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優利加
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2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『
生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。
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「生涯現役のトレード日記」
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テーマ株中心に選別的な買いを進めている 08月28日
昨日の米国株式相場は上げた(DJIA +105.56 @53,569.44, NASDAQ +411.16 @26,541.35, S&P500 +55.29 @7,730.99, SOX +270.93 @11,882.17)。ドル円為替レートは159円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が下げる銘柄よりやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が873に対して、下落銘柄数は631となった。騰落レシオは125.34%。東証プライムの売買代金は8兆1223億円。
TOPIX +29 @4,147
日経平均 +274円 @66,406円
【米国株式相場】
8月27日のNY株式相場は反発し、ハイテク株が相場を力強く押し上げた。前日引け後に発表されたエヌビディアの決算が市場予想を上回り、売上高見通しも強気だったことから株価は8%超上昇。AIインフラ需要の強さが改めて意識され、ブロードコムやインテルなど半導体株の一部にも買いが広がった。一方、トランプ政権が半導体や電子機器の一部への追加関税を検討しているとの報道があり、AMDなど一部銘柄は上値を抑えられた。
ソフトウェア関連も好調で、セールスフォースは四半期決算が予想を上回り、通期収益見通しを上方修正したことから22%超上昇。アンソロピックとの提携拡大も追い風となった。サイバーセキュリティーのクラウドストライクやID管理のオクタ、半導体設計ソフトのシノプシスなども急伸し、ナスダック総合指数は1.57%高と大幅反発した。
一方で、翌日に控えるジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長講演を見極めたいとの思惑から、ディフェンシブ銘柄や消費関連株には売りが広がった。原油高に伴うインフレ懸念から米長期金利が上昇し、株式の割高感が意識されたことも重しとなった。ダウ平均は一時下落する場面もあったが、最終的には105ドル高(+0.19%)で終了した。
ダウ構成銘柄では、IBMやマイクロソフトが買われた一方、マクドナルド、ウォルト・ディズニー、メルク、ウォルマート、J&Jなどが下落した。市場全体としては、好決算を発表したハイテク・ソフトウェア関連が強く、その他セクターは弱含みという明確な二極化が見られた。
総じて、エヌビディアを中心としたAI関連の強い需要が市場心理を押し上げた一方、FRBの政策判断や原油高によるインフレ懸念が相場の上値を抑える展開となった。
【日本株式相場】
本日8月28日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日比273円高の6万6405円となった。前日の米国市場でエヌビディアやセールスフォースなどハイテク株が急伸した流れを受け、東京市場でもAI・半導体・ソフトウェア関連に買いが広がった。寄り付き後は一時700円超の上昇となったが、ジャクソンホール会議でのFRB議長講演を控えた様子見姿勢や日米金利上昇が重荷となり、上げ幅は次第に縮小した。
米国では8月26日夕に発表されたエヌビディアの好決算と強気の見通しが市場心理を押し上げ、セールスフォースも通期見通し上方修正とAI企業アンソロピックとの提携強化が評価され急騰した。これを受け、東京市場ではアドテスト、TDK、太陽誘電、NEC、富士通、野村総研などが買われ、リクルートは上場来高値を更新した。
一方、キオクシアは岩手県での新製造棟建設発表後、材料出尽くし感から大幅安となり、指数の重荷となった。東証株価指数(TOPIX)は銀行・証券株の上昇に支えられ7日続伸し、JPXプライム150指数も反発した。証券株は各社が手数料引き上げを進め収益改善期待が高まっており、野村HDは約18年ぶり高値を付けた。
ソフトウェア関連株の上昇も目立ち、富士通やNEC、NRI、Sansanなどが米SaaS企業の決算を好感して買われた。AIがソフトウェアを代替するとの懸念が後退し、出遅れ銘柄への資金流入が強まった。コンテンツ関連ではソニーG、コナミG、バンダイナムコなども見直し買いが入った。
電子部品では、太陽誘電が韓国サムスン電機のMLCC値上げ報道を受け急伸。MLCC市場の上昇局面入りとの見方が広がり、村田製作所などにも買いが波及した。AIデータセンター向けの高容量MLCCは国内メーカーの寡占状態にあり、値上げ期待が相場を押し上げた。
自動車株も復調し、トヨタ、ホンダ、日産が上昇した。トヨタが中国で次世代EVを生産する方針を示したことや、各社が自社株買い・配当政策を強化していることが評価された。原油高や地政学リスクで低迷していた自動車株は、資本政策の改善や好決算を背景に割安修正が進んでいる。トヨタはPBRが0.8倍を割り込むなど過度な割安状態にあったが、投資家との対話を重視した経営姿勢が評価され、株価は回復基調にある。ただし、自動車産業は中国勢の台頭で競争が激化しており、成長余地は限定的との見方も残る。
市場では自動車の枠を超えた事業展開にも注目が集まっており、自動運転やロボティクスなど「フィジカルAI」領域への期待が高まる。ティアフォーはレベル4自動運転の普及期待から急伸し、トヨタの自動運転技術内製化計画も追い風となった。三菱自動車がヒューマノイド量産を発表したことも象徴的で、AIとモビリティの融合が新たな成長テーマとして浮上している。
市場全体では、AI・半導体・ソフトウェア関連が相場をけん引した一方、FRB議長講演を控えた慎重姿勢や金利上昇が上値を抑える展開となった。売買代金は8兆円台と熱気は限定的で、投資家はテーマ株中心に選別的な買いを進めている。
【キオクシア及びAI半導体周辺知識の整理】
キオクシアホールディングスは、主にNAND型フラッシュメモリーの開発、製造、販売を行っています
キオクシアホールディングスは、東芝から分社化したメモリー事業を基盤に、NAND型フラッシュメモリーの開発・製造・販売を行う企業である。AI普及に伴うデータセンター向け需要の急拡大が追い風となり、業績は大きく伸長している。特に学習済みデータの保存・処理に不可欠なNANDは同社の主力製品で、米エヌビディアとの次世代AI向け記憶装置の共同開発も株価上昇の材料となった。競合はサムスン電子やSKハイニックスで、世界的なシェア争いが続く。
上場後の株価はAI需要の高まりを背景に急騰し、時価総額は一時60兆円を超える規模に達した。個人投資家の売買も活発である一方、好業績期待と利益確定売りが交錯し、株価は乱高下する場面も多い。自社株買いや株式分割など株主還元策も進められている。
事業面ではサンディスクとの共同工場運営に加え、テマセクが韓国勢への投資を拡大したことが思惑買いを誘発した。また、社内研究を源流とするスタートアップ「エモーションX」が次世代暗号技術を活用した情報分析サービスを展開するなど、周辺領域への技術波及も見られる。
2026年4〜6月期の純利益見通しは前年同期比31倍の1兆2700億円と高水準だったが、市場予想には届かず株価は一時下落した。ただし、自社株買い発表などで下支えされ、今後の動向が注目されている。さらに、エヌビディアの次世代AI半導体「Rubin」が議論されるなど、AI半導体の進化がキオクシアの事業環境に大きく影響している。
AI半導体はGPUとHBMを中心に構成され、大量データを高速処理する点が特徴で、学習よりも推論需要が急増している。NPUの活用や省電力化、3次元構造の採用など技術革新が進み、各国で開発競争が激化している。日本でも富士通やティアフォー、レンゾなどが独自のAI半導体開発を進めており、AI市場の拡大はメモリー需要をさらに押し上げる見通しである。
【SHIFTの事業内容の整理】
2026年2月下旬以来買いポジションを継続中です。ほとんど新聞記事にはなっていないようですが、6月下旬から持続的な反発トレンドを描いています。
SHIFTは、ソフトウェアテストを中心に、AIを活用したDX支援、システム開発、セキュリティ対策、コンサルティングなど幅広いITサービスを提供する企業である。特に「品質保証」を起点とした事業モデルを強みに、企業のデジタル化を支える総合ITパートナーとして急成長してきた。
最大の特徴は人的資本経営で、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極採用する点にある。警察官、看護師、アイドルなど非IT職からの転身者を独自の教育体系で育成し、品質管理や業務改善に活かすことで、他社にない組織力を形成している。人材の多様性を競争力に変える仕組みが、事業拡大の原動力となっている。
成長戦略の柱はM&Aで、必要な技術やノウハウを外部から取り込み、顧客企業のDX課題を包括的に支援する体制を整備してきた。ソフトウェアテストで培った品質保証の知見を基盤に、AIを活用したテスト自動化、システム仕様の可視化、ドキュメント自動生成などのサービスを拡充し、生産性向上と高付加価値化を進めている。
業績面では、企業のDX需要拡大を背景にソフトウェアテストや開発サービスが好調で、AI関連の開発・自動化領域が成長をけん引している。2026年8月期は投資損失の影響で最終減益を見込むものの、売上は増収が続く見通しで、上場来初の配当実施も予定されている。
主要サービスとして、企業のAI導入を支援する「アドバンスドFDE」、旧システムの仕様をAIで可視化するサービス、AIテストエージェントによるテスト自動化、IPO準備企業向けのセキュリティ支援などを展開。情報セキュリティ子会社を設立し、高度な脆弱性診断やAI活用によるセキュリティ強化にも取り組むなど、事業領域を広げている。
海外展開も進めており、中東でのエンターテインメントコンテンツ配信事業やバーレーンでの子会社設立など、グローバル市場への進出を加速している。地方自治体との連携による地域DX支援も行い、社会的なデジタル化の推進役としての存在感も高まっている。
総じてSHIFTは、ソフトウェア品質保証を起点に、AI技術・人材戦略・M&Aを組み合わせて事業領域を拡大する「DX総合支援企業」として成長を続けている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、前日の陰線に対して、本日は上ひげを引いた短陽線で下げ渋った。8月19日の大きく下放れた後の大陰線の上限をまだ上抜けていないが徐々に上方向に向かおうとしている。
33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、サービス(1位)、海運(2位)、その他製品(3位)、証券(4位)、銀行(5位)となった。
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ジャクソンホール会議を前に持ち高調整の売りが・・・ 08月27日
昨日の米国株式相場は小幅反落した(DJIA -113.52 @53,463.88, NASDAQ -21.10 @26,130.20, S&P500 -1.58 @7,675.70、SOX +23.20 @11,611.24)。ドル円為替レートは159円台前半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が712に対して、下落銘柄数は769となった。騰落レシオは122.81%。東証プライムの売買代金は7兆8700億円。
TOPIX +6 @4,117
日経平均 -130円 @66,132円
【米国株式相場】
26日の米株式市場は主要指数がそろって小幅安となり、ダウ平均は4営業日ぶりに反落した。市場の重しとなったのは、同日発表された7月の米個人消費支出(PCE)物価指数で、前月比0.2%上昇と予想(0.1%)を上回った点だ。インフレの粘り強さが意識され、米長期金利が上昇。金利高は株式の割高感を強め、売りを誘った。
もっとも、市場では今回のPCEがFRBの早期利上げを決定づけるほどではないとの見方が多い。ただし、インフレ率が2%目標に向けて十分に低下していないことは、タカ派のFRB幹部にとって追加引き締めの根拠となり得るとの指摘もあった。週末にはジャクソンホール会議でウォーシュ議長が講演を予定しており、投資家はその内容を見極めようと慎重姿勢を強めた。
また、取引終了後にはエヌビディアの決算発表が控えていた。AI半導体需要の拡大が収益を押し上げるとの期待は強いが、決算内容次第で関連銘柄全体が大きく動く可能性があり、市場は方向感を欠いた。エヌビディア株は通常取引で1%超下落し、投資家の様子見姿勢を象徴した。
ダウ平均ではナイキ、メルク、IBM、ゴールドマン・サックス、コカ・コーラ、ディズニーなどが下落。一方、アップル、ハネウェル、キャタピラー、シスコ、ユナイテッドヘルス、マイクロソフトなどが上昇し、銘柄間で強弱が分かれた。
ナスダック総合は0.08%安と小幅反落。会計ソフト大手インテュイットが、2027年7月期の収益見通しを市場予想より弱く示したことで売られた。AIがソフトウェアの一部機能を代替するとの懸念も重しとなった。一方、アーム・ホールディングスやパランティアは上昇。メタは未成年向け安全対策を巡る訴訟で和解が成立したことが好感され買われた。
総じて、インフレ指標の上振れと主要イベントを控えた慎重姿勢が相場の重荷となり、株式市場は小幅安で引けた。
【日本株式相場】
本日8月27日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反落し、前日比130円安となった。米エヌビディアが好決算を発表したものの、前日に買われていたAI・半導体関連株の一部に利益確定売りが出て、指数を押し下げた。加えて、同日から米国で始まるジャクソンホール会議を前に持ち高調整の売りが出やすく、市場全体が慎重姿勢を強めた。
エヌビディアの2026年5〜7月期決算は市場予想を上回り、通期の増収見通しも強気だった。時間外取引では同社株が買われ、東京市場でも朝方は関連銘柄が上昇し、日経平均は一時700円近く上昇した。しかし、同社CFOが「メモリー価格が想定以上に上昇している」と述べたことで、AI投資の勢いが鈍る可能性が意識され、半導体株の一角が売られた。アドバンテストは前日までに先回り買いが入っていたため利益確定売りが強まり、単独で日経平均を260円以上押し下げた。
市場では、メモリー価格の高騰がデータセンター投資の重荷となり、AI関連企業の設備投資が伸び悩むとの懸念が再燃した。太陽誘電や任天堂などメモリー関連の影響を受ける銘柄も下落した。一方、キオクシアは岩手県で新製造棟を建設するとの報道を受けて5%高となり、東エレクやフジクラなど一部の半導体関連は上昇した。
米国の金融政策への警戒も相場の重荷となった。前日に発表された米PCE物価指数が予想を上回り、インフレの粘り強さが意識された。FRBウォーシュ議長がジャクソンホール会議で利上げに前向きな姿勢を示す可能性があるとの見方が広がり、日本株の先行き不透明感が強まった。
国内では、日銀の氷見野副総裁が金融経済懇談会で「毎回の会合で利上げを議論する」と述べたが、9月利上げを明確に示唆する内容ではなかった。これにより金利上昇の勢いが一服し、金融株の上昇は限定的となった。三菱UFJやみずほFGは前場に上昇したものの、後場は伸び悩んだ。
指数別では、TOPIXが6日続伸し、JPXプライム150指数は小幅反落した。東証プライム市場の売買代金は約7.8兆円と低水準で、方向感の乏しい展開が続いた。値下がり銘柄が769とやや多く、AI・半導体株の調整が全体の重しとなった。
総じて、エヌビディアの好決算が朝方の買いを誘ったものの、メモリー価格高騰によるAI投資減速懸念、米金融政策への警戒、利益確定売りが重なり、日経平均は上値の重い展開となった。市場では、AI関連の強さと不安が交錯し、しばらく方向感を欠く相場が続くとの見方が強まっている。
【日銀の動き】
日銀の氷見野良三副総裁は27日、埼玉県での金融経済懇談会で講演し、9月の利上げを「予告」するような踏み込んだ発言は避けた。一方で、物価の上振れリスクへの警戒を強調し、利上げ継続の必要性を明確に示した。市場ではすでに9月利上げの確率が8割を超えており、氷見野氏の発言内容への注目度は高かった。過去には同氏が講演で利上げ議論に言及し、その直後の会合で実際に利上げが決まった例があるためだ。
今回の講演では「毎回の金融政策決定会合で議論する」と述べ、利上げのタイミングについては明言を避けた。ただし、物価の基調が2%を超える可能性を念頭に政策判断が必要だと指摘し、「これまで以上に物価上振れリスクを意識する必要がある」と述べた。前回の講演よりも物価の基調に対する認識を引き上げた印象で、政策金利1%のさらなる引き上げを示唆した。
金融政策の効果については「大型バスのアクセルとブレーキ」に例え、政策変更の影響は時間をかけて徐々に表れると説明。金融政策は万能ではないが、適切に運営すれば経済の望ましい道筋から大きく逸脱することを防げると述べた。
利上げを巡っては政府との関係性も市場の関心事となっている。高市政権は利上げに慎重との見方があり、氷見野氏は6月の利上げ後に「官民投資を推進する政府の政策と整合的ではないのでは」との指摘があったことを紹介。そのうえで「金融引き締めではなく緩和度合いの調整だ」と強調し、物価安定が成長投資を支えると説明した。
今回の講演は、利上げを明確に示唆するものではなかったが、利上げ継続の必要性を丁寧に説明する内容となった。市場の過度な期待を押し戻すことなく、物価上振れリスクへの警戒と政策運営の慎重姿勢を示した形だ。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、昨日の陽線の終値と本日の陰線の終値がほぼ同じ水準となる「出会い線」となった。これは昨日のさらに上に行こうとする力が本日ほぼ打ち消されたことを示している。
33業種中15業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、石油・石炭(2位)、繊維製品(3位)、銀行(4位)、証券(5位)となった。
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AI関連株の一服⇒消費・サービス関連株への資金移動 08月26日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +160.24 @53,577.40, NASDAQ +171.11 @26,151.30, S&P500 +24.42 @7,677.28, SOX +164.87 @11,580.04)。ドル円為替レートは159円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が987に対して、下落銘柄数は518となった。騰落レシオは124.27%。東証プライムの売買代金は6兆7057億円と薄商いだった。
TOPIX +17 @4,111
日経平均 +406円 @66,262円
【米国株式相場】
8月25日のNY株式市場は、主要3指数がそろって上昇した。米長期金利の低下が続いたことに加え、翌日に決算発表を控えるエヌビディアを中心に半導体株へ買い戻しが入り、相場を押し上げた。一方で、米消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことや、米国とカナダの関税応酬による貿易摩擦の不透明感、スポーツ用品大手ディックス・スポーティング・グッズの冴えない決算が投資家心理の重荷となり、上値は抑えられた。
ダウ平均は約160ドル高と3日続伸し、ナスダック総合も0.66%上昇して反発した。S&P500も上昇し、全体としてリスク選好がやや回復した。中東情勢に対する過度な警戒感が後退したことも買い材料となった。米国務省が中東地域から退避させていた外交官を各国大使館に戻す準備を進めていると報じられ、トランプ政権が戦闘激化を想定していないとの見方が広がった。
原油先物WTIは3%超下落し、インフレ圧力の後退が意識された。これを受けて米長期金利は低下し、株式市場の支援材料となった。ただし、イラン情勢の不確実性は残り、積極的な買い持ちには慎重姿勢もみられた。
個別では、アナリストが目標株価を引き上げたメルクが上昇し、エヌビディアやゴールドマン・サックス、IBMも堅調だった。一方、ナイキやマクドナルド、セールスフォース、シェブロンは下落。ディックス・スポーティング・グッズは決算失望で急落し、関連銘柄にも売りが及んだ。
ハイテク株比率の高いナスダックでは、メタやネットフリックスが上昇。半導体株はアナリストが投資判断を引き上げたAMDが5%近く上昇し、マーベル・テクノロジーやマイクロンも買われた。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.4%高と反発した。
総じて、金利低下と原油安が相場を支えた一方、経済指標の弱さや通商問題が重荷となり、決算発表を控えた様子見ムードが残る展開となった。
【日本株式相場】
本日8月26日の東京株式市場では、日経平均株価が続伸し、前日比約400円高となった。前日の米国市場で中東情勢への過度な警戒が後退し、主要3指数が上昇した流れを受け、東京市場でも主力株を中心に買いが広がった。金融株の上昇が特に目立ち、銀行・保険・証券などが堅調だった。米半導体大手エヌビディアの決算発表を控えつつも、アドバンテストなどAI・半導体関連の一角に買いが入り、日経平均は一時500円超上昇した。
米紙報道によれば、米国務省が中東から退避させていた外交官を大使館に戻す準備を進めているとされ、戦闘激化への懸念が後退した。原油価格の下落や米長期金利の低下が米株高を支え、その流れが東京市場にも波及した。韓国・台湾のハイテク株指数が上昇したことも投資家心理を強気に傾けた。
朝方はAI・半導体株の売りが先行し、日経平均は450円超下落する場面もあった。しかし、TOPIXは終始堅調で、これを受けて日経平均先物の買い戻しが進み、指数は持ち直した。金融株高には、日銀総裁がジャクソンホール会議を欠席し、利上げに積極的とされる審議委員が出席するとの報道が影響した。市場では9月の利上げが既定路線との見方が強まり、銀行株への買いが増えた。
TOPIXは5日続伸し、JPXプライム150指数も3日続伸した。アドバンテストやソフトバンクグループなど、足元で売られていた銘柄に割安感から買いが入った。内需株では医薬品関連が強く、第一三共などが上昇した。金融株も利ざや改善期待から買われた。
一方で、市場全体の熱気は限定的で、東証プライムの売買代金は5営業日連続で10兆円を下回った。機関投資家は夏休み期間や高いボラティリティを背景に、積極的なポジション構築を控えている。9月に向けては、米国とカナダの関税応酬による貿易摩擦、中東情勢の不透明感、米株市場の「9月は荒れやすい」という経験則など、複数のリスク要因が警戒されている。
個別では、東京海上HDが株式15分割を発表し、最低投資額の低下や株主還元強化が評価され続伸した。ソフトバンクグループは、オープンAIが開発する半導体が高性能との報道を受け、AI市場の成長期待から買われた。INPEXは原油安を背景に続落したが、割安感から下値では買いも入った。
また、AI関連株の一服を受け、消費・サービス関連株への資金移動が進んだ。ゼンショーHDは値上げ後も集客力を維持し、利益率改善が評価され上場来高値を更新した。サイゼリヤ、FOOD&LIFE COMPANIES、良品計画、ミズノなども高値を更新しており、インフレ環境下で値上げを実現できる企業への選別が進んでいる。
【国内債券相場】
8月26日の国内債券市場では、長期金利が小幅に低下し、新発10年国債利回りは2.885%となった。原油価格の下落で国内のインフレ圧力が和らぐとの見方が広がり、長期債への買いが優勢となった。一時は2.865%まで低下する場面もあった。
ただし、8月27日に予定される日銀・氷見野副総裁の講演を控え、9月利上げ観測を裏付ける内容になるかを見極めたいとの思惑から、市場には様子見姿勢も残った。
中東情勢では、米国務省が中東から退避させていた外交官を大使館に戻す準備を進めていると報じられたほか、オマーン外務省がホルムズ海峡の航行再開に向けイランと暫定航路の設置を協議したと発表した。戦闘激化への懸念が後退し、エネルギー供給正常化への期待が高まった。これを受け、WTI原油は80ドル台まで下落し、前日の清算値を下回った。
財務省が実施した残存期間5年超11年以下の流動性供給入札では、応札倍率が3.20倍と前回を上回り、一定の需要が確認された。市場では「無難な結果」と受け止められ、債券相場の下支えとなった。
年限別では、中期債の2年債利回りが1.685%へ上昇し、5年債は2.14%で横ばい。超長期債では20年債が3.755%へ低下、30年債は4.06%で変わらず、40年債は4.13%へ低下した。長期ゾーンを中心に買いが入り、短期・中期はまちまちの動きとなった。
総じて、原油安と中東情勢の落ち着きが長期金利の低下を促した一方、日銀の政策判断を見極めたいとの思惑が市場の積極姿勢を抑え、債券市場は慎重な取引が続いた。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、短陽線で反発した。8月20日以来下げ渋ってほぼ横ばいの動きが続いているが、再浮上するためのエネルギーを蓄積している。なぜそう言えるのか。直近の5日間の内4日は陽線であり、短期基調としては保ち合いとなっており、下値を更新する動きになっていないからである。勿論、今夜以降この先、大きな売り材料が飛び出してくれば、下放れすることもありうるが。
33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、証券(1位)、サービス(2位)、保険(3位)、銀行(4位)、医薬品(5位)となった。
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相場はテーマ主導ではなく選別色が強くなってきた 08月26日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +140.15 @53,417.16, NASDAQ -200.26 @25,980.19, S&P500 -21.51 @7,652.86, SOX -317.20 @11,423.17)。ドル円為替レートは159円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が下げる銘柄よりやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が846に対して、下落銘柄数は647となった。騰落レシオは127.46%。東証プライムの売買代金は7兆99億円。
TOPIX +20 @4,094
日経平均 +328円 @65,856円
【米国株式相場】
8月24日のNY株式市場は、主要指数がまちまちの動きとなった。米財務省が国債買い戻しに大規模な原資を確保しているとの報道を受け、米長期金利は低下し株式には一定の安心感が広がった。一方で、半導体関連株には売りが集中し、相場の重荷となった。エヌビディアやマイクロン、AMDなどが下落し、AI関連インフラ投資のコスト増への懸念が意識された。ブルームバーグがエヌビディアの顧客に値上げ通知があったと報じたことも、関連銘柄の売りを誘った。
ダウ平均は一時230ドル超上昇し、最終的に約140ドル高と続伸した。原油先物の下落も追い風となり、消費関連株やディフェンシブ銘柄が買われた。ビザ、ウォルマート、ディズニー、ユナイテッドヘルスなどが堅調だった。一方、ナスダック総合は0.76%安と反落し、S&P500も下落した。テスラやサンディスク、パランティアなどハイテク株の一角が売られた。
市場心理を冷やした要因として、トランプ米大統領がカナダ産自動車や鋼材に対し50%の追加関税を課すと発表したことが挙げられる。自動車株には売りが広がり、フォードやGMが下落した。さらに、中東情勢の緊迫が続くなか、米財務長官がイランに対する新たな制裁を発表したものの、市場の反応は限定的だった。
週内には、FRBウォーシュ議長のジャクソンホール会議での講演や、米個人消費支出(PCE)物価指数の発表、エヌビディアなど主要ハイテク企業の決算が控えており、投資家は積極的な売買を手控えた。こうしたイベント前の様子見姿勢が、指数の方向感を乏しくした。
総じて、金利低下と原油安がダウを支えた一方、半導体株の調整と通商政策の不透明感がハイテク株を押し下げ、相場は強弱入り混じる展開となった。
【日本株式相場】
本日8月25日の東京株式市場で日経平均は3営業日ぶりに反発し、前日比約330円高となった。寄り付きは弱かったものの、時間外取引で米ハイテク株先物が堅調だったことや、韓国・台湾のハイテク株指数が午後に上昇へ転じたことが投資家心理を支え、押し目買いが優勢となった。国内長期金利が小幅な上昇にとどまり、前日の米市場で金利と原油価格が下落したことも相場の下支えとなった。
市場では、好業績銘柄への物色が強まり、電線株や金融株が買われた。国内企業の4〜6月期決算が総じて堅調だったことから、ファンダメンタルズを重視した買いが入りやすい環境となったとの見方があった。また、米国とイランの交渉進展を示唆する報道が地政学リスクの後退につながるとの思惑もあり、先物買いを誘った。
一方、朝方には日経平均が900円超下落する場面もあった。前日の米市場で半導体株指数(SOX)が2%超下落し、中国勢との競争激化が意識されたことから、東京市場でもキオクシアなどAI・半導体株が売られた。米サンディスクの大幅安や、中国大手のIPO申請による供給増懸念も重荷となった。トランプ米大統領がカナダ産自動車に50%の関税を課すと表明したことで、ホンダやトヨタなど自動車株も軟調だった。
東証プライム市場の売買代金は約7兆円と低水準で、様子見姿勢が強かった。米半導体大手エヌビディアの決算発表を翌日に控え、中長期投資家が積極的な売買を控えたためだ。TOPIXとJPXプライム150指数はともに続伸し、値上がり銘柄が全体の半数を超えた。
個別では、ソフトバンクグループやイビデン、味の素が上昇。電線株のフジクラ、古河電、住友電が買われ、金融株の東京海上や三菱UFJも堅調だった。一方、アドテストやディスコ、ファストリなどは下落した。
海運株は強く、日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社がそろって上場来高値を更新した。中東情勢の緊迫やパナマ運河の航行制限により海上運賃の上昇が続くとの見方が背景にある。複数の要因で業績拡大期待が高まり、海運株は上値を追う展開となった。
総じて、金利の落ち着きと海外市場の改善が買い戻しを促した一方、半導体や自動車など外部環境の影響を受けやすいセクターは重荷となり、相場は選別色の強い展開となった。
【国内債券相場】
8月25日の国内債券市場では、長期金利が上昇し、新発10年国債利回りは2.89%へ上昇した。原油価格の高止まりがインフレ懸念を強め、債券価格の下押し要因となった。日本時間の取引では米長期金利も上昇しており、国内債券にも同様の圧力がかかった。
米国では財務長官がイランへの新たな経済制裁を発表し、デジタル資産やテクノロジー分野など幅広い領域で制裁対象を拡大した。第三国にも制裁を及ぼす内容で、米・イラン交渉の進展が見通せない状況が続く。原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖長期化への懸念が市場に残り、原油高を通じたインフレ圧力が意識された。
週後半には日米の金融政策関係者の講演が予定されており、市場は内容を見極めようと慎重姿勢を維持した。日銀の氷見野副総裁が27日に講演するほか、28日にはジャクソンホール会議でFRB議長が登壇する予定で、債券市場では持ち高を大きく傾ける動きは限られた。
国内債券は年限ごとに売り買いが交錯し、2年債は1.675%で横ばい、5年債は2.14%へ上昇した。20年債は3.765%、30年債は4.06%といずれも小幅に利回りが上昇した一方、40年債は4.15%へ低下した。
【外国為替相場】
外国為替市場では、再び1ドル=160円台が視野に入り、円安がじわりと進行している。政府・日銀が協調して円買い介入を実施したものの、期待されたほど円高は進まず、むしろ日本の需給構造の変化を背景に「実需の円売り」が強まっている。市場では、2022年秋に実需マネー主導で歴史的円安が進んだ局面が再び意識され始めた。
焦点となる日銀の金融政策決定会合については、市場がすでに秋の利上げを織り込んでおり、よほど強いメッセージがない限り反応は限定的とみられる。一方で、イラン情勢の緊迫が続くなか、日本の輸入物価が急上昇している点が注目される。企業物価指数では、4月以降、輸入物価の伸びが輸出物価を上回る「逆転現象」が続き、直近では前年比30%前後の高騰となった。
こうした輸入物価の上昇は過去にもあり、2021〜22年には世界的インフレと資源高で輸入物価が急騰し、実需の円売りが一気に強まり、円相場は130円台から150円台へ急落した。現在は当時ほどの急騰ではないものの、市場では「輸入物価の上昇はまだ序盤」との見方が広がり、円安圧力が強まっている。
総務省が発表した7月の消費者物価では、原油やナフサ高を背景に食品や耐久消費財への価格転嫁が始まった可能性が示され、輸入インフレの兆しが鮮明になった。財務省の7月貿易統計でも、原油調達コストの増加で輸入額が過去最大を更新し、3カ月連続の貿易赤字となった。備蓄原油の放出で抑えられていた価格上昇が本格化している。
一方、政府が円買い介入で狙った投機筋の円売りは限定的で、ヘッジファンドの円売り持ち高は協調介入前の3分の1に縮小している。現在の円安は投機ではなく、企業の輸入取引に伴う「実需マネー」が主役であり、介入で止めるのは難しい。輸入インフレを通じて国内経済を揺さぶる円安をどう抑えるか、政府は構造的課題に直面している。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、下ひげを引いた陽線で反発してやや下向きの25日移動平均線の上に浮上した。しかし、ザラバでは8月19日安値@65,133円を割り込んだ。まだ強い反発とは言えない。
33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、保険(2位)、証券(3位)、銀行(4位)、情報・通信(5位)となった。
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日米の長期金利上昇や中東情勢の不透明感による原油高が・・・ 08月24日
先週金曜日の米国株式相場は反発した(DJIA +517.80 @53,277.01, NASDAQ +113.29 @26,180.45, S&P500 +33.21 @7,674.37, SOX +33.21 @7,674.37)。ドル円為替レートは158円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が下げる銘柄よりやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が843に対して、下落銘柄数は662となった。騰落レシオは121.91%。東証プライムの売買代金は7兆637億円。
TOPIX +& @4,073
日経平均 -488円 @65,528円
【米国株式相場】
8月21日の米国株式市場は、前日の大幅下落の反動で買い戻しが広がり、主要3指数がそろって上昇した。ダウ平均は前日に700ドル超下げていたことから、短期的な割安感が意識され、幅広い銘柄に見直し買いが入った。終値は約518ドル高と1%近い上昇率となり、反発色が鮮明になった。市場には依然として米長期金利の上昇や原油価格の不安定さといった懸念材料が残っていたものの、押し目買いが優勢となった。
相場を支えたのはヘルスケア、金融、素材などのセクターで、特にメルクやジョンソン・エンド・ジョンソンなどディフェンシブ性の高い銘柄が買われた。また、ビットコインが一時7万9000ドル台まで上昇し、前週末比で2割超の急伸となったことから、暗号資産関連銘柄が連日で大幅高となり、投資家のリスク選好姿勢を強めた。素材セクターにも割安感から資金が流入し、全体の下支えとなった。
個別銘柄ではテスラの上昇が目立った。ネバダ州で自動運転タクシーの運行が承認されたことや、大型電動トラック「セミ」の欧州向け出荷開始が報じられたことが追い風となり、5%超の上昇となった。ダウ構成銘柄ではゴールドマン・サックス、セールスフォース、キャタピラー、メルク、アムジェンなどが堅調だった。一方、ハネウェル、エヌビディア、ボーイングなどは下落した。
債券市場では米10年債利回りが4.74%まで上昇し、財務省が国債買い入れ消却を倍増すると発表した後も金利上昇が続いた。30年債利回りも5.27%と高水準で推移し、金利上昇が株式市場の重しとなる構図は変わっていない。中東情勢の不透明感もあり、原油先物は方向感を欠いた動きとなった。
ハイテク株中心のナスダック総合指数は、一時軟調となる場面もあったが最終的には0.43%高で取引を終えた。ブロードコムはAI半導体購入を支援する金融プラットフォームの資金調達に関する報道を受けて買われ、スペースXも上昇した。一方、インテルやアプライドマテリアルズなど半導体関連株の一角は売られた。
総じて、前日の急落を受けた反発局面であり、金利や原油を巡る不安は残るものの、短期的な割安感や暗号資産市場の活況が投資家心理を支えた一日となった。
【日本株式相場】
本日8月24日の東京株式市場では、日経平均株価が続落し、前週末比約490円安となった。下げ幅は一時500円を超え、AI・半導体関連株の売りが相場の重荷となった。背景には、日米の長期金利上昇や中東情勢の不透明感による原油高があり、高PER銘柄が多い半導体・AI関連株に割高感が意識された。アドテストなどが売られ、韓国市場でメモリー株の比率が高いKOSPIが下落すると、キオクシアなど日本の関連銘柄にも売りが波及した。
一方で、日経平均は下値付近で押し目買いも入り、25日移動平均線付近では一時200円超の上昇場面もあった。主要企業の決算が総じて堅調との見方も相場の下支えとなったが、買いの勢いは続かず、最終的には下げて取引を終えた。
指数別では、TOPIXが3日続伸し、JPXプライム150指数も反発した。東証プライム市場の売買代金は7兆円強と低水準で、売買高も伸び悩んだ。値下がり銘柄が662と多かった一方、値上がりは843となり、銘柄ごとに明暗が分かれた。フジクラや古河電工、イビデン、ファストリが下落した一方、日立建機やコマツ、リクルート、ソニーGなどは買われた。
個別では海運株が強く、商船三井が一時上場来高値を更新した。中東情勢の緊迫により原油やLPGの輸送ルートが北米向けに変わり、航行日数増加で運賃が上昇していることが追い風となった。同社はエネルギー輸送の比率が高く、代替調達の進展が業績改善につながるとの期待が強い。CFOは決算会見で、通期業績の上振れ可能性や自社株買い拡大の余地に言及した。海運大手3社はそろって最高値を更新し、商船三井の株価上昇率は年初来で55%と高い。
また、ファナックが反発し、ロボット競技大会で大型ロボットが人間の世界記録を上回るタイムを出したとの報道が関連銘柄の物色につながった。さらに、設備投資増額の報道も支援材料となった。ただし、AIを活用した「フィジカルAI」関連として期待が先行していた面もあり、戻り売りが出やすいとの指摘も市場にはある。
総じて、金利上昇と地政学リスクが重しとなる一方、企業業績や特定セクターの材料が個別株を押し上げるなど、相場は不安定ながらも選別的な物色が続いた一日だった。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、直前2日間は短陽線で下げ渋っていたが、本日は短陰線で下げた。10日及び60日移動平均線は既に大きく割り込んでいるが、やや下向きの25日移動平均線の上で辛うじて踏みとどまっていた。本日は終値ベースではやや割り込んだ。株価の動きとしては軟調が続いている。
33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、サービス(1位)、建設(2位)、その他製品(3位)、卸売り(4位)、機械(5位)となった。
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米財務省の国債買い入れ消却(バイバック)倍増による金利低下効果は1日でほぼ帳消し 08月22日
昨日の米国株式相場は大幅続落した(DJIA -703.84 @52,759.21, NASDAQ -263.92 @26,067.17, S&P500 -66.82 @7,641.16, SOX +61.79 @11,800.02)。ドル円為替レートは158円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が883に対して、下落銘柄数は622となった。騰落レシオは116.81%。
TOPIX +8 @4,067
日経平均 -200円 @66,016円
【米国株式相場】
8月20日のNY株式相場は反落した。米財務省が国債買い戻し枠拡大を発表したにもかかわらず、米10年債利回りが再び上昇し、金利高止まりへの警戒感が強まったことが売りを誘った。米長期金利は一時4.71%、30年債は5.26%まで上昇し、前日の金利低下の流れは続かなかった。財務省のバイバック増額は市場の不意を突いたが、総債務残高が40兆ドルを超える中では効果が限定的との見方が広がった。AI関連企業の社債発行増も金利上昇要因として意識された。
中東情勢の緊迫化も市場心理を悪化させた。トランプ米大統領がイランに対し「壊滅的な経済作戦」を示唆し、原油先物WTIは一時89ドルと約1カ月ぶりの高値を付けた。原油高はインフレ懸念を強め、株式の重荷となった。
企業決算ではウォルマートが急落。5〜7月期の既存店売上高が市場予想を下回り、27年1月期通期の利益見通しも予想未達となったことで、米消費の鈍化懸念が広がった。同社株は9%超下落し、ダウ平均の下げを加速させた。
ダウ平均は終盤に708ドル安まで下げ、最終的に703ドル安(-1.32%)の5万2759ドルで終了。ナスダック総合は1%安、S&P500も終日マイナス圏で推移し、主要3指数がそろって反落した。ボーイング、ホームデポ、アメリカン・エキスプレス、アマゾン、J&Jなどが下落した一方、マクドナルド、トラベラーズ、ディズニーは上昇した。
ナスダックではスペースXやテスラが売られ、クラウドストライクなどサイバーセキュリティー関連も下落した。金利上昇、原油高、消費鈍化懸念が重なり、米株市場はリスク回避姿勢が強まった一日となった。
米著名ファンドの2026年4〜6月期の投資動向がSEC提出書類(13F)で明らかになり、AI関連株への投資が「半導体中心」から「データセンター・電力などインフラ領域」へ広がっていることが浮き彫りになった。タイガー・グローバル、サード・ポイント、アパルーサなど主要6社のうち4社が、エヌビディア株を売却。株価が5月に最高値を付けた後、6月に調整したタイミングで利益確定を進めた形だ。ブリッジウォーターは「AIへの過度な集中は危険」と警戒し、TSMC株も削減した。
ハイパースケーラー(マイクロソフト、アマゾン、メタ)についても4社が売却しており、AIデータセンター投資の回収懸念が背景にある。一方で、AIハードウェア・インフラ関連への資金移動が顕著。タイガーとサード・ポイントはデータセンター設計・運営のアプライド・デジタルを新規取得。ソロスはスーパー・マイクロ・コンピューターや電力大手AEPを買い、データセンター不動産のデジタル・リアルティを買い増した。
半導体では、タイガーがアルファベットやブロードコム、TSMCを減らす一方、AMDやシーゲートを新規取得し、インテルを買い増すなど銘柄選別を進めた。アパルーサは逆にエヌビディアやTSMCを高値圏で買い増し、サード・ポイントは7月のAI株急落を「需給要因の調整」と説明し強気姿勢を維持。バークシャーはアルファベットを大幅に買い増したが、半導体株には投資していない。
さらに、スペースXや防衛関連など宇宙・軍需分野にも資金が流入。AI関連の一極集中から、データセンター・電力・宇宙防衛など周辺領域へ投資が広がっている。AI相場は期待先行の一斉買いから、銘柄選別の段階へ移行しつつあることが示された。
【日本株式相場】
本日8月21日の東京株式市場で日経平均株価は小幅反落し、終値は前日比200円安の6万6016円となった。前日の米株式市場で米長期金利が再び上昇し、主要3指数が大幅安となった流れを受けた。特に小売株の下げが目立ち、ファーストリテイリング、良品計画、アシックスなどが大きく売られた。米国ではウォルマートが決算発表後に急落し、米既存店売上の伸びが6年ぶりの低水準となったことで消費減退懸念が強まり、日本でも物価高の中で個人消費の弱さが意識された。
日経平均は朝方から弱く、6万6000円を割り込む場面が多く、午前10時過ぎには下げ幅が900円超まで拡大した。米財務省の国債買い入れ消却(バイバック)倍増による金利低下効果は1日でほぼ帳消しとなり、日米ともに金利先高観が根強い。国内長期金利は2.8%台後半まで上昇し、3%超えが視野に入る。金利上昇は株式の割高感を意識させ、売りを誘った。
日米の経済指標でも消費の弱さが見られる。米7月小売売上高は予想外のマイナス、ミシガン大学の消費者態度指数も予想を下回った。日本でも4〜6月期GDPが市場予想に届かず、個人消費の停滞が鮮明となった。一方で物価上昇は続き、7月の全国CPI(除く生鮮)は前年比1.8%上昇と伸びが加速。インフレが消費を圧迫し、小売業の業績懸念が広がった。
小売株の割高感も売りを強めた。ファストリの予想PERは45倍台、良品計画は33倍台と業種平均の25倍台を上回り、消費減速局面では調整圧力がかかりやすかった。
午後は下げ渋り、日経平均は6万6000円台を回復したが、来週にはエヌビディアの決算、さらにジャクソンホール会議が控えており、FRB議長の講演内容次第で市場が大きく動く可能性がある。投資家は慎重姿勢を強めており、不安定な相場展開が続くとの見方が多い。
【国内債券相場】
8月21日の国内債券市場では長期金利が上昇し、新発10年債利回りは2.875%と前日比0.03%上昇した。中東情勢の悪化懸念から原油価格が高止まりし、為替市場では円安・ドル高が進行。インフレ圧力が意識され、国内債券には売りが優勢となった。長期金利は一時2.885%と19日以来の高水準を付け、2年債・5年債・20年債・30年債まで幅広い年限で利回りが上昇した。前日に米財務省の国債買い入れ消却(バイバック)拡大で平たん化していたイールドカーブは、21日に再びスティープ化した。
債券先物も反落し、TONA先物も下落した。短期金融市場でも金利上昇圧力が意識され、債券売りが広がった。
一方、国内債券市場では長短金利差の縮小が続いている。21日14時時点で10年債と2年債の金利差は1.184%と、20日には3カ月ぶりの小ささとなった。背景には日銀の早期利上げ観測が強まり、利上げが後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」懸念が和らいだことがある。2年債は政策金利に敏感で、日銀の利上げ時期を反映しやすい。一方、10年債は利上げが将来のインフレ抑制にどこまで効くかを織り込むため、両者の差が政策期待の強弱を示す。
7月上旬に金利差が1.4%超まで広がったのは、政府が日銀の利上げをけん制しているとの見方が強まったためだ。骨太方針原案に利上げ牽制と受け取れる文言が含まれたことが影響した。しかし、7月末の日米協調介入で円安是正姿勢が明確になり、日銀も利上げに動く可能性が高まったとの見方が金利差縮小を促した。
対照的に米国では長短金利差が拡大傾向にある。FRBの利上げ姿勢が揺れ、6月はタカ派と受け止められ金利差が縮小したが、7月はハト派とみられ差が再拡大した。さらにAI関連企業による長期社債発行が増え、国債との資金需要競合が長期金利を押し上げている。米財務省のバイバック増額は一時的に金利差拡大を抑えたが、20日には再び長期金利が上昇し、金利差も広がった。
国内の金利差縮小は米国の動向に左右されやすく、19日の米金利差急縮小が20日の国内市場に波及した。21日に国内金利差が小幅拡大したのは、20日の米金利差が反動で再び急拡大したためだ。
国内債券市場では財政懸念が根強く、長期金利の上昇圧力は続くとの見方が多い。日銀の早期利上げ観測だけでは金利差縮小余地は限られ、今後の国内債券市場は米長短金利差の動向に大きく依存する展開となる。
【外国為替相場】
外国為替市場では、米財務省が19日に米国債の買い入れ消却(バイバック)増額を発表した直後、米長期金利が低下し円相場は一時1ドル=158円台前半まで円高が進んだ。しかし効果は長続きせず、20日の海外市場では再び円安が進み、159円18銭近辺まで下落する場面があった。市場では「ドル買われすぎ・円売られすぎ」の状態が再び強まっているとの見方が出ている。
テクニカル指標のRSI(相対力指数)では、過去14営業日の値動きから買われすぎ・売られすぎを判断するが、足元ではドルの上昇幅が再び大きくなり、円売りが過熱しているサインが点灯しつつある。米金利の低下を通じた円高効果は一時的で、為替市場では円安基調がなお根強いことが示された。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、短陽線で小幅安となった。ザラバでも8月19日安値@65,652円を割り込むことなく推移し、下値は堅そうな動きだった。そうは言っても、強い反発の気配はまだない。
33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、鉱業(2位)、石油・石炭(3位)、保険(4位)、卸売り(5位)となった。
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米国の国債買い入れ消却(バイバック)が拡大したため・・・ 08月21日
昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +119.65 @53,463.05, NASDAQ +41.38 @26,331.09, S&P500 +16.22 @7,707.98, SOX -254.23 @11,783.23)。ドル円為替レートは158円円台半ばの前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,320に対して、下落銘柄数は204となった。騰落レシオは120.06%。東証プライムの売買代金は8兆6034億円。
TOPIX +47 @4,060
日経平均 +890円 @66,217円
【米国株式相場】
8月19日のNY株式相場は4営業日ぶりに反発した。米財務省が長期国債の買い戻し(バイバック)枠を拡大すると発表し、米長期金利が低下したことが投資家心理を支えた。これまで世界的な金利上昇が株式市場の重荷となっていたが、長期金利が一時4.63%まで低下したことで買い安心感が広がった。ダウ平均は一時366ドル高まで上昇し、最終的に119ドル高の5万3463ドルで終了。ナスダック総合、S&P500も小幅ながら上昇し、主要3指数がそろって反発した。
米財務省は国債買い戻しの上限額を従来の20億ドルから40億ドル以上へ引き上げ、対象を10〜30年債とし、期間を11月4日までとした。世界的に債券利回りが急上昇していた中で、米財務省の対応が金利上昇に歯止めをかけた形となり、株式市場には好材料となった。
個別銘柄ではヘルスケア株が相場を押し上げた。モデルナとメルクが共同開発する皮膚がん向け治療法の臨床試験で良好な結果が得られたと発表され、メルクは一時13%超上昇。医薬品関連への買いが広がり、ダウ平均の上昇を牽引した。
一方、半導体・AI関連株は軟調だった。ウォール・ストリート・ジャーナルが、オープンAIの2026年4〜6月期売上高が67億ドルと、競合アンソロピックの116億ドルを大きく下回ったと報じたことが重荷となり、AMDやブロードコムなどが下落。AIインフラ企業のネビウス・グループやコアウィーブも売られ、ハイテク株の上値を抑えた。
FRBが公表した7月FOMC議事要旨では、インフレが再び強まる場合には追加利上げの可能性があるとの慎重姿勢が示された。ただし内容は既に市場が織り込んでいたもので、相場への影響は限定的だった。
その他、セールスフォース、アムジェン、ウォルト・ディズニー、ナイキ、アマゾンなどが買われた一方、キャタピラー、ハネウェル、ゴールドマン・サックスは下落した。ナスダックではネットフリックスやテスラが買われたが、半導体メモリーのマイクロンやAIインフラ関連銘柄は売られた。
総じて、米財務省の国債買い戻し拡大による金利低下とヘルスケア株の急騰が相場を押し上げた一方、AI関連の収益懸念と利上げ警戒が上値を抑える展開となった。
【米国債券相場】
8月19日の米債券市場では、これまで急速に上昇していた長期金利が急低下し、国債価格が急騰した。米財務省が突如、超長期国債の買い入れ消却(バイバック)枠を倍増させると発表したことが引き金となり、米国債を売り持ちしていた投資家が一斉に買い戻しを迫られた。10年債利回りは一時4.63%台、30年債は5.18%まで低下し、前日の高水準から急反落した。
この動きは欧州にも波及し、ドイツ30年債や英30年債の利回りも低下した。米金利の急低下を受け、ドル売りが進みドル指数は3カ月ぶりの低水準に下落。円相場は一時1ドル=158円近辺まで急伸した。金利上昇が重荷となっていた米株も反発し、ダウ平均は119ドル高。金やビットコインなどリスク資産にも買いが広がった。
背景には、市場の流動性が薄い夏場に短期筋が米長期債の売り持ちを積み上げていたことがある。短期金利低下と長期金利上昇に賭ける「スティープナー」取引も膨らんでおり、財務省の発表が不意打ちとなって一斉に巻き戻しが進んだ。市場では「ベッセント財務長官の戦術的巧みさ」との評価も出た。
ただし、金利低下が持続するかは不透明だ。米国の巨額財政赤字、中東情勢の混迷によるインフレ高止まり、AI関連企業による巨額の社債発行で国債との資金獲得競争が激化するなど、金利上昇の根本要因は解消されていない。専門家からは「小さな金利押し上げ要因が同時多発している」との指摘があり、長期金利上昇を見込む声も根強い。
一方、シティグループは今回の措置を長期金利のピークアウトにつながる転換点とみて、20年債の買いを推奨。利回りが5.1%から4.9%へ低下するとの見通しを示した。市場は、財務省の介入が一時的な反発にとどまるのか、流れを変える契機となるのかを慎重に見極めている。
【日本株式相場】
本日8月20日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反発し、終値は前日比890円高の6万6216円となった。前日の米株式市場で主要3指数が上昇した流れを引き継ぎ、買いが優勢となった。米財務省が国債買い入れ消却(バイバック)枠を倍増させ、米長期金利が低下したことが投資家心理を改善。韓国市場ではSKハイニックスとサムスン電子が大規模自社株買いを発表し、半導体株比率の高いKOSPIが急伸。これが日本株にも波及し、日経平均は一時1000円近く上昇した。
日経平均は前日までの3日間で3900円近く下落しており、自律反発狙いの買いも入りやすかった。一方で、前日の米市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落した影響から、東京エレクトロンやイビデンなどAI・半導体関連の一角は戻りが鈍かった。6万6000円を上回る水準では戻り売りも出やすく、市場では「AI半導体関連の戻りの弱さが気がかり」との声があった。
銀行株は軟調。米財務省のバイバック拡大で米国債需給が引き締まり、米長期金利が低下したことで利ざや改善期待が後退。三菱UFJは続落し、三井住友FGやみずほFGも売られた。国内債券市場でも新発10年債利回りが2.835%まで低下し、金利低下が銀行株の重荷となった。
東証株価指数(TOPIX)は47ポイント高の4059で4営業日ぶりに反発。JPXプライム150指数も上昇した。東証プライム市場の値上がり銘柄は1320と全体の8割を占め、幅広い銘柄に買いが入った。
個別では名村造船所が伊万里湾に大型ドック新設との報道で一時15%高。造船需要の強さと政策支援期待が追い風となった。キオクシアHDはSKハイニックスの自社株買い急伸を受けて株主還元強化への思惑が広がり6%高。東邦亜鉛は米長期金利低下で銀価格が上昇し、9%高となった。
自動車株も買われ、トヨタは一時4.6%高、日産は7%高。円高基調でも依然として想定為替レートより円安水準であること、トランプ政権がカナダ製自動車への関税引き下げを検討しているとの報道が追い風となった。自動車各社は4〜6月期決算が増益だったにもかかわらず通期見通しを据え置いており、上方修正期待も押し目買いを誘った。
建設株も反発し、大成建設が上昇。前日までの急落で業績に関係なく売られていた銘柄に買い戻しが入った。
ただし、金利上昇への警戒感は根強い。米財務省のバイバック拡大は需給対策に過ぎず、財政悪化やインフレ懸念など金利上昇の根本要因は残る。野村証券は「金利高への懸念で売られた株の買い戻しは限定的」と指摘し、神経質な相場展開が続くとの見方が多い。
総じて、金利低下と韓国半導体株の急伸が日本株の反発を後押ししたが、AI・半導体株の戻りの弱さや金利先高観が相場の上値を抑える展開となった。
【原油相場】
米国とイランの交渉期限が過ぎ、戦闘終結に向けた合意が見通せなくなったことで、中東からの原油供給正常化が遠のき、世界の原油市場では「現物価格の急騰」が鮮明になっている。通常は保有コストの関係で先物価格が現物より高くなるが、足元では現物が先物を大幅に上回る“逆転現象”が広がっている。需給逼迫が強まっていることを市場がより直接的に織り込み始めた形だ。
国際指標である北海ブレントの現物価格は19日に一時99ドル台と約1カ月ぶりの高値を付け、期近のブレント先物(10月物)終値を7ドル以上上回った。8月上旬には差が10ドル近くまで広がり、5月以来の大きさとなった。中東産指標のドバイ原油も同様で、かつてブレント先物より10ドル前後安かったが、足元では逆に小幅に上回る日が増えている。
背景には供給の急減がある。ホルムズ海峡は2月末の実質封鎖以降、通航が細り、18日までの7日平均でタンカーは1日3隻程度にとどまる。6月の覚書署名後に一時回復したが、交渉破綻で再び減少した。さらに、サウジアラビアが迂回路として使ってきた紅海の出口・バベルマンデブ海峡も7月20日にフーシ派が封鎖を宣言。サウジの原油輸出はスエズ運河経由で続けているとみられるものの、7月下旬から減少傾向にある。
バークレイズの試算では、迂回路を含むホルムズ海峡からの原油・石油製品輸出量は日量880万バレルと、衝突前の42%にとどまる。覚書期間中は8割まで回復していたが、再び供給制限が強まった。市場では「年内のホルムズ海峡正常化は難しい」との見方も出始めており、現物価格の割高は需給逼迫の象徴となっている。
総じて、米イラン交渉の暗礁化と中東の複数海域での封鎖が重なり、原油供給の不確実性が高まる中、現物価格が先物を上回る異例の状況が続いている。
【米国の国債買い入れ消却(バイバック)が拡大の余波� �
米国で国債買い入れ消却(バイバック)が拡大されたことを受け、日本の債券市場でも「買い安心感」が広がった。20年債入札は順調に消化され、国債買いが強まり、新発10年債利回りは一時2.83%まで低下した。前日まで急速に上昇していた国内金利はひとまず落ち着いたが、財政懸念などから再び2.9%程度まで戻る可能性があるとの見方もある。
日本でもバイバック導入が議論されたことがある。2025年春、国債の買い手不足で超長期債利回りが急騰し、証券会社が既発債の在庫を抱え込んで流動性が悪化した。プライマリーディーラー(PD)会合では「流動性改善につながる」として実施を求める声が相次いだ。しかし財務省は「検討していない」と慎重姿勢を崩さず、参加者も「当局は後ろ向き」と受け止めている。
背景には、日銀が長年金融緩和で市場をコントロールしてきた経緯があり、現在は「金利ある世界」への移行期として市場機能の正常化を重視しているため、財務省が市場介入に踏み切りにくい事情がある。また、国債発行額が減少しており、需給が引き締まっているため、現状ではバイバックの必要性が低いとの見方も強い。
ただし、米国のバイバック拡大が世界の金利に影響を与える中、日本でも金利上昇が再び加速する局面が訪れれば、バイバック待望論が再燃する可能性がある。特に長期金利が心理的節目の3%に接近するような展開になれば、流動性確保や市場安定化のために議論が再び活発化するとの指摘も出ている。
総じて、日本はバイバック制度を持ちながらも慎重姿勢を維持しているが、金利上昇圧力が強まれば状況が変わる可能性がある。
【米国の国債買い入れ消却(バイバック)が拡大の余波�◆�
米財務省が国債買い入れ消却(バイバック)拡大を突然発表したことで、外国為替市場に大きな波紋が広がった。米長期金利が急低下し、ドル指数は1%下落して3カ月ぶりの安値となり、円相場も一時1ドル=158円台まで円高が進んだ。市場では「米長期債が官製相場化した」との見方が出ており、7月末に実施された日米協調介入の再来を警戒する声が強まった。
協調介入は、円安や日本の長期金利上昇が米国債売りを誘発することを防ぐ目的と受け止められている。今回のバイバック拡大は米当局が金利抑制に強い意思を示した格好で、「再び為替介入があるのでは」との警戒感が市場に広がった。さらに、ジャクソンホール会議やG20財務相・中銀総裁会議など、通貨当局者が集まるイベントが続くことも、円安抑制策への警戒を高めている。
ただし、円売り材料が消えたわけではない。協調介入があった7月末以降、円は主要通貨に対して軒並み1%以上下落し、対ユーロでは185円台、産油国通貨クローネに対しては原油高もあり2%超の下落となった。対ドルは直近のドル急落で下落率が小幅に見えるだけだ。
市場では、ベッセント米財務長官が求めた日銀の利上げ加速が急速に織り込まれている。OIS市場では9月利上げ確率が8割、年内2回以上の利上げ観測も出ている。それでも円買いは広がらない。背景には、高市政権が利上げに慎重とみられている点や、骨太方針原案に利上げ牽制と受け取れる文言が残ったことがある。財政面でも27年度予算案の概算要求でシーリング撤廃が行われ、財政規律への懸念が円売り要因として残る。
市場では「為替介入もバイバックも時間稼ぎにすぎない」との見方が根強い。一方で、ベッセント氏が立て続けに政策を打ち出す姿勢は、円安進行に一定のブレーキをかけたことも事実であり、当局への警戒感は一段と高まっている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、昨日はほぼ半値戻しまで下げていたが、本日は短陽線で反発してほぼ横向きの25日移動平均線の上に再浮上した。ただ、力強い反発とは言えず、追加の悪材料が出てくればすぐに下振れしそうである。
33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、輸送用機器(1位)、電気・ガス(2位)、医薬品(3位)、不動産(4位)、非鉄金属(5位)となった。
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「相場の悟り」(相場も人生もたった2つのことから成る)を常に意識しておく 08月19日
昨日の米国株式相場は続落した(DJIA -116.38 @53,343.40, NASDAQ -355.20 @26,289.71, S&P500 -53.30 @7,691.76, SOX -628.55 @11,992.46)。ドル円為替レートは159円台前半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が362に対して、下落銘柄数は1,155となった。騰落レシオは118.44%。東証プライムの売買代金は10兆1151億円。
TOPIX -128 @4,012
日経平均 -2,134円 @65,326円
【米国株式相場】
8月18日のNY株式相場は3日続落した。背景には、米30年債利回りが19年ぶりの高水準となるなど世界的な国債利回り上昇が続き、インフレ懸念が強まったこと、さらに原油価格の高騰が投資家心理を圧迫したことがある。トランプ米大統領が「イランとの協議は一切ない」と投稿し、イラン側もホルムズ海峡封鎖維持を示唆するなど、中東情勢の緊迫化が地政学リスクを高めた。
ダウ平均は一時203ドル安まで下落し、最終的に116ドル安(-0.22%)で終了。ナスダック総合は1.33%安、S&P500も下落し、主要3指数がそろって3日続落となった。原油先物WTIは1%超上昇し、7月末以来の高値を付けた。エネルギー供給の不確実性が株式市場の重荷となった。
米長期金利は一時4.74%、30年債は5.33%まで上昇。原油高によるインフレ懸念、財政悪化、AIインフラ投資に伴う社債発行増加などが世界的な金利上昇を招いている。米国債には買いも入り長期金利はやや低下したが、株式の割高感が意識され売りが続いた。
個別では、半導体メモリー株が急落。ウエスタンデジタル、サンディスク、マイクロンなどが大幅安となり、SOX指数は4.9%安と大きく下落。金利上昇でAIインフラ関連の資金調達コスト増が懸念され、エヌビディアやキャタピラーなど関連銘柄も売られた。
一方、消費関連株は堅調で、J&J、ナイキ、コカ・コーラなどが上昇。セールスフォースやIBM、アップルも買われた。とはいえ、半導体関連の下げがハイテク株全体を押し下げ、相場全体の重しとなった。
総じて、金利上昇・原油高・中東情勢の不透明感が重なり、米株市場はリスク回避姿勢が強まった一日となった。
【日本株式相場】
本日8月19日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落し、前日比2134円安の6万5326円と約2週間ぶりに6万6000円を割り込んだ。前日の米半導体株急落と世界的な金利上昇圧力が重なり、AI・半導体関連株が売られたことが下げを主導した。韓国KOSPIや台湾加権指数などアジアのハイテク株も大きく下落し、投資家心理を冷やした。
背景には、18日の米株市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が約5%下落したこと、米30年債利回りが19年ぶりの高水準に達したこと、日本の長期金利が一時2.945%と約30年ぶりの高さを記録したことなど、世界的な金利上昇がある。欧州でも主要国の国債利回りが上昇しており、金利先高観からPERの高いハイテク株に割高感が意識され、売りが膨らんだ。
さらに、景気指標の弱さも相場の重荷となった。日本の4〜6月期GDPは市場予想を下回り、米国でも7月の小売売上高が予想外のマイナスとなった。景気減速と物価上昇が同時に進む「スタグフレーション」への警戒が強まり、株価下落に拍車をかけた。
東証プライム市場では値下がり銘柄が全体の7〜8割を占め、ほぼ全面安。AI・半導体関連、機械株に加え、金利上昇の恩恵を受けるはずの銀行株も利益確定売りに押された。三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGなどが下落し、金利上昇が景気悪化につながるとの懸念が銀行株にも波及した。
個別ではキオクシアが前日比11%安と急落。前日の米市場で共同開発先のサンディスクが約9%下落したことが売りの引き金となった。アナリストは「中長期の成長ストーリーは変わらない」としつつも、短期的には悪材料が重なったと指摘した。
中東情勢の緊迫化も市場を揺らした。トランプ米大統領が「イランとの協議は一切ない」と投稿し、イラン側もホルムズ海峡封鎖維持を示唆。原油価格が上昇し、インフレ懸念が世界的な金利上昇を加速させた。
投資家は27〜29日のジャクソンホール会議でのFRBウォーシュ議長の初講演を控え、積極的な買いを手控えている。世界的な金利上昇、地政学リスク、景気指標の弱さが重なり、AI・半導体主導の日本株上昇トレンドは一時的に大きく揺らいだ形となった。
【外国為替相場】
本日8月19日の東京外国為替市場で円相場は上昇し、1ドル=159円台前半で推移した。18日に160円目前まで円安が進んだが、節目を割り込むことなく反発した。中東情勢の悪化で原油価格が高止まりしているにもかかわらず、円売り・ドル買いは広がらず、円の下値は限定的となった。
背景には、米国とイランの戦闘終結に向けた協議が事実上破綻し、地政学リスクが高まる一方で、原油高が米経済を徐々に圧迫するとの見方が浮上していることがある。米輸入物価指数は予想外の下落、7月の小売売上高もマイナス、雇用統計も弱めの内容となり、CPI(消費者物価指数)・PPI(卸売物価指数も伸びが鈍化するなど、米経済の減速を示唆する指標が相次いでいる。
こうした弱い経済指標を受け、米利上げ観測は急速に後退。フェドウオッチによれば、年内利上げ確率は7月の9割台から67%程度まで低下し、利上げ回数も1回未満に縮小した。米利上げ期待の後退はドル買いを抑制し、円相場の下支えとなっている。
さらに、160円に接近すると日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が強まり、円買いが入りやすい。米財務省も円安がアジア通貨に波及することを懸念しており、日米協調介入の追加実施も辞さない姿勢とされる。米30年債利回りは一時5.33%と2007年以来の高水準を付けており、米金利上昇が続けば介入思惑はさらに高まりやすい。
市場では「160円が防衛ライン」との見方が多く、当面は介入警戒と米経済の弱さを背景に、円は狭い値幅で推移する可能性が高いとみられている。
【国内債券相場】
国内金利は18日まで急速に上昇していたが、19日は幅広い年限で低下し、いったんスピード調整が入った。新発10年債利回りは前日比0.025%低い2.910%、2年債・40年債もそろって低下した。背景には、日銀の早期利上げ観測が一巡したことに加え、18日の米国債市場で長期金利がいったん低下し、買い戻しが入ったことがある。
ただし、市場では「金利上昇懸念は全く解けていない」との見方が強い。前週は日銀が9月にも追加利上げに踏み切る可能性が報じられ、利上げペース加速やターミナルレート(最終到達点)の上方修正が急速に織り込まれた。10年債利回りは18日に一時2.945%と約30年ぶりの高水準を記録しており、3%の節目が目前に迫っている。
利上げ観測が再び強まる可能性も高い。高市政権は従来「リフレ政策」で利上げに慎重とみられていたが、日米協調介入や米財務長官の発言を受け、日銀の利上げを強くけん制しにくい状況になっているとの見方が出ている。また、日銀は物価上振れリスクを強く意識しており、7月会合の「主な意見」ではAI需要や各国の財政拡張が物価を押し上げる可能性が指摘された。
さらに、原油価格の再上昇や欧州金利の急騰(ドイツ10年債・30年債が15年ぶりの高水準)など、世界的なインフレ懸念も国内金利の上昇圧力となっている。日本のインフレ加速を警戒した債券売りが再び強まる可能性は大きい。
10年債は中期債と超長期債の中間に位置し、政策金利と財政懸念の双方の影響を受けやすい。投資家が方向感をつかみにくく、需要が細る中で売りが集中しやすい構造になっているとの指摘もある。
今後は日銀幹部の発言が焦点となる。特に氷見野副総裁は過去に利上げを事実上予告した経緯があり、8月末〜9月上旬の発言次第では利上げ織り込みが再び進み、長期金利が3%に向けて上昇する展開が十分あり得る。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、大きく窓を開けて続落して始まった後、さらに下げて長大陰線で終えた。上から順番に60・10・25日の各移動平均線をすべて下抜けた。7月29日安値@60,448円と8月14日高値@69,608円の上げ幅の半値戻し@65,028円にあと少しで届くほど調整してきた。
相場というものはいつもほとんどそうだが、上げるときは重力に逆らうように努力の継続で「ゆっくりと坂道を上る」が、下げるときは「崩壊して急な斜面と転げ落ちる」ように速く転落する。したがって、買うときは比較的ゆっくりでも間に合うが、売るときは逡巡していては遅すぎる。これを常に意識して建玉操作する必要がある。そして、さらに重要なことは、相場の動きをコントロールすることはできないが、自分自身の建玉は完全に自分でコントロールできるという「相場の悟り」(相場も人生もたった2つのことから成る)を常に意識しておくことである。
33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、ガラス・土石(2位)、機械(3位)、銀行(4位)、電気機器(5位)となった。
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世界的に長期金利が上昇しているため・・・ 08月18日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA -272.63 @53,459.78, NASDAQ -84.25 @26,644.91, S&500 -40.70 @7,745.06, SOX +203.95 @12,621.00)。ドル円為替レートは159円台後半の前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方がやや多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が722に対して、下落銘柄数は783となった。騰落レシオは121.13%。東証プライムの売買代金は10兆1564億円。
TOPIX -44 @4,140
日経平均 -1,760円 @67,461円
【米国株式相場】
8月17日のNY株式相場は続落した。米国とイランの停戦期限切れや交渉難航で地政学リスクが再燃し、原油先物WTIが2%超上昇。原油高によるインフレ懸念から米10年債利回りが4.72%台に上昇し、投資家心理が悪化した。主要企業の好決算が一部銘柄を支えたものの、全体としてはリスク回避姿勢が強まり、株式市場は軟調となった。
ダウ平均は一時337ドル安まで下落し、最終的に272ドル安(-0.51%)で終了。ナスダック総合は朝方プラス圏に浮上したが、引けでは0.32%安。S&P500も下落し、主要3指数がそろって2営業日続落した。高値圏にある米株相場で、地政学リスクが持ち高調整の売りを誘った。
トランプ大統領はSNSで「イランに核兵器を持たせない」と投稿し、米国は覚書延長を求めないと報じられた。これが中東情勢の不透明感を強め、原油高・金利上昇につながった。金利上昇は株式の割高感を意識させ、売りを加速させた。
一方、半導体関連は強かった。マイクロンは4%超上昇。米政権がアップルに中国製メモリーの調達を避けるよう求めたと報じられ、中国勢との競争懸念が後退したためだ。サンディスクは8.8%高、ウェスタンデジタルやシーゲートも上昇し、メモリー関連ETFは5%高。SOX指数も1.6%上昇した。AIモデルを手掛けるアンソロピックの急成長報道も半導体需要拡大期待を高めた。
ただし、半導体価格上昇はアップルやアマゾン、マイクロソフトなど大手ハイテク企業のコスト増につながり、これら銘柄は軒並み下落。半導体株高と大型ハイテク株安が相殺し、相場全体の上昇にはつながらなかった。
ナイキ、ディズニー、マクドナルドなど消費関連も下落し、地政学リスクと金利上昇が市場全体の重荷となった。半導体株はAIブームの追い風を受ける一方、テック大手の収益を圧迫する「両刃の剣」として市場に複雑な影響を与えている。
【日本株式相場】
本日8月18日の東京株式市場で日経平均は6営業日ぶりに大幅反落し、前日比1759円安の6万7460円となった。下げ幅は一時1800円超。背景には、中東情勢の不透明感と日米の長期金利上昇があり、投資家心理を冷やした。前日の米株市場では、米国がイランとの覚書延長を求めないとの報道を受けて原油価格が上昇し、地政学リスクが再燃。日本株にも戻り売りが広がった。
国内では長期金利が一時2.945%と約30年ぶりの高水準に上昇。日銀が早ければ9月に利上げするとの観測が強まり、金利先高観が株式市場の重荷となった。特にPERが高いAI・半導体関連は割高感が意識され、アドバンテストや東京エレクトロン、太陽誘電、村田製作所などが大幅安となり、日経平均を大きく押し下げた。
不動産株も金利上昇の影響を強く受けた。借入負担増や開発採算悪化への懸念から、三菱地所、三井不動産、住友不動産がそろって年初来安値を更新。保険株も国内外債券の含み損拡大が意識され、東京海上HDやT&DHDが下落した。
一方、銀行株は利ざや改善期待から堅調で、ふくおかFGや千葉銀行など地銀が年初来高値を更新。業績相場への移行が進む中、AI半導体以外の好業績銘柄にも物色が広がり、ヤマハ発動機やオムロンなどが上昇している。
ただし、金利上昇と地政学リスクが同時に強まる局面では、グロース株中心の相場は戻りにくい。市場では「AI一色の相場から、業績確度の高いハイクオリティ銘柄へ資金が移る」との見方が増えている。日銀の利上げ前倒し観測が続く限り、半導体関連の高ベータ銘柄には逆風が残り、相場は業績期待と金利上昇の綱引きが続く展開となった。
半導体関連銘柄とは対照的に、海運株が逆行高となり、日本郵船と川崎汽船が上場来高値を更新、商船三井も一時5%高となった。背景には中東情勢の緊迫化がある。米国がイランとの覚書延長を求めない姿勢を示し、イラン側も否定的な態度を取ったことで、ホルムズ海峡の航行正常化が遠のいた。さらに紅海封鎖の懸念も強まり、海上輸送の迂回や航海日数の増加が予想され、運賃上昇への思惑が広がった。
内藤証券は「原油やコンテナを運ぶ船の航海日数が延び、運賃上昇が連想された」と指摘。海運市況の改善期待が買いを後押しした。
加えて、足元の好業績も追い風となった。大手3社は今月上旬に発表した2027年3月期の通期予想をそろって上方修正。中東情勢に伴う石炭輸送需要の増加などが収益改善につながっている。こうした地政学リスクと業績の両面が海運株の上昇を支えた。
【Saasの復権か】
日米でITサービス・ソフトウェア株への資金回帰が鮮明になっている。NECは6月末比で約2割高、米パランティアは5割高と、1月以降の「AIに代替される懸念」で売られていた分を取り戻した。AI・半導体関連株の上昇が一服するなか、好業績やAI需要拡大の恩恵を受けるITサービス企業が再評価されている。
日本ではNEC、富士通、野村総研などが反発し、いずれも日経平均を上回る上昇率。米国でもパランティア、セールスフォース、サービスナウが6月末比で2〜5割高となり、S&P500を上回るパフォーマンスを示した。セキュリティー関連のパロアルト、クラウドストライクも最高値を更新した。
背景には「AIに代替される懸念の後退」と「決算の好調」がある。サービスナウはAIツール需要拡大で売上が予想を上回り、年間契約額は10億ドルを突破。パランティアもAI活用のデータ分析需要が安定し、売上見通しを引き上げた。これにより「AI需要の恩恵を受ける企業」として業績成長ストーリーが描けるようになった。
投資家が選別するポイントは2つ。
��AIに代替されにくい事業モデル
コンサルなど意思決定や対人調整を伴う業務、企業向けシステムの導入〜運用まで担う垂直統合型モデルは代替されにくい。独自データを提供できる企業はAIエージェント導入の波でも強みを発揮する。
�⊃靴燭�AI需要を取り込めるか
AI脅威に備えるサイバーセキュリティー需要は強く、AI導入支援の常駐型エンジニア(FDE)への需要も拡大。NECはアンソロピックと協業し、法人向けAI需要の取り込みを加速。ITサービス事業が大きく伸びた。
ITサービス株はAI・半導体株の上昇局面で出遅れていたため、PERにも上昇余地があるとの見方が出ている。一方、議事録作成や翻訳などAIに代替されやすいソフトは買い戻しが鈍く、業界内の明暗は分かれそうだ。
総じて、AIブームの中で「代替されないITサービス」と「AIを支えるソフトウェア」が再評価され、日米で資金が戻り始めている。
【好調な決算発表】
2026年4〜6月期決算では、上場企業の約4社に1社(約530社)が純利益で過去最高を更新した。最高益企業の比率は28%と前年(18%)を大きく上回り、コロナ禍以降で最も高い水準となった。牽引役は生成AIの急速な普及で、半導体メモリーや製造装置、データセンター(DC)関連製品の需要が世界的に拡大。これに伴い、材料メーカーや建設業など「黒子」企業にも恩恵が広がった。
アドバンテストはAI向け半導体の「推論」需要増を背景に純利益が94%増。フジクラはハイパースケーラーによるDC投資拡大で光ファイバー製品が好調となり、純利益が2.6倍に。化学メーカーも半導体材料の需要増で最高益が相次ぎ、日産化学は露光工程向け材料が好調、扶桑化学工業は研磨剤素材の販売数量・単価が伸び純利益が2.2倍となった。
DC増設に伴い建設業も好調で、関電工やエクシオグループなどサブコン企業が最高益を更新。エクシオはDC工事を含む社会インフラ事業の営業利益が15倍となった。
構造改革の成果が表れた企業も多い。TDKはMLCCやアルミ電解コンデンサーの販売増で純利益が9割増。旭化成は医薬や半導体材料で積極的なM&Aや投資を進め、石化市況に左右されない収益体質を構築し5年ぶりに最高益を更新した。
中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇し、商社や素材企業にも追い風となった。三井物産は化学品トレードが拡大し、リケンテクノスは食品包装ラップの前倒し需要を取り込んだ。
27年3月期の純利益は前期比14%増が見込まれ、企業の価格転嫁力が維持される限り好業績は続くとの見方が多い。生成AIを中心とした構造的な需要拡大が、日本企業の収益を押し上げている。
【日銀の金融政策】
日銀の利上げペースが想定より加速するとの見方が強まり、市場では「今回の利上げ局面は2027年7月までに終了する可能性」が意識され始めた。背景には、日米協調の円買い介入を受け、米国が日銀に早期利上げを求めているとの観測が広がったことがある。これにより、半年に1回とみられていた利上げペースが3〜4カ月に短縮され、政策金利は現在の1%前後から27年1月に1.5%程度へ上昇するとの予想が市場で織り込まれている。
さらに、利上げの「ゴール」とされる政策金利1.75〜2.0%の到達時期が前倒しされる可能性が高まった。日銀推計の中立金利(1.1〜2.5%)の中央値に近い1.75%は、27年4〜7月に達するとの見方が増えている。金利スワップ市場では、27年7月までに約3回の追加利上げが織り込まれ、2.0%到達の可能性も2割程度織り込まれている。
27年7月までに利上げが終わることは政策面で意味が大きい。7月の決定会合後に利上げ賛成派の審議委員2名の任期が終了し、後任が「リフレ派」とされる人物になる可能性があるため、9月以降は利上げ決定が5対4の僅差になるリスクがある。7月までに利上げを終えておけば、政策決定の分断を避けられるとの見方が日銀内にある。
ただし、利上げ終了が遅れる可能性も残る。27年春の賃上げ率が過去3年を大きく上回り、基調的な物価上昇率が2%超に達する場合、中立金利の上限である2.5%まで利上げが続くリスクも指摘される。その場合、27年秋以降の政策決定は僅差の判断が続き、28年春の正副総裁人事にも影響を及ぼす可能性がある。
総じて、日米協調介入を契機に利上げペースが加速し、27年夏までの利上げ終了が現実味を帯びる一方、賃上げや物価動向次第では追加利上げが長期化する可能性も残る。
【世界的に長期金利が上昇している】
世界で長期金利の上昇が連鎖している。背景には、中東情勢の悪化による原油高が続き、インフレ圧力が高まっていること、各国の財政悪化への懸念、さらにAI企業による巨額の社債発行が国債需要を押し下げていることがある。
日本では18日の債券市場で新発10年債利回りが一時2.945%と約30年ぶりの高水準を記録。30年債も4.155%まで上昇し、国内要因として日銀の利上げ加速観測や拡張的財政政策への警戒が強まっている。だが金利上昇は世界的な流れでもあり、米国では30年債利回りが5.3%と2007年以来の高さ、10年債も4.7%に上昇。欧州でもフランスが17年ぶりの4%台、ドイツが15年ぶりの3.2%台となった。
金利上昇をもたらす要因は3つある。
�|翕貍霎�の緊迫化
米国とイランの停戦交渉が期限切れとなり、双方が非難を強めたことで原油価格が上昇。インフレ懸念が債券売りを誘発している。
�∈眄�悪化への懸念
米国では戦費拡大などで財政赤字が急増し、7月までの10カ月で約1.8兆ドルと前年度をすでに上回った。中間選挙を控え財政規律強化は期待しづらい。フランスでも政治混乱が続き、赤字抑制能力への疑念が強まっている。
��AI企業の巨額投資と社債発行
ハイパースケーラーがデータセンター投資のため高利回りの社債を大量発行。アルファベットは250億ドルの社債発行を決定し、国債から社債へ資金が流れる「国債離れ」が意識されている。特に残存30年以上の長期債で競争が激しい。
さらに、AI需要の拡大は物価上昇要因としても認識され始め、日銀の会合でも「AI関連需要が物価を押し上げる」との意見が出た。
金利水準だけ見れば投資妙味があるように映るが、複合的な要因で金利がじりじり上昇する中、「金利低下のきっかけが見えず、積極的に買いに動きにくい」との慎重姿勢が市場を覆っている。
【原油相場】
米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が期限内に進展せず破綻したことで、中東の供給不安が強まり原油価格が急上昇している。18日には中東産の指標であるドバイ原油が1バレル91.8ドルと4週間ぶりの高値を付け、北海ブレントやWTIも3週間ぶりの高値水準となった。
両国は6月に覚書を交わし60日間の交渉期間を設けたが、対立が深まり期限の8月17日までに合意に至らなかった。交渉の「区切り」がなくなったことで決着が見通せず、原油の買いが広がったと指摘されている。
供給面の不安も深刻だ。ホルムズ海峡は実質封鎖状態が続き、原油・石油製品のタンカー通航は1日2隻と、6月下旬の10分の1に減少。さらに、サウジアラビアが迂回路として使ってきた紅海の出口・バベルマンデブ海峡がイエメンのフーシ派に封鎖され、サウジからの原油輸出が急減している。
中東からの輸出が細った状態が長引けば、世界的な需給逼迫が意識され、原油価格はさらに上昇しやすい。米・イラン双方が対立姿勢を強めているため、戦闘が激化すれば原油価格が瞬間的に100ドルを超える可能性もあるとみられている。
【国内債券相場】
8月18日の国内債券市場では新発10年国債利回りが一時2.945%まで上昇し、17日に続き約30年ぶりの高水準を記録した。背景には、日本の財政悪化への懸念と日銀の追加利上げ観測が強まっていることがある。2027年度予算案の概算要求では成長・危機管理分野のシーリング(上限)が撤廃され、財政支出拡大が意識されて債券売りが加速した。さらに、ロイターが「日銀が9月にも利上げを想定」と報じたことで、政策金利の到達点が従来より高くなるとの見方が広がり、中期債だけでなく長期債にも売りが波及した。
世界的にも金利上昇が連鎖している。米国では財政悪化や中東情勢の緊迫化を背景に、30年債利回りが一時5.3%台と19年ぶりの高水準に達し、10年債も4.72%まで上昇。欧州でもフランスが17年ぶりの4%台、ドイツが15年ぶりの3.2%台となった。米国債市場では中期債利回りが低下する一方、超長期債が上昇する「ツイスト・スティープ化」が進行し、期間プレミアム(長期保有リスクへの上乗せ金利)が拡大している。
米長期金利を押し上げる要因は3つある。
�‘�本の投資家の買い控え
日本の長期金利が急騰し、為替ヘッジ後の米国債の魅力が低下。日本勢は米国債最大の海外保有者であり、投資手控えが米債の重荷となっている。
�∧萄眄�悪化
2026年度の財政赤字は7月までで前年度通年を上回り、軍事費・社会保障費・利払い費が財政を圧迫。将来的な長期債増発への警戒が強まる。
��AI関連企業の巨額社債発行
データセンター投資のためテック企業が高利回りの社債を大量発行。アルファベットは250億ドルの社債発行を決定し、国債との資金獲得競争が激化している。
こうした複合要因により、日米ともに長期金利が上昇し続けている。市場では「金利低下のきっかけが見えず、積極的に債券を買いにくい」との慎重姿勢が広がっている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、長陰線で反落した。60日・10日移動平均線の上で推移しているが、今にもそれらの移動平均線をまた下抜けしそうな気配である。
33業種中19業種が下げた。下落率トップ5は、電気機器(1位)、金属製品(2位)、ガラス・土石(3位)、非鉄金属(4位)、機械(5位)となった。
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AI・半導体関連が上昇を牽引したが・・・長期金利の上昇が 08月17日
先週金曜日の米国株式相場は反落した(DJIA -107.58 @ 52,732.41, NASDAQ -73.86 @26,729.16, S&P500 -13.23 @7,785.76, SOX -38.95 @12,417.05)。ドル円為替レートは159円台前半の先週末比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方がが多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が627に対して、下落銘柄数は890となった。騰落レシオは122.22%。東証プライムの売買代金は8兆9492億円。
TOPIX -13 @4,184
日経平均 +506円 @69,220円
【米国株相場】
8月14日のNY株式相場は反落した。7月の米小売売上高が前月比0.6%減と市場予想(0.1%増)を下回り、ミシガン大学の8月消費者態度指数も予想を大きく下回るなど、消費関連指標の弱さが嫌気された。個人消費の勢いが鈍化している可能性が意識され、主力株に売りが広がった。さらに、中東情勢の不透明感から米原油先物WTIが反発し、原油高が株式市場の重荷となった。
前日までのインフレ減速感を背景にS&P500が最高値を更新していたこともあり、高値警戒感から利益確定売りや週末を控えた持ち高調整が出やすい地合いだった。ただし、FRBが利上げを急がないとの見方が強まり、押し目買いが入り下値は支えられた。
ダウ平均は一時278ドル高まで上昇したが、その後下落に転じ、最終的に107ドル安(0.19%)で終了し、3週ぶりに週間ベースで下落した。構成銘柄ではセールスフォース、シスコ、IBM、ナイキ、アマゾンが下落。一方、ディズニー、シェブロン、ユナイテッドヘルスなどが上昇した。
ナスダック総合は0.27%安と3日ぶりに反落。アプライドマテリアルズは決算が市場予想を上回ったものの、収益見通しが期待に届かず5%超下落。ブロードコムやパランティアも売られた。一方、サンディスクは前日の説明会で示した高い成長見通しが評価され上昇し、ウェスタンデジタルやシーゲートなどストレージ関連にも買いが波及した。
週間ではナスダックが小幅高(0.1%)となり、ハイテク株の底堅さが確認されたものの、消費指標の悪化と地政学リスクが相場の重しとなった。
【日本株式相場】
本日8月17日の東京株式市場で日経平均株価は5日続伸し、前週末比506円高の6万9220円と約1カ月ぶりに6万9000円台を回復した。主要企業の4〜6月期決算が一巡し、AI・半導体関連を中心に業績拡大期待が強まったことが買いを誘った。一方で、急ピッチの上昇による割高感や日銀の利上げ加速観測を背景に戻り待ち・利益確定売りも出て、日経平均は一時200円超下落する場面もあった。
市場では「予想以上に堅調な決算だった」との評価が多く、アドバンテスト、キオクシア、ソフトバンクグループなどAI・半導体関連が上昇を牽引した。特にキオクシアは米サンディスクの好決算と強気の成長見通しを受け連想買いが続き、6万円台を回復。サンディスクは長期供給契約により市況悪化リスクを抑えつつ高成長を維持する見通しが示され、メモリー関連株全体の追い風となった。
ただし、東証プライムでは値下がり銘柄が多く、TOPIXは9営業日ぶりに反落。ソフトウェア関連株やメガバンクが売られ、幅広い業種で利益確定売りが目立った。TOPIXは8月に入り5%近く上昇しており、騰落レシオ(25日)が121%と「買われすぎ」水準に達していたことも過熱感を意識させた。
一方、海運株は堅調で、APモラー・マースクの業績見通し上方修正を受け、川崎汽船や郵船が上場来高値を更新。アシックスやパナソニックHDなど、AI以外の成長テーマを持つ企業にも買いが広がった。パナソニックHDはデータセンター向け蓄電池の好調や構造改革の進展が評価され、上場来高値を更新した。
マクロ環境では、内閣府が発表した4〜6月期GDP速報値が実質1.1%増と市場予想を下回り、個人消費や設備投資の弱さが意識された。ただし名目GDPは年率4.8%増と高い伸びを示し、インフレが企業収益や株価にプラスに働く「株高不況」の構図が続いている。
総じて、好業績とAI関連の強さが日経平均を押し上げる一方、金利上昇や過熱感が上値を抑える展開となった。日本株の上昇はAI・株主還元だけでなく、企業改革の「行動力」が次のテーマとして重要性を増している。
【国内債券相場】
8月17日の国内債券市場では長期金利が急上昇し、新発10年債利回りは一時2.930%と約30年ぶりの高水準を付けた。背景には、日米協調の為替介入を受けて「日銀が早期利上げに踏み切る」との観測が急速に強まったことがある。ベッセント米財務長官が「日銀は必要なことを実行する」と発言したことで、円安是正のため日銀が利上げを前倒しするとの見方が市場に広がった。
翌日物金利スワップ(OIS)では、9月の金融政策決定会合で日銀が利上げする確率が8割に達し、2週間で織り込みが急進。BofA証券は政策金利予想を「27年末1.75%」から「27年7月までに2%」へ引き上げるなど、利上げペース・到達点の見方も上方修正されている。
こうした観測は中期債の利回り上昇に顕著に表れ、17日の新発5年債は過去最高、新発2年債は31年ぶりの高水準となった。長期・超長期債にも波及し、20年債は3.755%まで上昇した。
海外要因も金利上昇圧力を強めている。米国では30年債入札が不調で利回りが25年ぶりの高さとなり、財政悪化懸念やFRBの利上げ期待後退で需要が減少。欧州でも金利が上昇し、日本国債にも波及した。
さらに、日本の財政健全化への懸念も強まっている。27年度予算の概算要求ではシーリング(上限)が撤廃され、食料品の消費税減税も財源が不透明。こうした状況が「金利は上がる」という市場心理を強めている。
市場では「悪い材料が重なり、3%到達は必至」との声が多い。日銀が円安抑制のため利上げを急ぐとの見方が広がる一方、円安は止まらず、さらなる利上げ観測が織り込まれる悪循環も指摘される。
国債の買い手は乏しく、入札を控えた持ち高調整の売りが出やすい地合い。8月の10年債・30年債入札では需要が弱く、今後の入札が順調に消化できるかが市場安定の焦点となっている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、下ひげを引いた短陽線で5日続伸したが、ザラバでも終値ベースでも前日の上ひげを超えることはなかった。しかし、10日及び25日移動平均線が上向きで株価がその上で推移しているので、上に行こうとする力の方が強い。
33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、パルプ・紙(1位)、医薬品(2位)、卸売り(3位)、その他製品(4位)、小売り(5位)となった。
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「AI・半導体一極集中」から、より広範な銘柄が上昇を支える健全な相場に移行している 08月14日
昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +69.72 @53,839.99, NASDAQ +215.54 @26,803.03, S&P500 +50.49 @7,798.99, SOX +56.62 @12,456.00)。ドル円為替レートは159円台前半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,124に対して、下落銘柄数は401となった。騰落レシオは121.78%。東証プライムの売買代金は10兆3156億円。
TOPIX +21 @4,197
日経平均 +405円 @68,714円
【米国株式相場】
8月13日のNY株式相場は上昇した。7月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回り、インフレ減速が確認されたことで、早期利上げ観測が後退。米10年債利回りが4.64%台へ低下し、NY原油価格も2%超下落したことが株式市場の追い風となった。前日のCPIに続きインフレ指標が落ち着いたことで買いが優勢となったが、シスコ・システムズなど決算が振るわなかった銘柄が重荷となり、上値は一部抑えられた。
ダウ平均は一時278ドル高まで上昇した後、147ドル安まで下落する場面もあったが、最終的には69.72ドル高と小幅反発し4日ぶりに上昇。ナスダック総合は0.81%高と2日続伸し、S&P500も続伸して取引時間中と終値で史上最高値を更新した。
PPIは前月比横ばいと予想(0.2%上昇)を下回り、前年比も4.7%上昇と6月から伸びが鈍化。CPIと合わせてFRBが9月会合で政策金利を据え置くとの見方が強まった。
AI関連銘柄が買われ、サンディスクは投資家向け説明会で示した収益見通しが好感され13%超上昇。マイクロンなど半導体関連にも買いが波及した。中国レノボの好決算を受け、デルやHPも上昇。前日にはスーパー・マイクロ・コンピューターが決算を材料に急伸するなど、AIハード関連企業への期待が高まった。
一方、シスコは売上高が予想を上回ったものの利益率低下が嫌気され約8%下落。高値圏にあったことから材料出尽くしの売りも出やすかった。ダウ構成銘柄ではセールスフォース、メルク、ナイキ、ビザが上昇し、アップル、マイクロソフト、アルファベット、エヌビディアも堅調だった。逆にユナイテッドヘルス、マクドナルド、アマゾンは下落した。
ナスダックでは半導体関連のほか、テスラ、メタ、ネットフリックスが上昇。ネットフリックスは著名投資家ビル・アックマン氏の保有が明らかになり買いが入った。
全体として、インフレ指標の落ち着きと金利低下、原油安が相場を押し上げ、主要指数はそろって堅調な動きとなった。
【米国債相場と外為相場】
米国の超長期国債の人気が低下している。13日の30年債入札では最高落札利回りが5.216%と2001年以来の高水準となり、流通市場でも30年債利回りは約23年ぶりに5.2%台後半で推移した。背景には、FRBのインフレ対応が後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」懸念や、財政拡張による政府債務の増大がある。市場では年内1〜2回の利上げではインフレ抑制が不十分との見方が広がり、長期金利が上昇しやすい状況となっている。イランとの戦闘に伴う国防費増加や大型減税・歳出法の成立など、財政悪化懸念も利回り上昇を後押ししている。11月の米中間選挙を控え、財政出動の可能性から30年債利回りがさらに5.4%まで上昇するとの指摘もある。
一方、外国為替市場ではドルが底堅い。PPIやCPIなどインフレ指標が弱含み、9月の利上げ観測は後退しているにもかかわらず、ドル売りは勢いづかない。FRBの政策方針が不透明で、ウォーシュ議長の発言も利上げ姿勢が読み取りにくいことが背景にある。市場は次回FOMCまでに雇用統計やCPIなど重要指標を再確認する必要があり、持ち高を傾けにくい状況だ。
ドル指数(DXY)は一時99台半ばまで低下したが、その後持ち直し、対円では159円台半ばで推移。FRBが年内に利上げするとの見方は依然強く、原油価格の下落が止まりインフレ懸念が残る中、ドルの先高観は根強い。円買い介入がドルの上値を抑えているものの、米金融政策の不透明さが続く限り、ドル売りが積極化しにくい状況が続いている。
【日本株式相場】
本日8月14日の東京株式市場で日経平均株価は4日続伸し、前日比405円高の6万8713円と約1カ月ぶりの高値を付けた。前日の米国市場で、7月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回りインフレ懸念が和らいだことでFRBの早期利上げ観測が後退。米長期金利が低下しハイテク株が買われた流れが東京市場にも波及し、朝方は海外投資家の買いが強まり日経平均は一時1300円近く上昇した。
しかし、週末を控えた持ち高整理や利益確定売りが出て上げ幅は縮小。AI・半導体関連株は7月に急落した銘柄が多く、戻り局面では売りが出やすい。イビデン、レーザーテク、フジクラなどが下落し、連日で上場来高値を更新していたアドバンテストも午後には伸び悩んだ。
一方、ゲーム関連株は堅調で、任天堂、コナミG、バンダイナムコHDなどが買われた。自動車株もトヨタ、ホンダ、スズキなどが上昇し、出遅れ銘柄への循環物色が広がった。銀行株は地銀が強く、阿波銀やいよぎんHDが上場来高値を更新するなど割安感を背景に買いが入った。メガバンクは前日の上昇の反動で利益確定売りが出た。
AI・半導体関連ではキオクシアが大幅続伸。米サンディスクが投資家向け説明会で2028〜30年度の売上高成長率を年率10%台半ば〜後半と示し、利益率も高水準を維持すると説明したことでメモリー市況への懸念が後退。サンディスク急伸の連想買いがキオクシアに波及し、マイクロンやSKハイニックスなど世界的なメモリー株高も追い風となった。
個別ではアシックスが今期業績予想を上方修正し、売上高が初の1兆円超となる見通しを示したことで上場来高値を更新。増配も好感され大幅高となった。逆にトレンドマイクロは今期減益見通しが嫌気されストップ安となった。
海運株も強く、APモラー・マースクが業績見通しを上方修正したことを受け、川崎汽船が上場来高値を更新。郵船や商船三井にも買いが広がり、海運市況の堅調さが意識された。
東証プライムでは約7割の銘柄が上昇し、TOPIXも連日で最高値を更新。日経平均構成銘柄の騰落率を見ると、6月25日〜8月13日の期間で8割が指数を上回り、6月までの「AI・半導体一極集中」から、より広範な銘柄が上昇を支える健全な相場に移行しているとの見方が強まった。
市場では日経平均の7万円台回復が視野に入り、今回こそ大台が定着するとの期待が高まっている。
【国内債券相場】
8月14日の国内債券市場では長期金利が上昇し、新発10年債利回りは2.875%となった。背景には、ロイター通信が「日銀が早ければ9月にも利上げを検討」と報じたことがあり、政策金利の影響を受けやすい中期債を中心に売りが拡大。新発5年債は2.135%と過去最高、新発2年債は1.650%と31年ぶりの高水準を記録した。長期ゾーンでは20年債が一時3.755%まで上昇したが、30年債・40年債は前日と同水準で取引された。
午前中は米インフレ指標の落ち着きを受けて買いが優勢だった。米PPIが予想を下回り、FRBが9月の利上げを見送るとの観測が強まり、米長期金利が低下。これを受け日本の長期金利も一時2.845%まで低下した。しかし午後に日銀の早期利上げ観測が伝わると状況が一変し、中期債を中心に売りが増加した。
債券先物は5営業日ぶりに反発し、9月物は126円48銭で終了。短期金融市場ではTONA先物が下落し、清算値は前日と同じ98.8100となった。全体として、米インフレ鈍化による買いと日銀利上げ観測による売りが交錯し、国内金利は中期ゾーンを中心に上昇した。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、上ひげが長い十字線で4日続伸した。ただ、十字線となったので、寄り付き後は売り買いの圧力が拮抗したことを示し、さらに続伸するためには強い買い材料が必要となる。もし、新たな強い買い材料が出てこないと、一旦は利益確定売りに押し戻される可能性が高くなる。
33業種中19業種が上げた。上昇率トップ5は、その他製品(1位)、海運(2位)、鉱業(3位)、情報・通信(4位)、水産・農林(5位)となった。
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日経平均はザラバで2/3戻しを達成 08月13日
昨日の米国株式相場は総じて上げた(DJIA -21.58 @53,770.27, NASDAQ +143.04 @26,588.49, S&P500 +20.30 @7,748.50, SOX +300.91 @12,399.38)。ドル円為替レートは159円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。 東証プライムでは、上昇銘柄数が1,010に対して、下落銘柄数は498となった。騰落レシオは114.77%。東証プライムの売買代金は10兆206億円。
TOPIX +37 @4,176
日経平均 +785円 @68,309円
【米国株式相場】
8月12日のNY株式相場は高安まちまちとなった。7月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想通りの落ち着いた伸びにとどまり、インフレ鈍化が確認されたことで、FRBが次回会合で利上げを急がず政策金利を据え置くとの見方が強まり、市場に安心感が広がった。一方、ホルムズ海峡の再開期待が後退し原油価格が上昇したことが上値を抑えた。
ダウ平均は一時177ドル高まで上昇したが、最終的には21.58ドル安と小幅に下落し3日続落。大型ハイテク株の一角で利益確定売りが出たことが重荷となり、マイクロソフトやセールスフォース、アマゾンが下落した。ホーム・デポはCEOの病気療養による休職発表を受け3%超下落した。
一方、ナスダック総合は終日プラス圏で推移し0.54%高で終了、S&P500も上昇して3日ぶりに反発した。CPIが予想通りであったことに加え、AI関連企業の好決算が投資家心理を支えた。特にAI向けクラウドサービスのコアウィーブが決算を受け19%超上昇し、スーパー・マイクロ・コンピューターも大幅高となった。AIインフラ需要の強さが改めて確認され、半導体関連株も堅調で、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.4%上昇した。
ダウ構成銘柄ではエヌビディアやシスコが上昇した一方、ナイキ、トラベラーズ、シャーウィン・ウィリアムズなどが下落した。市場ではCPI発表後の安心感が広がったものの、翌日の米卸売物価指数(PPI)や米・イラン協議の行方を見極めたいとの慎重姿勢も残った。
全体として、インフレ鈍化とAI関連の好決算が相場を支えた一方、原油高や大型株の調整が重荷となり、指数はまちまちの展開となった。
【日本株式相場】
本日8月13日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、前日比784円高の6万8308円と、7月15日以来となる6万8000円台を回復した。前日の米国市場でナスダックやSOX指数が上昇し、米CPIの伸び鈍化を受けてFRBの早期利上げ観測が後退したことから、ハイテク株への買いが強まった流れが東京市場にも波及。AI・半導体関連銘柄や株価指数先物に買いが集まり、日経平均は一時1200円超上昇した。
韓国市場でもKOSPIが上昇し、アジア全体で半導体株が堅調だったことが追い風となった。東京市場では東エレク、イビデン、キオクシア、アドバンテストなど主力半導体株が買われ、アドテストは株式分割後の上場来高値を更新した。太陽誘電など電子部品株も上昇した。
一方、午前の買い一巡後は伸び悩み、6万8500円付近では戻り売りが出た。午後にはブルームバーグ通信が「政府が日米協調の為替介入効果維持の観点から早期利上げを支持し、日銀は9〜10月の会合で利上げを視野」と報じたことで追加利上げ観測が強まり、利益確定売りが広がった。
TOPIXは7日続伸し、連日で最高値を更新。JPXプライム150指数も6日続伸した。東証プライムの売買代金は10兆円を超え、値上がり銘柄は全体の65%に達した。
個別では、銀行株が日銀の利上げ観測を背景に上昇し、三菱UFJや三井住友FGが堅調。前日に好決算を発表したTOPPANはストップ高水準まで買われた。半面、ファナックや花王、ゲーム関連のコナミG・ソニーG・任天堂は軟調だった。
国内企業の2026年4〜6月期決算は総じて良好との見方が広がり、AI・半導体関連に加え、機械やゲームなど「AI物色の圏外」にあった銘柄にも好業績が多かった点が投資家心理を支えた。TOPPANは米包装企業買収効果や先端半導体向けパッケージ基板の伸びが評価され、三菱重工・川崎重工・IHIなど重工株も戻りを試した。
野村証券のリビジョン・インデックス(RI)は今期基準でプラス35.6と最高水準に達し、企業業績の上方修正が増加。主要企業の経常増益率予想も18.9%増へ上方修正され、EPS拡大基調が確認されたことで、ファンダメンタルズ重視の投資家の買いを呼び込んだ。
市場では依然としてボラティリティが高く、積極的な買いは慎重との声もあるが、割安な好業績銘柄への資金シフトは続く可能性がある。日経平均は7万円台回復に向けて動いているようだ。
【海外大手運用会社3社の円相場と国内債券相場の見方】
日米協調の為替介入や食料品の消費税減税を受け、円相場と日本国債市場に不安定さが広がっている。海外大手運用会社3社の担当者は総じて「円・国債には下落余地がある」とみており、インフレ圧力や財政運営の不透明さが背景にある。
カルミニャックのリジャード氏は、日本国債の保有比率を抑えており、円安・積極財政・賃上げがインフレ圧力を強めていると指摘。日銀の利上げは遅れ気味で、国債市場にはかつてのような強力な買い手がいないため、長期金利は3.3%が適正とみる。一方、30年債は割安と判断し、10年債を売り・30年債を買う戦略を取る。食料品の消費税減税は市場の想定内で、財政規律の緩みやインフレ容認姿勢は変わらないとみる。円は割安だが、介入だけでは円安修正は難しく、利上げ加速や国内投資促進が必要と述べた。
フィデリティのエフスタソポウロス氏は、日本国債への投資を見送り、金利上昇リスクが高いと判断。賃上げが中小企業にも広がる「良いインフレ」が定着し、日銀のインフレ見通しも2%超が続く。積極財政や減税はインフレ抑制の負担を金融政策に押し付けるため、国債投資は難しいとする。GPIFの国内債投資拡大観測は短期的効果はあるが、実質利回りの低さから長期的な魅力は乏しいと指摘。円は介入で乱高下する可能性が高く、持続的な円高には日米金利差縮小と日銀の正常化が不可欠とした。
アリアンツGIのリットナー氏は、円は政策主導で不安定化するリスクが高く、中立姿勢を維持。円安の背景である中東情勢や日銀の利上げ遅れは変わらず、米財務省は追加対応を示唆しているため方向感が出にくいとする。日本国債は26年に中立へ引き上げたが積極的には買わない。高市政権の370兆円投資は成長率押し上げの可能性がある一方、財政予測が難しく利回りにプレミアムが乗る懸念もある。介入で円高になればインフレ圧力は和らぐが、日銀の利上げが遅れ市場不安が残る可能性も指摘した。
【メガバンクが超長期債を買い始めた】
大手銀行が超長期債を買い始めたことが市場で注目されている。銀行は通常、預金という短期負債を抱え、融資が主要な運用手段であるため、金利上昇局面で評価損リスクの大きい30年債などの超長期債は敬遠してきた。日銀の金融正常化に伴い保有国債の年限短縮を進めてきた経緯もある。それでも買いが入るのは、超長期ゾーンで金利上昇が一服し始めたためだ。
10年債利回りは一時2.875%まで上昇し、3%を試す展開が意識されている。中期債も日銀の利上げ観測を背景に上昇が続き、5年債は過去最高、2年債は31年ぶりの高水準となった。一方、30年債利回りは協調為替介入後に3.8%台まで低下し、足元では4%台に戻ったものの、過去のピークと比べ上昇ペースは鈍化している。
金利上昇を抑える材料として、GPIFによる国内資産投資拡大観測が浮上。資産配分を5%見直すだけで15兆円規模の資金が動く可能性があり、為替介入(1回5兆円)を大きく上回る規模となり得る。これが国債買いにつながり、超長期金利を押し下げる場面もあった。
ただし銀行の姿勢は分かれ、30年債への投資は慎重との声も多い。預金獲得が頭打ちとなる一方、企業の融資需要が強く、銀行が一斉に国債投資へ向かう状況ではない。それでもメガバンクが買い手として名を連ねることは、生保や年金基金など他の機関投資家の買い意欲を刺激し、超長期債市場の安定につながる可能性がある。
生保では超長期債への関心が高まり、住友生命は新規資金の半分を国債に投じる方針。30年債が4%近辺で財政への信認が保たれ、日銀が利上げで後手に回らないと判断できれば買いやすいとする。
こうした動きは海外投資家主導で値動きが荒くなっていた超長期債市場を安定させ、円売り圧力の緩和にもつながる可能性がある。ただし積極財政への警戒感は根強く、国債発行が増えれば長期金利の再上昇リスクも残る。長期マネーが国内に戻るかどうかは、財政への信認維持が鍵となる。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、短い上ひげを引いた短陽線で3日続伸した。チャートリーディングの定石が示した通りの動きとなている。6月22日高値@72,832円と7月29日安値@60,448円の落差の2/3戻し@68,704円をザラバで一時超える場面があり、前値戻しも射程距離に入ってきた。
33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、銀行(1位)、ガラス・土石(2位)、電気機器(3位)、金属製品(4位)、機械(5位)となった。
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AI・半導体関連以外にも物色が広がる 08月12日
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -184.13 @53,791.85, NASDAQ -159.91 @26,445.45, &P500 -24.91 @7,728.20, SOX +104.60 @12,098.47)。ドル円為替レートは159円台半ばの前日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が983に対して、下落銘柄数は530となった。騰落レシオは111.51%。東証プライムの売買代金は9兆4421億円。
TOPIX +38 @4,139
日経平均 +554円 @67,524円
【米国株式相場】
8月11日の米株式市場は主要3指数がそろって続落した。背景には、中東情勢の不透明感から原油価格が上昇し、インフレ再燃への警戒が強まったことがある。イラン高官の発言でホルムズ海峡再開への期待が後退し、WTI原油先物は1%超上昇した。さらに、紅海でイエメンの親イラン武装組織フーシがサウジ船舶を攻撃し死者が出たことが判明し、エネルギー供給の正常化が遅れる可能性が意識された。
市場では翌12日に発表される7月CPIを控え、様子見姿勢が広がった。CPIは前月比で伸びが加速する一方、前年比では鈍化が予想され、結果次第で利上げ観測や米国債利回りが左右されるため注目度が高い。
ダウ平均は朝方に一時246ドル高まで上昇したが、終盤に229ドル安まで下落し、最終的に184.13ドル安(-0.34%)で終了。ナスダック総合も一時プラス圏に浮上したが、最終的に0.60%安で引けた。
個別では、エヌビディアが金融大手6社とAIインフラ構築支援の枠組みを発表し、自社設計のAI半導体を手掛けるアルファベットやアマゾンなどハイパースケーラー株に売りが出た。ハネウェル、ナイキ、シスコも下落した一方、ホーム・デポ、IBM、シェブロンは上昇した。ナスダックではスペースXやブロードコムが売られたが、サンディスクやKLAなど半導体関連の一角は堅調だった。
ダウ平均は前週に最高値を更新し、利益確定売りが出やすい地合いでもあった。米・イランが合意に近づいているとの報道で原油が下落し、株式相場を支える場面もあったが、全体としては原油高とCPI前の慎重姿勢が重荷となり、2日続落となった。
【日本株式相場】
本日8月12日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日比553円高の6万7524円と約1カ月ぶりの高値を回復した。前日の米国市場でAI・半導体関連株が買われた流れが波及し、東京市場でも東エレク、キオクシア、フジクラなど半導体主力株が上昇した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の反発や、韓国市場でサムスン電子・SKハイニックスが強含み、KOSPIが堅調だったことも追い風となった。TOPIXは6日続伸し、7月以来の最高値を更新した。
米エヌビディアが金融大手と連携し、AIデータセンター構築支援に向けて5000億ドル規模の資金調達を進めると発表したことが、日本の半導体企業への投資拡大期待につながった。日本株はチャート上で「ゴールデンクロス」(5日が25日移動平均線を上抜け)を形成し、先高観が強まっている。一方で原油高が小売りや海運など景気敏感株の重荷となり、中東情勢の不透明感が相場の上値を抑える要因となった。
個別ではキオクシアが大幅続伸し、韓国政府系投資会社テマセクがサムスン電子とSKハイニックスへの投資を決めたとの報道が買いを誘った。テマセクはAI分野への投資拡大方針を示しており、日本株への資金流入期待も高まった。SMBC日興証券はキオクシアの投資評価を最上位に据え置き、NAND型フラッシュメモリー市況の堅調さを指摘した。
銀行株も強く、三菱UFJや三井住友FGなど大手行が買われ、地銀株も上昇した。日銀の利上げペース加速観測や長期プライムレート引き上げが利ざや改善期待につながった。7月のマネーストック(M3)が増加したことも地銀株を支えた。こうした金融株高がTOPIX上昇に寄与し、野村証券は日経平均とTOPIXの2026年末予想を引き上げた。
市場では米7月CPIの発表を控え、インフレ懸念が再燃すればFRBの利上げ観測が強まる可能性があり、地合いの強さが続くか注視されている。
【AI・半導体関連以外にも物色が広がる】
8月12日の東京株式市場では、AI・半導体関連以外にも物色が広がる中、競合撤退後も事業を継続し「残存者利益」を享受する“生き残り銘柄”への注目が高まっている。日経平均は6万7524円と上昇し、TOPIXは最高値を更新した。
アバディーン・ジャパンの荒川氏が注目する日本特殊陶業は、主力のスパークプラグ事業で競合がEV化の流れを受け縮小する中、HV需要の回復で安定した需要を確保。米FBGの破綻で競争環境はさらに緩和し、同社はデンソーのプラグ事業買収により世界シェア6割を見込む。価格支配力の向上で収益改善が期待され、株価は3月末比33%高とTOPIXを上回る。
アセットマネジメントOneの安西氏は、愛三工業を「生き残り銘柄」として評価。燃料ポンプ事業の競合が減る中、内燃機関車の需要が続くと見て収益改善を予想し、株価は23%上昇した。
百貨店業界では店舗数が10年で26%減少する中、三越伊勢丹が富裕層・インバウンド需要を取り込み、26年3月期に14年ぶりの最高益を達成。高級ブランドの集客力やアプリを活用した顧客管理が強みとなり、業界の「生き残り銘柄」として評価されている。
電機業界ではパナソニックHDがBDレコーダーや食洗機などで高シェアを維持し、他社撤退の中でブランド価値を強化。株価は上場来高値を更新した。
一方、AI関連銘柄は競争激化懸念から投資家心理がやや後退しており、運用各社は「AI一本足ではリスクが高い」として分散投資を重視。生き残り銘柄は、AI関連の調整局面で資金の受け皿となる有望な投資対象として存在感を高めている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、短陽線で続伸して60日移動平均線の上に再浮上した。これで10日、25日、60日のすべての移動平均線上に再浮上した。当面は強気相場になりそうである。ただし、株価サイクル��(株価>10日>25日>60日移動平均線:着実な上昇局目)に戻ったわけではないことに留意する必要がある。
33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、銀行(2位)、鉱業(3位)、サービス(4位)、金属製品(5位)となった。
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AI・半導体株から、好決算銘柄への資金シフトが進む 08月11日
先週金曜日の米国株式相場は上昇した(DJIA +151.83 @54,036.93, NASDAQ +342.26 @26,690.62, S&P500 +47.68 @7,757.64, SOX +308.09 @12,356.79)。ドル円為替レートは158円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が916に対して、下落銘柄数は603となった。騰落レシオは113.36%。東証プライムの売買代金は9兆1904億円。
TOPIX +26 @4,101
日経平均 +1,364円 @66,970円
【米国株式相場】
8月7日のNY株式市場は反発した。米7月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想の8万人増に反して2万3000人減となり、5・6月分も計10万3000人下方修正された。平均時給の伸びも予想を下回り、労働市場の過熱感が和らいだとの受け止めから、FRBの早期利上げ観測が後退。米長期金利が低下し、株式の割高感が薄れたことで投資家のリスク選好が強まり、ハイテク株を中心に買いが広がった。
ダウ平均は151ドル高の5万4036ドルと反発。ナスダック総合は1.29%高と3日ぶりに大幅反発し、S&P500も0.61%高で最高値を更新した。フェドウオッチでは9月会合での金利据え置き確率が6割近くに上昇し、金融政策の不透明感がやや後退した。
個別では、クラウドフレアが好決算と通期見通しの上方修正を受けて大幅高。アトラシアンも決算を好感され3割超上昇し、ソフトウェア関連に買いが波及した。半導体ではマイクロチップ・テクノロジーが上昇し、パランティアやスペースXも買われた。
ダウ構成銘柄ではセールスフォース、エヌビディア、IBM、アマゾン、ホームデポ、アムジェンなどが上昇。一方、ビザ、キャタピラー、シェブロンは下落した。ダウは一時下げる場面もあったが、週末の持ち高調整をこなしつつ堅調に推移した。
来週には米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、金融政策判断に向けた物価指標への注目が高まっている。全体として、雇用統計をきっかけに金利上昇圧力が和らぎ、ハイテク・半導体を中心に買い戻しが強まった一日となった。
【日本株式相場】
本日8月10日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、前週末比1363円高の6万6970円となった。米7月雇用統計が市場予想を大きく下回り、FRBの早期利上げ観測が後退したことを受け、前週末の米株式市場では主要3指数が上昇。米長期金利の低下で高PERのハイテク株の割高感が薄れ、フィラデルフィア半導体指数(SOX)が2%超上昇した流れが東京市場にも波及し、アドバンテスト、東京エレクトロン、イビデンなどAI・半導体関連が軒並み買われた。日経平均は一時1400円超上昇し、上値抵抗線だった25日移動平均線を突破した。
米雇用統計では非農業部門雇用者数が2万3000人減と予想外の減少。フェドウオッチでは9月会合での金利据え置き確率が6割近くに上昇し、金融政策の不透明感が後退した。これがハイテク株の追い風となり、東京市場でも買いが広がった。
個別では、リクルートが通期業績見通しを大幅上方修正し、ストップ高となって日経平均を約300円押し上げた。インディード事業の好調で営業利益予想を前期比50%増の9450億円へ引き上げ、市場予想を大きく上回ったことが「ポジティブサプライズ」と受け止められた。
TOPIX上昇を最も押し上げたのはリクルートホールディングスで、ストップ高となる22.7%高の1万6165円まで買われ、1銘柄でTOPIXを15ポイント押し上げ、日経平均も約300円押し上げた。リクルートは今期純利益見通しを前期比52%増の7550億円へ上方修正し、市場予想を大幅に上回った。米求人検索サイト「インディード」の好調が評価され、複数のアナリストが目標株価を引き上げた。
好決算による株価上昇はリクルートに限らず、ヤマハ発動機はインドなどでの二輪車販売好調を背景に業績を上方修正し、株価は上場来高値を連日更新。TOPIX500の騰落率ではヤマハ発が5割超の上昇で首位、リクルートが26%高で10位、バンダイナムコHDも上方修正を受けて3位に入った。
岡三証券の集計では、決算が市場予想を3%以上上回った「サプライズ比率」が44.3%と過去10年の中央値を大きく上回り、企業業績の強さが際立った。これにより、AI・半導体株から流出した資金が好決算銘柄に向かい、相場の回復を後押ししている。
一方、AI相場を象徴したキオクシアHDは株価が最高値の半値以下に下落し、売買も低調。市場の物色は大きく様変わりし、業績上方修正銘柄が新たな主役となっている。
ただ、買い一巡後は11日の祝日を控え持ち高調整の売りが出て上値は重くなった。国内長期金利の上昇で不動産株が下落し、指数の伸びを抑えた。
市場では、AI・半導体株の戻り基調に米利上げ観測後退が重なり「いいとこ取りの展開」との声がある。チャート面でも25日線突破に加え、短期線のゴールデンクロス形成が視野に入り、投資家心理を押し上げた。主要企業の決算が総じて好調で、さらなる上方修正期待も高まっている。
【好調な企業業績が株式相場の底流にある】
2026年4〜6月期の上場企業の業績は大幅に改善し、稼ぐ力が一段と高まった。東証プライム上場の3月期企業956社の集計では、連結純利益が前年同期比68%増、売上高も14%増となり、7割の企業が増益を確保した。純利益の増加率はコロナ禍から急回復した2021年4〜6月期以来の高水準で、売上高純利益率は9.0%とリーマン・ショック後で最高を記録した。
背景には円安、AI投資の急拡大、構造改革の進展がある。平均為替レートは1ドル=160円と前年より15円の円安で、自動車各社は海外販売増と円安効果が重なり、トヨタ、ホンダ、スズキが4〜6月期として最高益を更新した。トランプ関税の還付も追い風となった。
AI投資の恩恵は半導体関連を中心に広がり、キオクシア、アドバンテスト、東京エレクトロンなど大手6社の純利益は合計1兆2375億円と4.5倍に増え、トヨタに迫る規模となった。データセンター向け需要が急増するMLCCでは村田製作所が6割増益。パナソニックHDは蓄電システムが好調で純利益が9割増、三井金属は特殊銅箔の需要増で黒字転換した。ファナックもデータセンター関連でNC装置の販売が伸びた。
企業の価格転嫁も進み、コスト増への対応力が高まったことが増益に寄与した。構造改革の成果も顕著で、日産は工場閉鎖などのコスト削減と販売増で黒字化。富士フイルムHDは複合機事業の分離を検討し、半導体材料など成長分野への集中を図る。
一方、円相場は協調介入を機に円高へ転じ、円安効果は今後期待しにくい。半導体やEVでは中国勢の台頭が著しく、競争環境は厳しさを増す。外部環境の追い風が弱まる中、企業の本業の収益力がこれまで以上に問われる局面に入っている。
8月10日の東京株式市場でTOPIXは前週末比25.68ポイント高の4100.61となり、7月6日の過去最高値に接近した。一時は4111.35まで上昇し最高値を上回った。背景には、主要企業の2026年4〜6月期決算が総じて好調で、期初に保守的だった業績見通しが相次いで上方修正されたことがある。これにより、6月まで相場を牽引してきたAI・半導体株から、好決算銘柄への資金シフトが進んだ。
【堅調な日米株式相場の背景】
日米の株式市場は、企業業績の拡大を追い風に復調している。7月に世界的な株安を招いたAI・半導体株の過熱調整は一巡し、直近の決算で米ハイテク企業の過剰投資懸念が和らいだことが投資家心理を改善させた。さらに、AI関連以外の好業績銘柄にも資金が向かい、物色の裾野が広がっている。ただし、金利上昇やインフレ再燃のリスクは残り、株高が持続するかは不透明だ。
8月10日の東京市場では日経平均が前週末比1363円高の6万6970円となり、7月末の安値から5500円以上戻した。より広範な銘柄で構成されるTOPIXは5日続伸し、7月の最高値に迫った。AI以外の業種にも好決算が広がり、機械やFA関連などで明るい兆しが見られる。中国市場は低調ながら、AI需要を取り込んだ日本企業の決算が市場予想を上回った。
個別では、リクルートが通期業績を大幅上方修正し、ストップ高となった。インディード事業の効率化が奏功し、AI活用が業績に直接反映された点が評価された。ヤマハ発動機もインドなどでの二輪車販売好調を背景に上方修正し、株価は上場来高値を更新。バンダイナムコHDなども好決算で買われた。
米国株も8月に入り反発し、S&P500とダウ平均が最高値を更新した。S&P500構成企業の4〜6月期EPSは前年同期比50%増と強く、通年でも3割増が見込まれる。AI関連投資の恩恵は他業種にも広がり、キャタピラーはデータセンター向け需要を取り込んだ。エネルギー企業は中東情勢による原油高で増益、ビザなど消費関連も堅調だった。
米テック大手の決算はAI過剰投資懸念を和らげた。マイクロソフトは巨額投資にもかかわらずFCF黒字を維持する見通しを示し、社債スプレッドが縮小。投資家は「AI投資はピークアウトし、将来的に利益貢献する」との見方を強めている。
7月に急落したAI・半導体株は、韓国のレバレッジ型ETFの逆回転などで下げが増幅されたが、現在は持ち高調整が進み落ち着きつつある。米株式ファンドには7月末〜8月初旬にかけて95億ドルが流入し、投資家の買い意欲が回復している。
日経平均は10日の上昇で6月の最高値からの下げ幅の半分を取り戻したが、AI・半導体株からの資金シフトが続くかは意見が分かれる。為替介入で円安が一服すれば内需株への資金流入が進むとの見方もある。
ただし、インフレ再燃や金利上昇のリスクは残る。ホルムズ海峡を巡る米イラン対立は不透明で、原油価格の上昇が市場心理を冷やす可能性がある。FRBの9月会合での金利据え置き確率は雇用統計後に6割近くへ上昇したが、金融政策は依然不確定要素だ。
さらに、投資家心理が極度に強気へ傾いている点も警戒材料。BofAの「ブル・ベア指標」は9.7と2021年以来の強気水準で、売りシグナルに近い。BofAは夏場のリスク資産からの撤退やディフェンシブ銘柄へのシフトを推奨している。
総じて、企業業績の強さが日米株の反発を支えているが、外部環境の不安定さから株高の持続には慎重姿勢が求められる。
【外国為替相場】
日米協調介入後、財務省・三村財務官が「日米通貨同盟の完成形」と発言したことが市場で大きな波紋を呼んでいる。通貨同盟は本来、為替変動を極めて狭い範囲に抑え、金融政策の独立性を制約する枠組みを指す。今回の発言は、米財務長官ベッセントが「経済安全保障は国家安全保障」と述べたことに呼応した表現との見方がある一方、強い円安抑止のメッセージと受け止める向きも多い。市場では「一定水準以上の円安には機械的に介入が入る可能性」などの観測が広がった。
協調介入後も円安基調は続き、雇用統計発表後に一時円高となったものの、すぐに158円台へ戻った。市場では、円安の根本要因は日本の金融・財政政策にあり、日銀の利上げや政府の財政正常化が不可欠との見方が強い。ベッセント氏も「円の過小評価を是正する金融措置を支持する」と発言し、日銀の利上げを促す姿勢を示した。
こうした中、金利スワップ市場では日銀が9月に追加利上げを決める確率が67%に上昇し、10月までの利上げはほぼ確実との見方が強まっている。高市政権は日米関係を重視しており、米国が求める円安是正に反対しにくいとの指摘もある。元日銀理事の門間氏は「9月と12月に利上げが必要」と予測し、物価上振れリスクが続く限り利上げは止まらないとみる。
協調介入の背景には、円安と日本国債売りがアジア・米国の債券市場に波及することへの米側の強い危機感があった。米国は日本の米国債を担保にドル資金を提供する姿勢を示し、円買い介入の資金枯渇懸念を払拭した。こうした協力の見返りとして、日本に金融政策の正常化が求められている構図だ。
日銀の中立金利は1.1〜2.5%と推計され、政策金利が来春に1.5%程度へ達すれば利上げ最終局面が視野に入る。市場は「通貨同盟」発言をきっかけに、日銀の利上げ加速と円安是正の本格化を織り込み始めている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、陽線で上昇して60日及び25日移動平均線の上に再浮上した。これで10日、60日、25日の各移動平均線のすべての上に再浮上した。チャートが示すのは強気相場である。
33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、サービス(1位)、精密機器(2位)、非鉄金属(3位)、鉱業(4位)、その他製品(5位)となった。
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AI・半導体関連銘柄に利益確定売り⇒内需関連株買い 08月07日
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +263.24 @54,349.12, NASDAQ -221.55 @26,363.44, S&P500 -12.97 @7,723.55, SOX -170.38 @12,008.88)。ドル円為替レートは157円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げるる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,130に対して、下落銘柄数は401となった。騰落レシオは120.56%。東証プライムの売買代金は9兆6880億円。
TOPIX +10 @4,056
日経平均 -617円 @65,683円
【米国株式相場】
8月5日のNY株式市場は高安まちまちとなった。良好な企業決算やイーロン・マスク氏の発言を受けたエヌビディアの上昇、さらにホルムズ海峡再開に向けた米・イラン交渉進展への期待から原油価格が下落し、投資家心理を支えた。一方で、ハイテク株の上昇が一服し、スペースXの急落やAMDの決算失望、アルファベットのAI部門再編と幹部退任が重荷となり、ナスダックやS&P500の上値を抑えた。
ダウ平均は一時658ドル高まで上昇し、最終的に263ドル高の5万4349ドルと5日続伸、3日連続で終値の最高値を更新した。S&P500は取引時間中の最高値を更新したものの反落して終了。ナスダック総合は一時上昇したが0.83%安と5日ぶりに反落した。
市場を支えた材料は中東情勢の改善期待だ。米ニュースサイトがホルムズ海峡の暫定開放で米・イランが合意に近いと報じ、イラン国営メディアも草案が最終段階にあると伝えた。これを受け原油先物WTIは下落し、インフレ懸念が和らいだ。
個別では、アムジェンが好決算で4.5%高、ウォルト・ディズニーも予想を上回る利益で上昇。エヌビディアはマスク氏が「AIインフラ構築に同社製品を使う」と述べたことで3.4%高となった。一方、アルファベットはAI研究者の退職発表で競争力低下懸念が広がり下落。アマゾン、マイクロソフトも軟調だった。
ナスダックでは、AMDやスペースXが決算や投資計画を嫌気され下落し、サンディスクも安かった。ADP雇用統計は予想を下回ったが、市場では7日の雇用統計の方が重要視され、相場への影響は限定的だった。
全体として、原油安と好決算がダウを押し上げた一方、ハイテク株の調整が指数の上値を抑える展開となった。
【日本株式相】
本日8月6日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反落し、前日比617円安の6万5683円となった。前日の米国市場でナスダックやSOX指数が下落し、韓国株も弱含んだ流れを受け、これまで上昇を牽引してきたAI・半導体関連銘柄に利益確定売りが広がった。午前には下げ幅が1300円を超え、6万5000円を割り込む場面もあったが、後場には海外短期筋による日経平均先物への買いが入り、下げ渋った。
半導体メモリーのサンディスクが7〜9月期の売上見通しで市場予想を下回り、時間外で急落したことが東京市場にも波及。キオクシア、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ(SBG)が日経平均を大きく押し下げた。SBGは大引け後に決算発表を控え、戻り基調が続くか見極めたい投資家の様子見も強まった。
一方で、好決算を発表したバンダイナムコHD、東レ、キッコマンなど内需関連株が大幅高。ホルムズ海峡再開期待による原油安が企業収益改善につながるとの見方が買いを誘った。AI・半導体株についても「急ピッチの上昇の反動でスピード調整だが、基調は崩れていない」との強気な声が残る。
TOPIXは3日続伸し、東証プライム市場では値上がり銘柄が1130と7割を占めた。内需株や医薬品、食品などの上昇が目立ち、海外勢が日本企業の堅調な業績を評価して買いを入れた。
後場には古河電工やコクサイエレクトロニクスが通期予想を上方修正し、AI・半導体業績への強気見方が広がったことで先物買いが増加。日経平均は一時6万5800円近くまで戻した。
一方、太陽誘電は大幅増益見通しを発表したにもかかわらず急落。MLCCの受注が実需を先取りしているとの懸念が強まり、BBレシオの急上昇が「在庫積み増しによる一時的需要」と受け止められた。サンディスクの弱い見通しやスペースXの過剰投資懸念も重なり、AI・半導体株の将来成長に対する慎重姿勢が強まった。
市場では「不安要素が多いAI・半導体株から、好決算銘柄へ資金が移っている」との声があり、ヤマハ発動機やメルカリ、明治HDなどが決算を契機に急伸した。
【太陽誘電】
太陽誘電は8月6日の東京市場で大幅反落し、一時前日比1292円安の9873円まで売られた。5日に2027年3月期の純利益見通しを前期比96%増の290億円へ上方修正し、市場予想も上回ったが、受注の過熱感が警戒され利益確定売りが膨らんだ。売上高は19%増の4240億円、営業利益は2.3倍の450億円と強気の見通しで、AIサーバー向けの高付加価値MLCCの販売が好調とされた。
しかし、受注高を売上高で割るBBレシオは4〜6月期に1.72倍と前年同期の0.95倍から急上昇し、実需以上の受注が入っている可能性が示された。福田専務は「実需より多めに受注が入っているイメージ」と説明し、電子部品の全面値上げは考えていないと発言。慎重な姿勢が投資家心理を冷やし、売りを誘った。
アナリストからは「会社側の慎重な発言が売りにつながった可能性がある」との指摘がある一方、「MLCCの強い需要と供給不足は変わらず、今回の下落は買い場」との見方も出ている。AI投資の拡大でMLCC需要は高水準を維持しているが、受注の先食い懸念が株価の重荷となった。
【ソフトバンクグループ決算発表】
ソフトバンクグループ(SBG)が8月6日に発表した2026年4〜6月期決算は、純利益が前年同期比18%減の3473億円となった。人件費や株式報酬費用の増加、デリバティブ損失が重荷となり、出資先の評価益も伸び悩んだ。特にAI関連企業に投資するビジョン・ファンド事業の投資利益は2557億円と65%減少し、米オープンAIの評価額が3月末から変動しなかったため利益貢献がなかった。
一方、SBG本体を通じた米インテルへの出資は株価上昇により約1兆3000億円の投資利益を計上した。しかし、傘下のアームやアンペア・コンピューティングの人件費増加が利益を圧迫した。SBGは2025年にアームを含む半導体子会社3社を「AIコンピューティング事業」として統合したが、同事業の損益は2008億円の赤字となり、前年から赤字幅が拡大した。
資金調達面では、SBGはオープンAIに出資するビジョン・ファンド2号を担保に100億ドルの借り入れ契約を締結し、8月中に実行する予定。オープンAIの公正価値が大きく下落した場合に期限前返済を求められる条項も含まれており、AI投資の評価変動が財務リスクとなる可能性がある。
全体として、AI関連投資の評価益が伸び悩む一方、半導体事業の人件費増やデリバティブ損失が利益を圧迫し、SBGの収益構造の不安定さが改めて浮き彫りとなった。
【国内債券相場】
8月6日に財務省が実施した30年物国債入札は「やや弱め」ながら大きな波乱はなく通過した。4日の10年債入札が不調だったため警戒感があったが、結果判明後は一定の安心感が広がった。最低落札価格は市場予想を下回り、平均落札価格との差(テール)は21銭と前回より拡大したものの、応札倍率は3.86倍と過去平均より高めで、利回り4%近い水準を意識した投資家の需要は残った。
ただし、財政への不透明感は依然強い。政府は食料品の消費税率を2年間限定で1%に引き下げる方針を決定したが、必要な財源(年間5兆円、2年で10兆円規模)の全体像は示されていない。片山財務相は12月に財源案を示すとしたが、特例公債に依存しないとしつつ具体策は不明だ。外食産業や農家への追加支援が必要になる可能性もあり、予算膨張への懸念が強まっている。
さらに、政府は2027年度予算の概算要求基準で歳出上限(シーリング)を撤廃し、成長投資や危機管理分野の要求額に制限を設けない方針を示した。市場では「27年度予算は122兆円を大きく上回る」との見方があり、財政拡張への警戒が超長期債の買い手を慎重にさせている。
入札後は中東情勢の緊張緩和期待から原油価格が下落し、インフレ懸念が和らいだことで長期金利は低下。新発30年債利回りは一時3.895%まで低下し、幅広い年限で債券買いが優勢となった。しかし、消費減税の財源や予算規模の見通しが不透明なままでは、超長期債市場に本格的な買い安心感は広がりにくく、金利の上昇圧力は残りやすいとの指摘が多い。
【外国為替相場】
本日8月6日の東京外国為替市場で円相場は反落し、17時時点で1ドル=157円85銭前後と前日比13銭の円安となった。日本の財政運営に対する不透明感や、依然として大きい日米金利差が円売り・ドル買いを促した。一方、原油高の一服や政府・日銀による円買い介入への警戒感が円相場の下支えとなった。
朝方は円買いが優勢だった。イランがホルムズ海峡の航路案でオマーンと合意したと伝わり、中東のエネルギー供給回復期待からWTI原油価格が74ドル台まで下落。日本の貿易収支悪化懸念が和らぎ、円買い材料となった。しかし、日経平均株価が午後に下げ幅を縮小すると、安全資産とされる円には売りが増え、円安方向へ戻した。
円は対ユーロでも弱含み、1ユーロ=182円21〜24銭と3日続落した。一方、ユーロは対ドルで続伸し、1ユーロ=1.1543ドル近辺で推移した。全体として、円は原油安や介入警戒で下支えされつつも、財政不透明感と金利差の大きさから戻り売りが優勢となった。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、下ひげを引いた短陰線で反落した。昨日も本日も下向きの25日移動平均線が上値抵抗線として意識される。
日経平均は反落したが、33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、繊維製品(1位)、医薬品(2位)、その他製品(3位)、食旅品(4位)、水産・農林(5位)となった。
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熱狂なき「AIラリー復活」??? 08月06日
昨日の米国株式相場は大幅続落した(DJIA +907.47 @54,085.88, NASDAQ +671.10 @26,584.99, S&P500 +136.02 @7,736.52, SOX +748.91 @12,179.26)。ドル円為替レートは157円台後半での推移だった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,019に対して、下落銘柄数は491となった。騰落レシオは115.07%。東証プライムの売買代金は10兆9236億円。
TOPIX +84 @4,046
日経平均 +2,343円 @66,300円
【米国株式相場】
8月4日のNY株式市場は大幅続伸し、主要3指数がそろって4営業日続伸した。米国とイランの対話進展によりホルムズ海峡再開への期待が高まり、原油先物WTIは一時5.7%下落。原油高による企業収益圧迫懸念が和らぎ、米長期金利も低下したことで投資家のリスク選好が強まった。これに加え、キャタピラーやパランティアなどの好決算でAI需要の持続性が再確認され、半導体・ハイテク株を中心に買い戻しが広がった。
ダウ平均は一時1094ドル高まで上昇し、終値は907ドル高の5万4085ドルと2日連続で最高値を更新。ナスダック総合は2.59%高、S&P500も1.78%高で、取引時間中と終値の両方で2カ月ぶりに最高値を更新した。
市場心理を押し上げたのは中東情勢の改善期待だ。米財務長官が「イランとの合意が近い」と発言し、イランが欧州に対しホルムズ海峡の機雷除去を認める可能性が報じられた。これにより原油価格が急落し、インフレ懸念が後退した。
個別ではキャタピラーが5.6%高。AIデータセンター向け需要が強く、4〜6月期決算が市場予想を上回った。半導体関連の買い戻しも強まり、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は6.5%高と大幅上昇。エヌビディア、シスコ、IBM、セールスフォース、ホーム・デポ、ゴールドマン・サックスなど幅広い銘柄が買われた。一方、ナイキは投資判断引き下げで下落し、創業者の株式売却が伝わったアマゾンも安かった。
ナスダックではパランティアが29%高と急騰。決算で売上高が予想を上回り、収益見通しも引き上げられたことが好感された。AI関連への資金回帰が鮮明となり、ハイテク株主導の上昇が続いた。
【日本株式相場】
本日8月5日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日比2342円高の6万6300円と約2週間ぶりの高値を回復した。前日の米国株で半導体・AI関連が大幅上昇した流れを受け、海外投資家を中心に日本の半導体株へ買いが集まった。フィラデルフィア半導体指数(SOX)が6%超上昇したことが追い風となり、アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアなどが買われた。イビデンは業績上方修正を受けストップ高となり、相場全体の押し上げ役となった。韓国KOSPIや台湾株などアジア株の堅調さも日本株の買いを後押しした。
米キャタピラーの好決算でAI関連インフラ需要の強さが確認され、投資家心理が改善した。データセンター建設向けの需要が旺盛で、AI関連の成長が持続しているとの見方が広がった。日本企業ではイビデンが半導体部品事業の好調を背景に純利益見通しを大幅上方修正し、株価が急騰した。こうした決算をきっかけに「AIラリー復活」との声が出た。
しかし、投資家の熱狂は乏しく、7月の急落で痛手を負った投資家が買い再開に慎重な姿勢を崩していない。今回の上昇は指数先物を介した短期資金によるものとの見方が強く、現物株の買いは限定的だ。日本株は韓国株と連動した値動きが続き、KOSPIの変動が日経平均にも波及する状況が投資家の不安要因となっている。KOSPIが上げ幅を縮める場面では日経平均も伸び悩むなど、需給主導の荒い値動きが続いた。
また、日米協調介入による円高進行が外需株の重荷となり、商社や海運株が下落。トヨタなど輸出企業には業績懸念が広がり、AI・半導体以外への物色は広がりにくい。ダイキンは好決算にもかかわらず株価が10%下落し、投資家の慎重姿勢を象徴した。
投資家の間では「日本株は売買テーマ不足」との声もあり、円高で自動車など外需株が買いにくく、AI関連も確信を持って買いづらい状況が続く。先物で強気に売りを入れていた投資家も、足元の急反発で買い戻しを済ませ「しばらく休む」との声が出ている。
一方で、日本株の本格的な買い再開は9月が一つの転機になるとの見方がある。例年9月には海外投資家向けの日本株カンファレンスが集中し、企業との面談を通じて日本株が「再発見」される季節性がある。
【DRAM価格上昇の背景】
半導体メモリーのDRAM価格が上昇を続けている。PCやサーバー向けに使われるDDR5型16ギガビット品の6月の大口取引価格は前月比6%高の約38.3ドルとなり、6カ月連続の値上がりとなった。背景には、AI向けデータセンターの増設でDRAM需要が急増し、汎用品の供給が逼迫していることがある。
DRAM市場はサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンの3社が大半を占めるが、これら大手はAIサーバー向けのHBMやLPDDR5、DDR5の供給を優先しており、汎用品向けの供給が不足している。ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)による調達が急増し、DRAM全体の生産の約半分が彼らに配分されているとされる。2025年4〜6月期頃からハイパースケーラーの調達が加速し、価格は「競り」のように上昇した。長期契約(LTA)を結んでも十分な量を確保できない状況だ。
さらに、中国のDRAM大手・長鑫存儲技術(CXMT)の台頭も価格上昇を後押しした。中国政府の補助金政策を背景にCXMTはDDR4を割安で供給し、サムスンなど3社は利益率の低いDDR4からHBMなど高付加価値品へ生産をシフトした。CXMTは世界4位のシェアを持ち、中国企業が主要顧客だが、アップルが調達を検討しているとの報道もあり、存在感が高まっている。
CXMTは市場での影響力を背景に価格引き上げに動き、現在は大手3社とほぼ同水準の価格を提示している。場合によってはサムスンより高い価格を提示した例もあるという。AI投資の拡大と中国勢の台頭が重なり、DRAM市場は供給逼迫と価格上昇が続く構図となっている。
【日銀の追加利上げを催促する背景圧力】
日銀の追加利上げ観測が急速に強まり、米国からも圧力と後押しがかかっている。ベッセント米財務長官は4日、日銀が円安是正のために利上げを実施すべきとの考えを示唆し、「相場を変えるのは政策だ」と発言。植田総裁が必要な対応を取ると信じていると述べ、日米協調介入に合わせ日本側の金融政策対応を求めた。これを受け、市場では9月利上げの織り込みがOIS市場で61%まで上昇し、10月が中心だった利上げ予想が前倒しされつつある。
日本側でも為替介入の担当者である三村財務官が「金融政策と緊密に連動して対応したい」と述べており、介入だけでは円安基調を転換できず、利上げが不可避との見方が広がる。財政政策は急転換が難しいため、「円買い介入をした以上、利上げもセット」との市場の思惑が強まっている。
一方、高市早苗政権の金融政策スタンスには懸念が残る。高市首相はリフレ派色が強く、金融緩和に前向きとされる。時事通信は、首相が植田総裁に「長期金利の上昇を抑えるため国債買い入れを求めた」と報じ、日銀の独立性への疑念が市場で浮上した。金融政策が物価上昇に後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」への不安も根強く、長期金利が上昇しやすい環境が続く。
利上げ観測の高まりは本来イールドカーブのフラット化を促すが、財政不安から長期債は買われにくく、むしろ急勾配化が続いている。米国側は日本の金利上昇が米長期金利に波及することを懸念しており、ベッセント氏は以前から「日本の影響を分離するのは難しい」と指摘していた。さらに、消費税減税の議論が進む中で財源が示されず、財政悪化懸念が払拭されていない。協調介入の効果が薄れる前に日銀が利上げに踏み切るかどうか、9月会合への注目が急速に高まっている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、長大陽線で大きく上昇し、10日移動平均線の上に明確に再浮上した。これにより当面の下げ基調が完了したと仮判断でき(7月29日安値@60,448円を割り込まない限り)、株価サイクル�ァ蔽綣造焚射遒鮖遒攻斌漫砲楼戝驚翆任靴拭�
33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、ガラス・土石(2位)、情報・通信(3位)、電気機器(4位)、金属製品(5位)となった。
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日経平均は上げたが、下げる銘柄の方が多かった 08月05日
昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +693.38 @53,178.41, NASDAQ +540.04 @25,913.90, S&P500 +110.78 @7,600.50, SOX +119.27 @11,430.35)。ドル円為替レートは157円台後半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かったが、株価指数は上昇した。 東証プライムでは、上昇銘柄数が629に対して、下落銘柄数は902となった。騰落レシオは109.13%。東証プライムの売買代金は10兆2837億円。
TOPIX +2 @3,962
日経平均 +203円 @63,958円
【米国株式相場】
8月3日のNY株式市場は大幅続伸し、主要3指数がそろって3日続伸した。トランプ米大統領がイラン攻撃の停止を表明したことで地政学リスクが後退し、NY原油先物価格が一時7%安となるなど原油安が進行。インフレ懸念が和らぎ米長期金利も低下したことで、投資家のリスク選好姿勢が回復した。これにより大型テック株やAI関連銘柄への買いが強まり、相場全体を押し上げた。
ダウ平均は693ドル高(+1.32%)の5万3178ドルと約1カ月ぶりに過去最高値を更新。ナスダック総合は2.12%高、S&P500も大幅高となり、強い上昇基調が続いた。原油安は企業のコスト圧力を軽減し、金利低下と合わせて株式市場に追い風となった。
個別では、マイクロソフト、アルファベット、アマゾンなど超大型テック株が上昇。これら企業の4〜6月期決算でクラウド事業が市場予想を上回り、AI投資の収益性に対する懸念が後退したことが買い材料となった。AI関連投資が拡大する中でも収益成長が確認されたことで、投資家の強気姿勢が復活した。
その他では、開発中の新型機「737MAX7」が認証取得との報道を受けボーイングが大幅高。エヌビディア、アメリカン・エキスプレス、ナイキ、ホーム・デポ、キャタピラー、ウォルト・ディズニーなど幅広い銘柄が買われた。
一方、原油安の影響でシェブロンが下落し、メルクやアップルも軟調だった。
ナスダックではメタ、テスラ、スペースXが上昇し、クラウド関連のコアウィーブやネビウス・グループも大幅高となった。地政学リスクの後退、原油安、金利低下、好決算という複数の好材料が重なり、米株市場は強い反発力を示した。
【日本株式相場】
本日8月4日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日比202円高の6万3957円となった。前日の米国市場で大型ハイテク株が上昇した流れを受け、AI・半導体関連やデータセンター関連銘柄に買いが入り、相場を支えた。韓国KOSPIが取引終盤に上昇したことも追い風となり、東京エレクトロンやキオクシア、フジクラなどが買われた。
一方で、日米協調介入をきっかけに円相場が円高基調へ転じたことが重荷となり、日経平均は一時800円超下落する場面もあった。円は7月下旬の163円台から157円台後半まで急速に円高が進行。輸出企業の収益押し下げ懸念が強まり、業績上方修正を発表したトヨタでさえ株価は下落して引けた。市場では「協調介入の真意が不透明で、相場の方向感が出にくい」との声が聞かれた。
金融株では三菱UFJが続落。4〜6月期の純利益は48%増の8094億円と過去最高を更新したが、好業績はすでに織り込まれていたとの見方が強く、買いは続かなかった。通期見通しを据え置き、純利益を前期比11%増の2兆7000億円としたことも市場の上方修正期待に届かず、利益確定売りが優勢となった。
全体として、米ハイテク株高が日本の半導体・AI関連株を押し上げた一方、急速な円高が輸出関連株の重荷となり、相場は方向感に欠ける展開となった。為替の不透明感が続く中、投資家は慎重姿勢を崩していない。
【トヨタ自動車】
本日8月4日午後の東京市場でトヨタ自動車の株価は上値が重く、決算発表後も一進一退の展開となった。トヨタは2026年4〜6月期決算とともに、27年3月期の業績見通しを上方修正し、営業利益を前期比10%減の3兆4000億円とした。従来予想(3兆円)からは増額となったものの、市場予想の3兆8897億円には届かず「物足りない」と受け止められた。決算直後は一時3028円まで買われたが、その後は売りが優勢となり、株価は2871円まで下落した。
上方修正の主因は円安で、想定為替レートを1ドル=150円から160円へ変更したことで営業利益を4800億円押し上げた。しかし、日米協調介入を受け円相場は157円台まで円高が進行しており、為替による利益押し上げ効果は縮小する可能性が高い。円高が続けば、これまで追い風だった為替が一転して利益圧迫要因となるとの懸念が強まっている。
中東情勢も不透明で、部品調達や物流への影響が残る。トランプ米大統領はイラン攻撃停止を表明したものの、イラン側は強硬姿勢を崩しておらず、地政学リスクは払拭されていない。資材価格の高騰も続き、利益を押し下げる構図は変わらない。
売上高見通しは前期比7%増の54兆円へ上方修正したが、販売台数は据え置き。ハイブリッド車は堅調な一方、BEVは下方修正され、販売全体の大幅な伸びは描きにくい。株価は上場来高値(4000円)から25%下落した水準にあり、PBRは0.8倍台と割安感は強い。トヨタは最大1兆円の自社株買いを発表し株価下支えを図るが、為替介入への警戒や中東情勢の不透明感が残る中、本格的な反転には時間がかかるとの見方が多い。
【外国為替相場】
政府・日銀が7月30日から実施した円買い為替介入は、市場推計で12〜13兆円規模となり、過去最大だった2024年の15.3兆円を上回る勢いとなった。30・31日の2日間で11〜12兆円、さらに8月3日にも介入した可能性があり、今年の累計は20兆円超に達する見通しである。日銀が公表した当座預金残高の減少幅からも、3日の介入規模は1兆円前後と推測される。
片山財務相と米財務長官は「さらなる介入をためらわない」と円安を強く牽制。背景には、ヘッジファンドによる投機的な円売りがピーク水準に近づいていたことがある。CFTCによれば、レバレッジドファンドの円売り越しは7月末時点で10.2万枚と高水準で、過去の介入時と同様に円買いの巻き戻しが起きやすい状況だった。実質実効為替レートも過去最低を更新し、行き過ぎた円安の兆候が鮮明だった。
今回の介入は日米協調で行われた点が大きな違いで、市場の警戒感は前回より強い。専門家は「再び円売りに転じるまで2カ月程度かかる」と見ており、介入は円安是正の転機となる可能性がある。
マクロ環境も円安圧力の後退を示す。中東情勢を背景とした原油高は落ち着き、貿易赤字は2027年に縮小する見通し。サービス収支では「デジタル赤字」が訪日客の旅行収支や知財収入で補われ、赤字幅が縮小している。輸入企業のドル買いも一巡し、需給面での円売り圧力は弱まった。
こうした要因が重なり、足元では1ドル=157円台半ばが円安・円高どちらにも動きにくい「ニュートラル」な水準となっているとの指摘もある。過度な円安が和らいだ今、政府の財政健全化や日銀の利上げ方針など、根本的な政策対応が問われている。
【国内債券相場】
本日8月4日に財務省が実施した10年物国債入札は「不調」と受け止められた。応札倍率は2.56倍と2025年5月以来の低水準で、最低落札価格は市場予想を大きく下回り、平均落札価格との差(テール)は46銭と2024年8月以来の大きさとなった。最高落札利回りは2.900%と1996年8月以来の高さに達し、入札後には新発10年債利回りが2.87%まで上昇した。
背景には、日米協調介入による円安是正の流れが日銀の利上げペースに影響するとの観測が強まり、国債の買い手が慎重姿勢を強めたことがある。市場では「次は日銀が利上げに動く番」との思惑が広がり、9月利上げの確率はOIS市場で5割近くまで上昇。利上げペースが3カ月に1度へ加速する可能性も指摘された。
また、財政懸念が根強く、GPIFによる国債買い観測も一巡したことで、長期債を積極的に買う理由が乏しいとの見方が広がった。夏休みで市場参加者が減る中、長期金利が3%に達する可能性も意識されている。
中期債でも売りが目立ち、新発5年債利回りは過去最高の2.090%まで上昇。10年債入札の不調が需給悪化への警戒を誘い、5年債にも売りが波及した。新発2年債利回りも1.570%と1995年以来の高さとなり、短期〜中期の金利上昇が広がった。
市場では、日銀の利上げ加速を織り込む動きが強まっており、インフレ進行や政策金利の到達点(ターミナルレート)引き上げが意識されれば、さらに金利上昇余地があるとの見方も出ている。日米協調介入が金融政策への思惑を刺激し、国内債券市場は不安定な展開となった。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、前日の「たくり線」に続いて、本日は長い下ひげを引いた寄引同事線で終えて、強い下げ渋り感を示した。追加の強い悪材料が出てこない限り、日経平均は上へ行きたがっている。
33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、陸運(1位)、水産・農林(2位)、情報・通信(3位)、食料品(4位)、保険(5位)となった。
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円買い日米協調市場介入で大幅に円高方向へ 08月04日
先週金曜日の米国株式相場は上昇した(DJIA +276.97 @52,485.03, NASDAQ +251.68 @25,373.85, S&P500 +52.09 @7,489.72, SOX +8.09 @11,311.08)。ドル円為替レートは156円台後半の先週末比大幅な円高ドル安での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が464に対して、下落銘柄数は1,060となった。騰落レシオは114.72%。東証プライムの売買代金は11兆7886億円。
TOPIX -43 @3,960
日経平均 -607円 @63,755円
【米国株式相場】
7月31日の米株式市場は主要3指数がそろって続伸した。米長期金利の上昇や原油高が逆風となり、アップルが弱い売上高見通しを嫌気され7%超下落したものの、アマゾンがクラウド事業の好調を背景に15%超急伸し、相場を力強く押し上げた。アルファベットやマイクロソフトもAI関連投資への懸念後退から買われ、ハイテク株全体が上昇した。
ダウ平均は一時415ドル高まで上昇し、最終的に276ドル高(+0.53%)で終了。ナスダック総合は1.35%高の場面を経て1.00%高で引けた。S&P500も上昇し、主要指数は2日連続で上昇した。アマゾンは4〜6月期決算で売上高・営業利益が市場予想を上回り、北米事業とクラウドが好調だったことが評価された。ハイパースケーラーの決算通過で月末のショートカバーが入り、ハイテク株の買い戻しが強まったとの見方もあった。
半導体・AI関連株も買われ、日本や韓国市場での半導体株高が米市場にも波及した。一方、アップルは7〜9月期の売上高見通しが予想未達となり、半導体メモリー高による収益圧迫懸念から大幅安となった。
米長期金利は一時4.74%と2025年1月以来の高水準となり、株式の割高感が意識されダウは伸び悩む場面もあった。中東情勢の不透明感や原油高も投資リスクを抑制した。ダウ構成銘柄ではシスコ、セールスフォース、IBM、シェブロンが買われた一方、ボーイング、ユナイテッドヘルス、ナイキなどが下落した。ダウは月間で165ドル高となり4カ月連続の上昇。
ナスダックは続伸したものの、月間では2カ月連続の下落で、下落率は3.2%と3月以来の大きさ。半導体・メモリー関連の大幅安が響き、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は月間で20.6%安と2008年10月以来の下落率となった。
【日本株式相場】
本日8月3日の東京株式市場で日経平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比607円安の6万3754円となった。日米政府が7月31日に協調して円買い介入を実施したと発表し、追加介入への思惑から円相場は一時155円台前半まで急伸。急速な円高が企業収益を圧迫するとの懸念が強まり、自動車・鉄鋼・ゴムなど輸出関連株に売りが広がった。日経平均は一時1600円超下落する場面もあった。
片山財務相と米ベッセント財務長官は追加介入に躊躇しない姿勢を示し、市場では「円が140円台まで上昇すれば今期の増益シナリオが崩れる」との警戒感が高まった。前週末に日経平均が2500円近く急騰していたこともあり、戻り売りが出やすかった。韓国株(KOSPI)が大幅安となったことも日本株の重荷となった。
一方、トランプ米大統領がイラン攻撃停止を宣言したことで原油価格が下落し、燃料費低下が追い風となる空運株には買いが入ったが、景気敏感株全体を押し上げるには至らなかった。
【個別銘柄】
半導体関連の一角は堅調で、キオクシアは業績見通しが市場予想を下回ったものの、自社株買いと株式分割が好感され3日続伸。TDKやフジクラにも買いが入った。前週末の米株市場では主要3指数が上昇し、アマゾンが好決算で急伸。AI投資過剰への懸念が後退し、ハイパースケーラー関連株への買いが戻ったとの見方があった。
三井住友フィナンシャルグループ(FG)が急反落し、午前に前週末比約6%安の6420円を付けた。2026年4〜6月期決算は純利益が33%増の5013億円と過去最高を更新したものの、通期予想(純利益1兆7000億円)の据え置きが市場の上方修正期待を裏切り、失望売りが広がった。みずほFGが前日に通期予想を上方修正していたこともあり、比較で期待が高まっていた点が重荷となった。
市場環境も悪化した。日米が1998年以来となる円買い協調介入を実施し、円相場は一時155円台前半まで急騰。為替急変動が株式市場に大きな影響を与え、輸出関連株を中心に売りが拡大した。トヨタは一時6%安、ホンダも5%安となり、自動車株が大きく下落。商社などグローバル企業にも売りが波及し、投資家は企業収益の見通しを急ぎ再点検する状況となった。為替が1円円高になると企業業績を0.7%押し下げるとの試算もあり、円高修正が新たな市場テーマとして意識されている。
さらに、ファナック株が一時19%安と急落したことも市場心理を冷やした。AI関連設備投資の需要は強いものの、部材不足で生産が追いつかず、4〜6月期の売上が市場期待に届かなかったことが懸念を誘った。電機・電子部材の調達難がAI需要の取り込みを阻害するとの見方も出ている。
一方で、悲観一色ではなく、キオクシアなどAI・半導体関連の一角には買いが入り、円高メリットのある神戸物産やニトリ、セリアなども逆行高となった。東京プライム市場では約3割の銘柄が上昇した。
ただし、円相場が155円前後で推移すれば輸出関連株の下落リスクは続くとみられ、当面は為替動向をにらんだ神経質な展開が予想される。急激な為替介入により、AI関連株の本格回復は一旦足踏みし、資金は業績が安定した非ハイテク株へシフトする可能性が指摘されている。
【キオクシア】
本日8月3日の東京市場でキオクシア株は大きく乱高下した。7月31日に発表した2026年4〜6月期決算と7〜9月期の業績予想は、AI向けメモリー需要の拡大を背景に大幅な増収増益を計画したが、市場予想にはわずかに届かず、投資家の強弱感が交錯した。取引では寄り付き後に下落へ転じたものの、その後急反発し、一時11%超高まで上昇するなど荒い値動きとなった。
同社は7〜9月期の売上収益を前年同期比5.3倍の2兆3900億円、純利益を31倍の1兆2700億円と見込む。AIの進化、とりわけ「エージェント型AI」の普及により、大容量データを高速処理するSSD向けNAND需要が急増している。副社長は「NAND需要はまだ立ち上がり段階で、今後も供給を上回る」と述べ、28年3月期まで需給逼迫が続くとの見方を示した。
足元ではメモリー価格が急騰し、4〜6月期の販売単価は前期比70%上昇、営業利益率も72%へ改善した。一方で出荷量は期ずれの影響で伸びが鈍り、売上・利益は市場予想を下回った。アナリストからは「一部の期待値からは下振れしたが、7〜9月期の単価・出荷見通しは想定と大きな乖離はない」との評価も出ている。
キオクシア株は5月の決算発表後に急騰し、6月には上場来高値11万2700円を記録、時価総額は60兆円超とトヨタに次ぐ規模となった。しかし7月以降、世界的なAI・半導体株の調整や投機的売買の増加で急落し、7月末には高値から68%下落。信用取引の追い証発生も下げを加速させた。
長期保有の投資家からは「高値圏では将来需要を過度に織り込んだ仮需状態だったが、今は過熱感が解消され、ファンダメンタルズを踏まえれば買い場」との声もある。会社は最大8000億円の自社株買いと株式分割を発表し、株主還元姿勢を強めた。株価が再び上昇基調に戻るか、市場は見極めの段階にある。
【外国為替相場:日米協調介入】
政府・日銀が7月30日・31日に実施した円買い為替介入は、合計で5兆円規模との観測が市場で広がった。日銀が8月3日に公表した当座預金残高の見通しから推計されたもので、介入による資金移動が民間金融機関の当座預金を大幅に減少させたことが根拠となった。短資会社の予想と日銀見通しの差額から、31日の介入額は約5兆円とみられる。30日の介入も6〜7兆円規模との見方があり、4〜5月の11.7兆円と合わせると、今年の介入総額はすでに20兆円超に達し、過去最高を更新する見通しだ。
今回の介入は米財務省との協調で行われ、円買い方向では1998年以来28年ぶり。円安が過度に進行する状況を是正する「令和のプラザ合意」との評価も出ている。過去の協調介入では短期的に円高が進んだものの、根本的なトレンドを変える効果は限定的だったとの指摘もある。一方で、今回は日米の実質金利差に対する是正の動きとして、150〜152円程度まで円高が進む可能性を指摘する声もある。投機的な円売りが巻き戻されることで年末152円を予想する見方もある。
ただし、米国の支援姿勢は限定的で、円買いトレンドへの本格転換は難しいとの慎重な見方も存在する。スタンダードチャータード銀行は160円への戻りを予想し、介入効果は一時的との立場を示した。
今回の協調介入は市場に大きなインパクトを与え、円相場は155円台前半まで急伸。企業収益の見通し再点検を迫られた投資家は、為替変動を新たな市場テーマとして意識し始めている。円高が続けば輸出企業の業績に影響が及ぶ可能性が高く、株式市場でも神経質な展開が続くとみられる。
【不動産銘柄】
本日8月3日、日経平均株価は前週末比1%安の6万3754円となり、日銀の早期利上げ観測が重荷となった。不動産株は金利負担増への懸念から大きく下落したが、中長期的には不動産各社が保有資産の含み益を開示し始めたことで、株価の上昇余地に対する期待は根強い。
従来、純資産価値(NAV)は賃貸不動産の含み益のみを対象としていたが、最近は販売用不動産や有形固定資産、棚卸資産、海外プロジェクトの含み益まで開示対象が広がっている。三井不動産は5月の決算説明会で、販売用不動産と自社利用オフィスなどの含み益が計1兆3000億円あると公表し、従来の賃貸不動産の含み益4兆円に加え、NAVが15%増加する計算となった。株価が2000円を割り込む場面が続く中、割安感が強まった。
三菱地所も賃貸不動産の含み益が5兆5000億円超に達し、投資家からは棚卸資産やSPC経由の海外事業の含み益開示を求める声が増えている。これらを加味すると税引き後で3700億円規模の含み益が追加され、1株当たりNAVはさらに300円上乗せされる可能性がある。
不動産株は2025年に大きく上昇し、2026年2月には各社が上場来高値を更新した。株高を支えたのはNAVの膨張であり、建築費高騰や金利上昇で新規開発の難易度が増す中、既存資産の価値が相対的に高まった。株価リターンとNAV増減率の相関係数は約0.5と高く、ROEよりもNAVの増加が株価に効きやすい状況となっている。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、前日の長大陽線の後、本日は長い下ひげを引いた短陰線の「たくり線」で終えた。下値では強い買いが入り、下げ渋ることを示した。
33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、不動産(1位)、輸送用機器(2位)、陸運(3位)、石油・石炭(4位)、鉱業(5位)となった。
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AI・半導体関連銘柄が強力に買い戻された 08月01日
昨日の米国株式相場は大きく上昇した(DJIA +613.93 @52,208.06, NASDAQ +679.24 @25,122.18, S&P500 +121.48 @7,437.63, SOX +855.50 @11,302.99)。ドル円為替レートは160円台前半の前日比円高ドル安で動いた。本日の日本株全般は上げる銘柄よりも下げる銘柄の方が銘柄が多かったが、株価指数は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が612に対して、下落銘柄数は922となった。騰落レシオは 120.31%。東証プライムの売買代金は10兆1069億円。
TOPIX +51 @4,003
日経平均 +2,495円 @64,362円
【米国株式相場】
7月30日のNY株式市場は大幅反発し、主要株価指数がそろって上昇した。前日のFOMC後に売られすぎた反動で買い戻しが広がる中、決算でクラウド事業「Azure」の力強い伸びを示したマイクロソフトが急騰し、投資家心理を大きく改善させた。AI関連需要が強く、2026年4〜6月期決算は市場予想を上回り、27年通期のフリーキャッシュフローが黒字維持との見通しも示されたことで、AI投資回収への懸念が後退した。
ダウ平均は613ドル高(+1.18%)と大幅反発し、S&P500も上昇。ナスダック総合は2.78%高と7営業日ぶりの大幅反発となった。市場では「主要AI銘柄が再び相場をけん引し始めた」との声が出た。
半導体株にも強い買いが入り、ラムリサーチが決算を受けて大幅高となったほか、アプライドマテリアルズ、マイクロン、AMDなどが上昇。前日に3カ月ぶり安値を付けていたフィラデルフィア半導体指数(SOX)は8.1%高と、2025年4月以来の大幅上昇となった。
原油価格の下落も相場を支えた。中東情勢の緊迫は続くものの、WTIは1%安の83.59ドルで終了し、インフレ懸念を和らげた。
米経済指標では、4〜6月期GDP速報値が年率1.5%増と市場予想を下回った一方、PCE物価指数は予想通りで、米経済の底堅さが確認されたとの見方があった。前日までダウやナスダックが安値圏にあったこともあり、主力株への買い戻しが入りやすかった。
個別では、ゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレス、JPモルガン、ボーイング、キャタピラー、エヌビディアなどが上昇。半面、セールスフォース、トラベラーズ、ウォルマートは下落した。ナスダックではテスラやAMDの上昇が目立った。
総じて、マイクロソフトの好決算を起点にAI・半導体株が強く買われ、前日の急落から市場は大きく反発した。
【日本株式相場】
7月31日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続伸し、前日比2494円高の6万4362円となった。前日の米国市場でハイテク株が急反発し、特にフィラデルフィア半導体指数(SOX)が8%高となったことで、東京市場でもAI・半導体関連株に海外勢の買いが殺到した。日経平均は一時3500円近く上昇し、6万5000円台に乗せる場面もあった。韓国KOSPIの急伸も海外短期筋の買いを後押しした。
アドバンテストやソフトバンクグループ(SBG)はストップ高水準まで上昇。東エレクは前日の好決算を受けて大幅高となり、村田製作所は決算発表後もストップ高気配のまま値が付かなかった。決算発表を控えたキオクシアも買い気配が続いた。一方、デンソーは部材費高騰で純利益が減益となり急落、第一三共も決算を受けて売られた。
昼休みに日銀が金融政策決定会合で金利据え置きを発表。市場予想通りだったが、前場で買いが先行していた反動から後場は利益確定売りが増え、日経平均は上げ幅を縮小した。7月の月間では日経平均は4カ月ぶりに下落し、下落率は8.13%と3月以来の大きさとなった。
個別では、パナソニックHDが今期純利益予想を2.4倍の4500億円へ上方修正し、AIインフラ向け蓄電システムの伸びや構造改革効果が評価されストップ高気配となった。みずほFGは純利益予想を上方修正し、自社株買い枠拡大も好感され反発した。
総じて、米ハイテク株高を受けた海外勢の買いが東京市場を押し上げ、AI・半導体関連を中心に幅広い銘柄が買われた一方、決算内容に応じて個別株の明暗が分かれた。
【メモリー業界とテック業界】
世界的なAIブームを背景に、米テック大手がデータセンター投資を急拡大し、その資金が半導体メモリー大手に大量に流れ込んでいる。メモリーはAI処理の基盤となるデータ保存領域を担うため、投資拡大がそのまま需要増につながる。キオクシアの河村副社長は「エージェントAIの普及でメモリー需要はまだ立ち上がり段階」と述べ、強気姿勢を示した。
メモリー市場は寡占が進み、DRAMはサムスン電子・SKハイニックス・マイクロンの3社で約9割、NANDはこれにキオクシアとサンディスクを加えた5社で約9割を占める。これら5社の2026年4〜6月期のフリーキャッシュフロー(FCF)は前年同期比92倍の14.8兆円と急増し、同期間の米テック4社のFCFがマイナスだったことから、テックの投資資金がメモリー企業に流れた構図が鮮明になった。純利益も5社合計で24.7兆円と前年同期比16倍に膨らみ、テック大手に迫る規模となった。
背景にはメモリー価格の高騰がある。DRAM・NANDともに前年同期比5〜6割上昇し、データセンター向けだけでなく民生品でも値上がりが続く。各社は増えた現金を元手に巨額投資を進め、サムスンとSKは韓国内で計90兆円規模の工場建設を計画し、HBM(広帯域メモリー)の生産能力を倍増させる。マイクロンも米国内投資計画を40兆円規模に引き上げた。
一方、キオクシアはFCFが7490億円と改善したものの、米韓勢に比べ規模で劣る。設備投資計画も1.4兆円程度と桁違いに小さい。競争力強化の鍵はエヌビディアとの協業で、次世代GPU向けの新型SSDの実証段階に入り、HBMの一部代替を狙う。河村副社長は「シェア競争ではなく技術優位を積み上げる」と述べた。
さらに中国勢の台頭も脅威となる。DRAMのCXMTは約1.6兆円を調達し生産能力倍増を計画、NANDのYMTCは世界シェアでキオクシアに迫る。メモリー需給は逼迫しているが、需要家である米テックの投資姿勢が変われば業績は急変し得る。メモリー大手はAI依存のリスクを抱えながら巨額投資競争に突入している。
【キオクシア決算発表】
キオクシアは7月31日、2026年7〜9月期の連結純利益が前年同期比31倍の1兆2700億円になる見通しを発表した。AI向けデータセンター需要が急増し、NAND型フラッシュメモリーの販売が大幅に伸びている。ただし市場予想(1兆3431億円)には届かなかった。
株主還元策として、10月1日付で1株を3株にする株式分割を実施するほか、最大8000億円・3000万株(発行済みの5.5%)の自社株買いを行う。株価下落で最低投資金額が約400万円と高額になっていたため、分割で投資しやすさを改善する狙いがある。
事業面ではAIデータセンター向け販売が急拡大し、4〜6月期の売上高は前年同期比5倍超の1兆1747億円に達した。販売単価は前四半期比7割上昇し、出荷量も増加。需給逼迫が続くとみられ、27年も高水準の需要が続く見通し。
財務体質も改善しており、かつて1兆円超あった有利子負債は、4〜6月期の急速なキャッシュ創出によりネットキャッシュがプラスへ転じた。従業員への還元として年間500億円の特別加算金も計上した。
なお、4〜6月期の純利益は前年同期比46倍の8421億円だったが、市場予想(9687億円)と会社計画(8690億円)には届かなかった。
【政府・日銀による外為市場介入】
7月30日夜、政府・日銀が円買い為替介入に踏み切り、円は対ドルで一時5円急騰して157円台まで上昇した。しかし31日には再び160円台へ押し戻され、介入効果は長続きしなかった。市場では3カ月ぶりの急騰劇に動揺が広がった。
今回の介入は市場の意表を突くタイミングだった。日銀の金融政策決定会合(30〜31日)の最中で、通常予想される「会合後の円安加速局面」での介入ではなく、前倒しで実施された。片山財務相が「断固たる措置」という強い表現を使わなくなっていたこともあり、警戒感が薄れていた中での不意打ちとなった。
背景にはドル安基調があった。FOMCが金利据え置きを決め、世界的にドル売りが進んでいたため、円買い介入の効果が出やすい環境だった。また、ヘッジファンドの円売り持ち高が膨らみ、反対売買による円買いが誘発されやすかった。
介入規模は6〜7兆円との観測が出ており、日銀の当座預金残高の見通しから推計された。これは4〜5月の過去最大規模(約11.7兆円)より小さいが、ニューヨーク時間帯での実施で市場参加者が多く、一定の効果を狙ったとみられる。
しかし円安圧力は根強い。高市政権の財政運営への懸念が強まり、食料品の消費税率引き下げや予算シーリング撤廃などが財政悪化への不安を招いた。輸入企業のドル買い需要も旺盛で、157〜159円に大量の指し値買いが入っていた。
7月31日には円は160円90銭台まで下落し、介入効果の大半を失った。市場では「160円台定着は避けられない」との見方が優勢で、追加介入への警戒も高まっている。米通貨当局もレートチェックを実施しており、日米協調の可能性も意識されるが、円安基調を覆すには力不足との見方が多い。
総じて、今回の介入は一時的な円高をもたらしたものの、財政不安・輸入企業のドル需要・金利差という構造的な円安要因が強く、円相場は再び下落基調に戻りつつある。
【日経平均日足チャートの解釈】
日経平均の日足チャートを見ると、上ひげを引いたが長大陽線で大幅続伸して、下向きの10日移動平均線の上に僅かなら再浮上した。59,300円辺りの下値支持線を目前に反転した形である。しかし、ここまで大きく調整した後は、半値戻しくらいは想定できるが、過去のパターンではその後はまた売り圧力が増して再び調整モードに戻ることが多い。さて、今回はどう動くか。
33業種中15業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、電気機器(2位)、ガラス・土石(3位)、証券(4位)、機械(5位)となった。
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