面)

06月04日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +228.91 @51,307.79, NASDAQ +7.09 @27,093.90, S&P500 +9.82 @7,609.78)。ドル円為替レートは160円台に迫る円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,018に対して、下落銘柄数は512となった。騰落レシオは96.97%。東証プライムの売買代金は12兆2712億円。

TOPIX +72 @3,996
日経平均 +1,668 @68,402円

米国では、米10年債利回りが4.45%台へ低下したことが支えとなり、半導体銘柄やハイテク株が急騰して相場を押し上げた。ダウ工業株30種平均は5営業日連続で最高値を更新した。4月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数(非農業部門)は前月比11%増の761万8000件と4月5月以来の高水準となった。AIが雇用を奪うと懸念されていたが、今のところ労働市場は健全性を維持していると好意的に受け止められた。他方、イスラエルとレバノンの親イラン組織ヒズボラによる攻撃の応酬が続いている。中東情勢は依然として先行きが不透明である。主要3株価指数は揃って続伸した。半導体のマーベル・テクノロジーが32%上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も5.86%と大幅高となった。

本日6月3日の東京市場では、人工知能(AI)投資の拡大を背景にした前日の米国株を追い風にして、先高観が依然として強く、海外勢による株価指数先物買いが優勢となり、日経平均の上げ幅は一時2,000円を超える場面があった。東京エレクトロンやアドバンテスト、キオクシア(2027年度から配当金を減らさずに維持するか、累進配当を導入する方針と自社株買いの可能性を発表して一時、時価総額でトヨタ自動車を抜き、国内第2位となった)、フジクラ、イビデンなどAI関連銘柄は勿論、村田製作所やTDKなどの電子部品銘柄も上げた。他方、中外製薬や第一三共など医薬品銘柄は下げた。6月2日の米国市場でデータセンター向け光部品を手掛ける米コーニングが急騰した流れを受けて、フジクラ、古河電工、住友電工の「電線三兄弟」も上昇した。

キオクシアの株価上昇は、NAND型フラッシュメモリーがAI向けに需要を拡大し、特にデータセンター向けSSDの重要性が高まっていることが背景にある。会社はNAND市場のCAGRを22%へ上方修正し、AIサーバーの容量増加、とくに推論用途向けが大きく伸びると見込む。エージェントAIの普及でHBM不足が顕在化する中、エヌビディアはSSDをHBM補完の中核部品と位置づけ、キオクシアは次世代NAND搭載SSDの開発を加速。アナリストからは市場拡大の核心領域に独自製品を投入している点が高評価で、長期契約の増加も収益安定に寄与するとされる。株主還元は累進配当を27年下期に開始予定。株価は一時下落も、今後2〜3年の利益成長期待から上昇余地があるとの見方が多い。

好調なのはNAND型メモリーだけではない。DRAM価格も急騰している。PCなどに使うDDR5型の4月大口価格は前月比6%上昇し、半年で約3.5倍に達した。背景には、サムスン電子・SKハイニックス・マイクロンの大手3社が、AI向けの高付加価値メモリーHBMの供給を優先し、PC向け汎用DRAMの生産を抑えていることがある。DDR5は高速・省電力で需要が増しているが、供給不足が続き、価格上昇が止まらない。AI普及に伴い米ハイパースケーラーがデータセンター投資を拡大し、DRAM需要が急増しているものの、メーカーは希望数量を満たせていない。市場規模の小さい日本向けの配分はさらに縮小し、調達難が深刻化している。

信用評価損率がもう少しでマイナスどころかプラス圏に入りそうな勢いである。経験則を当てはめると当面のピークが近いというサインである。信用取引の買い残や融資金額を基に算出される信用評価損益率は、通常マイナス5〜20%で推移するが、5月29日時点でマイナス0.36%まで改善し、2月の水準に続いて再び0%に接近している。プラス圏となれば2013年5月以来となる。信用取引では含み益が出ると早期に利益確定し、含み損は抱えがちなため、評価損益率が0%近くまで上昇するのは珍しい。日経平均やTOPIXが最高値を更新する中、幅広い銘柄で運用成績が改善していることが背景にある。前回プラス圏だった13年5月はアベノミクス期待で日経平均が急騰したが、その後急落し、評価損益率も悪化した。

日経平均の日足チャートを見ると、4営業日連続陽線で上昇している。上から順番に10日、25日、60日の各移動平均線が明確に上向きであり、株価はそれらすべての上で推移しており、典型的な株価サイクル��(着実な上昇局面)である。

33業種中25業種が上昇した。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、ガラス・土石(2位)、電気機器(3位)、鉱業(4位)、金属製品(5位)となった。
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人工知能(AI)の波からフィジカルAIの波へ移行中か

06月03日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +46.42 @51,078.88, NASDAQ +114.19 @27,086.81, S&P500 +19.90 @7,599.96)。ドル円為替レートは159円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライでは、上昇銘柄数が439に対して、下落銘柄数は1,091となった。騰落レシオは90.33%。東証プライムの売買代金は12兆5012億円。

TOPIX -16 @3,924
日経平均 -200円 @66,734円

米国では、米国とイランの戦闘によりホルムズ海峡が実質的にまだ閉鎖されているために生じている原油高とその影響で進行している米国の物価高、さらにその自然な結果である米長期金利の上昇基調が相場の重しとなっている。しかし、人工知能(AI)・半導体需要が非常に強く、それらの関連銘柄が引き続き買われ、株式相場全体を牽引した。ただ、中東情勢を巡っては、イスラエルがレバノンを攻撃したことに抗議して、イランが米国との交渉を停止したと報じられた。これに反応して原油先物相場(WTI期近7月物)は先週末の1バレル=87ドル台から一時94ドル台まで跳ね上がった後、92ドル台で終了した。エヌビディアが6.2%上昇し、マイクロソフトも上げた。ソフトウェア銘柄の代表格のセールスフォースも買われ、IBMも7.5%高となった。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズも上昇し、ブロードコムなどの半導体銘柄も買われた。主要3株価指数は揃って続伸した。ダウ工業株30種平均は4日連続で最高値を更新した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も1%上昇し4営業日ぶりに最高値を更新した。

本日6月3日の東京市場では、米国とイランの戦闘終結に向けた協議が停滞しているとの観測から、幅広い銘柄が売られた。日経平均は6月1日に最高値を更新したこともあり、利益確定売りがもともと出やすかったため、下げ幅は一時1,400円近くまで拡大する場面があった。しかし、後場になると、相場の底堅さを感じ取った海外投機筋が先物買いを増加させ、大引けに向けて下げ幅を急速に縮小させた。キオクシアは後場になると出来高を伴って一段高となった。原油相場の高止まりが長引きそうであるとの観測から、景気敏感セクターである機械、自動車、商社などの下げが目立った。

今までは人工知能(AI)(データからコンテンツを作成する)が株式相場のキーワードだったが、今後のキーワード(波)はフィジカルAI(人型ロボットや自動運転など現実空間で活用するAI)になりそうである。AI搭載ロボットや自律型機械の市場が2035年までに最大で1.4兆ドル(約220兆円)規模に拡大すると英バークレイズのアナリストチームが予想している。フィジカルAIを支える技術では、AIの判断を実行して重いものを持ち上げる「筋肉」、対象物の位置や形をリアルタイムで感知する「五感」、計算を担う「大地」と呼ばれる分野のどの分野でも日本企業が鍵を握っている。フィジカルAIの代表銘柄である安川電機は2025年末比で39%上昇しており、ファナックも25%高となっている。その間、エヌビディアは20%高に過ぎない。2024年に世界で稼働していた産業用ロボットは約466万台だった。日本は産業ロボットの市場規模で、中国に続き世界第2位の規模である。台数ベースで2割近い世界シェアを誇るのがファナックである。ファナックは工作機械の頭脳に当たる数値制御(NC)装置にAIを連携させてており、この装置の世界シェアは首位である。ファナックは2025年12月にエヌビディアとの開発提携を発表し、さらに、今年5月には米グーグルとの協業も発表した。やがてフィジカルAIが世界中に浸透するようになると、その機械がどの程度賢いかどうかよりも、壊れないかどうかの方が重要になる。過酷な生産現場であればあるほどそれがより重要となる。例えると、砂漠やジャングルを走る車として「どこへ行っても生きて帰れる車」であるトヨタのランドクルーザーが世界中で圧倒的に好まれるような価値判断基準がフィジカルAIにやってくるはずである。こうなると日本企業が優位に立つ。安川電機も好調である。5月25日には上場来高値を更新した。半導体製造装置や工作機械に組み込むサーボモーター、モーターの回転を制御するインバーターを主力製品としており、そのうちサーボモーターでは世界シェアトップである。(安川電機もファナックも本日は大きく下げたのでこれから押し目を狙うのも悪くなさそう。)さらに、従業員の給料が日本一高いことでも有名なキーエンスはフィジカルAIの目となる3次元(3D)センサーを持っており、5月8日には上場来高値を付けた。ソフトバンク・グループも目が離せない。2025年10月にはスイスの重電大手ABBのロボット事業を買収すると発表した。フィジカルAIは2040年までに世界市場で米中両国に並ぶ3割超の世界シェアを目指すという国策(最優先で取り組み27技術・製品)にも支えられる。

株式相場全体は上昇基調といえるが、その中で明らかに取り残されている銘柄が少なくない。6月1日時点で年初来安値更新銘柄は228、2日は368銘柄となっている。その中で特に目立つのが大手ゼネコンである。清水建設、大成建設、大林組、鹿島などで、揃って年初来安値を更新した。中東情勢が原因で資材価格が上昇しており、今後の収益を押し下げるとの警戒感が強い。

外為市場で、4月末から連休にかけて11兆円を投じて政府・日銀が市場介入して一時的に5円ほど円高ドル安水準に持って行った。しかし、その効力は長続きせず、再び円安進行が進んでいる。ただ、これは理論通りの動きであり、介入により円安基調を反転することは非常に困難である。米国では、もはや追加利下げどころか、原油価格の高止まりから発生しているインフレを抑え込むためにFRBは利上げに踏み切るのではないだろうか。ただでさえ、「有事のドル買い」でドル買い需要が高いのに、もし、米国が利上げし、日本が利上げしないと、円安ドル高の進行は止められないだろう。

日経平均の日足チャートを見ると、前日比で反落はしたが、非常に長い下ひげを引いたほぼ寄引同事線(トンカチ)で終えた。下値ではすぐに強力な買いが入り、相場が底堅いことを示す。

33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、金属製品(2位)、空運(3位)、機械(4位)、水産・農林(5位)となった。

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株価サイクル��が継続しているが、物色の矛先に変化が起こりつつある

06月02日
先週金曜日の米国株式相場は続伸した(DJIA +363.9 @51,032.46, NASDAQ +55.15 @26,972.62, S&P500 +16.43 @7,580.06)。ドル円為替レートは159円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般が下げる銘柄が多かったが、日経平均は続伸した。東証プライムでは、上昇銘柄数が425に対して、下落銘柄数は1,115となった。騰落レシオは88.39%。東証プライムの売買代金は11兆9152億円。

TOPIX -16 @3,941
日経平均 +605円 @66,934円

米国では、米国とイランの戦闘終結交渉が進展しているとの観測を支えに、米原油先物相場(WTI期近7月物)が前日の1バレル=88.90ドルから86.35ドルへ低下し、それを受けて米10年債利回りも前日の4.45%から4.43%へ低下した。これらのことを好感して主力株を中心に買いが優勢となった。ダウ平均株価の上げ幅は一時400ドルを超えた。トランプ大統領は、イランとの戦闘終結に向けた最終判断を下す会議を間もなく始めると自身のSNSに投稿した。米政府当局者はイランとの暫定合意に至り、トランプ大統領の承認を待っていると報じられた。主要3株価指数は揃って続伸した。今後5年で量子コンピューター分野に100億ドル超を投資する計画を示したIBMは12.7%高となった。パソコンやサーバーのデル・テクノロジーズが32.7%高となった。人工知能(AI)サーバーの需要拡大を背景に2027年1月期通期の収益見通しを上昇修正したことが好感された。セールスフォースやマイクロソフトなどソフトウェア銘柄も買われた。

米国とイランの戦闘終結合意案については、米ニュースサイトのアクシオスが5月30日にトランプ大統領が高濃縮ウランを処分に関する具体的な記述を入れる修正を求めたと報じた。イランメディアも最終決定にが至っていないと報じた。つまり、交渉の先行きは引き続き不透明である。

本日6月1日の東京市場では、14兆円を投資してフランスにAIデータセンターを建設すると発表した
ソフトバンク・グループ(SBG)やキオクシアが上場来高値を更新して株式相場全体の支援材料となった。ソフトバンクグループの時価総額は48兆円となり、トヨタ自動車を抜き日本企業1位となった。また、電子部品の需要が急拡大していることを材料に、村田製作所や太陽誘電も上昇した。ザラバではあるが、日経平均がはじめて67,000円台に乗せた。相変わらず人工知能(AI)関連銘柄中心の物色だが、少しずつ物色の矛先が拡大している。AIデータセンター向けに積層セラミックコンデンサー(MLCC)の需要が伸びるとの見立てから村田製作所が急伸しており、株価は5月中旬以降で7割上昇している。TDKやミネベアミツミも上昇が際立っている。さらに、「SaaSの死」として売られていたNEC、富士通、野村総研、SHIFTも上げてきた。変化は起こりつつある。

日経平均の日足チャートを見ると、陽線で2日続伸した。株価サイクル��(着実な上昇局面)が続いているため、上振れしやすい。

33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、輸送用機器(2位)、医薬品(3位)、建設(4位)、卸売(5位)となった。
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